無意識の恋   作:ミズヤ

63 / 100
 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は急展開がありますのでご了承下さい

 それではどうぞ!


第63話 刀にふさわしい者

side真

 

地霊殿

 

 俺は暫く白玉楼で修行したあと地霊殿に戻って来た。

 

 修行したあとってだけあって腹がめちゃくちゃ減っている。

 

 飯があったら飛び付かずには居られない位

 

 そして飯を食いに行くと

 

真「なに…これ」

 

 いつも料理はさとりが作ってるらしいんだが、今回の料理はなにかが変だ。

 

 何が変なのかと言うと、

 

 まず色が変だ。

 

 ホワイトシチューの筈がパープルシチューになっている。

 

 ガッツリ紫だ。

 

 どうしたらこんな色になるんだろうか?

 

 体がヤバイものだと察知している。

 

龍生「あ、まこっちゃん、お帰り…」

 

 俺より早く来ていた龍生が苦笑いしながら俺に言ってきた。

 

 分かる。その気持ち分かるよ。

 

真「どうしてこうなったんだ?」

 

龍生「ああ、それはな?」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

回想side龍生

 

 俺が廊下を歩いているとこいしちゃんがうーんうーんと唸りながら行ったり来たりしていた。

 

龍生「ん?どうした?こいしちゃん」

 

こいし「あ、龍生?どうしてここに?」

 

 どうしてって、俺もここに暮らしてるんだから居てもおかしくないだろ。

 

龍生「で、こいしちゃん。悩みとかあるのか?唸ってたけど」

 

こいし「それは…真が機嫌悪いみたいだから、何か機嫌を直す方法は無いかな?って」

 

 あいつが機嫌を直す方法か…

 

 そう言えば「この一ヶ月に一回しか食べられないこのシチューが俺の励みになってるんだ!」「お、おう、そうなのか?まこっちゃんの好物ってシチューだったのか?」「まこっちゃん言うな!」って会話をした気がする。

 

 そしてどんなに機嫌が悪くなってもシチューを食べたら「はぁ…幸せ」って言ってたな。もしかして俺の親友ちょろいんじゃ無いか?

 

 とりあえず、これを試さずにはいられないな。

 

龍生「そうだな…あいつ、シチューがものすごく好きなんだよ。前「最近シチュー不足だ…補給しなければ俺が死んでしまう」って言っていたからもしかしたらシチューを食べたら機嫌を直すんじゃ無いか?」

 

こいし「本当に?じゃあお姉ちゃんに言ってくるね」

 

龍生「待ったこいしちゃん!真も男だ。彼女に作ってもらった方が嬉しいんじゃ無いか?」

 

こいし「そうなのかな?」

 

龍生「本当だ」

 

こいし「分かったよ!頑張ってみる!」

 

回想side龍生終了

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side真

 

龍生「あれ?俺、かなりヤバイことをしてしまった?」

 

真「ま、まさか、こここ、これはこいしが?」

 

龍生「そうだ」

 

 あれ?俺の彼女、料理出来ない子なの?

 

 そして俺はもう一度禍々(まがまが)しいパープルシチューを見る。

 

 見るだけで目が潰れそうだ。

 

こいし「あ、真!お帰り!真の好物がシチューだって聞いて作ってみたよ!」

 

 そう言って禍々しいオーラの出ているキッチンからこいしが出てきた。

 

こいし「あとね。なんかお姉ちゃんにシチューの味見させたら急に倒れたんだよね」

 

 さとり…ご愁傷様…

 

 さとりには気の毒だな。

 

こいし「じゃあ食べよう?お姉ちゃんは部屋に寝かして来たし」

 

 椅子ではお燐とお空が小刻みにプルプル震えている。

 

お空「ややや、ヤバイよお燐。私たち、死ぬの?今日が命日?」

 

お燐「おおお、落ち着くのよお空。気を保つことが大切だよ」

 

 そして俺達もこいしに()かされ、椅子に座る。

 

 そして今、俺の目の前にシチューがある。

 

こいし「どうぞ!召し上がれ」

 

 や、やばい。心臓がばくばくしている。

 

龍生「ま、まこっちゃん…正気?」

 

 うおおおおお!こうなったら自棄(やけ)だ!

 

真「やってやるぞ!」

 

 そしてシチューの入った器をもって

 

真とこいし以外「真!」

 

 一気に口に流し込む。

 

 そして飲み込む。

 

 周りが静まり返った。

 

 しかし、空気の読めないこいしは

 

こいし「どう?美味しい…かな?」

 

 薄れていく意識の中、俺は

 

真「おいし…かったよ…あり…がとう…ゴフッ」

 

 そして俺は吐血して椅子ごと倒れる。

 

真以外「真!」

 

こいし「真!しっかりして!真!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

数時間後

 

 恨みたい…俺の能力を恨みたい…

 

 恐らく、俺の能力は毒物での即死も打ち消したようだ。

 

 ってか、体が一切動かない…力が入らない。

 

 なにこれ笑えない。

 

龍生「おーい!まこっちゃん!生きてるか?」

 

真「ああ、生きてるぞ!残念ながらな」

 

龍生「おお!目が覚めたんだな。いやー、しっかし勇者だったな。あのシチューを一気に流し込むとか、正気の沙汰じゃ無いよな」

 

真「そのせいで体が動かないんですが」

 

龍生「いやー、あのあと永琳先生に来てもらって見てもらったところ、あのシチューからは硫酸や硝酸と同じくらいの反応が出たらしい」

 

 なにそれ、劇薬じゃ無いですかやだー。

 

 なに?俺の彼女。素で劇薬を作ってしまうんですか?

