鉄兜提督がブラック鎮守府に着任しました   作:幻在

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俺も同じだ

一方的、そうなる筈だった。

 

ただただこちらが遠くから艦砲を放ち、それで終わる筈だった。

だが、これはなんだ?

何故、自分たちが倒れている。

何故、自分たちが血を流している。

 

 

何故、自分たちは負けた。

 

 

 

 

 

 

摩耶の状態から、至近距離からの攻撃は危ないとふみ、海上からの砲撃でそれで終わりにする予定だった。

だが、その為には奴を鎮守府から誘き出す必要がある。

その為に取れる手段は一つ。

脅迫。

これをやれば、人間は大抵は外に出てくる。

どうせ、自分たちに身を守られている弱者。

強者の脅しには嫌でも従うだろう。

だが、あの提督は、簡単な脅しには屈しない。

ならばどうするか。

人質だろう。

ならば人質は誰にするか。

候補なら幾人もあがる。

朝潮、海風、山風、そして間宮。

この四人の中で選ぶ必要がある。

ただ事前に分かった事は、朝潮と海風と山風が、不知火と一緒にいる事だ。

そして、間宮は一人。

これほど絶好の機会は無いだろう。

そのまま、確保の成功を待つ事、たった五分。

 

間宮本人から無線が入って来た。

 

よもや、給料艦如きが総勢五名の艦娘を相手に組打ちで勝つなど誰が思ったか。

こうなったら、直接攻撃するしかない。

だから、残りの艦娘全員で、提督を殺しにかかるしかない。

艦砲一発。それだけで終わる。

その筈だった。

だが、艤装を纏っている筈の自分たちを、簡単に傷つけられる武器を持っているなんて誰が思うものか。

更に、艦娘という貴重な戦力相手に、容赦なくその武器を振るえるなんて誰が思うか。

そして、圧倒的近接戦闘技術を持ち、尚且つ、一対多数にして、罠を張り巡らし、万全な状態にて自分たちをたった一人で殲滅しにくるなど誰が思うものか。

今思えば、摩耶が左手を負傷している時点で気付くべきだった。

 

 

 

この男は、戦場で活きた人間だという事を。

 

 

 

 

 

 

そんなもの思いにふけりながら、鳥海は風呂場の天井をぼうっと眺めていた。

風呂場、といっても、薬品などの混ぜ込んだお湯を風呂場に満たしているだけの入渠施設だ。

だが、その効果は覿面(てきめん)だ。

通常なら一ヶ月かかる傷も、この『入渠』というものをやれば、たった一日二日で治す事が出来る。

なんとも進歩した技術か。

「大丈夫か?」

「摩耶・・・・」

そこへ、飲料物を持ってきた摩耶が訪れる。

ここには、鳥海の他にも、何人もの艦娘が入渠している。

そのほとんどが、腹を引き裂かれたり、腕を斬られたり、足を刺し貫かれた者たちばかりだ。

だが、全員大事には至っていない。

ただ、定員には限りがあるので、比較的軽傷の者は、ただ今病室で代わるのを待っている。

「提督の奴が名簿使って容態見ていやがる」

「そう・・・」

あの鬼気迫る戦いから僅かまだ数時間。

高速修復材も使用せずに入れられたこの入渠室からでも、鮮明に思い出す。

あの闇の中、鬼火の様に輝く、赤い眼光。

その中を飛び散る鮮血。

摩耶が、鳥海の入る風呂の隣に座る。

「あいつの使ってるナイフ、深海棲艦の装甲板使ってるんだと」

「深海棲艦の?」

「アイツしか持ってない特殊装備って奴だ。あんなの知ってたら、それなりに対策建てられたかもしんねえけどよ・・・・あんなに強いんじゃ、もうやれる(もん)もやれねえよ・・・」

