箱庭出身転生者と猫姉妹   作:めざし

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第5話

Side 黒歌

 

「ん、みゅ?・・・・朝か」

 

この冥界では太陽がないため正確な時間はわからないが、私の体内時計が朝だと言ってるんだからそれで間違いない、うん。

 

「・・・・んー、のどかわいた・・・みず、みず」

 

寝起きのせいか上手く思考が働かないなか、喉に乾きを感じたので水を探すが見当たらない。

仕方がないから起き上がって、テントの外へと出ることにした。

 

「ん?起きたのか?・・・・・・寝ぼけてるみたいだな。あそこの茂みを少し進んだところに川があるから顔を洗ってこいよ」

 

テントの外で大きな石を椅子にして座っていた黒髪の少年がそう言うので私はそれに従いつつ、ついでだから白音も起こすか、と考えて白音を起こすことにした。白音も私と同じで朝に弱いところがあるので中々起きようとしないので負ぶって行くことにした。

そして言われた通りの方向に少し進むと綺麗な川が現れた。私と白音はそこで顔を洗ったついでに川の水で喉を潤すと、ふと自分の体が寝汗で気持ちが悪いと感じたので目の前の川で流すことにした。白音と一緒に。

顔を洗ってもまだ眠気が取れていないらしい白音の着物を脱がし、自身も着ていた着物を脱いで冷たい川の中に身を浸した。

 

「んーーーー、冷たーーい。でも気持ちいい」

 

「うみゅう・・・・つめたい。」

 

全身を侵す川の冷たさに体を強張らせつつも、汗が流れていく気持ち良さが勝り私は堪能していたが、白音はちょっと辛そうにしていた。そこへ・・・

 

「ああ、タオル渡すの忘れてた、よ・・・。すまん、これとあとバスタオルと替えの着替えはここに置いていくよ」

 

先程この川の場所を少年が現れ、私たちを見てすぐに顔を背けつつ中空から手に持っていたタオルとは別にバスタオルと服を取り出して足元に置いた。

 

・・・・・・・・へ?

 

「きゃあああああああああ!!?」

 

川の冷たさにようやくまともに思考を取り戻し始めた私はようやく自身を救った少年に気づくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・それから

 

「・・・・・言い訳をしてもいいか?」

 

「・・・聞きましょう?」

 

私と白音はあれから水浴びを終わらせて少年が用意してくれた着替えを着て少年と共に焚火にあたりながら冷えた体を温め、少年の弁明を聞くことにした。

 

「・・・・・正直僕は悪くないと思うんだ。僕は寝ぼけていた君のために川の場所を教えただけだし、それがまさか水浴びをすることになっているとは思いもしていなかったわけだしね?・・・まぁ、強いてこちらのミスを挙げるなら、行く前にタオルを渡すことを忘れてしまったことだけど。」

 

「・・・・むぅ」

 

彼の言い分を聞いてみたわけだが・・・・うん、反論のしようもないね。

 

「・・・はぁ、そうね。今回のことは私のミスだから、もう何も言わないわ。それに白音が言うには君が私たちを助けてくれたみたいだし。」

 

私がそう言うと目の前の少年はホッと息を吐いたが直ぐにまたバツの悪そうな顔をし始めた。・・・・どうしたのかな?

 

「・・・・あー、そのー・・・覗いたこととは別に僕はもう一つ君に謝らないといけないことがある。・・・まぁこれは僕の未熟さが招いたことだ、素直に恨み言は受け入れるよ。」

 

と、彼は言った。・・・・他にも謝ること?彼は私に何かしたのだろうか?そう私が疑問に思っていると・・・・

 

「・・・姉様、まだ自分の体の変化に気づいてなかったのですか?」

 

と、隣で座っていた白音が私を引きつった表情で見てくる。体?

 

「? ってなんじゃこりゃああああぁぁ!!?」

 

私は自分の体に起こった変化に気が付いた。ないのだ、胸が・・・成長期に入り、徐々に膨らみつつあった私の胸が!!白音と同じくらいの大きさにまで縮んでいたのだ!!一体何がおこったの!!?しかも心なしか身長も少し縮んでる!!!

