転生4回目の男が行くバカテス(ただし、ヤンデレからは逃げられない)   作:KEY(ドS)

1 / 7
バカテス面白すぎて、おもわず書いた。


もちろん、ヤンデレがでる。




4度目の正直(だが、無意味だ)

文月学園。

 

テストの点数重視で、テストの点数次第で

クラス分けが行われる場所。

 

A~Fクラスまであり、

 

そこでは、高校二年生から聖杯せ、ではなく、

テストの点数で戦いあう、『試召戦争』が行われる学園だ。

 

 

テストの点数で競い合いあうというのは、すなわち、

お勉強ができなければまともに戦えないということだ。

 

 

こうしてのうのうとモノローグを語っているが、

今、俺はそんな文月学園にいる。

 

 

 

・・・・・Fクラスに。

 

 

そして、俺は俗に言う前世を持つ『転生者』だった。

 

 

目の前で演説を繰り広げるのは、ガタイの良い赤髪短髪の

不良っぽい坂本という男子生徒。

 

 

そんな坂本を睨みながらも、真剣に話は聞いている男子生徒、

吉井。

 

 

この物語は、フィクションです、なんて前振りは創作物でよくあるが、

またこうして二次創作の世界に来るとは思わなかった。

 

 

思い起こすのは、前世でのこと。

 

 

 

1回目は、海で戦う女の世界。

 

2回目は、空で戦う女の世界。

 

3回目は、陸で戦う・・・とはちょっと違うが、

おおむねそんな感じの女がたくさんいた世界。

 

 

それら3つの世界を駆け抜けた。

 

いや、本当に思い出しただけでも・・・・。

 

 

「だ、大丈夫ですか・・・?」

 

震えながら声のした方を見ると、

そこには桃色で、ロングヘアーの女の子が

俺のことを心配そうに見つめている姿が見える。

 

 

 

だいじょうぶ、あんしんしてくれ、というと、

「なら、いいですけど、無理はしないでくださいね?」

と言って演説している坂本の方に向き直る彼女。

 

 

この子は、この物語の主人公である、吉井のヒロイン、

姫路だ。

 

 

このFクラスに存在する唯一の女子・・・・ではなく、

2人の女子のうちの1人である。

 

もう一人は、今、俺の横で吉井とじゃれあっている・・・・

というか顔を赤らめて吉井にプロレス技をかけている女子、

島田だ。

 

ポニーテールが似合う美少女なのだが・・・・その・・・

暴力的に見えてちょっと敬遠している。

 

 

まあ、話してみたら普通にいい子だったのだが。

 

で、坂本の演説が終わり、俺たちは試召戦争に参加することとなった。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・へいわって、すばらしい・・・!!

 

 

 

「おぬし、なぜ泣いておるのじゃ・・・?」

 

 

涙ぐんでいる俺の隣にいるのは、どうみても美少女にしか見えない

美形の秀吉という男子生徒だ。

 

気にするな、ちょっと平和とはこんな素晴らしいものだったのか、

と感動しているだけだ。

 

 

苦笑いする彼をよそに、俺はこの学園に来た経緯を思い出す。

 

 

 

 

 

 

「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ・・・!!」

「おや、おや・・・。」

 

 

真っ白な空間。

 

紺色のジャージに、黒の靴下、白のスニーカーを履いている俺は、

息を切らしながらも顔をあげ、目の前の女に言ってやった。

 

 

「賭けは俺の勝ちだああああっ!!」

 

 

両手を天井にあげて、バンザーイと喜ぶ。

 

 

 

俺の名は、田中浩平。

 

3回転生した男である。

 

俺を3回も転生させやがった黒幕、それが俺の目の前にいる、

金髪ロング、白ビキニのグラマラスなモデル体型の女だった。

 

 

 

俺は、死んだ。

 

かつて、地球という星でのほほんとサラリーマン生活を送っていたが、

生活習慣病で死んでしまったのだ。

 

 

低賃金の仕事についていて、コンビニの食べ物ばっかり食っていたのが

原因と目の前の女からは聞いた。

 

初めてこの空間に来たときには、一体なんのジョークかと思ったが、

何の冗談でもなかった。

 

いま、ネット小説ではやっている異世界に転生する小説みたいに、

何か神様とやらの不手際で殺されて、そのおわびとしてここの呼び出されたのか。

 

そう考えると、目の前の女はクスクスと、と俺を明らかに見下して笑い、

否定する。

 

 

『そんなわけないでしょう。わざわざ、私たちみたいな神が、あなたのような

ちっぽけな虫けらを殺したところで気に掛けるわけもない。・・・あなたの

自業自得です。あなたは、自分の責任で死んだんです。』

 

 

目の前の神をちゃっかり自称する女の言葉を受け、思わず握り拳を作ったが、

死んだ原因が自分にあると聞いて思わず俯く。

 

 

・・・うそだろ?