半ば諦めたかの様な摩耶の言動に、鳥海は信じられずにいた。

あれほど自身たっぷりと物事をこなす摩耶が、こうも自信を無くすほどの人物なのか、あの提督は。

体の芯から冷えていく様だ。

「また・・・・あんな日々が続くのかなぁ・・・・」

摩耶の弱々しい言葉に、鳥海は、何も言えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。

「―――――アァァアッ!?」

「我慢しろ。これが今、最も効果的な止血法だ」

熱したナイフの腹を血が漏れだす傷口に押し当てる提督。

悲鳴をあげているのは大鳳。

やがて肉の焼ける音が無くなると、提督はまた蝋燭にナイフをかざす。

焼灼止血法というものだ。

「うう・・・・何故こんな事を・・・・」

「治療してやってるんだ。ここには止血剤が無い。だから原始的な方法で治療するしかないだろう?」

「そう・・・・なんですか・・・?」

「そうだ」

「うぁ!?」

相手の是非も無しにナイフを押し当てる提督。

「うう・・・・せめて言ってからにして下さいよぉ・・・・」

「言って許可するのか?」

「う・・・・」

何も言い返せない大鳳。

そんな大鳳などお構いなしに、焼け跡に薬を塗り、ペンを持ち、ボードに挟まれた紙に、大鳳の容態を書き込んでいく。

「司令官。包帯の取り換え、終わりました」

「そうか」

「司令、こちらも」

「そうか」

「提督~、五十鈴の入渠完了したぜ」

「そうか、満潮を投げ込んでおけ」

「もうちょっと言い方ってものがあるんじゃないの?」

「知らん」

「かぶ・・・・提督、薬の処方、終わりました」

「そうか」

名簿にどんどん書き込んでいく提督。

ひと段落した所で次に向かったのは、霞の所だ。

「・・・・何よ」

「包帯を外して消毒する」

そして相手の返答も聞かずに足に巻かれた包帯をほどきはじめる提督。

霞の損傷(ダメージ)は右足臀部、脇腹、右肩の右半身の三か所。

「さっき大鳳にやってた事をやるの?」

「そうだ」

何の悪びれもせずに言い切る提督。

霞の返事を待たずして、すでに火であぶったナイフを、臀部にある傷に押し当てる。

「ぐぅ!?」

その行為に苦悶の表情をする霞。

やがて肉が焼ける音が収まると、提督はまた蝋燭についた火でナイフを炙る。

「ッ・・・こんな事をして、私が従うとでも思ってんの?」

「別に従える気などない。俺はただ飛びかかる火の粉を振り払っただけだ。これはその後始末だ」

どうせ焼け跡など入渠で治る。

これは、次の入渠施設があくまでの応急処置だ。

また、傷にナイフを押し当てる。

「うぁ!?」

悲鳴をあげる霞。

そんな事お構いなしに、提督は傷を焼く。

その手つきに、遠慮というものは無い。

「ちょっとは遠慮しなさいよ」

「努力する」

といって出来ないのがこの男だ。

そのまま脇腹の包帯を取っていく。

ふとそこへ、朝潮がやってくる。

「司令官、次の施設が・・・あ」

朝潮の言葉が止まる。

霞は、そんな朝潮を一瞥した後、ぷいっとそっぽを向いてしまう。

「どうした?」

ふと提督が朝潮の方を向く。

「あ、次の入渠施設が空きました」

「誰だ?」

「鳥海さんです」

「ならこいつだ。肩を貸せ」

「な!?」

「え!?」

霞の首が思いっきり動いて提督の方を見る。

朝潮が思わず上体を提督へ傾ける。

「なんで裏切り者に連れて行ってもらわなきゃなんないのよ!?わざと!?」

「次がお前の番だからだ。それに俺には次を見なければならない。ならすぐそばにいる者を使うに決まっているだろう」

名簿を見せ、確かに霞の番だという事が書かれていた。

「あ、あの・・・わたし・・・」

朝潮はたじろいでいる。

「なんだ?」

「あの、だれか・・・別の人に・・・・」

「ふむ・・・・」

ふと周囲を見渡す提督。

見ると、傷だらけの艦娘を、すでに入渠しおわった、あるいは軽傷の者、もともと無傷な不知火たちが看病している。

 

全員手が空いていない。

 

「空いている者がいない。お前がやれ」

「でも・・」

「やれ。命令だ」

そのまま押し切られてしまい。立ち去っていく提督。

その先では、軽巡の名取がいて、どうやら怯えている様だが、それを完全無視してナイフで足の傷口を焼いていた。

本当に遠慮無しの身勝手な人だ。

「「・・・・・」」

そのまま気まずい沈黙。

「・・・・行こうか」

朝潮の一言に、霞は答える事無く、ただ朝潮のなすがままに連れていかれる。

なるべく転ばない様に、ゆっくりと先導していく。

何も話さないまま、とうとう入渠施設に入る二人。

更衣室にて、霞の服を脱がし、包帯を取る。

そして入ったそこには、複数の入渠ドッグのある浴場が広がっていた。

その内の一つに、霞を入れる。

「それじゃ・・・」

「さっさと行きなさいよ」

「うん・・・・」

僅かにも言葉を交わすも、それっきり言葉が見つからず、分かれる二人。

「すっかり仲悪くなったわね」

ふと、そこへ霞に話しかける声。

駆逐艦『天津風』だ。

「・・・・」

「艦娘になる前は結構仲が良かったって聞いてるけど?」

「・・・・うるさい」

膝を抱え、うずくまる霞。

肩と脇腹、そして太腿が痛む。

それと同時に、胸がどうしようもなく締め付けられる。

 

 

 

一方も朝潮も、浴場の更衣室のすぐそばで、小さくなっていた。

「・・・・・どうして」

こんな事になってしまったのか。

「私はただ・・・・・人を・・・・優しい提督がいる事を信じてただけなのに・・・・」

そこには、ただただ深い悔恨のみが残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で・・・・・・

 