 

「うわぁぁぁぁぁぁあああああん白音ぇぇぇぇ!!」

 

「きゃっ!!?急に飛びつかないでください、危ないです!」

 

私が白音の胸に抱きつくと白音が怒り始めた。

 

「・・・・姉様、に、起こったことは、彼が説明してくれると、思うので一回離れてください。重たいです。」

 

そう白音が言うので私は渋々離れた。

 

「コホン・・・あー、いいか?簡単にだが説明したいんだが?」

 

「はい、お願いします。ほら、姉様もしっかりして下さい。」

 

「・・・・ううっ、白音が冷たいよぉ〜、クスん。・・・・それでどうして私の体は縮んでいるの?雰囲気からして君がやったみたいだけど?」

 

白音がそろそろ本気で怒りそうなので大人しく話を聞くことにした。

 

「あ、ああ・・・・あー、それを説明する前に確認したいことがあるんだが・・・お姉さん、君は昨日何があったか覚えているかい?」

 

「え?・・・・えーと、たしかー、昨日は昼前に起きてしばらく外をブラブラして、えーと、家に帰ってきてから「え?」冷蔵庫にプリンが一個あったから白音に見つかる前に食べ、よう、と・・・・・あれ、いや、違う?・・違、う、そう、だ、私は・・・・私たちは、悪魔に追いかけられて・・・追い詰められて・・・・それ、から・・・・うっ、あ、あぁぁ!!!!」

 

「姉様!!!?」

 

私が少年に問われて昨日のことを振り返ろうとした時、途中から変な記憶が流れてきた。・・・いや、これは実際に体験したことだ。次々と新たな記憶が私の脳内を駆け巡る。悪魔に追い詰められ・・・崖から落ちて・・・・そして私、は、白音に抱きしめられながら。。。。

 

死ん

 

パンっ!!!!

 

大きな音が鳴り響いた。

脳内を犯す恐ろしい記憶が大きな音によって途切れた。音の発生源の方へと視線を送ってみるとそこには・・・

 

「すまない。辛い記憶を思い出させてしまったみたいだね。・・・・でもこれで君の今の状況は理解したよ。」

 

少年が手を合わせた状態でこちらを心配そうに見ていた。・・・・恐らく、今の音は彼が手を叩きあわせた音だったのだろう。

 

「よし、とりあえず今は君に起こったことについて語ろうか。だから君は僕の言葉にだけ耳を傾けておくれ。今は何も思い出そうとせず、僕の話だけを聞いてくれ。」

 

「・・・・うん、わかった。・・・・・でも、その前に・・・・手を握ってくれない、かな?」

 

「・・・いいよ」

 

そして少年は私の震える右手を両手で握ってくれた。・・・・温かい、なぁ。

隣に座っていた白音も空いていた左手を同様に握ってくれた。

 

「じゃあ、このまま説明するね。・・・・さて、どこから話すべきか。」

 

そして少年は少し悩んだ素振りを見せた後語ってくれた。

私が崖に落ちた後白音が少年に助けを求めたこと。助けを求めている間に私たちを落とした悪魔が彼らのもとに現れ、攻撃してきたこと。少年がその悪魔と戦闘を開始し、さらに戦闘中他の悪魔が現れたこと。そしてそれらを斃したこと。そして・・・そして・・・死んでしまった私を権能という力で生き返らせてくれたこと、を。

 

 

「・・・と、まぁそんな感じで君を蘇生させたわけ。で、さらに付け加えるとただ巻き戻すとこれまでの記憶もその分戻っちゃうからその前に魔法で君の記憶のバックアップを予めとっといて、蘇生後、その記憶を入れたって感じかな。・・・・まぁ、その結果さっきのように記憶の混濁が発生したわけなんだけどね」

 

「・・・んー、とりあえず何があったかは大体わかったわ。・・・それで?結局どうして私は縮んでしまったのか、についてはまだ聞いてないんだけど?」

 

「・・・・いやぁ、その、あれだよ。うん、不幸な行き違いというか、なんというか・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・力加減を間違えました、ごめんなさい。(ボソッ)」

 

「・・・・・・・・・・(ニコッ)」

 

「・・・・・・・・・・(に、ニコッ)」

 

私は彼の説明を聞いて、理解はした。・・・そう理解は。

 

「フンっ!!」

 

ゴスッ

 

「グフゥ!!?」

 

私は仏のような笑顔を浮かべ、彼の腹を思い切り殴ろうとした・・・・が、未だ手を握ってもらっていたので、彼の額に思い切り頭突きをかましてやった。

 

「っつぅ、あ、あんた石頭過ぎない!!?」

 

そう、かましてやったのだが・・・・どうやら彼は見かけによらず石頭だったらしく、ダメージを受けたのは主に私だった。・・・・なんでよ・・・・!!

