箱庭出身転生者と猫姉妹   作:めざし

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FGO夏イベ・ライト版・・・・・気づけばもう終わった。
うぷ主ぜんぜんまわってないのですが・・・・どういうことですか(震え声)?

と、絶望しつつXDの夏イベプロローグに一気にテンションを上げるうぷ主。
今年の夏は暑くなりそうだぜ!!・・・・だが財布は真冬到来だぜ・・・・_:(´ཀ`」 ∠):

そんなうぷ主の近況でした。
では本編をば。


※あと日刊ルーキーランキングにうぷ主の作品載っててすごくうれしかったです。みんな応援ありがとうー・:*+.\(( °ω° ))/.:+


小学生編
第8話


AM 5:30

 

レイは日が登り切っておらず、空はまだその暗さを少しだけ残していた、そんな朝早くに彼は寝苦しさから目を覚ました。

彼はそのままムクリと上体を起こそうとしたが・・・・

 

「・・・ん、みゅう・・・・」

 

「・・・くー・・くー・・・」

 

自身の首もとに両腕を巻きつけるようにして眠る何故か半裸の黒歌と左腕に抱き付くこれまた何故か半裸の白音によって起き上がることができなかった。

 

「・・・・んー、いつも思うが何故姉さんたちは寝る前にはしっかり着ていた寝間着が朝起きると脱げてるんだ?」

 

という、解けない謎について考察しようとして・・・・・・そのまま二度寝した。

 

 

 

 

 

それからしばらくして・・・・・

 

「朝ですよレイ君、姉様、起きてください」

 

「・・・・・あと5ふんだけまってぇ・・・」

 

「・・・・おはよう、白音姉さん・・・」

 

「はい、おはよう、レイ君」

 

「・・・・白音姉さん、手伝って・・」

 

「・・・はぁ、またですか姉様・・・。姉様、寝間着が脱げていますよ。起きてください」ゴロゴロ

 

ドスンっ

 

「ぐぴゅっ・・・・んぁ、いたい。」

 

 

 

 

それはレイが二度寝を始めてしばらくしてからのこと

 

白音は目が覚めると自身が半裸でレイに抱きついて寝ていたことに気付き、赤面して起き上がった。どうして自分は寝ている間に寝間着を脱いでしまうのか、という自問自答をしていたが、それは冥界で悪魔領を3人で旅していた頃から解けない命題であり、結局今日もその答えを出すことはできなかった。

とりあえずもはや日課となってしまったこの問答を切り上げ、記憶の片隅追いやり、着替えを始めた。

それから彼女は簡単な朝食を作り、レイと黒歌を起こしに来たが、レイは直ぐに目を覚ますものの、黒歌が起きようとしなかったので、まずレイの首に巻きつけている彼女の両腕を強引に外し、そのまま彼女をゴロゴロと転がしてベッドから落っことした。これも毎朝の日課の一つとなってしまった、白音流黒歌起床術である。・・・・ちなみにテントで寝泊まりしていた時にはこの技は会得していなかったため、黒歌を起こすのはかなり苦労したらしい。

 

 

 

「起きましたか姉様? ご飯の支度が整いましたよ」

 

「・・・・あーい。ふあぁ、ねむねむ」

 

「・・・ほら、またベッドにダイブしようとしないでください」

 

黒歌が再びベッドに飛び込もうとするのを阻止し、白音は彼女の背を押して食卓へと向かった。

 

 

 

Side レイ

 

(さて、5日後に始業式だからな。今日は学校で使うものを買いに出かけるかぁ)

 

と、朝食を終えた彼らは朝食を準備してくれた白音のお礼にレイは使った食器を洗い、黒歌は溜まった洗濯物を洗濯機に突っ込み、洗濯されて湿った洗濯物をベランダに干していた。

そしてレイと黒歌がそれぞれの仕事を終えると、レイはリビングに姉たちを招集して今日の予定について語った。

 

「今日は昨日行った駅前の商店街で学校指定の上履きとか体操着を買いに行こう」

 

「わかった」

 

「はい。・・・・あ、レイ君何時頃家を出る予定ですか?」

 