「ぎゃぁぁあああ!?」

悲鳴が鳴り響く。

「処置終了だ」

「ううう・・・・」

涙目になる名取。

「ちょっと、もう少し手加減とかできない訳!?」

「そんな事言われても、熱量を下げれば止血など出来んだろう?」

五十鈴の抗議をものともしない提督。

「恨むのなら、止血剤の無いここの設備を恨むんだな」

「この・・・・」

焼いた後の処置を済ませ、立ち上がる提督。

そのまま、次へと向かう提督。

「名取、大丈夫?」

「はい、五十鈴姉さん・・・・」

焼いた時の痛みからか、気が抜けている名取。

「もうすぐ次が来るから、それまでは待ってて」

「はい・・・・それにしても・・・」

名取が、提督を見る。

「さっきまでは私たちをあれほどまでに薙ぎ払ってたのに、今はとても治療に専念してくれているよね」

「そうね。怖いんだか優しいんだか、さっぱりね」

相変わらずの方法で止血をしている提督。

その様子に、名取と五十鈴の心情は、複雑なものになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま数日。

 

「提督」

執務室に、摩耶が入ってくる。

「大淀が目覚めた」

「そうか」

提督は、顔をあげる。

「執務室に呼べ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重い足取りで廊下を歩く大淀。

数日前の戦闘にて、大淀だけは体中を切り刻まれたりとした重傷を負い、ここ数日は眠っていた。

当然、ボコボコにされて気絶した前後の記憶がある訳が無く、数日は寝ていたという事実に、驚く他無かった。

だが、負けたという事実だけは、妙に受け入れられた。

 

 

久しぶりに夢を見た。

かつて、自分が勤めた()()()()()で、艦隊の通信技師役として働いていた時。

本部も近い事もあって、直接任務を通達される事はあったが、それでも良く出撃した艦隊からの電信を受け取る事がおおかった。

当時の初代提督の思想、というか、軍の方針は、艦娘の完全な兵器として扱う事だった。

その為に、提督となる者たちのみならず、海軍に努める者は皆、その様な思想を植えつけられた者が多かった。

そんな事とは知らず、自分たち艦娘は三つある鎮守府に配属され、自分は、圧倒的火力で敵を殲滅する事を目的とした第一鎮守府に配属された。

地獄だった、と記憶している。

それでも、祖国の為になると信じ、戦い続けた。

そう、信じていた。

だが、知ってしまった。

 

新たな大淀が必要だと。

 

自分は、艦娘としては、『不完全』と言われた。

艦娘としての適性は最低80.0%。

検査は、後から結果が来るものだった。

その結果では、自分はギリギリの80.1%だった。

だが、本当は違った。

 

 

適正率は・・・・・69.8%だった。

 

 

 

約70%以下。

それを聞いて、酷く裏切られた気分になった。

自分がしてきた事は何たったんだ?

今まで、戦った分だけ、祖国の人間の笑顔を守れると、そう信じて戦ってきたのに、その見返りがこれか?

聞かれた事に気付かれ、すぐに取り押さえられた。

そのまま殺されるのかと思ったが、何故か死罰は免れた。

だが、やはりそのままではだめだという事で、新しく建てる他の艦娘の補欠を養う為の第四鎮守府が立てられ、そこに自分が最初の艦娘として配属された。

同時に、新しい提督が配属されたが、それは酷いものだった。

不満があればすぐに罵詈雑言、逆らえば即暴力。

体中が痛くなるようなものだった。

それから何人もの艦娘がここに配属されていったが、全員が全員、提督の絶対的支配の前に、傷付くものばかりだった。

だが、そんな中の事だった。

ある一人の艦娘が、提督を撃った。

その提督は、あっけない程に死んだ。

見るも無残に、上半身を吹き飛ばされて死んだ。

そこで悟ってしまった。

 

人間(あいつら)』と『艦娘(自分たち)』の間にある、圧倒的違いというものを。

 

そこからは簡単だった。

提督が死んだ事を告げ、新たな提督が来る。

その提督に対し、気絶させ、ありとあらゆる殺し方を試した。

何人も何人も、殺し続けた。

 

そう、これは、()()()()()()()()()()()。ただの()()()()()()()()()()()()()だ。

 

ただ、自身の中にある虚空を埋める為の遊びだ。

それがだんだんと歯止めが効かなくなっていく事には、ちゃんと気付いていた。

だが、すでに手遅れだった。

止まる事なんて出来なかった。

あの日、朝潮の制止をもってしても、止める事なんて叶わなかった。

 

だから、あの提督には、()()していた。

 