 

 

そして、俺はその時思いっきり叫んだ。

 

 

 

 

 

パソコンに入っているエロ画像、残ったまんまだああああああっ!!!

 

 

ゴミを見るような目で女神が見下ろしてきた。

 

 

 

 

 

試召戦争前に行う、点数補充のテスト。

 

 

そのテストを受ける俺たちFクラス。

 

その中に、当然俺も混じっている。

 

カリカリ、とシャーペンを右手で掴みながら、

答案を用紙に答えを書いていく。

 

 

あの女神が言っていた転生条件を思い出す。

 

 

 

ーーーーーいいですね。本当にすばらしい。

 

 

ーーーーーー私、あなたみたいに不細工で、どうしようもなく鈍くて、

 

 

そんなひどいことをいうあの女に、やはり我慢ならず、

デコピンの1発でもくれてやろうと思ったが、その先の言葉を聞いて、

思わず固まった。

 

 

 

ーーーーーーーーー優しい人、すきですよ?

 

 

顔が熱くなっていくのがわかる。

 

思わず右手で自分の頬に触れる。

手に熱さが伝わり、自分が赤面していることに気が付くと、

もっと顔が熱くなる。

 

そしてまた、クスクス、と笑う彼女。

 

なんだ。

なんだこの女?

 

困惑していると、彼女がすっと右手を前に差し出し、

指をみっつ立てる。

 

ーーーーーみっつ。

 

は?

 

思わず素で聞き返す。

 

そして、とんでもないことを言い出す女。

 

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ーーーーー3回転生するなら、転生させてあげます。

 

 

・・・・・・・は?

 

意味が分からない。

 

なぜ?なんのために後3回も転生をしろなんて・・。

 

いや、そうか。

そもそもこれは何かのドッキリだったのか。

 

自分の頬をつねってみるも、痛いだけで、

夢から覚めるといったこともなかった。

 

ひりひりと痛む頬を左手で抑えつつ

目の前の女の話を聴く。

 

 

ーーーーー単純なことですよ。あなたが、もがき、苦しみ、あがき、

 

 

つか、つか、と俺の傍まで一歩一歩歩み寄ってくる女。

顔が絶世の美女レベルの造りだったので、思わず目をそらすと、

両頬をがっちりと両手で抑えられ

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーキスされた。

 

 

 

!!??

 

 

 

 

しばらくそうしていると、顔が離される。

 

何が起きたのかわからず、緊張で立ち尽くす俺。

 

 

ーーーーーーーーーーーーあなたって、本当にうぶですよねぇ・・・・。

 

 

うふふ、と笑う女の横に真っ黒なブラックホールのような穴が渦を巻きながら

現れる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーいってらっしゃい。

 

 

まて、俺は転生するなんて一言も・・・。

 

 

どん、と穴に両手で突き飛ばされ、吸い込まれていく。

 

 

 

 

 

ーーーーーーいずれ、おかえりっていって出迎えるその日まで、ね。

 

 

 

女のそんなつぶやきが聞こえた気がした。

 

 

 

で、その3回の人生を生き抜いた俺は、

見事女神のもとに帰ってきた。

 

 

俺は勝ったのだ。

 

 

はははははははは。

 

 

とあるウィッチと、ちっちゃな戦車乗りに教わった、

本場仕込みのコサックダンスを壊れたテンションで踊りながら

歓喜する。

 

 

 

「-----やっぱり。」

 

 

そんな俺をじーーーっと見つめてくる女神。

 

 

・・・・あ、あれ?

 

なんか様子がおかしいような・・・?

 

 

そして、俺の両手をがっちりと掴んで言った。

 

 

 

「-----じゃあ、4回目ですね♡」

 

 

絶句する俺。

 

 

また、穴に突き落とされる。

 

 

浮遊感を感じながら、上を向くと、

ハイライトが消えた瞳で、あの女が、

前世であった女子たちのような顔をしながら、

俺をじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・ているのか?