「ん? あぁ、そう言えば商店街が開くのって結構遅いんだったっけか? だから・・・そうだな、昼前くらいに出ようと思うよ」

 

「わかりました。・・・・それまであと、3時間ほどありますね。修行しましょう、昨日は出来ませんでしたし」

 

「賛成。今日こそは魔法を習得して見せるわ!!」

 

「2人とも意欲があって感心感心、じゃあトレーニングウェアに着替えて庭に出るか」

 

「ええ」「はい」

 

 

僕たちは堕天使領で生活している間に一緒に修行をするようになった。もともと僕は1人で鍛錬をしていたが、ある日姉さんたちに自分たちも強くなりたいと言われ、彼女たちに魔法の技術と武技、そして戦い方について教えることになった。彼女たちを強化する方法は僕自身何通りも直ぐに思いついたが、その中で最も簡単で手早く力をつける方法はやはり自身が持つ恩恵を彼女たちに譲渡することだろう。

しかし、僕は姉さんたちの強い覚悟の目を見てその方法を取ることはやめた。彼女たちの決意を冒涜すると感じたからだ。なので、僕は彼女たちが耐えられるかはわからないが、彼女たちの決意を信じて自分と共に研磨する、という方法を取ることにしたのだ。

 

 

そして彼は最初、魔法の理論や術式などの座学、筋トレなどの基礎的な身体能力の向上をメインに稽古をつけ始めた。そしてそれも3ヶ月を越えた頃にはより実戦的なものへと変え始めた。彼女たちは猫魈という種族の恩恵かなかなかに吸収が早かったため、3ヶ月という短い期間で身体能力の上昇と基本的な魔法理論についてなどを身につけたからだ。基本的に今の稽古はレイが作った結界内で行なっている。当然周りに影響を及ぼさないためなのと、アザゼルさんに僕の特性を伝えていないため、隠す必要があったからだ。

 

 

・・・・・僕は別にアザゼルさんや他の『神の子を見張る者(グリゴリ)』の他の幹部のことを信用していないわけじゃない。寧ろ逆だ。アザゼルさんのことは2人目の父のようにさえ僕は思っている、が、『神の子を見張る者(グリゴリ)』という組織は一枚岩じゃない。それは幹部のコカビエルさんが『』の中で少々浮いていることから見てもそう間違ったことでもないし、末端の方まで幹部の意志が伝わりきっていないように見える。

僕のカンピオーネなんていう異質の力や恩恵、そしてこれらの存在の露呈は確実に僕を争いの坩堝へと巻き込むだろう。だからこの力の存在を知るものは極力少ないほうがいい。そして知る者は極力伝播しないような小さなコミュニティ内で留まるのが好ましい。故に家族という最小単位、黒歌姉さんと白音姉さんの2人で収まっている現状こそ最良の状態なのだ。・・・・・まぁその2人にも自身が転生者であるということは伏せてあることはかなり心苦しく思っているのだが・・・・

 

 

(・・・・2人なら僕が転生したって話をしても信じてくれるかもしれないけど・・・んー、どうしようかなぁ・・・・)

 

と、レイは着替えながら自身の隠し事について悩んでいると・・・

 

「レイ君着替え終わった?・・・・どうしたの?何か考え事?」

 

と、白音はトレーニングウェアに着替え終え、なかなかやってこないレイを迎えに来ると、何か悩んでいるような表情を浮かべていたレイを見て問いかけた。

 

「・・・いや、大したことじゃないよ。今日はどこから巡るか考えてただけさ」

 

と、レイはとりあえずこのことは一旦切り上げることにして、適当に誤魔化すことにした。

 

「・・・そう?ならまずはランドセルからでいいんじゃないかな?」

 

「えぇ?嵩張る物は最後の方がいいんじゃない?」

 

「あー、それもそうだね」

 

「でしょ?だから上履きを最初に見るか、体操服先に見るかで悩んでたんだよ」

 

「なるほど」

 

「ま、それはおいおい考えるとして・・・・庭に行こっか」

 

「うん」

 

 

・・・どうやらうまく誤魔化せたようだ。

レイはそう安心してそのまま白音とともに庭に出ると、早速認識阻害の結界と防壁を張った。

 

