「今日は…畑の収穫お手伝いね。
早めに終われば修行にしましょう。」
そう言った私に、3人は不満を口にする。
「なぁ、先生…またこんな手伝いばかりなのか?」
「下忍とはいえ、忍者を畑の収穫お手伝いに駆り出すのは非合理的かと思います。」
「…忍者じゃ無くても…出来る。」
下忍になり2週間。
やはり、不満が爆発している。
「不満は尾獣無しの私から一本取ってから言いなさい。
実力もない癖に口ばかり動かさないの。早く終わらせれば稽古をつけられる時間も増えるのよ?
修行をすれば実力も上がって高ランク任務にも行ける事が分からないの?」
バカなの?死ぬの?と言わんばかりの正論に、3人とも黙る。
白や長十郎の班も似たような不満が出てきているらしい。
2人とも私がシゴいた実力者だ。
武器や忍術を出さずに3人同時に相手をして、実力の差を見せつけてどちらが上か調教しているらしい。
私達は年齢や見た目で判断すれば痛い目にあういい見本である。
一応報告書にも3人が拗ねている事を書いておいた。
3人をシゴいてから白、長十郎と共にAランク任務をその日のうちに終わらせ、帰宅した。
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「今回、モエギ班にCランク任務を言い渡す。
盗賊の討伐又は拘束だ。」
表情に喜びを滲ませた3人。
3人を見るやぐらさんの表情は水影モードだ。
「霧隠れの里付近の森に、10名弱の盗賊が潜んでいる。忍の存在は確認されていないが、武器を持っている。
拘束は出来たらで構わない。…怪我はするなよ。」
「「「「はっ!」」」」
それから忍具の調整などの時間をとり、アジトへと向かった。
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私達は、情報にあった森のアジト上空にいた。
「では、作戦通りに行動して頂戴。散!」
私は今回、手出しは殆どしないしない予定だ。
上から確認し、危なくなれば飛雷神で助けに入る。
降りていった3人は、盗賊達を逃がさぬように簡単な結界を張ってから討伐に差し掛かる。
盗賊の殺気で動けない…なんて事も無く、順調に討伐していく。私が普段から殺気に慣れさせておいた3人は、余程の事が無いかぎり怯む事は無いだろう。
(お、リーダー格は拘束してる…関心関心。)
盗賊の中で、一番拘束した方が良いのはリーダー格だ。
盗賊達がどこに繋がっているのか、他の潜伏している盗賊はいないのかなど、情報を持っている可能性が高い。
15分で全て終わり、私も下へ降りていった。