 

 

 

「おいっ!!!」

 

 

誰かの呼びかける声で、はっとなる。

 

思わず持っていたペンを落としてしまった。

 

机から落ちたそれを、慌てて拾おうとすると、

目の前にいる、大男が拾ってくれた。

 

 

「とっくに他の奴らは行ってしまったぞ。

お前は行かなくていいのか?」

 

その言葉に我に返り、あわてて教室の外に出る。

 

 

校内のあちらこちらで聞こえてくる、

喧騒の声。

 

 

空中に表示される点数。

 

 

 

Fクラス 模仏 雑魚  科学  34点 VS Dクラス  栗田  昭雄 化学  70点

 

 

倍近い点数差がある相手に勝てるはずもなく、あっさりとやられていくFクラスども。

 

 

「戦死者は補修だあああああっ!!」

「ぬあああああっ!!」

 

 

泣きながら、さっき会った先生、西村先生に担がれて、

補修教室に連れていかれる。

 

で、そんなことがあり、今度は俺が他のDクラスに囲まれることに。

 

 

周りを取り囲む3人のDクラスの生徒たち。

 

ニヤニヤとした笑みを浮かべ、召喚獣を召喚していく。

 

 

・・・・・・まっずい。

 

非常にまずい。

 

 

冷や汗を垂らす俺を、囲まれて焦っていると考えたやつらが、

嘲笑しながら言ってくる。

 

「ほらほら~。さっさと召喚獣を出しなよ~。」

「戦いを申し込まれたら、ちゃんと受けるのがルールなんだから。」

 

ああ、その通りだ。

 

 

俺は、この3人に勝負を挑まれてしまった。

 

 

だから、もう戦うしかない。

 

 

観念して召喚しようとすると、後ろから誰かによく似た、

馬鹿っぽそうな顔つきの、学ランを着て、木刀を両手に持っている

召喚獣が、3体の召喚獣をあっという間に倒してしまう。

 

 

で、戦死したDクラスの3人が西村先生に連れていかれる。

 

 

「いやだーー!!」

「こんなモブっぽいやられかたはいやじゃあああっ!!」

「運ばれるなら、グラマーなお姉さんがいい!!」

 

 

・・・・・。

 

 

 

「大丈夫?」

 

そういって俺の傍に近寄ってくる、吉井。

確か、この学校で一番のバカ、だとは言われているが、

中々どうして強い。

 

にしても、わざわざ俺を助けてくれたのか。

 

 

思わず彼の頭をなでる。

 

 

「わっ!?わわわわっ!?なっ、なにっ!?」

 

そして、髪をくしゃくしゃにしてやると、

「僕のヘアースタイルがあああっ!!」と顔芸している。

 

 

ありがとよ。

 

それだけ言って、俺は廊下を立ち去る。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・お礼を言われた。

初めて僕を馬鹿にしない人にあった気がする・・。」

 

 

 

 

吉井の独り言が聞こえてしまい、思わず泣いた。

 

 

 

 

 

 

で、紆余曲折あって、Dクラスを撃破したFクラスは快進撃を続け、

とうとうAクラスとの戦いが始まる。

 

 

 

Aクラスは、この学校で最強クラスの学力を持った人間たちが

集まるクラスだ。

 

 

不動のNO.1霧島翔子はもちろん、他のメンツもぶっ飛んでいる。

 

 

わかりやすく戦力差を例えていうならば、こちらがドラゴンボールの桃白白

だとしたら、あっちは界王拳を使える強さの悟空である。

 

 

つまり・・・・・万が一にも勝ち目はない。

 

 

そう、まともにやったらだ。

 

 

坂本の策によって、FクラスとAクラスはなぜか五回勝負の一騎打ちをすることとなる。

 

 

いやいや、なんで戦力差をもってぶっ潰そうとしないのか、とAクラスの代表の顔を見ると、

坂本のことをじっと見つめている。

 

 

 

・・・・ああ、あの顔は、恋する女の顔だ。

 

 

 

思い出すのは、前世のあいつら

 

 

『・・・・ケッコンしてください。してくれなかったら

心中します。』

 

 

『・・・街中で、他の女の人と話しているのを見たんですけど、

何かの間違い・・・ですよね?』

 

 

『・・・・おもしろい冗談ですね。ずっと一緒にいてくれるんですよね?

