将来の夢はマダオ。   作:ら!

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第十六話 昔の武勇伝は三割増で話せ、盛り上がればいいんだよ、盛り上がれば

二階堂悠は、大量の×たまのエネルギーからエンブリオを人工生成する機械の研究を進めた。

 

そして、それは研究の成功をまさに目前に控えていた。

 

 

 

--------------

 

 

 

 

連れ去られたスゥを助けるため、春日と銀時、ガーディアンはかけだした。

 

 

--------キャラチェンジ!

 

「いくぞ、銀時!」

 

「へへっ、わかってらぁ!そこどけ、コノヤロー。万事屋銀ちゃんのお通りだぁ!」

 

木刀を片手に春日は先頭を走った。ガーディアン一同の目が見開かれる。

 

「キャラ持ち?!」

 

「春日っちもこの子たちみえるの?!」

 

「ただ者じゃないとおもってはいたけど......」

 

「それで×たまを知ってるワケか!」

 

「久我くんがキャラ持ちだなんて心強いよ......!」

 

上から、あむ、やや、なでしこ、空海、唯世が反応した。

 

「......いいか、よくきけコノヤロー!場所はB地点空き家だ!

 

 

おまえら、フォーメーションAでいくぞ」

 

春日の指揮にガーディアン一同はそれに従おうとしたが、ある一点に気づく。

 

 

「「「「「フォーメーションなんていつ決めたぁぁぁぁぁ!!」」」」」

 

--------------

 

 

 

空智くんを覚えているだろうか。

 

彼は春日からの指示でストーカーとしての能力を活かし、二階堂悠の居場所を突き止めていた。そして、先程の電話で春日に報告した。指示する際には〔藤咲さんのために〕と念押ししていたため、情報の伝達速度は上々だ。空智くんの返事は「御意っ!」と敬礼のポーズだ。ちなみに報酬はなでしこのプロマイドである。

 

日奈森あむを勧誘する際もそうだったが、春日となでしこの手段はよく似ている。ふたりの関係は冷戦状態だか、案外、気が合うのかもしれない。

 

だが、そう簡単には進ませてくれないらしい。途中、イースターの妨害にあい、二階堂悠のもとにたどり着けたのは、あむと春日と銀時、ラン、ミキだけだった。

 

--------------

 

「「「スゥ!!」」」

 

扉をバンと開け放ち、あむとランとミキは駆け寄った。

 

「......よぉ、二階堂。」

 

「......やっと、名前を覚えてくれたのかい?でも、一足遅かったね。久我くん。それとヒマ森さん。

 

......そういえば、キミは世界を救いに行ってたんだろう?」

 

言外にドラ⚪エ休暇をしていた春日を指摘した。

 

「あぁ。だが、目の前に泣きそうな顔してるやつをほっとくほど、落ちぶれちゃいねぇよ。

 

二階堂、おまえこそ何してんだ?その歳で誘拐なんてして、そのうち文⚪砲でも喰らうつもりか?......世間の目は痛いぜ?」

 

 

二階堂は「はは、こりゃ手厳しいね。この周辺地域はもちろんイースターが根を張ってるし、こどもたちのこころのたまごからエンブリオをみつけようなんて夢は捨てて、やつらとうまく共生していくだけだよ」と笑った。

 

スゥの救出に向かうあむと春日に、二階堂は実験装置のコントローラーをつきつけた。

 

 

「無傷で捕まえるなんざはじめから無理とは承知の上さ、犠牲の一つでも出なきゃアイツらはわからない!

 

 

腐ってようが、ぼくはぼくのやり方でエンブリオをつくる!

 

 

 

それがぼくの道ってやつだ!」

 

 

それからあむの快進撃が始まった。キャラなりのオンパレード、あむのターンだ。もちろん、春日も戦ったが、あむのキャラなり劇場にその活躍は霞んでしまった。最後にあむはスゥとのキャラなり、アミュレットクローバーになり、リメイクハニーを決め、フィニッシュ!

 

戦いに敗れた二階堂に春日は言葉をかけた。

 

「おまえ、ロクな人生送ってきてねーだろ。

 

まぁぼくも変わんねーか。人様に胸はれるような人生送っちゃいねぇ。

 

まっすぐ走ってきたつもりが、いつの間にか泥だらけだ。

 

だが、それでも一心不乱に突っ走ってりゃ、いつか泥も乾いて落ちんだろ」

 

その春日の励ましは、たしかに二階堂の心に届いた。

 

 

二階堂になついていたスゥに銀時が近寄った。

 

「俺ぁしらねーよ。面倒見るならてめーで見な。おめーの依頼料にそいつの分はキッチリいれとくからな。あ、《万事屋銀ちゃん》で頼むぞ。」

 

スゥは、銀時の後ろ姿につぶやいた。

 

「ありがとうですぅ、銀ちゃん。

 

 

依頼料は、ショートケーキで払いますぅ」

 

--------------

 

「あ、ありがと、久我くん」

 

「あぁ。

 

 

実はガーディアンに尻尾、つかまれちまってよ。

 

 

おまえから口利きしてくんねーか?」

 

「そ、それとこれは......!」

 

あむにガーディアンのサインを要求する春日の姿があった。なでしこの言った通り、簡単に動かない、やはり思惑があった。

 

「ほら、今なら、辺里の写真もついてくるぞ?」

 

「うっ!」

 

「......ボク、この光景デジャヴを感じる」

 

「あむちゃん、つられちゃダメだよ!ファイトー!」

 

「なでしこちゃんも久我くんもあむちゃんもよくわかってますぅ」

 

 

 

二階堂がイースターをリストラされ、彼が路頭に迷う日はそう遠くないだろう。

 

 


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