「もう、遅いよ2人とも!!」

 

「ごめんごめん。・・・・じゃあいつも通りストレッチしてから始めようか」

 

 

そうして軽い準備運動を始めてから彼らは修行を開始した。

主に学んだ術式を展開して魔法を放ったり、組手などを中心に行う。黒歌と白音は武器を扱うよりも徒手空拳の方が性に合うのか、主に拳法についてレイから学び、そこに独学で仙術を取り入れた彼女たち独特の戦い方へと昇華させていった。

姉同士の組手は互いの体格が似通っている上、その身に覚えた技術もまた拮抗しているためなかなか決着が付かない。逆にレイとの組手は手加減されているとは言え、レイが余りにも多くの技の引き出しを持つため、一つ一つを必死に自身の手札を用いて対処していく、といった感じのものとなる。これは同格の実力者との戦い方の上達とあらゆる攻撃から身を守る方法を身につけることへと繋がり、2人の実力は並みの上級悪魔程度ならば、まだ倒すのは難しいにしても簡単には殺されない程度には力をつけるまでに至っていた。

そして組手を終えたレイたちは己の課題に取り組む。レイならば依然安定しない権能の掌握を第1に、他にも未だかつての域に達していない武技の修正を。黒歌と白音は新たな魔法の他にも身体能力の向上と新たに妖術、そして仙術の訓練を行っていた。

 

そして朝の密の濃い修行を終わらせた3人は駅前の商店街へと出かけた。

 

「さて、早速体操着から買いに行くぞ」

 

「えーと、体操着のコーナーは・・・・あ、あったあった。レイー、白音ーこっちこっち」

 

3人は最初に体操着を買いに来た。そしてそれぞれのサイズに合わせたものを買い、その後上履きや筆記用具、ランドセルなどを購入した。

その後彼らは商店街にある定食屋で遅めの昼食を摂り、夕食の材料を買って帰宅した。

今日は3人で協力して夕食の準備を始めることになった。今日は手作り餃子である。3人で仲良く餃子の皮に具を包んでいた。・・・具の玉ねぎを刻む際黒歌は目に染みたのか、ポロポロと涙を零しているのを白音とレイに見られて笑われ、黒歌が怒っていたのは割愛だ。

 

そしてそんなこんなで楽しい夕食を終えて、3人は夜の修行を開始した。夜の修行は環境に対応する訓練である。それは結界内をレイの魔法で真っ暗にして、闇の中で組手を行なったり気配探知の訓練(鬼ごっこや隠れんぼ)をしたり、レイの権能で雷雨を降らせたり、大雪を降らせたりする中でバトルロワイヤルしたり(当然レイは手加減するが)、だ。

こうしてハードな夜の修行を終え、レイはヘトヘトになって動けなくなった黒歌と白音を家の中へと運び、風呂の用意をした。

風呂が沸くのを確認したレイは未だ動けない2人の衣服を脱がし、風呂場に入れ、シャワーで2人の汚れを軽く洗い流してからボディーソープで背中を洗った。1カ月も同じことをやっているのでレイの動きは手馴れたものを感じさせた。・・・流石に前とかは自分に洗わせたが。

その後昨晩と同様ジェットバスとプラネタリウムを堪能した3人は風呂場を後にし、入浴後の冷えた牛乳を煽った後、歯を磨いてから就寝することになった。

 

 

そして翌日、いつも通りの朝を迎え、今日も今日とて朝食後修行に勤しむ。

レイは今日の予定を姉たちの街案内に費やすことに決め、少しだけ早く修行を切り上げることにした。

 

「今日は2人に街を案内しようと思う、特にこれから通う学校とかは道のりをしっかり覚えとかなきゃいけないからね」

 

 

と、言った感じにレイが提案し、2人が了承することで早速3人は外出するのだった。

そして3人はまず学校を目指し場所を確認し、何度か家と学校を往復して道のりを完全に覚えると、そのままの足で駒王町の市立の大きい図書館や市民プールなどの公共施設、本屋や喫茶店、ゲームセンターなどの娯楽施設や雑貨店などを巡り、町のだいたいを見て回った。