あ、懐に隠し持っていたニッパーナイフが。』

 

 

あ、やめてくれ。

 

やめてくれ、と頭を抱えてうずくまる。

 

 

秀吉とかにガチで心配され、それを手で制して、

へーきへーき、と返す。

 

 

うん、大丈夫。

 

 

もう、あんな病んでいる女たちに追いかけまわされることはない。

 

 

だから、落ち着け。

 

 

俺は、Aクラスとの5番勝負に入っていないので、

グラウンドから一人離れ、屋上まで移動する。

 

 

結末を知っている俺からすれば、あとはもう何の価値もない。

 

 

 

・・・・ん?あれ?

 

 

自分の目がおかしくなったのかと思い、目をこする。

 

 

・・・・・校門のところに、うちの制服を着た女子が複数いる・・・?

 

 

 

 

かろうじてそれだけはわかったが、遠すぎて顔はわからない。

 

 

が、Fクラスの男どもが群れていくところを見るに、

相当な美少女でもあるのか。

 

こんなイベントは、なかったはず。

 

そうあごに手をあてて考えていると、視線を感じる。

 

 

校門の方からだった。

 

 

 

・・・・ぞくり、と体が震える。

 

 

この、なめまわすような視線は・・・・。

 

 

心臓が止まりそうになり、倒れそうになったが、

体に力を入れてなんとか踏ん張り、屋上の出口めがけて走る。

 

 

階段を降り、Fクラスの教室に入り、自分の鞄を持ち、

肩に掲げて走る。

 

 

大きな造りの木の扉を開け、中にいた一人の女性の元に歩みよる。

 

「・・・・・・あんたは一体誰さね?うちの生徒の様だけども。」

 

 

理事長。お話があります。

 

 

俺は、ルーズリーフの用紙を1枚取り出し、

ペンを持ち、その場で速筆で書き上げた手紙を彼女に渡し、

告げる。

 

 

 

 

・・・・・・転校します。

 

 

「意味がわからんから却下。」

 

 

俺は、泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

「雄二。田中君知らない?」

そう僕が雄二に言うと、ん?と首を傾げる。

 

「なんだ?食い詰めて金でも借りようっていうのか?」

「違うからね?!ちゃんと水と塩は取っているから!!」

 

それは、食べているのか・・?と驚愕している雄二が

気を取り直して告げる。

 

 

「いや。見ていないな。・・・・・そういえば、あいつとあんまり

話したことないんだよな。お前、話したことあるのか?」

 

そう聴かれ、思わずどもる。

「え?あっ、ああ。・・・・ちょっとだけだけどね。」

「ふーん。」

 

それだけ言って興味を失ったのか、両腕を組んで

黙って目をつむる雄二。

 

 

「無視っ!?ひどくない?!」

「うるせえっ!!どこにいんのか考えてんだよっ!!」

 

 

綺麗な右ストレートを顔にもらう。

あいたたた・・・・。

相変わらずの不良めっ。

 

 

 

「あー。そういえば昨日、Aクラスとの戦争が終わったときには、

あいつだけいなかったな・・・。」

 

 

俺は翔子に引きずられてたがな、と遠い目をする雄二。

あんな美少女に好かれて、一体なにが不満だというのだろうか。

 

ポケットからカッターを取り出して、目の前の裏切り者を

断罪しようとすると、ガラッと、Fクラスのドアが開く。

 

「ん?誰・・・・。」

 

 

ドアの方を見た雄二が言葉を失う。

 

何だろうと思って僕も見ると、そこには・・・。

 

 

 

「お、はよう・・・・。」

 

 

ミイラみたいにパッサパサに枯れている、田中君が

しんどそうにドアにもたれかかりながら立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・転校生?

 

 

「そうさね。うちと協力関係にある、外国の

研究機関からの、ね。・・・・ああ、年はあんたと同じくらいさね。」

 

 

辞表を提出しに行き、却下された俺は、

なぜか理事長の話を聴いていた。

 

豪奢な机に座り、両ひじをたて、顔の前で両手を組みながら話し続ける。

 

 

 

「うちへの資金援助をしてくれるところさ。・・・・交換条件があるが、

その条件ってのが」

 

留学生という名の、監視者の受け入れ、ですか。

 

そうそう、と俺の答えに満足する彼女。

 

 

 

なぜか、さきほど校門から感じた嫌な視線のことを思い出す。

 

気になったので、つばをごくりと飲み込み、落ち着いてから

いつ留学生が来るのか尋ねる。

 

・・・その人たちはいつ、いつ来るんですか・・?