 

「・・・・・うん、苦言とか恨み言とかは甘んじて受け入れるつもりではいたわけだが・・よもや頭突きをかましてくれるとは・・・しかも自爆してるし・・・」

 

「う、うっさい!!」

 

「ね、ねえさま・・」

 

うぅ、白音にまで呆れられた目で見られてるよぅ。

 

「・・・・・別に君にそんなことは、言うつもりはないわ。死んでいたところを助けてもらったわけだしね。・・・・ただこの行き場のない思いを発散したかっただけよ。・・・うぅ。」

 

・・・・・過ぎたことをウジウジ悩んでいても仕方がない。今を妹と生きていられるんだ。とりあえずそれで自分を慰めよう。・・・・だが、それにしても時間を巻き戻す権能?なんだそれは。そんな馬鹿げた力を人間の、それも子供が持っている?しかも神器でもないだなんて。こんなことが実際起こった今でも正直信じられないが・・・

 

「姉様を助けてくれたその力・・・えっと権能でしたっけ?神器とは違うみたいですがどうして人間の子供の貴方にそんな破格の力があるのですか?」

 

ナイス白音!!それを聞きたかった!!

 

「え!?・・・あー、その、だなぁ。」

 

ん?なんか困ってるみたいだ。そんなに言いにくいのだろうか?

 

「・・・・正直こんなこと言っても信じてくれるとは思えな『ここまできたら信じるから言って(下さい)!!』・・・い。・・はい、この力は神を殺した際に簒奪したものです。」

 

今更ここまできて少年を疑ってもしょうがないので、信じてもらえるとは思えないからと言い渋る少年を私と白音が何を言われても疑わないことを告げると観念したのかポツリとカミングアウトした。・・・・・衝撃的な言葉を。

 

「「神を・・・ころしたぁぁあああ!!!??」」

 

「お、おう?!」

 

いや・・いやいやいや。つまりこの少年は神の力で私を生き返らせたということ!!?・・・・で、でも確かに時間を巻き戻すだなんてそれこそ神の力でなくては不可能だろう。

私は何とかその力の出所に納得すると、次の疑問が湧いてくる。それは・・・

 

「・・うん、さっきも言ったけど君の言うことだからね、信じるよ・・・・その力が神の力だって。でも、つまりそれって君はその歳で既に神を殺したほどの実力者ってことだよね?・・・・でも、君からはそんな実力者には見えないし、力も感じないよ?」

 

「あぁ、それはですねぇ・・・」

 

少年は徐ろに立ち上がり新たに何かの結界を作った後指を鳴らす。すると・・・

 

 

 

3人は先ほどいた場所とは違う、何もない平原に立っていた。・・・・・そう何もない、地平線すらも見えない程に。。。

 

「こ、ここは?」

 

「ここは僕が作った遊技場の一つさ。この空間なら僕の力を解放して周りに影響を与えても外に漏れないから展開したのさ。」

 

少年は平然とそう宣うと彼は自身の左手につけていた指輪の一つを外した。すると・・・・・

 

「「!!?ぐっ、うぅ、ぁ・・・」」

 

彼の体から発せられた圧倒的な魔力の奔流が黒歌と白音を襲い、まるで2人にかかる重力が何十倍にでもなったかのように2人を地面へと押さえつけた。2人が地面とキスをしそうになる直前その重圧が消えたので、咄嗟に足を踏みしめて膝立ちになって少年を見てみると外していた指輪を改めて付け直していた姿がそこにはあった。

 

「この指輪が僕の力を隠蔽せしめていた、というわけさ。さて、力の一端を垣間見せたわけだが・・・・・これで僕の実力がある程度理解してくれたかな?」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

2人が膝立ちのまま絶句し、止まらない冷や汗を流していると、少年は再び指を鳴らした。

途端に3人は最初にいたテントの場所に先ほどと変わらない位置に戻ってきていた。

 

「ん、理解してくれたみたいだね。あー、そんな怖がらないでよ、少なくとも君たちが僕と敵対しない限りは戦うこともないし、寧ろ今の所は君たちの味方的な立ち位置でいるつもりなんだからさ?」