 

 怖い…

 

龍生「あと、暫くは安静にだそうだ」

 

真「それは困る!」

 

龍生「ん?何が困るんだ?」

 

 しまった!

 

 修行をしていることは内緒なんだった。

 

 こいつには一回バレたけど、それ以降言ってないからね。

 

龍生「とりあえず安静にだ」

 

 こんなときに休んでたまるかよ。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

次の日

 

 よし、誰も見ていないな。

 

 俺は正面から出ていったらバレるかも知れないので窓を開けて飛び立った。

 

 俺はいつも以上にバレないように気をつける。

 

 今日は少し体が動くから大丈夫だ。

 

 そして漸く飛んでいると白玉楼見えてきた。

 

真「おーい、妖夢!」

 

妖夢「あ、真?どうしてそんなにフラフラしているの?」

 

真「気にしないでくれ」

 

 そうして、昨日のように霊力を操る修行を開始する。

 

妖夢「昨日から比べたら上手くなりましたよ!」

 

 おお、褒められると意外と嬉しいな。

 

 そして更に霊力を操り腕に流し込む。

 

 あれ?視界が歪んで…

 

 しかし俺は首を振って仕切り直す。

 

妖夢「おお!出来てますよ!」

 

真「よっしゃ!」

 

 そして俺はガッツポーズをきめる。

 

妖夢「それが出来るなら次は剣に霊力を注いでみて下さい」

 

 そして俺は言われるがままに手から剣に霊力を移す。

 

 そしたら剣が赤くなって小刻みに震えだした。

 

 そして

 

 パリーン

 

真「え!?刃が割れた!」

 

妖夢「剣が耐えられなくなったようですね」

 

 まぁ、即席の剣だったからな。

 

妖夢「そうですね…あ!武器を売ってるところで良いところ思い付きました!ついてきて下さい!」

 

 そして俺は妖夢についていく。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

人里の外れ

 

妖夢「この店です」

 

 一軒家っぽいイメージだ。

 

妖夢「入ってみて下さい」

 

 そして中に入ると魔理沙とパチュリーが戦闘(けんか)していた。

 

 その奥でカウンター?で苦笑いしながら止めている銀髪のイケメンが居た。

 

 ちょっくら新スペル試してみるか。

 

 そして俺は足元にあった石を両手に一個ずつもつ。

 

狙撃《スナイパー》

 

 そして石を思いっきり二人目掛けて投げる。

 

 ドカーン

 

 少しやり過ぎた感がある。

 

 このスペルは銃のような感じで手に持ったものを投げるスペル。元々剣用に作ったんだがな。

 

 最大で銃弾の10倍の威力が出る。

 

魔理沙「痛いんだぜ…」

 

パチュリー「ぜ、喘息が…」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

パチュリー「つまり、この泥棒が悪いのよ!この香霖堂に用があって来たらこいつが居たのよ。さっさと本返しなさいよ」

 

魔理沙「なにを!私は死ぬまで借りているだけなんだぜ!」

 

 世間はそれを借りパクと言う。

 

魔理沙「とりあえず、帰るんだぜ!」

 

 そして逃げるように魔理沙は出ていった。

 

パチュリー「待ちなさい!魔理沙!」

 

 そしてパチュリーも魔理沙の後を追うように出ていく。

 

妖夢「あはは…霖乃助。少し、良さそうな剣はない?」

 

「ああ、妖夢か。所で隣の人は?」

 

真「あ、俺は海藤 真です」

 

「僕は森近(もりちか) 霖乃助(りんのすけ)だよ。よろしく」

 

 そして霖乃助は仕切り直す。

 

霖乃助「で、剣だったっけ?ここら辺に色々あるから見ていくと良いよ」

 

 そして指を指した先を見る。

 

 そしたらカッコいい剣が色々ある。

 

真「スゲー!」

 

 日本刀とかの外の世界にある刀とか

 

 エ〇ュシ〇ータとかゲームの世界にある剣があった。

 

 何でエ〇ュシ〇ータがあるんだよ。

 

妖夢「この店は古道具屋でありながら外の世界の道具を唯一取り扱ってる店なんです」

 

真「へー!すげー!」

 

妖夢「結構品揃えも豊富なので常連客も多いんですよ」

 

