…だって、好きな物しか書く気が起きないダメ作者ですから。
「はぁ…はぁ…一緒に生きてあげられなくて…ごめんね…ごめん…でも…お母さんは…ずっと、見てるから…牛鬼、この子を…よろしく…ね…。
アナタ、もう、大丈夫よ…私の分まで…よろしくね…愛してるわ。」
「僕も…愛してるよ…この子を、育ててみせるから安心してくれ。…鉄甲封印。」
この日、八尾・牛鬼の人柱力がうずまきグレンから娘であるうずまきモエギへと移った。
出産に耐えきれなかったグレンが息を引き取る直前、牛鬼が引き抜かれてモエギへと封印されたのであった。
「…僕に、人柱力としての適正があれば…この子に重荷を背負わせる必要も無かったのにな…」
悔しげに声を震わせるグレンの夫、ハクレイはそっとモエギを抱きしめた。
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え…人柱力?牛鬼?…え?
両親と思わしき男女が話していた内容には、忍者風魔法使いの漫画の世界に出てくる単語が含まれていた。
駅のホームで押されて電車に轢かれて死んだことは分かる。
記憶を保持したまま産まれた事も…混乱してはいるが、まあ分かる。
だが、漫画の世界に転生?しかも、死亡フラグ満載の所へ?…分かってたまるかである。
そもそも、牛鬼は雲隠れの里のブルービー、又はキラービーに封印されていた筈だ。
少なくとも、赤毛の女性では無かった。
それに、父と見られる人が霧隠れの額宛を付けていた事も気になる。
既に原作崩壊済であり色々と違う事が出てきているとも考えられる。
色々考えていると、上の方から声がかかる。
『なぁ、お前…まさか、さっきの赤ん坊か?』
「う、うん…多分私がそうだと思うけど…。」
『なんで赤ん坊が自我を持ってるんだ?』
「多分、転生者ってやつ。…しかも、NARUTOの世界に。
教えて欲しいんだけど、ここがどこの国か分かる?」
『転生…か。NARUTOが何かは知らんが、色々と混乱しているみたいだな。
ここは水の国、霧隠れの里だ。お前の両親はうずまき一族で、うずまきの国が無くなってから霧隠れにやってきた。
霧隠れとしても封印術に長けたうずまき一族の2人を受け入れた。グレンが俺の人柱力だったって事も大きいが。』
「…なんでうずまき一族に、牛鬼が封印されてたの?」
『そりゃ、木ノ葉隠れと友好国だったからな。
九尾程では無いが、俺のチャクラも普通の奴に封印すれば大変なことになる封印が難しい部類に入る尾獣だった。
だから、封印術に長けたうずまき一族にって訳だ。』
「原作知識ポンコツ化のお知らせ…」
『原作ってなんだ?お前はこの世界を知っているのか?』
「前世の世界で人気だった忍者風魔法使いが闊歩してる世界なら…」
『忍者風魔法使いってなんだよ!?そんな人種聞いたことねぇぞ?
ほら、取り敢えず拳を合わせろ。記憶を読み取って一緒に考えてやる。』
そういって、私の体より何倍も大きな拳を突き出す牛鬼。
それにそっと拳を合わせると、何とも言えない暖かさを感じる。
『お、おう…なんかお前の前世ってすげぇ楽しそうな所だな…。取り敢えず、知識は読み取れた。
この精神世界では、外とは時間の進みが違う。
赤ん坊の間に知識の擦り合わせとチャクラコントロールと基本忍術、医療忍術と…白毫の術を教えてやろう。』
「…白毫の術って、綱手が開発した術じゃないの?」
『元はうずまき一族の術だ。綱手は祖母のミトから教えてもらったから出来ている。
まぁ、うずまきでも白毫を納める事が出来るは限られてはいるがな。
そもそも、白毫の術をうずまき一族が使うのとうずまき以外が使うのでは効果に開きがある。
遥かにうずまき一族の方が向いている。
ここら辺も、お前の知識と違うな。』
「ふーん…ま、死亡フラグも牛鬼がいれば何とかなるでしょ。」
『あぁ。お前は簡単には死なせねぇ。お前の母…グレンとの誓いでもあるからな。
人柱力が死ねば、尾獣も一時的にではあるが死ぬ…だから、俺らは一蓮托生だ。』
「うん!
それに…牛鬼の力を悪用させない。」
うずまきモエギ生後1時間、牛鬼と共に死亡フラグを折る事を決める。