 

あれだけの力を見せつけておきながら少年はあっけらかんとそう言うので、2人は強張っていた緊張感が抜け、ヘナヘナと座り込んでしまった。

 

「な、なるほど・・・・。君がどれだけ規格外かは理解したよ。私たちとしても助けてくれた恩人の君に敵対なんて微塵もする気はないから、寧ろこのまま助けてくれるって言うならとても心強いよ。」

 

「そうかい?それは良かった。・・・・さて、これで君にまつわることと僕の力について簡単に説明したけど他に何か質問ある?なければ、そうだね、そろそろお互い自己紹介でもしようか。いつまでも君とかお姉さんって呼ぶのも味気ないし。」

 

・・・・・・そう言えば私たち自己紹介もしてないんだったね。色々ありすぎたおかげですっかり忘れていたわよ。

 

「・・・・なさそうだね。じゃあ、まずは僕から、僕はレイ。葉桜 レイって言うんだ。」

 

「そう、レイね。良い名前ね。」

 

「ん、ありがとう。」

 

「じゃあ次は私ね。私は黒歌。こっちは妹の白音よ。よろしくね。」

 

「よ、よろしく」

 

「ん、黒歌と白音、ね。2人とも綺麗な名前だね、2人にぴったりだと思うよ。あと、こちらこそよろしく。」

 

「・・・うっ///急にそんな恥ずかしくなること言わないでよ!!びっくりするじゃない!!」

 

「・・・うぅ、こんなこと言われたの初めてだから、レイ君の顔まともに見れないよ・・・」

 

こいつはあれかしら、女たらしとか言う奴じゃないでしょうね・・・。

・・・ま、まぁレイは確かに可愛らしい顔立ちしてるし、こんなこと言われたらそりゃ嬉しいけどさぁ・・・・・・・・・・はっ!!何を考えてるの私ぃぃぃぃ!!!??

 

と、私が1人で言いようのない衝動に駆られていると・・・

 

「あぁ、ごめんごめん。久しぶりの会話だからつい舞い上がっちゃったよ。」

 

と、すまなそうにこちらに頭を下げ始めた。

 

「いや、まぁ、恥ずかしかっただけだし頭を下げなくても大丈夫よ。・・・こほん、あー、それよりこれからのことなんだけどさ」

 

とりあえずこの状況を打開するために話題転換する方向に決めた私は今後の方針について話し始めた。・・・・のだが、

 

 

 

 

「・・・・・・・・・ってなわけで僕の実家は現在叔母に乗っ取られてしまっていてね。残念ながら人間界に戻っても住む場所がないんだ。まぁ、だからこの冥界に人間の僕がこうして現在いるってわけさ。」

 

と、彼はこの年頃の子供が経験するには重い境遇を大したことのないように言ってのける。

それを聞いて私は・・・・

 

「・・・・・んでよ」

 

「ん?」

 

「なんでそんな目に遭って、レイはそんな平然としていられるのよ!!」

 

私は悔しく感じていた。会ってまだ全然時間も経ってないこの少年の境遇を聞いて悲しみと悔しさを感じていたのだ。だというのにこの少年はまるでなんとも思っていないように言うのだ。

 

「・・・」

 

私が声を荒げたことに驚いたのか、レイはその黒い瞳を大きく見開いていた。・・・・・あ、よく見るとまつ毛長いな・・・

 

「・・・・平然としているわけじゃないさ、僕だって悔しいさ。・・・・ただ、当時の僕は今以上に力を扱えきれなかった上に、後見人のいない未成年の立場だからね。これに関してはどうしようもなかっただけのことさ。・・・・それに奪われたものはきっちりと取り立てるさ、利子も込みでね。」

 

「・・・・・レイ君は、強いね。力だけじゃなくて、心も。」

 

「んー、僕としてはそうでもないと思っているけど?」

 

「うんうん、なんて言うかレイ君ってすごく大人っぽい。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・ありがとう」

 

・・・・・・・・・おや?なんか白音の表情・・・・・ははーん?なるほどねぇ。

まぁ、レイも私が思っていたほど、別にどうとも思っていない、という訳でもなかったようだ、それに・・・。

 

「うん、わかったわ。いずれ復讐は果たすのね、なら私たちも手伝いたいわ!」

 

「・・・え?なんで?」

 

「レイは私たちの恩人だからね、借りは返したいもの。それにね、私たちももう親はいないんだ、だからね、レイ、私たち・・・・家族にならない?」

 

「・・・・・へ?」

 

ふふふ、驚いてる驚いてる♪レイの驚いた顔はかわいいなぁ。

あとはこれで白音を、くふふふ。

 

「・・・家族、ですか・・・・レイ君が家族になってくれたら、すごく・・・うれしい、です」

 

「え、あ、お、おう?」

 

「白音もこう言ってるし・・・お願い!」

 

ナイスよ白音!!このまま押せばいける!!

