うずまきモエギ、NARUTO世界に生きる   作:ココスケ

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第15話

第四試合が終わり、第五試合に差し掛かろうとした瞬間…大きな蛇が観客席に現れ、あちこちから悲鳴が上がる。

尻尾で近くにいた忍達を一気になぎ倒し、観客は逃げていく。

 

「白、長十郎!」

 

2人にも羽根を出し、一斉に蛇へ飛びかかる。

連携の攻撃により、一瞬で細切れになった蛇。

 

蛇と言えば…保護者(大蛇)丸が咄嗟に思い浮かぶ。

だが、この世界では大蛇丸は指名手配もされていないしS級犯罪者でもない。

木ノ葉の上忍だ。

 

ならば、誰が…そう考えていると、突然その場のチャクラの流れが変わる。

 

「…!五影のいる所に結界が…!」

「モエギ!無事か!?」

「我愛羅…私は大丈夫。五影のいる所に結界が張られた…尾獣の力を借りられないように細工されてる。」

 

上から見れば、五影と侵入者が戦闘になっている。私はその侵入者の1人、赤髪の男性を見て目を見開いた。

護衛達は…ウタカタ以外全員弾き出されたらしい。

恐らく、中に入ることの出来る人間も指定してあるかなり高度な結界。

外の人間が必死に解こうとしているが…封印術特化の人間が付きっきりでようやく解けるような結界だ。

解けそうもない。

 

「何が…目的なんだ…!」

我愛羅の父親も中にいるため、心配なのだろう。

焦りが見える。

 

「恐らく…尾獣、かしら。」

「尾獣?なぜ…」

「波風ナルトは火影の息子、貴方は風影の息子、私は…水影の…まぁ、危機になれば助けに入るような仲ね。

五影を囮に、一尾、三尾、六尾、八尾、九尾の人柱力が一気に手に入る可能性がある。

そうなれば、中忍試験で雲隠れに集まっている残りの人柱力…二尾、四尾、七尾も私達を囮にして奪える。

タダでさえ私達は受験者で体力的には万全では無い。能力に制限を掛けて、弱体化させると…。」

『あの結界の中じゃ、俺も外に出れねぇ。

墨は使えるだろうが、補正は効かねぇから弱体化は避けられん。…どうする?』

「私は行く。…罠でも、やぐらさんを見捨てるくらいなら一緒に…。」

「俺も、父上を助けたい。砂が使えるかは分からないが…」

「使えると思うわよ?多分、その砂は尾獣由来っていうより…まぁ、いいわ。一緒に行きましょ。」

 

 

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薙刀で倒れたやぐらさんに切り掛る所だった赤髪の男性─穢土転生された者の特長的な目をした父、ハクレンの薙刀を受け止める。

 

「モエギ…なんで入ってきた!」

「助けに来たかったから。…お父さん、久しぶりです。」

 

「モエギ…大きくなったな…。…ごめん、隣の奴に…操られてる。抵抗が出来ない。」

「見れば分かります。だから…私が、助ける。」

「済まない。」

 

薙刀同士の戦いが始まった。

キン…と鋭い音と共に、火花を散らす。父の猛攻に、封印術を使う暇もない。

隣を見れば、剣を10本以上も浮かせて攻撃する男。

こいつが、術者。

 

「…ハクレン、止まれ。」

 

男の命令に、父は私から離れた。

私の方へ向き、話しかけながらも各人へ剣での攻撃は辞めない。

あちらは我愛羅が砂で対処してくれているようだ。

 

「親子の感動のご対面を邪魔して悪いが…何故水影を…やぐらを助ける。父親の、仇だというのに。

憎いだろう?お前の父親は、やぐらにころ」

「違う。」

「違わない。お前の父はやぐらを庇って死んだ。殺されたんだよ、やぐらに。

俺の所に来れば、また父親と生活できる。…悪い話じゃない。一緒に五大国を乗っ取ってみないか?」

 

「…父は自分の意思でやぐらさんを助け、人間として死んだんです。

貴方にあやつり人形にされる為に死んだんじゃない!」

 

「そう…だ。やぐらが無事で良かった…」

「くっ…抵抗を…自我は残せんか。命令だ、やぐらを殺せ。」

「金剛封鎖!」

 

私から鎖が飛び出すと、父に巻きついて地面に拘束する。

…自我を無くせば弱体化し、封印も可能になった。

 

「…やぐらさん!」

 

怪我をして動けないでいるやぐらさんの方へ、全ての剣が向かう。

何本かは弾くが…間に合わない。

お腹が、胸が熱い。

 

「…モエギっ!」

 

やぐらさんの焦った声が遠くから聞こえる。

剣が私から引き抜かれ、男が驚いた顔をする。

 

「何故…そこまでする!致命傷を負ってまで助ける!」

「…私は…やぐらさんが…大好きだから…!」

 

息が苦しい。

だが、印を結ぶ。

 

「創造…再生・白毫…の術!」

 

額から模様が全身に伸びて、みるみるうちに傷を再生していく。

驚きで固まっている男を、思いっきり殴りつければ、ドッカーッンと大きな音を立てて沈みこんでしまった。

そのまま封印術を使用する。

 

結界もチャクラを溜めて蹴ると壊れ、護衛達が五影に駆け寄る。

 

「やぐらさん…!」

 

私もやぐらさんに近づき、治療を開始する。

足を切られて脇腹を刺されていたが、致命傷は避けられていた。

額の白毫は消えたが…1日経てば復活するだろう。

 

治療を終えると、ドスッと飛び込んで来た人間が2人。

 

「モエギ様!」

「無事で良かった…!」

 

気持ち悪い位の泣きようではあるが、私の責任でもあるため諦める。

 

『二人共…いい加減離れろ、ウザイし暑苦しい。…モエギに嫌われるぞ?』

 

2人は離れ、私の前へ正座する。

 

「牛鬼…手懐けたわね。」

『俺は適応力が高いからな。こいつらが何を嫌がるかは大体分かる。モエギ、そろそろ眠いだろ?』

「ん…」

 

返事をする前に、意識は沈む。

最後に見えたのは、やぐらさんの心配そうで今にも泣きそうな顔であった。

 




原作の名場面のセリフェ…

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