 

「今日さ。」

 

 

脱兎のごとくドアまで走る俺を見て、「一体どうしたのさねっ!?」

と理事長が叫ぶが、気に掛ける余裕もない。

 

この嫌な予感は、前世でも感じていたものだ。

 

ドアノブに手をかけ、がちゃりと回し、ドアを引く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・ミ・ツ・ケ・タ。」

 

 

目の前をみると、そこには、深淵のごとく闇に染まった

瞳を持つ、少女たちがいた。

 

 

俺は、ゆっくりと意識を手放し、地面へと倒れ込んだ。

 

 

 

 

 

 

思い出したくない。

 

 

体中にキスマークまでつけられ、Fクラスのモテない

男たちからは嫉妬の目を向けられる。

 

 

チャキッ、チャキリッ、とどこに隠し持っていたのか、

光物をだしていく。

 

 

彼らが俺に、カッターナイフの刃を投げようとしたとき、

俺の後ろから声がかかる。

 

 

 

「-----------提督?」

 

凛とした、きれいなソプラノボイス。

 

 

恐怖で体を震わせていると、後ろからもう一人の

女子に抱き着かれる。

 

 

「えへへ・・・・♥」

 

 

さきほどまで、あんなに怨念のこもった顔で俺を見ていた

Fクラスの奴らが呆気に取られている。

 

 

・・・・・美人だからと言って、油断してはいけない。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺は前世で、文字通りこいつらに死ぬほど追いかけ回された。

 

 

 

そして、Fクラスを見渡し、自己紹介する二人。

 

 

「どうも、こんにちは。Sクラスに編入しました留学生の加賀と申します。」

「同じく、赤城です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

理事長室で、気絶した俺が目を覚ますと、そこは知らない天井とベッドだった。

 

 

 

・・・・・本当に知らない。

 

 

白のベッドから起き上がり、あたり見渡すと、

何もない部屋だった。

 

広さは六畳程度で、床はフローリングされている

茶色の床。

 

頭をひねっていると、がちゃり、とドアが開けられる。

 

 

そして、入ってきた人物たちの顔を見て、言葉を失う。

 

 

「おはようございます。」

 

 

見覚えのある、顔、顔、顔。

 

 

呆然としていると、彼女立ちに取り囲まれる。

 

 

みや、藤?赤、城?加、賀?西、住?

 

震える指で彼女たちの方を指さすと、

満足そうに微笑むのだった。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・私たち、Sクラスは、Fクラスに試召戦争を申し込みます。」

 

 

ざわわ、とざわめくFクラス。

 

そして、坂本が叫ぶ。

 

 

「馬鹿なっ!!Sクラス!?聞いたことねえぞっ!?」

「それはそうです。だって。」

 

 

「今日、できたばかりだからだ。」

 

 

野太い声のする方を向けば、そこにはやたらガタイの良い、

大男が。

 

あ、西村先生だ。

 

「鉄人っ!?どういうことだ!?」

「西村先生とよべ。・・・・今、言ったとおりだ。

Sクラスというクラスは、先日転校してきた留学生によって

作られた特別クラスだからな。」

 

そう。

 

そうなのである。

 

 

本来、原作のこのストーリーにおいては、Sクラスなど存在しなかった。

 

 

が、何の因果か、できてしまった。

 

 

理不尽にもほどがある。

 

 

「だとしても、俺たちは先日Aクラスと戦争を終えたばかりだ!!

だったらできるわけも・・・・。」

 

 

「理事長からの許可は降りている。」

 

 

ざわめく教室。

 

・・・・・え?

 

 

きょか、おりているの?

 

 

原作と、ちがう、これ()

 

 

「全く持って遺憾だ。お前たちに補修を受けさせてやる、

と活きこんだ次の日にこれだからな・・・・。本来なら、

認めないが、特別な事情から、してもらうことになる。」

 

 

ははは。

そうか。

はははははははは。

 

笑いがとまらない。

涙もだ。

 

 

 

彼女たち二人から逃げるように、俺は床を這って進み、

Fクラスのみんながいるところまで逃げる。

 

 

そんな俺の背中に感じる、視線。

 

 

「・・・・・もし、私たちが負けたら、

私たちとあなたたちFクラスの設備を交換してあげましょう。」

 

おおおおおおおおおおおおっ!!!

