無意識の恋   作:ミズヤ

56 / 100
 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は主人公達は一切出てきません。

 それではどうぞ!


第伍章 風神録
第56話 博麗神社存亡の危機


sede博霊神社

 

 ある日の昼過ぎの事

 

 いつものように博霊神社の巫女、博霊 霊夢は縁側(えんがわ)に座りお茶を飲んでいた。

 

霊夢「はぁ…良い天気ね…こんな日は縁側でお茶を飲むに限るわね…」

 

 そう、今日は青天。雲などほとんどなく最高の天気だ。

 

 まぁ、現在秋なので少し肌寒いのがあるが、少し着込めばたいして気にならなくなる程度。

 

 だが、今の霊夢の服装は、いつもの脇だし巫女服のみである。

 

 本人曰く「これは冬服よ!生地が厚くなっているのよ!」らしい。

 

 しかし、たいして差がないように見える。

 

 見てるだけで寒くなってくる。

 

霊夢「こんな良い天気の日は何か良いことが起こりそうね」

 

 そんなことを考えていると、神社に一人の人間がやって来た。

 

霊夢「!?」

 

 霊夢はお詣りに来た人かと思い急いで正面に向かう。

 

 しかし、そこに居たのはお詣りに来た人では無さそうだった。

 

 緑色の髪に霊夢の着ている巫女服の青白版

 

 間違いない。この人は巫女だ。と見た目でそう思った霊夢は不振に思う。

 

 よその神社の巫女がこんな幻想郷の外れの外れに位置するこんな神社に何のようだと。

 

 そもそも、ここら辺に神社なんてあったか?などと思った。

 

 そう、ここら辺でよそから来れるような距離の神社など存在しないはずなのだ。

 

 だとしたらあの巫女はなんなのだろうと。

 

 そして、霊夢は飛び出して声をかける。

 

霊夢「あんた!うちの神社で何をして居るのよ!賽銭泥棒だったら許さないわよ!」

 

 最初から喧嘩(けんか)(ごし)

 

「あ、あなたは!もしかして、あなたがここの神社の博霊 霊夢さんですか?」

 

霊夢「え、ええ!そうだけど」

 

「ふむふむなるほど、ならばあなたに言いたいことがあります!」

 

 そして、青白巫女は大きく息を吸ってこう続けた。

 

「なら、あなたの神社潰してしまって下さい!」

 

 そう、衝撃的な言葉を放ってきた。

 

 勿論、霊夢は即答でこう答えた。

 

霊夢「嫌よ!嫌よって言うか、出来ないわよ!この神社を潰すとどうなるかわかる?家で言うとね、この神社は柱の役割をしているのよ!まぁ、結界なんだけど、二つの(結界)で支えてられているこの幻想郷の結界()が1つでも無くなったら幻想郷はどうなると思う?即崩壊よ!だから潰すのは無理よ!」

 

 霊夢は具体的な例を提示しつつ断った。

 

 そしたら青白巫女はこう切り出した。

 

「ふ、ふ、ふ、そんなこと分かっていましたとも!少し言ってみただけです!」

 

 青白巫女は断られるのを分かっていた上で試しに言ってみただけみたいだ。

 

「そこで提案です!あなたの神社を山の上の神様に明け渡してください!」

 

霊夢「ってなんでよ!」

 

「私は神社を無くせと言った訳ではありません。あくまでこの神社を明け渡せと言っただけです。なので結界も無くなる心配は無いと思われますが?」

 

 青白巫女はじりじりと霊夢に近づきながら話す。

 

 そして、霊夢は遠ざかりながら話す。

 

霊夢「だいたい、なんでそういう話になるのよ!」

 

「それは、ここの神社の信仰が少ないからですよ」

 

霊夢「は?」

 

「つまり、信仰が少ない神社は要らないので私たちがもらおうと言うわけです。そして霊夢さんにはやめてもらおうと言う気はないですので私たちに譲ったら信仰を大量に得られますし、お賽銭もがっぽがほですよ!どうですか?これほどまでに好条件は他にはありませんよ!」

 

 霊夢は不覚にも納得してしまった。

 

 事実、この妖怪がはびこるこの神社には人は寄り付きにくいから信仰も増えないし。

 だから信仰と『賽銭』が増えるなら渡してしまっても良いんじゃないかとすら思ってしまった。

 

 霊夢にとって何よりも賽銭が増えるのとあと賽銭と賽銭が大きかったようだ。

 

「では、考えてみて下さいね」

 

 そして青白巫女は立ち去っていった。

 

 その時、青白巫女と入れ替わりで魔理沙がやって来た。

 

魔理沙「おい、霊夢!あの青白の巫女服を着たやつ、誰なんだよ!」

 

霊夢「分からないわ。山の上の神社の巫女みたいだけど、あそこには神社なんて無かったはずよ。それと、あの巫女この神社を明け渡しなさいと言ってきたわ」

 

 魔理沙はすごく驚いたようだった。

 

魔理沙「で、霊夢はどうする気だ?」

 

 魔理沙は霊夢が明け渡す気は無い!と言うのを期待して霊夢に問いかけた。

 

 魔理沙は霊夢の事をよく知っている。霊夢が何よりもこの神社の事が大切だと言うことも

 

 だからこそ、魔理沙は霊夢に問いかけてみたのだ。

 

 しかし、霊夢の回答は

 

霊夢「うーん、信仰が増えるならば明け渡しちゃっても良いかもしれないわね」

 

魔理沙「んな!」

 

 魔理沙の予想は外れ、霊夢は明け渡してしまっても良いかもと思っているようだ。

 

