無意識の恋   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は紬視点を入れてみました。

 それではどうぞ!


第66話 ご主人様兼弟子

side真

 

地霊殿

 

さとり「あ、お帰りなさい」

 

こいし「ただいま」

 

真「疲れた…色々と」

 

紬「え?何で?」

 

真「誰の!誰のせいだ!誰の!」

 

紬「痛い!痛い!やめて!」

 

 俺は紬の両頬をつねる。

 

さとり「で、私達はそう言えば自己紹介してなかったわね。私はこの地霊殿の主の古明地 さとり。この子は妹の」

 

こいし「古明地 こいしだよー!真は私のものなんだからね!」

 

紬「分かった!分かった!」

 

お燐「あたいは火焔猫 燐」

 

お空「私は霊烏路 空」

 

紬「私は紬。刀で一応神様。よろしくね」

 

 そう言えば、ここには龍生が居ないな…まだ目が覚めてないのか?

 

龍生「ふぁ…いやぁ…まこっちゃん、強く…なっ…た…ね…誰だ!」

 

紬「ちょっと待って!落ち着いて!」

 

 なぜか龍生が紬を見るや否や龍生が臨戦体制に入る。

 

龍生「まぁ、良い。お前は誰だ?」

 

紬「私は紬。刀で一応神様」

 

龍生「俺は刻雨 龍生だ」

 

 そして龍生は臨戦体制をとき、こんなことを聞いてきた。

 

龍生「刀ってさっきまこっちゃんが使ってた刀の事か?」

 

真「そうだけど」

 

龍生「名前は?」

 

真「妖刀【神成り】だけど?」

 

 妖刀って聞いた瞬間、全員こいし以外距離を取る。

 

紬「…真…やっぱり私を捨てたいなら好きにして…私が一緒に居たら迷惑だと思うし」

 

真「【神成り】」

 

紬「え?」

 

 そして紬は刀になる。

 

真「これで、俺を刺して死ぬようだったら、この刀は見境なく殺す刀と言う事だ」

 

 そして俺は自分の胸に【神成り】を向けながら言う。

 

紬『いや』

 

真「この刀の呪いってのは俺の能力を貫通するらしい」

 

紬『いやだ』

 

こいし「ダメだよ!自分からそんなこと!」

 

真「じゃあ行くぜ」

 

紬『いやだー!』

 

 ざくっ

 

 そして刀は俺の心臓に綺麗に突き刺さる。

 

 そして俺の意識は飛び、床に倒れる。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side紬

 

真「【神成り】」

 

紬「え?」

 

 何でこのタイミングで?

 

 ああ、そう言うことか…私は刀の状態でどこかに捨てられるんだ…

 

真「これで、俺を刺して死ぬようだったら、この刀は見境なく殺す刀と言う事だ」

 

 え?

 

 何をする気?

 

 そして私を真は自分の胸…丁度心臓辺りに向ける。

 

紬「いや」

 

 心臓に刀なんかが刺さったら確実に真は死んでしまう。

 

 絶対に呪ったりとかはしないけど、心臓に刺さったら誰でも死んでしまう。

 

真「この刀の呪いってのは俺の能力を貫通するらしい」

 

紬『いやだ』

 

 殺したくない…

 

 やっと現れた、ずっと待ち続けていたご主人

 

こいし「ダメだよ!自分からそんなこと!」

 

 そうだよ!こいしちゃんの言う通りやめてよ。

 

 だけど真の耳には届いていないようで

 

真「じゃあ行くぜ」

 

 そしてどんどん真の胸が近づいてくる。

 

紬『いやだー!』

 

 ざくっ

 

 気がついたら私は真の胸に刺さっていた。

 

 そして真は(まぶた)を閉じて力無くその場に倒れる。

 

 そして私は急いで自力で元の姿に戻る。

 

 自力で戻れるのはご主人様が意識を失っている状態。寝ている時や気絶している時…それか…ご主人様がこの世に居ない状態。

 

 少なくともただ寝ている訳じゃ無いと思う。

 

 となれば二番目か三番目

 

 二番目はとても確率が低すぎる。

 

 考えたくもないけど…やっぱり…

 

 私は人間の姿になってすぐに真に駆け寄る。

 

紬「真!真!何で!何でそんなことをしたの!」

 

 初めて香霖堂で出会った時

 