 そして1本1本、剣を取りながら(なが)める。

 

妖夢「そしてここでしか取り扱えない理由があるんです」

 

真「理由?」

 

霖乃助「それは僕の能力にあるよ。僕の能力は【道具の名前と用途が判る程度の能力】。だから僕は外の世界の道具の使い方が分かるんだよ」

 

真「そうなんですか」

 

 俺は結構剣とかカッコいいのが好きなので少し興奮気味に聞いていた。

 

真「これとかカッコいい!」

 

霖乃助「おお!それは結構初心者には使いやすいよ!」

 

 その話を聞きながら俺は霊力を流し込む。

 

 パリーン

 

「「「・・・」」」

 

 あ、やっちまった。

 

真「お代です」

 

霖乃助「あ、ありがとうね」

 

 剣を1本破壊してしまった!

 

 もっと頑丈じゃ無いと

 

 ん?なぜか一番端にある剣が目に止まった。

 

霖乃助「真君!その剣はやめた方が良い!」

 

真「え?」

 

霖乃助「その剣はね。殺人刀だよ」

 

 刀か…その響きも悪くないな。

 

 そして俺はそんなこと知るかと言わんばかりに手を伸ばす。

 

霖乃助「やめた方が良い。

その刀は妖刀【神成り(かみなり)】。その刀は気に入らない持ち主は呪い殺すと言う特徴がある」

 

 呪い…ねぇ…

 

真「大丈夫です。俺はただでは死なないと言うか、簡単には死なない人間です」

 

 そう言って刀を手に取る。

 

『お前は、この刀にふさわしいか見させてもらう』

 

 それは直接脳内に響くような声だった。

 

 ふさわしいか…か。

 

真「よし!これもらいます!面白そうな感じがするし」

 

霖乃助「正気かい?真君。君がその刀が良いなら止めはしないけど」

 

 少し霊力を流し込んでみたがびくともしないところか、受け止めてくれたような感じがした。

 

霖乃助「これがその刀の鞘だよ。それとお代は要らないよ。その妖刀も使ってもらえれば嬉しいと思うから」

 

 と言う感じで霖乃助さんのご好意でただでもらうことが出来た。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

白玉楼

 

妖夢「じゃあ先程の続きで刀に霊力を込めて下さい」

 

 そして俺は刀に霊力を込める。

 

 すると刀は禍々しい光を出し始めた。

 

『お前の霊力はそんなもんか?』

 

真「んな!それならこれでどうだ!」

 

『まぁ、いくらかましになっただろう』

 

 随分偉そうな口を叩いてくる刀だな!

 

妖夢「なに一人言を呟いているんですか?」

 

 え?この声って周りには聞こえてないの?

 

妖夢「じゃあ霊力を込めたら思いっきり刀を降り下ろして下さい」

 

 そして俺は刀を降り下ろす

 

 そしたら

 

 ビュン

 

 と言う音と共に斬撃が刀から飛び出した。

 

妖夢「それが私のメイン弾幕ですね。名前は霊力斬(れいりょくざん)そのままですね」

 

『半人前…か』

 

 刀はそう呟くと

 

『お前、言う通りにやってみろ』

 

 そして俺は覚悟し刀を強く握り締める。

 

『まず刀にありったけの霊力を込めろ』

 

 そして言われるがままにありったけの霊力を込めた。

 

『そして()(はら)うように刀を振れ。この時に肩とか体に力を入れすぎるなよ』

 

 そして俺は森の方に向かって刀を凪ぎ払うように刀を降った。

 

 すると太くて横長の霊力斬が飛び出した。

 

妖夢「え?」

 

 そしてその霊力斬は森の木々にぶつかるや否やなん十本と斬り倒す。

 

 俺も妖夢も呆然としていた。

 

 暫く沈黙が続き、先に口を開いたのは妖夢だった。

 

妖夢「すごい!すごいです!すごすぎます!今のどうやったんですか?教えてください!」

 

『お前の霊力は元々多くて質が良かったからな。出来ると思ったまでだ』

 

 すごい!この刀

 

 俺の霊力量、質、その他諸々(もろもろ)を計算して適切なアドバイスをしてきた。

 

 そして俺は刀の刀身を眺める。

 

 そしてこう呟く。

 

真「お前、すごいな。感激した。感謝してる。適切なアドバイスをしてくれてありがとう」

 

『ふん!当然の事をしたまでだ。だが、お前を完全に認めた訳じゃ無いからな。お前の1日を見て判断する』

 

 ってことは結果は明日出るのか。

 

 こんな話をしている間も妖夢は興奮気味でピョンピョン跳ねている。

 

真「お前!もっと色々教えてくれ!」

 

『そのためにはこの刀にふさわしい姿を見せろ』

 

真「おう!任せとけ!」




 はい!第63話終了

 今回は妖刀【神成り】を手にしました。

 さて、真の運命やいかに!

 それでは!

 さようなら!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。