うずまきモエギ、NARUTO世界に生きる   作:ココスケ

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第19話

次の日、私達は霧隠れへの帰路についた。

 

墨羽根を全員に出し、飛んで帰ったら慣れていないやぐらさんやウタカタさん、メイさんは酔ったり震えたりして○| ̄|_の状態になっていた。

 

思わずやぐらさんに駆け寄り、頭を撫でてしまう。

 

「あ、水影様が復活しました…」

「流石モエギ様ですね。」

「水影の表情が溶けてるぞ…俺が居ない間に一体何があった…」

 

一連の流れを知らない再不斬は、浦島太郎のようになっていた。

離れていたと言っても、一日、二日程なのだが。

 

「牛鬼、可哀想な再不斬先生に説明してなさい。」

『あいよ。再不斬、俺が説明してやる。』

 

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「おめでとう会?」

「ん、上忍昇格祝いをしようとしたんだが、アイツら(狂信者)が〝モエギ様の片思いが叶ったから豪勢にしなければ〟って張り切ってな。

…どこぞの結婚式場だと突っ込みたい程の所を探してんだ。お前の為に止めようとしたんだが…流石狂信者だな。

話聞かねぇ。」

 

「…ちょっとお話(物理)してきます。」

「なんか途中で変なもん混じって無かったか?」

 

ごちゃごちゃ言う再不斬はさておき…OHANASI(物理)は成功し、ちょっと豪華目のご飯になった。

 

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上忍昇格から2週間。

 

上忍としてさくっとAランク任務を終わらせて水影様に報告をした私達は衝撃の内容を告げられた。

 

「…へ…?」

「えっと…?」

「うん…?」

 

ポカーンとなりマヌケな声を出す私達。

だが、水影モードのやぐらさんはもう一度言い聞かせるように話す。

 

「3人に来年度のアカデミー卒業生…新しい下忍達を受け持って貰おうかと思ってね。」

「やぐ…んんっ、水影様、私達は一応今年忍になったばかりですよ?

確かに上忍ですが…私達は年齢がアカデミー生とたいして変わらないのに…」

「アカデミーからの要望が来てたんだ。努力家で実力者で若くして上忍になり、人格的にも問題ない。

半年弱の間に班長としての経験を詰んだ後、来年から上忍師として頑張ってもらうから。」

 

 

水影決定にそれ以上は言えない。

つまり、来年からは先生と呼ばれるハメになる。

 

…よく考えたら、今までと行動は変わらない。

試験をして信者と同じようにしごき、細かいところは牛鬼に丸投げする。

生徒が狂信者達から普通の生徒に変わり、責任が伴うだけで…。

 

そもそも、上忍になれば高ランクの任務が殆どとなる。

半年ほど頑張れば上忍師として働くため、低ランクの任務が主となる=死亡率が減る?

 

ただ、致命的に威厳と年齢が足らずに舐められやすい気がする。

それもちょっと調教(教育)するだけで問題ない…か?

 

色々考えながら、家へと帰った。

 

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「おかえり、モエギ。お疲れ様。」

「た、ただいま?なんで…」

『お、ショタ影じゃねぇか。お前さっきまで水影ごっこやってただろ?モエギより早くモエギの家にいるってどういう事だ?』

「ショタ影じゃない!水影なの、水影ごっこじゃなくて本物の水影様なの!」

 

ムキになってる…可愛い。

 

『ほら、モエギも可愛いって言ってるぞ?』

「…む…お、俺は大人だからな。心が広いからショタ影などと言われた位では怒らん。」

 

ドヤ顔で言うやぐらさんの頭を撫で、話しかける。

 

「やぐらさん、私より早かった。…なんで?」

「この…可愛いな、こんちくしょう!」

 

頭を撫で回され、抱き寄せられる。

やぐらさんと恋人となり、私の家の合鍵を渡してからというものちょくちょく来ているやぐらさん。

だから、家にいること自体は普通であるのだが…。

 

「飛雷神のやり方を教えてくれただろ?

だから、玄関前にマーキングしといたんだ。」

 

そう、四代目火影の術、飛雷神を教えたのだ。

 

元々木遁飛雷神や墨遁飛雷神という自分の作り出した木の付近、又は墨マーキングの所へ飛べる術は開発していた。

それの応用で普通の飛雷神を使える様になり、それをやぐらさんに教えた所…簡単に使えてしまった。

 

『…モエギの風呂覗くなよ。後で浴室にマーキングが無いか調べてやるよ。』

「な、ななな…そん、そんな事しないし!」

「やぐらさん、覗いちゃダメだよ?」

「可愛いな、モエギは…」

『はい、ストップ!やぐら、モエギちゃんに言う事あるでしょ?』

 

ペシペシと平らな尻尾でやぐらさんの頬を叩く磯撫。

それで我に返ったのか、喋り始めた。

 

「別に大した事じゃないんだが…モエギのチャクラ性質を調べさせてほしいんだ。」

 

差し出したのは、チャクラ性質を調べる紙。

私は頷き、紙にチャクラを流す。

 

当然、全ての反応を示して崩れてしまった。

 

「やぐらさん…」

 

か、固まってる…。

可愛い姿に思わずやぐらさんの頭を撫でる。

それで再起動したやぐらさんは、私の頭を撫で返す。

 

「可愛い…モエギ、可愛い…」

『結局それを口実にいちゃいちゃしに来ただけかよ…』

「ち、違うし…モエギの事をいっぱい知りたいだけだし…甘えん坊のモエギが可愛すぎて甘やかしたくなるだけだし…。」

『それを世間一般ではいちゃいちゃって言うんだよ、やぐら。』

『尾獣に世間一般とか言われてやがる…さすがショタ影。』

「ショタ影じゃないっ!」

「…やぐらさんはショタ影でも可愛いよ?」

「し、ショタ影じゃ無いし…」

「可愛いからいいの。」

 

抱き締めると大人しくなり、抱き締め返してくれたやぐらさん。

 

「俺、一応年上なんだがな…」

 

しょげて可愛い事を言うやぐらさんにキスをして口を開く。

 

「そんなやぐらさんが…好きだよ。」

『いつでもどこでも砂糖を製造しやがって…』

『やぐら…顔が溶けてる…』

 

尾獣達は外野で何か言っていたが、幸せな時間は過ぎていった。


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