あの時、流石に支配される事への恐怖から、体を引き裂かれても向かっていったが、流石にこちらの攻撃が一度も当たらない、いや、()()()()()()()()制圧されては、もはやこれ以上の行為は悪あがきにしかならない。

これで良いのだ。

自分は、不完全の欠損品。

このまま解体されれば、次の『大淀』が、ちゃんと任務を全うしてくれる筈だ。

ただ()()()()の事を胸に、大淀は、執務室に入った。

 

 

 

「大淀、入ります」

「入れ」

提督の返答を聞き、大淀はゆっくりと入ってくる。

そこには、執務机のすぐ後ろにある窓から外を眺めて大淀に背中を向ける提督。

その傍らには、両手を腰の後ろで組み、足を肩幅開いた休めの態勢で立っている不知火の姿があった。

大淀は、そのまま部屋の中央まで行くと、そこで立ち止まる。

大淀が止まり、数秒すると、提督が振り向いた。

いつもの様に、ところどころ傷はあるもしっかり手入れされた鉄兜を被り、黒い防刃素材の――――おそらく深海棲艦の装甲の金属繊維で作られた――――手袋をはめている。

しばし大淀を見つめた提督は、大淀から視線を外し、こういう。

「不知火。本日をもって秘書艦を()()する。退室しろ」

「分かりました」

いきなり、そんな事を言い、唖然とする大淀。

だが、不知火は特に動揺する事無く執務室から出る不知火。

ばたん、と扉が閉じられる。

「・・・・な、何故・・・」

大淀が問いかける前に。

「軽巡洋艦『大淀』。不知火を解任した今、貴艦を秘書艦に()()()()

またもや、大淀の度肝を抜く事を言う。

「? どうした?」

「・・・で・・・」

「む?」

大淀は、そこで()()()

「なんで!?『解体』とか『処罰』とかしないんですか!?私は貴方を殺そうとした張本人なんですよ!?なのになぜ・・・・」

「殺されかける事などすでに慣れている」

「!?」

もはや言い訳など聞く気なしに打ち切られる。

「いや話は最後まで聞いて下さ――――」

「なんでも80.0%以下で艦娘になれたらしいな」

「!?」

提督が、机の上に置いていた資料を引っ張り出し、それを突きつける。

それは、大淀の、というか『大淀』になった『彼女』の()()()()()()()だった。

「なぜそれを・・・」

その記録は、本当なら本営の重要機密として保存されている筈のもの。

それを何故、この男が持っているのか。

「知り合いの階級は大将だ。アクセス権限高いうえに、お前の事も知っていた。まあ、()()()()()()()()()んだがな」

次に引っ張り出してきたのは、グラフと数値が事細かに書き記された資料だ。

「重要なのは()()()だ。お前は今まで、鎮守府にて艦隊を提督代理として指揮し、見事、勝利を納めている。それだけではなく、本営からの伝達を的確に伝え、誤りの無い報告をし、かつ命令に順守している。ここまで的確に動ける者は他にいないだろう。それに、ここの艦娘が今日まで生きてこられたのは、お前の采配のお陰だ。衣食住の問題は除いて、な」

何も言えない大淀に、提督は遠慮なしに続ける。

「捨てられたそうだな」

提督は、言う。

()()()()()

その声に、確かな何かを込めて。

「だから俺がお前という『欠陥品』を使ってやる。俺はお前たちの()()()()()()()()()()()()。お前たち『兵器』を使えるように仕向け使う為だ。他人がどう言おうが知ったことではない。使えるなら使えるなりに利用するだけだ」

提督は言う。

遠慮無しに。

 

 

「俺がお前たち艦娘を使うのは勝手な事だろう?俺はただ、勝つ為にお前たちを使うだけだ」

 

 

――――異論は、認めん。

 

それだけを言い、提督は告げる。

「お前の秘書艦任命も同じだ。異論は認めない」

そう言い、提督は黙った。

大淀は、未だに我に戻っていない。

「・・・・どうした?」

首を傾げる提督。

「何故()()()()()?」

訳が分からないとでもいう様に、そう言った。

そこで大淀は気付いた。

視界が霞んでいる事に。

頬が濡れている事に。

ただ、それで分かった事が分かった。

俯き笑う。

「?」

「いえ、何でもありません」

きっと理解されないだろう。

ここまで強引な人だ。

分かってくれるわけが無い。

だが、この人は言ってくれた。

 

 

使ってやる、と。

 

 

涙を拭う。

そして、確かな意志を持って、答える。

「――――裏切りは許しませんから」

「――――努力しよう」

その返答に、思わず吹き出してしまう。

「なんですか、それ」

「む?笑う所はあったか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「改めて、軽巡洋艦『大淀』。秘書艦の任、全うさせて頂きます」

「そうか。早速だが、この書類を片付けて貰おう」

()()()()、処理してそのままの書類を。

 

 

 

 


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