将来の夢はマダオ。   作:ら!

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第三十二話 Gペンは気まぐれ屋さん丸ペンは頑固者羽ペンは我が道を進む

「はーい、注目~!えー、となりの月組の夜神くんのノートがなくなりました。心当たりのある人は先生のところまで来るように。」

 

今朝のホームルームは二階堂悠のその言葉から始まった。それに反応した生徒が挙手する。彼の名前は空智。彼は先日、春日に後始末をさせられて虫の居所がわるかった。

 

「二階堂せんせー!久我くんがノートと羽ペン持ってごそごそしています」

 

たしかに、鉛筆や消しゴムを手にするクラスメイトの中で羽ペンを握る春日は異様だった。

 

「久我くん、そのノートみせなさい。

 

 

えーと、なになに......

 

 

【Bewitch the mind Ensnare the senses Bottle fume Brew glory Put a stopper in】......??」

 

二階堂が英文を読み上げる。が、さっぱりわからない。それは、クラスメイトも同じこと。皆頭の上にクエスチョンマークがあった。その様子をみて春日は説明する。

 

 

「【人の心を操り、感覚を惑わせる技を。名声を瓶の中に詰め、栄光を醸造し、死にすら蓋をする、そういう技を。】

 

......かの偉大な教授の言葉だ。

このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な化学と、厳密な芸術を学ぶと耳にしたので予習をと思って。」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇ!!?ちょっとマニアックすぎて先生わかんないんだけど!!とかいって分かるぼくはポッタリアン!!これ、ホグ⚪ーツの話だよね?!エクスペクトパトローナムゥゥゥゥ!!」

 

「このクラスでは杖を振り回すようなバカげた事はやらん。故にこの授業は魔法かと疑う諸君が多いかもしれん。」

 

「......おーい。もしもし?久我くん。

......なんかいきなり演説が始まったんだけど。なんか呪文叫んだ先生恥ずかしくなったよ。」

 

春日の演説はまだまだ続く。

 

「フツフツと沸く大釜、ユラユラと立ち上る湯気、人の血管の中をはいめぐる液体の繊細な力

心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力、諸君がこの見事さを真に理解するとは期待しておらん。我輩が教えるのは、名声を瓶に詰め、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法だ。ただし、我輩がこれまでに教えてきたウスノロ達より諸君らがまだましであればの話だ。

 

ところで諸君ら、何故教授の偉大なるお言葉をノートに書いていないのかね?」

 

「いやいや、いまは魔法薬学の時間じゃないからね?久我くん。たとえ、ポッタリアンの血がうずいても、ここは日本だし、いまは隣の月組の夜神くんのノートをね、」

 

「マダオ、君の無礼な態度にグリフィンドールは一点減点。」

 

「なんでだぁぁぁぁぁぁぁ!!!君たちもなんで羽ペン持ってんのぉぉぉぉ!!?鉛筆で我慢してくださいッ!!!

 

あれ、空智くんんの様子が......!?」

 

 

二階堂が視線を横にずらすとノートを広げた銀時がいた。

 

「やっぱ持つべきものはジャンプだ。主人公だからって、ゴムゴムやら、かめはめ波やら、必殺技持ってんのにおれだけないって不公平だろ。毎回力まかせに戦うのはだりぃし。痛いし。銀さんだって、ラクして勝ちたいんだコノヤロー。最近はPTAが煩くて乱闘シーンも控え気味だったが、これなら文句ないだろ。

 

 

 

 

 

 

 

そしておれは新世界の神となる」

 

 

それはデ⚪ノートだった。ノートの表紙には【夜神】とかかれてある。

 

「銀さんは職員室集合な。」

 

---------------

 

「というわけで、ショッピングモールいくぞ、銀時。」

 

ノートを弁償するために、春日と銀時。

 

「唯世くんとデート......!!」

 

あこがれの唯世とのデートのために、日奈森あむ。

 

「日奈森さんと、ガーディアンの買い出し」

 

ちょっと意識する、辺里唯世。

 

「.........」

 

しっぽをゆらす大きな黒猫。

 

「ガーディアンを尾行せねば......!」

 

気分は忍びの、三条海里。

 

ショッピングモールに個性豊かな、ある意味問題のあるくせ者が集結する......!

 


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