将来の夢はマダオ。   作:ら!

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第二十九話 ミルクは人肌の温度で

人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。 何かを得るためには、それと同等の代価が必要になる。それが、錬金術における等価交換の原則だ。

 

 

その頃ぼくらは、それが世界の真実だと信じていた。

 

 

 

痛みを伴わない教訓には意義がない。

 

「こんな......

 

 

 

こんなはずじゃ............

 

 

 

 

畜生ォ持っていかれた...............!!

 

 

おれの全財産んんんん!!」

 

 

人は何かの犠牲なしに何も得ることなどできないのだから。

 

 

 

 

「だからやめておけといったのに。バカだなぁ銀時。」

 

お気づきかもしれないが、今回のオープニングはどこかで聞いたことのあるナレーションだ。某錬金術漫画を思い出す。ご安心を。銀魂から某錬金術漫画にシフトチェンジではなく、銀魂的お約束、パロディーです。銀魂のことがきらいでも錬金術はきらいにならないでくださいィィィィ!

 

それはさておき、春日と銀時はふたり仲良くパチンコ台の椅子に座っていた。銀時が文字通りすっからかんになるのはそれほど時間がかからなかった。

 

「なんでだ?等価交換の原則はどうしたんだオイ!プラマイゼロどころか、マイナスじゃねーかよォォォォ!!」

 

「さすがだな、銀時。等価交換の法則なんざカンタンにひっくり返しやがる。」

 

 

対する春日は得意気な顔で銀時をみた。春日の画面はフィーバー、つまり、当たりがきていた。そもそもギャンブルに等価交換も何もないが。

 

「パチンコで稼いでしばらく部費にまわすか。お!きたきたきたぁぁぁ!」

 

数日前、ガーディアンに夏休みだというのに呼び出され、×たま狩りを手伝わされた。三条海里から無駄が多すぎるとのことで部費を削られた。ものつくり部は意外とお金がかかる。設備の維持管理。新たなるトラップの設置。ロボット開発。とにかくお金がいる。普通の部活動なら部費は足りるはずたが、無駄遣いが多いせいか、ちゃらんぽらんなせいか、明日の活動もままならなくなっていた。

 

正直に言おう。こんな小学生みたくない。普通の小学生ならこんな手段を考えつかない。だが、春日は中身が大人なマダオ希望の小学生だ。そして、銀時もマダオ。ふたりがそろえば自然とパチンコ店へ足が向かう。

 

「『ありえない』なんて事はありえない。逆転の発想だよな。あの頭が固いガーディアンなんざ見返してやる」

 

 

--------------

 

一方、そのガーディアンは、Aチェア、結城ややの自宅にてミーティングをしていた。ややの弟、つばさの面倒をみながら、×たまについて意見交換をしていた。

 

結城ややは甘えん坊な赤ちゃんキャラ。アルバムがつばさが生まれて薄っぺらくなったことに不満を持っていた。甘えん坊なややが、【お姉ちゃん】になる。

 

不満を抱きつつも、つばさのお世話を頑張るややをみて、あむは少し自分と重ねてみていた。【お姉ちゃん】という言葉はくすぐったい。照れくさくなる。両親に頼られて、【お姉ちゃん】と呼ばれる。妹が初めてしゃべった言葉が【お姉ちゃん】だったことを思い出していた。

 

突如、つばさの容態が急変し、病院へ向かう。つばさの治療の間、重々しくあむが口を開いた。自分の4つ目のしゅごたまに×がついたこと。それはいまほしな歌唄の手もとにあること。代わりに歌唄のしゅごキャラ、エルがやって来たこと。

 

あむが語り終えたとき、ガーディアンのみんなはあむを励まし、一緒にあむの×たまを探すことを約束した。

 

 

-------------

 

「......やっぱ、パチンコだけじゃ、無理があるよな」

 

春日の手には1枚のプリントが握られていた。

 

【全国小学生ロボットコンテスト

 

優勝 金一封

 

主催(株)イースター社】

 

 


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