 

「・・・・家族になるのは、僕としても構わない、けど。いいのかい?僕は自分で言うのも変だけどかなり得体の知れない子供だよ?」

 

「大丈夫大丈夫、私たちだって普通の子供じゃないし。ほら。」

 

私はそういうと妖怪・猫又の上位種猫魈の証である猫耳と尻尾を出した。

 

「・・・・君達が人の子ではない、というのは解ってたけど。これは・・・驚いた。君たちはキャットピープルだったのか?・・・・いや、キャットピープルって耳とかの出し入れってできたっけ?」

 

「そのきゃっとぴーぷるってのが何かは知らないけど私たちは妖怪よ?」

 

「ようかい?・・・溶解?・・・ヨーカイ・・・・・・妖、かい・・あー、妖怪かぁ。たしか日本とか中国で生息してるっていうあれかぁ。聞いたことはあるけど実際に見たのは初めてだなぁ。」

 

「うんうん、その妖怪よ。それも猫又の上位種の猫魈なんだから!ムフー!」

 

「へぇ!」

 

「ほら、白音も出しなさい」

 

「は、はい」

 

「おお!」

 

私と白音が猫耳と尻尾を出すとレイはすごい興味津々な目で私たちを観察し、そして・・・・

 

「「ひゃんっ!!」」

 

私たちの猫耳を触り始めた。

 

「おお、しっかり触れる!しかも熱もしっかり感じるな!!本物の猫みたいだ!」

 

「「うぅ!!」」

 

彼は気の赴くまま私たちの耳の感触をを堪能した後尻尾も触り始めた。

 

「「ひぃんっ!!?そ、そこはだめぇ!!?」」

 

「うぉっ!?」

 

敏感な尻尾を耳と同様に無造作に触り始めたレイにとうとう私たちは我慢の限界に達し、彼に思い切り体当たりして押し倒してしまった。

 

「「はぁはぁ」」

 

「いててて」

 

「尻尾は敏感なんだからあんまり不躾に触らないで欲しいにゃ!びっくりするにゃ!!」

 

「悪い悪い・・・ん?にゃ?」

 

そして彼に文句を言って私たちは彼から退いて彼を起こした。

 

「とりあえず、これで私たちも普通でないことは理解してくれたかにゃ?」

 

「あ、ああ・・・それ出してると口調変わるのか?」

 

「そうにゃ。猫魈としての本質を表面化した影響でこうなる訳にゃ。・・ん、ただまだ私は猫魈が使う仙術を使いこなせてる訳じゃないから長時間出し続けてると問題が色々と起こるから普段は出してないのよ。」

 

私と白音は耳と尻尾をしまうと再び石を椅子にして座ることにした。

 

「なかなか生きていくのが大変なんだね、君たちって。」

 

「ん、そうね。しかも、この力を狙う奴もいるから、そう言った奴らからも身を守らないといけないし、現に昨日の悪魔たちだってこの猫魈の力が目当てだった訳だもの。」

 

「なるほどね。・・・・・うん、なるほど、分かったよ。君たちの家族になろうって話、受けることにするよ。」

 

「「ほんとう!!?」」

 

「うん、こうして2人と出逢ったのも何かの縁だ。こんな僕で良ければ僕と家族になってくれると嬉しいよ。」

 

「「やったぁ!!」」

 

「うぉっ!!?またか!?」

 

こうしてこの日私たちに新たな家族、レイが加わったのだった。




この間配信されたスマートフォンアプリ、戦姫絶唱シンフォギア XD UNLIMITEDをダウンロードし、現在イベント爆走中。
しかし、そこで難敵現る。まさかの一撃死させる上に全体攻撃が僕の装者を襲う。
果たして、僕はクリアできるのか、そしてクリアするとき僕は何コンしているのか。
それは神のみぞ知る・・・・

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