「モエギ、俺は…モエギの事が好きだ。
我愛羅に頭を撫でられたモエギを見て、嫉妬した。モエギの事が大好きだから…無茶はしないでくれ。
モエギがいなければ…どうやって生きていけばいいか分からなくなる。」
顔が、熱い。
頭が真っ白になりそうなのを堪え、答える。
「やぐらさん…私も…やぐらさんの事が大好き。
でも…あの時と同じ状況になれば、きっと同じ事をする。
やぐらさんの事が…大切だから、傷ついて欲しくないし、いなくなって欲しくない。」
「モエギ…」
そっと抱き締められてやぐらさんの肩に顔を埋めると、やぐらさんの匂いがした。
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「それにしても…このお菓子、砂糖が多すぎやしませんか?めちゃくちゃ甘い。」
「奇遇だで…儂のブラックコーヒーもいつの間にか砂糖が入って飲みにくい。」
「バカップルはどうしようもないってば…下手に煽らなきゃよかったってばよ…」
「でも、2人とも幸せそうで良かったじゃないか。見てて胸焼けするけど。」
散々な言われようではあるが、ようやく両片思いが実ったのだ。
これでも(私は)自重しているつもりである。
「モエギ、チョコ食べる?」
「モエギ、リンゴジュースとオレンジジュースどっちがいい?」
「モエギ…リスみたい…可愛い。」
私は自重しているが、私をとことん甘やかすのはやぐらさんだ。
私が何かする度に頭を撫で、何もしていなくとも頭を撫でる。
頬を触りキスをして抱き締める。
スキンシップが激しいのは…お互い様だろう。
やぐらさん…幸せそうで可愛い。
頬もフニフニで柔らかいし、髪も柔らかい。
抱き締められると暖かいしいい匂いがする。
「やぐらさん、好き。」
「俺もモエギが好きだ。」
「ふふっ…一緒だ。」
「あぁ、そうだな。」
その日のお茶会は、苦いものや辛いものが全てなくなり、甘い物は残るという異例の事態となった。
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お茶会も終わり、各自部屋へと戻っていく。
部屋の前でやぐらさんに壁ドンをされている私と、うっとりしているやぐらさん以外は。
「モエギ…可愛い。もっと…モエギの事が知りたい…。」
「私も…やぐらさんの事、知りたい。」
周りからのあぁ、またかといった視線は放置し、堂々と砂糖を振りまく私達。
気が済んで部屋に戻ったのは三十分後。
『お前ら…今までの分取り返すかのようにいちゃいちゃしまくってるな…。』
「やぐらさんが好きだから…触れ合いたいだけだよ?」
呆れた様な牛鬼だったが、何も言わず具現化を解く。私も眠くなってしまい、そのままベッドで眠った。