うずまきモエギ、NARUTO世界に生きる   作:ココスケ

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第20話

この半年弱の間、A、Sランク任務を受けたりやぐらさんといちゃいちゃしたり狂信者を調教したりやぐらさんと会ったりと忙しい日々を過ごした。

 

「今日から貴方達の担当上忍になった、うずまきモエギよ。取り敢えず自己紹介をしてちょうだい。

名前や好きな物、嫌いな物など…好きなように言ってね。」

 

「僕の名前はタスクです。好きな物は…石集めで、嫌いな物は怖いものです。えっと、宜しくお願いします…。」

黄色の髪の男の子。

資料によると性格は気弱で、体術が苦手で忍術はトップクラス。

 

「俺、ミロクってんだ。好きな物は猫で、嫌いな物は玉ねぎ。こいつはペペ、俺の相棒だ!」

茶髪の活発そうな少年は、代々忍猫を育てる家系らしい。今も肩に白猫を乗せている。

体術がトップクラスで座学は後ろから数えた方が早い。

 

「私はユキ。好きな物は修行、嫌いな物は騒がしい人。」

座学、体術、忍術全てでトップを取った女の子。

黒髪をお団子にまとめ、クールな印象を受ける。

 

「3人にはこれから下忍になるための試験を受けてもらいます。」

 

「おい、まて…試験ならアカデミーの時に…!」

「そうです、試験など無駄です。」

 

ユキとミロクは不服そうに声を上げる。

タスクも不安で泣きそうになっている。

 

「アカデミーで受けたものはあくまでも〝アカデミー卒業試験〟よ。

下忍になりたければもう一度試験を受けてもらいます。」

 

「あ、あの…その試験の内容は?」

 

「ん、これよ。」

 

タスクの疑問に私はあるものを取り出した。

赤と青の巻物─2本しかない。

 

「これから三十分、なんとしてでも…殺す気でこれを奪い取ってみなさい。

貴方達と年齢が近かろうが私は上忍。…手加減はしてあげるけど、簡単に取れるとは思わないこと。

巻物は見ての通り2本しかない。だから…強制的に1人はアカデミーに戻ってもらう。

じゃあ、始め!」

 

見えやすいように腰のポケットに巻物を入れ、その場を立ち去る私。

まぁ、鈴取りの巻物バージョンである。

 

3人の気配は…その場で動いていない。

 

「牛鬼、3人は?」

『どうやって取るか相談してるぞ。…あと、ミロクがお前の事弱そうだってさ。』

「よし、後でしめる。」

 

この時、ミロクは謎の悪寒に襲われる事になるのを私達は知る由もない。

 

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「…出てきたらどうなの?」

「さ、流石上忍ですね。…勝負、です。」

 

出てきたのは以外にも気弱なタスクであった。

私はタスクに向き合う。

 

(…三割位の力でいいか。)

 

タスクが動き出す前に、印を結ぶ。

 

「霧隠れの術!」

「うぇっ…ふぇぇ…ううっ…見えない…」

 

めっちゃ動揺してる…霧隠れの術で動揺するって…。

気配を消すこと無くタスクに近づくと、脇腹を蹴って飛ばす。

悲鳴を上げる間もなくタスクは意識を失ったらしい。タスク、死ぬなとミロクが叫ぶ声が聞こえる。

 

…あれ?

 

『お前…手加減下手くそだな…。』

 

取り敢えず霧を払い、状況を確認する。

 

物陰にはワイヤートラップが途中まで設置されており、木の上には動揺して固まっているユキがいた。

 

私はタスクに近づくと医療忍術を掛けて問いかける。

 

「タスクが注意を引き付けてユキが死角の木の上から攻撃し、ワイヤートラップへと誘導。

失敗したけれど、中々連携が取れているわね。

でも成功しても巻物は2本しかないけれど、どうするつもりだったの?」

 

「「「3人で落ちる(ます)」」」

 

「…その心は?」

 

「誰かが犠牲になってチームワークが崩れる位なら、3人で落ちて来年頑張る。」

「誰かを踏み台にして忍者になっても胸糞悪いだけだ。」

「ぼ、僕達は三人一組です。…1人だけ落とすなんて出来ません。」

 

「…3人とも合格よ。

忍びの世界でルールや掟を守れない奴はクズ呼ばわりされる。でも…仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズよ。

同じクズなら自分が守りたい物を守りなさい。

…明日からは本格的に任務を開始する。第2演習場に朝8時に集合。では、解散。」

 

 

カカシ先生の言葉をパクって…代用し、私はその場を立ち去った。

 

私を弱そうなどと言ったミロクは、一週間もの間くしゃみが出そうで出ない謎の症状に悩まされる事となった。


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