 妖刀だって聞いて怖がるどころか面白いと言っていて不思議な奴だと思った。

 

 そして修行で、1度煽ってみたら意外と霊力が量も質もよかった。

 

 あの半人前の奴よりももっと良いのを教えたいなと自然に思ってしまった。いつもはこんなことはしないのに

 

 そして、真が要領が良くて一発で成功させ、しかも応用スペルを作ってしまった。

 

 教える度、どんどん強くなる真。そしてそれを喜ぶ真。それを見て私までもが嬉しくなる。

 

紬「私はお前にまだ教えたいことがあるんだよ!だからこれからも私のご主人様兼弟子であり続けてくれ!」

 

 そして私は涙を流す。

 

 分かっていた。生物の心臓に攻撃が入ったらどうなるかを。

 

 認めたく無かった。ただそれだけ。

 

紬「真…」

 

 私はうつむき、ただ涙を流す。

 

 その時

 

「ありがとう。俺のためにそんなに涙を流してくれて」

 

 私の頭に暖かいものが触れた。

 

 手だ。

 

 その手の主を確かめようと顔をあげる。

 

「はは。俺はあの程度じゃ死なない」

 

 真が私の頭に手を置いていた。

 

真「ふぅ…俺の能力を知らない紬には心配をかけたな。俺の能力は【都合の良い状況を作り出す程度の能力】と【致命傷を受けない程度の能力】だ。つまり一撃死はあり得ないと言う事だ」

 

 え…って言うことは…

 

 急に顔がカァ~~~っ!て熱くなっていくのが分かった。

 

 今、私はものすごく赤くなっているだろう。

 

真「しかし…嬉しいな…あそこまで心配してくれるとは」

 

紬「いつから…いつから意識を取り戻していた」

 

真「うーん…そうだな…「私はお前にまだ教えたいことがあるんだよ!」の辺りから?」

 

 恥ずかしい部分の台詞はすべて聞かれてる!

 

紬「仕方がない…こうなったからにはちゃんと責任を持って私が真を(ほうむ)り去らなくては」

 

真「ええ!」

 

 こうなったら消すしかない。

 

真「落ち着いて!」

 

紬『もう一回刀の突きをくらえー!』

 

真「やめて!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side真

 

数分後

 

真「はぁ…はぁ…」

 

紬「はぁ…はぁ…」

 

 まさか、自分の武器に殺されかける日が来るとは思わなかった。

 

龍生「真が死にそうになってそこまで悲しむんなら殺される心配は無いんじゃないか?」

 

さとり「そうね」

 

こいし「そうだよ!」

 

 と言う感じで一件落着したんたが、お次は紬の部屋についての話題が出た。

 

さとり「早速だけど、部屋割りを決めます。なので紬は真の部屋で良い?」

 

真・こ「ダメ!」   紬「いいよ」

 

 んな!

 

 紬はそれで良いのか?

 

真「紬は良いのか?男と女だぞ?」

 

紬「私と真は(おとこ)(おんな)である以前に私と真って主従関係じゃん?更に刀と人間だから大丈夫」

 

真「俺、いつお前のご主人様になったっけ?それと刀と人間ってところに一番身の危険を感じる。意味深と言う意味ではなく命的な意味でだ」

 

 何が危ないかって?

 

 少しでも機嫌を損ねたら斬りかかってきそうで怖い…

 

紬「それとも…そう言うことをするの?」

 

真「しねーよ!お前にそんなことをしたらお前に斬られそうだし、第一にこいしに殺されてしまう」

 

紬「分かってるじゃん。だけど私を近くに置いていないと奇襲とかに対応出来ないでしょ?」

 

真「はぁ…もういいよ…疲れた…好きにしろ」

 

紬「やったー!」

 

 と、紬は喜んで居るが、俺としては早くこの話を終わらせて、明日の修行に備えて早く寝たいところなのだ。

 

こいし「そう言えばさ?明日も修行に行くの?」

 

真「ああ、」

 

こいし「ついていって良い?」

 

真「良いけど」

 

 別に面白いもんじゃねーのにな。

 

 そしたらこいしはすこぐ笑顔になって喜び始めた。

 

 まぁ、こいしの目的は監視だろうし、良いんだけどな。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

冥界

 

こいし「ここって」

 

真「そう。ここは冥界だよ」

 

こいし「えぇっ!」

 