とさっきとは別の意味でざわめく教室。

 

坂本や、吉井たちもやる気満々になっている。

 

 

・・・・負けたときは、どうなるのだろうか。

 

もう、予想はついていたが、そう考えずにいられなかった。

 

 

そして、次に赤城が告げる。

 

 

「・・・・・もし、私たちが勝ったら、

彼、『田中浩平』をSクラスにいただきます。」

 

 

 

しん、となる教室。

 

 

がくがくと震える俺。

 

 

さすがに、困惑する西村先生。

 

 

「おい、お前ら。それは、校則いは」

「なにか?」

 

ハイライトの消えた瞳に見つめられ、

固まる西村先生。

 

 

がんばれっ!!あなただけが頼りなんですっ!!

 

戦争になったら、軍略の神様と呼ばれた西住姉妹や、

じつは単体で最強の戦力である宮藤を相手どらないと

いけなくなるんですっ!!と心の中で叫ぶ。

 

 

 

が、女神はいても、神はいなかった。

 

 

両腕を組み、はあ、とため息をつく西村先生。

 

 

「・・・・俺が、他の先生たちを説得してやる。今回だけだぞ。」

「感謝します。」

 

 

俺は泣いた。

 

 

「私たちは、必ず彼をいただきます。・・・かならず。

すぐに、あなたの赤城がまいりますから、待っていてくださいね♡♡」

 

ね?あなた♥♥と投げキッスして去っていく赤城。

俺のほうをめちゃくちゃなごりおしそうにチラ見しつつ、

恥ずかしそうに同じく投げキッスし、帰っていく加賀。

 

 

 

そして、Fクラスのやつらに取り囲まれる。

 

 

 

「「「「「「「「なにか言いのこすことは?」」」」」」」」

 

 

ふっとため息をもらし、あぐらを組んで地面に座り、

きりっと真顔で言う。

 

 

「・・・・・・そろそろ、家庭的で、病んでいない女と付き合いたいなぁ・・・・・。」

 

 

 

「「「「「「「「裏切り者には死をっ!!」」」」」」」」

 

 

この後、めちゃくちゃリアルファイトした。

 

 

結局、負けても俺がSクラスに移るだけだから、

じゃあ、やるか、という坂本の言葉によりSクラスと戦う羽目になった。

 

 

 

 

・・・・・・なあ。俺の理想の女は、家庭的な彼女は、どこ?

 

 

Fクラス VS Sクラスの戦争が一週間後に行われることに決まった。

 

あれから次の日。

 

自室のアパートで目を覚ます。

 

 

六畳の大きさしかない、ぼろっちいアパートだ。

 

体を布団から起こすと、隣でパンツにワイシャツという姿の女が

寝ているのが見えた

 

 

 

・・・・・・・・・・・・。

 

あ、腰がいたいっ。

 

今日は学校を休むか。

 

 

布団にもぐり、寝返りをうつと、また別の女が反対側で寝ているのに気が付く。

 

 

というか、一体何人の女が布団の中に入っているのかわからなかった。

 

周りにも、勝手に布団をいつの間にかしいていて、そこに寝ている

ウィッチとかもいる。

 

 

むくり、と俺は起き上がり、窓をがらがらっ、と開けて

叫ぶ。

 

 

 

 

「------どこかにぃっ!!エロすぎずぅっ!!絶対に病まない優しい

女の子はおりませんかぁぁぁっ!!?」

 

 

 

 

太陽が、黄色く見えた。

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛する女の子たちとあえて、あの人も喜んでいるみたいですね・・・・♥」

 

 

「ねーよ!!」

 

 

 

 

こんどこそおわり

 

 

 

 




あと、1話くらいは続くかもしれない。

補足


主人公
名前は田中浩平。
あまりぱっとせず、地味な人生を送っていた男。
とある女神に見初められ、ほしがっていた女を
与えられる・・・・のだが、狂気を孕んでいる
女ばかりがよってくることに。

試召戦争には手を出さず、のんびりと
子供たちを見守ろうと思っていたが、
自分が賞品になるとしって急変。


家では前世からの付き合いである彼女たちに
搾り取られまくっているので、せめて学校くらいは
別々に過ごしたい、という切実な願いのため。


もし、彼が負けたら、Sクラスで毎日彼は(検閲)


女神

悪戯好きな女神。
おもちゃを探していたら、面白そうな男を見つけた。
好きなものを、好きな相手に与えるのが、愛情です、
だとは彼女の談。


転生してきた世界
お察しの通り、3つの世界は、海、空、陸の
作品から。


ヒロインたち
みんな、愛が重くっていい子たちばかりです(思考停止)


KEY(ドM)




▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。