魔理沙「霊夢!考え直せ!霊夢、お前は何よりもこの神社の事が大切なんじゃなかったのか!」

 

霊夢「そうよ、大切よ。お母さんとの思い出の神社だもの。だけど、この神社にとっては妖怪よりも、ちゃんとお詣りに来てくれる普通の人間が欲しいんだと思うのよ。だから、信仰集めが苦手な私よりも他の巫女の所についた方が良いと思うのよ。第一、私はこの神社の神様を知らないもの」

 

 だから、明け渡してしまった方が良いのではないのか?と霊夢は考えたのだ。

 

 霊夢は思い出の神社で大切だからこそ神社の事をよく考え、もっともこの神社にとって良さそうな解答を導きだそうとしているのだ。

 

 この神社は色々な思い出が詰まっているため、取り壊すことは拒否したが、明け渡すのはそれほど悪い選択肢では無いのではないのか?と考えたのだ。

 

魔理沙「霊夢がそんなやつだとは思わなかったぜ」

 

 そう言って魔理沙は箒にまたがって飛び立つ。

 

霊夢「どこいくのよ」

 

魔理沙「どこでも良いだろ?」

 

 そして魔理沙はどこかに飛び去って行ってしまった。

 

霊夢「魔理沙…大丈夫かしら…」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

sede魔理沙

 

 ったく、霊夢があんなに分からず屋だとは思わなかったぜ。

 

 霊夢があの気だが、私だけでも行って断ってきてやる。

 

 って言っても、この幻想郷には山などいくらでもある。

 

 どこの山に行けば良いのか分からない。

 

魔理沙「やっぱり、こう言うときは聞き込みだな!異変と同じ手順で行けばきっと見つけられる!これは博霊神社存亡の危機異変だぜ!首謀者を必ず見つけて力ずくでも前言撤回させてやるぜ」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 やっぱり、まずは友人から聞き込んで行くとするか!

 

 じゃあ、まずはアリスからかな?

 

魔理沙「おーい!アリスー!居るか?居るなら

アリス「そんなに大声出さなくても聞こえてるわよ」

 

魔理沙「わり」

 

アリス「で、何のよう?」

 

魔理沙「あ、それはだな」

 

 そして私は博霊神社で会話したことをすべてアリスに話す。

 

 私の話をアリスは神妙(しんみょう)面持(おもも)ちで聞いていた。

 

魔理沙「って訳なんだよ!霊夢があんなやつだとは思わなかったぜ」

 

 そこまで言うと、アリスが口を開いた。

 

アリス「あなたの言い分も分かるわ。あなたにとっては思い出の神社だったから、他の誰かの手に渡るのが嫌だったんでしよ?」

 

魔理沙「ああ、そうだ」

 

アリス「でも、霊夢の気持ちも分からないでも無いわ。霊夢なりに博霊神社の事を考えての考えだったのよ」

 

魔理沙「分からないぜ…私は、維持でも博霊神社を死守する!だから、ここら辺で神社って知らないか?」

 

 魔理沙がそう言うとアリスは考えるポーズをとって、少し考えたあとこう口にした。

 

アリス「神社は分からないけど、数日前の夜、奇妙な物を見たわ」

 

魔理沙「それはなんだぜ!」

 

 魔理沙は机越しに座っているアリスの方へ身を乗り出す。

 

アリス「お、落ち着いて!」

 

魔理沙「あ、悪かったぜ」

 

 そして、魔理沙は落ち着きを取り戻し、自分の椅子に座り直す。

 

アリス「私が見たのは」

 

 

【回想開始】

 

sedeアリス

 

アリス「うーん」

 

 私は今作っていた人形を机におき伸びをする。

 

 暫く椅子に座っていたため少し疲れてきてしまったのだ。

 

アリス「少し、夜風(よかぜ)に当たろうかな?」

 

 そして私は家から出て風に当たりに行った。

 

 風は涼しくて気持ちいい。

 

 数分当たっているとすっかり疲れも取れてもう少し人形を作ろうかな?と言う気になれたので家に戻ろうと振り返った瞬間、でかい青白い光が視界の端に映った。

 

アリス「なに…あれ」

 

 嫌な予感がする。

 

【回想終了】

 

 

sede魔理沙

 

アリス「あれは魔方陣の光ね。しかも転移魔術が使われた気配がしたわ。恐らく、何らかの関連性はありそうね」

 

 転移魔法か…確かあれって禁忌魔法に指定されていたはずなんだが。

 

魔理沙「どこら辺か分からないか?」

 

アリス「確か…妖怪の山の方向だった気がするけど」

 

魔理沙「せんきゅー」

 

 私は例を行って飛び立つ。

 

 そして勢いを着けてあるところに向かう。

 

 それはどこかって?勿論

 

魔理沙「行き先は妖怪の山!」

 

 そこに重要な何かがある気がする!

 

 そして、博霊神社は誰にも渡さない!

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

sede霊夢

 

霊夢「思い出か…」

 

 みんなとの思い出

 

 宴会、お母さんとの思い出、そして魔理沙

 

 そうだ、なんで今まであんなにあっさりと(うなず)いてしまったのだろう?

 

 この神社は私だけじゃない。みんなの宝物なんだ。

 

 なのに…

 

 でも、もう迷わない。

 

 この神社は…このみんなの大切な神社は

 

 

 

「誰にも渡さない」

 

 

 




 はい!第56話終了

 この章の主人公は霊夢と魔理沙なので主人公達の活躍の場は少ないかも知れません。

 それでは

 さようなら

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。