 俺達は冥界にあるとてつもなく長い階段を上っていた。

 

紬「疲れたよ」

 

 だが、俺はこれを修行の一環だと思っている。そのため、だいぶここにはなれてきて飛べるんだが、俺は一歩一歩踏みしめて上っていく。

 

紬「す、すごいね…いつもこんなに辛い思いをしてるなんて」

 

 神様にさえ疲れさせる階段…恐るべし

 

真「さて、見えてきたぞ。白玉楼だ」

 

 そして俺は一番上の階段にたどり着く。

 

 あとから二人も到着する。

 

 こいしは久しぶりに来たので少し興奮気味で周りを見渡している。そして、今はただの木と()した西行妖を見て青冷めている。

 

 紬は初めて自分の足で白玉楼を歩いているため楽しそうだ。

 

 と、そこに妖夢が来た。

 

妖夢「あ、おはようございます…あれ?一杯居ますね?こいしと…誰ですか?」

 

 と、一回妖夢はこいしと会ったことがあるみたいで聞かなかったが、紬とは初対面のため、紬が誰なのかは知らないのだ。

 

紬「私は紬。刀で一応神様。よろしく」

 

妖夢「ん?刀とは?」

 

 まぁ、初対面だったらこうなるよな。

 

 だから実際に紬が刀になるところを見せることにした。

 

真「こう言うことだ。【神成り】」

 

 そして紬は光り、刀の姿になり俺の手に収まった。

 

 それを見た妖夢は「えぇぇっ!」っと驚いてのけ反っている。

 

妖夢「すごい刀ですね。あ、私は魂魄 妖夢です。って知ってますよね?」

 

紬『うん』

 

真「じゃあこのまま修行を始めるぞ。今日も頼む」

 

紬『任せてくれ!その代わり、ちゃんと成功させてね?』

 

真「ああ、当たり前だ」

 

 そして俺は刀を構える。

 

 沢山あるそこら辺の大岩を妖夢に許可を頂いた状態で斬り刻んで見たり、素振りしたり、スペルを放ってみたりした。

 

こいし「すごい」

 

妖夢「なぜか分からないけど、独学でどんどんと強くなるんですよ。まるで誰かに教えてもらってるみたいに」

 

 「まるで」とか「みたい」とかじゃなくて、本当に教えてもらってるんだよな。この神様(相棒)

 

紬『よそ見は禁句。いつも修行は命をかけた戦闘だと思えと言ってるでしょ?』

 

真「ああ、ごめん!はぁぁぁ!」

 

 カキンカキンと岩を切る度高い音が鳴り響く。

 

 俺はこの修行が好きだ。

 

 修行をすれば強くなるし、大切な人を守る力も手に入れられる。教え上手な相棒も居て、最高の修行環境だと思う。妖夢、霖乃助、紬にはとても感謝しきれない位に感謝している。

 

紬『そろそろ休んだらどう?余り1度にやり過ぎると、逆に体を壊すよ?』

 

真「だな。紬」

 

 そうして紬の名を呼び、それに答えるように【神成り】は紬に戻る。

 

 そして戻った紬は「ふぅ…」と可愛らしく息を吐く。

 

 意外と刀の時って窮屈らしい。人間の時は常時霊力を消耗するけど人間の姿の方が楽みたいだ。

 

 それと紬には霊力の他に神力ってのがあるみたいだ。

 

 何で両方あるの?と聞いたけど適当にはぐらかされた。

 

紬「ん~。はぁ…。妖夢はいつものえーと…博霊神社争奪戦の会議にそろそろ行くんでしょ?」

 

妖夢「はい…乗り気にはなりませんが」

 

紬「博霊の巫女を見たい!」

 

 ああ、そっか、紬は今までずっと刀で居たから霊夢には会ったことが無いのか。

 

真「じゃあ、修行も一段落したし、皆で会議に行くか」

 

紬・こ「うん!」

 

妖夢(あぁ~…何でこんなに乗り気なんだ?)

