将来の夢はマダオ。   作:ら!

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第十三話 テレビとか新聞とかちゃんと見ないとダメだって

さてさて、時は春日がドラ⚪エ休暇を取得したころに戻る。

 

日奈森あむはジョーカーとして×たま狩りに励んでいた。

 

アメリカに転校する少女やバレエの少女のこころのたまごを守った。ほしな歌唄のライブでは残念ながら、それはできなかったが。彼女はガーディアンのなかで唯一キャラなりができ、なおかつ×たまを浄化することができる。

 

春日が部活創設を企んでいる間に、日奈森あむもまたエンブリオをめぐり、イースターと戦っていた。

 

事態が急変したのは、つい先日の体育のこと。自身のしゅごたまを二階堂悠にまんまととられてしまった。

 

二階堂悠の正体は、イースターの手先だったのだ。彼は教師として、学園に潜り込み、エンブリオを狙っていたのだ。

 

ガーディアンや占い師、冴木のぶこの協力もあり、彼女の3つのたまごのうち、ラン、ミキは取り返せたが、スゥはいない。

 

以上が春日がドラ⚪エに勤しんでいた間の日奈森あむの怒とうの日々だ。

 

 

--------------

 

「......二階堂といえば、久我くんが何か知っているかも」

 

そう呟いたのは藤咲なでしこだ。彼女は春日が創設したものつくり部の顧問が二階堂悠だったことを思い出した。

 

「...久我くんってダレ?」

 

しゅごキャラたちの頭の上でクエスチョンマークがおどる。

 

〔久我春日。五年星組所属。ものつくり部、部長。成績優秀、艶のある黒髪ストレートと整った容姿は一目置かれている。死んだ魚のような目が特徴的。神童と称された小学生。現在は狂乱の貴公子と恐れられている。〕

 

狂乱の貴公子。

 

それは日奈森あむも聞いたことがあった。いつも教室でひとり、つまらなさそうに窓の外を眺めていたり、まるで近づくなといっているかのような冷たい空気をまとっていたり。

 

「じゃあじゃあ、その春日っちに会いにいけばいいってことだよね!」

 

明るい声を出すのはAチェアの結木やや。

 

「おぅ!なら、突撃するか!」

 

にかりと笑うのはJチェアの相馬空海。

 

「日奈森さん、久我くんに聞いてみよう」

 

手を差しのべるのはKチェアの辺里唯世。

 

「いきましょう、あむちゃん」

 

Qチェアの藤咲なでしこの声にあむは顔をあげた。その顔は、不安気だが、確かに希望の色があった。

 

「......あの久我くんがそう簡単に協力してくれるかしら」

 

ロイヤルガーデンに藤咲なでしこのこぼした声は誰も聞こえなかった。

 

 

--------------

 

「御用改めだぁ!ものつくり部ならびに久我春日。お前は包囲されている!」

 

そう啖呵を切ったのは結木やや。ガーディアンの最年少ながらスピーカー片手に声を張り上げた。

 

「ややちゃん、待って!」

 

なでしこの静止の声を聞かず、いつまでたっても出てこない春日にしびれを切らしたややは、ものつくり部の部室のドアに手をかけた。

 

 

 

数秒後、ややの悲鳴があがるのは、この部室が春日と銀時の手によって、改造された故である。

 

 

「......そうは簡単にいかせてくれないわよね、やっぱり。」

 

なでしこはひとり、ため息をついた。だが、その顔は好戦的であった。


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