その間黒歌が、これってデートだよねぇ、とか嬉しそうに言うからレイと白音は少々気恥ずかしく感じていた。しかも黒歌はまるで恋人の手を握るようにレイの手を絡めて歩き出すし、白音も同様にレイの空いた手を握るから余計に恥ずかしく感じたのだった。

 

と、そんなこともあったが、その後何事もなく町を見終わった彼らは今日は夕食を外食で済ませ、そのまま帰宅して修行することにした。因みに夕食は蕎麦だった。

そして本日の日課を終えた彼らはそのまま就寝した。

翌日、レイはいつまでも長いままの髪をバッサリ切ろうと思って、床屋に出かけようとしたが、長いままのレイが良いと黒歌と白音に懇願され渋々長い髪のままになってしまったが、せめて前髪だけでも目にかからないようにしたいと、頼み込んだ結果、黒歌と白音が調整する、ということで妥協してもらい、長い後ろ髪は髪ゴムでまとめることにした。

 

その後彼らはそんな新しい日常を送り、そのまま始業式の日を迎えた。

 

 

 

小学校の職員室にて

 

「ーーーでは、葉桜 黒歌さんは6年3組、白音さんとレイ君は今日から同じ5年1組となっています」

 

と、副校長先生にそう言われ、それぞれ担任の先生に連れられて自分たちのクラスへと向かった。

 

 

「ーーーーはい、それでは皆さんに今日から一緒になる新しいお友達を紹介しますよー、白音さん、レイ君、入って来てくださーい」

 

レイと白音が自身のクラスの前で待機していると、クラスの中から担任の先生に呼ばれた。そのままクラスの中に入り、黒板に自身の名前を書いて自己紹介をした。

 

「初めまして。葉桜 レイです。家の都合で4年程この町を離れていましたが、最近戻って来ました。もしかしたら僕のことを覚えている人もいるかもしれませんが・・・えーと、まぁ、改めてよろしくお願いします」

 

と、レイは無難に挨拶し・・・・・

 

「初めまして。レイ君の姉の白音です。よろしくお願いします」

 

と、白音は簡潔に挨拶をした。

 

「ーーーでは、自己紹介も一旦終わりにして2人は空いてる席に座ってくださいね〜。では朝の挨拶を始めますよー」

 

と、指示を出された2人は最後列の空いていた2つの机を繋げた席に座った。因みに名前順の関係上白音が左でレイが右である。

 

 

そして朝の挨拶が始まり、先生からの連絡事項の報告が終わると、1時限目の準備をしに先生は一度職員室へと向かい、いなくなった途端・・・・・

当然新しいクラスの仲間となった2人に興味津々なクラスメイトたちが質問の雨あられを飛ばしは始めた。

 

「前はどこにいたの?」

 

「2人は何が好き?」

 

「サッカー興味ない?」

 

「ゲームとかするの?」

 

「白音ちゃんって言うんだ、かわいい名前だね!」

 

「葉桜くんは髪の毛長いね、女の子みたい!」

 

などなど、一斉に2人を囲んでは、返答する間もないような質問に襲われ、どうにか一つずつ対応しているうちに(以前いた場所などの答えるわけにはいかない質問には適当に誤魔化したり、はぐらかしたり、アザゼルが捏造した来歴に沿った情報を答えた)1時限目のチャイムが鳴り、先生が教室に入ってようやく2人は解放された。

 

 

「・・・・・・・・・・すごかったね、レイ君・・・」

 

「・・・・・・・・・・あぁ、怒涛の質問攻めで、今日はもう疲れたぞ」

 

「・・・・うん。でも姉様も同じ目にあってるんだよね、多分」

 

「・・・・だろうね。まさか転校生がこんな大変な役職だったとは・・・・」

 

「・・・・恐るべきは子供の好奇心、だね・・」

 

 

と、2人は疲れたような表情を浮かべて、姉の冥福を祈っていた。

 

そして、今日は始業式なので授業数が少なく、午前中には学校から解放されたのだが・・・

当然クラスメイトから授業の合間合間では質問しきれなかった続きを再開され、2人はまたか、と思いながら返答し、校門前で疲れたような顔をした黒歌と合流してから帰宅したのだった。


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