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

博霊神社

 

真「そろそろ着くぞ。戻すぞ」

 

紬『着いたらにして』

 

真「ったく、お前が白玉楼の階段が嫌だって言うから刀で運んでやってるのに結局ここまで俺が運んだじゃねーか」

 

紬『テヘッ』

 

 そして俺は博霊神社の階段を上っている途中で歩みを止めてどす黒い笑顔でこう言う。

 

真「確か、お前はご主人様が意識のある間は自分の意思で姿を変えれないんだったな?」

 

紬『な、何をするつもり?ま、まさか!捨てないで下さい!お願いします!』

 

 そして俺は【神成り】を大きく振りかぶる。

 

紬『私が悪かったから!何でもしますから!』

 

 そして俺はピタッと止まる。

 

 ん?今…

 

 そして俺は刀を振りかぶるのをやめて自分の前に持ってくる。

 

真「お前今、何でもするって?」

 

紬『言ってない』

 

 可愛い声で言ってきた。

 

 くそっこいつと言う刀は!

 

真「よし、この刀を売って金にしよう」

 

紬『ごめんなさい!』

 

 俺達がそんなやり取りをしていると、二人は不思議そうにしていた。

 

 そりゃそうだ。

 

 他人から見たら俺はただ一人で喋ってる奴になるんだからな。

 

妖夢「それより、早く行くよ」

 

 ちっ、今回は許してやる。

 

 紬も妖夢の助けが入りホットしている。

 

こいし「むぅ…」

 

 こいしは俺達を見て、唇を尖らせている。可愛い…

 

 こいしが嫉妬しているのも可愛いよね?何が可愛いかって俺にたいしてやきもちを焼いてくれている事だよね?

 

 そして博霊神社の境内が見えてきた。

 

 そしたら霊夢が俺達の本に駆け寄ってきた。

 

霊夢「妖夢、待ってたわ。ってなんか一杯居るわね?真と、こいしね。こいしいらっしゃい。真は今まで何をしていたのよ!」

 

真「ごめんごめん。あと、もう一人紹介する人が居るんだ」

 

霊夢「ふーん。どこに?」

 

真「ここだ。紬」

 

 俺がそう言うと、【神成り】が紬になった。

 

 それを見た霊夢はさぞかし驚いて……いない!?

 

霊夢「そう言うことね」

 

 さすがクールな霊夢さん。お賽銭の事では狂ったようになるのにこう言うことではさすがクール

 

紬「私は紬。刀で一応神様。よろしく」

 

霊夢「私は博霊 霊夢。よろしく紬」

 

妖夢「で、魔理沙は?」

 

 すると奥の方から魔理沙が出てきた。

 

魔理沙「おお、今日はなんだか一杯居るなぁ?お!真も来たのか!それとこいしと…誰だ?」

 

紬「一応女…何だよね?」

 

 と、魔理沙を見ながら紬は苦笑いをしながら俺に聞いてきた。

 

 そうすると魔理沙は少し怒った様子で

 

魔理沙「なんだよ!どこからどう見ても女だろうが!」

 

霊夢「そう言う台詞は女っぽい口調を使うようになってから言いなさいよね」

 

 すぐさま霊夢からツッコミが入った。

 

魔理沙「だから、女っぽい口調ってなんだよ!」

 

 魔理沙はいつもの通りである。

 

紬「私は紬。刀で一応神様。よろしく」

 

魔理沙「私は霧雨 魔理沙だぜ。普通の魔法使いだ」

 

 と、いつものを終えて本題に

 

真「今日は紬が霊夢に会いたいって言ったから来たんだ」

 

霊夢「ってか、あんた今まで何をしていたのよ!」

 

魔理沙「それは私も気になるんだぜ」

 

 やっぱりそこを聞いてくるか…まぁ、もう隠すことはしなくて良いんだけどね。

 

真「修行」

 

霊夢「なんでよ」

 

真「霊夢、夢想封印、魔理沙、マスタースパーク、俺、補助…おけ?」

 

魔理沙「訳が分からないんだぜ」

 

霊夢「つまり攻撃技が欲しかったのね?」

 

 さすがだな霊夢はすぐに理解してくれるから楽でいい。

 

魔理沙「そう言う事だったのか?」

 

 漸く魔理沙も理解出来たようだ。

 

妖夢「で、話が終わったならいつもの始めるよ」

 

霊夢「そうね。始めましょう」

 

魔理沙「絶対勝つんだぜ!」

 

 そうして霊夢達の『いつもの』が始まった。




 はい!第66話終了

 あと少しで争奪戦開幕。

 早くて次の話。遅くてもその次には争奪戦に入りたいですね。

 それでは!

 さようなら

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