とある家の前で、三人の人影が立ち尽くしていた。
「八坂…本当にここに住むのか…」
と男がそう絞り出せば、
「た…たぶん……ここで合っておるはずじゃ……」
と金髪巨乳な美人がなんとかそう絞り出す。
そんな中、同じく金髪な少女は目をキラキラさせていた。
実は日本神話でひと悶着有り、「うちのさっちゃんがすむお家がただの一軒家なんて頼光は許しません!ゆくゆくは私とさっちゃんの愛の巣になるのですから!」と言って高天ヶ原で大暴れした自称母親兼師匠の変態女がいたり、「ならお主に全て任せよう!」と、仕事が減って楽ができると全て丸投げした主神がいたりと。
ともあれ、日本庭園つきの屋敷というのが相応しい豪邸が用意された経緯など知るよしもない。
「取り敢えず…入るか……」
そう言って男が足を踏み入れると、
「旦那様にゃ!」
とどこからか湧いてきた淫乱黒猫が抱き付く。
「く、黒歌じゃと……お主、置いてきたはずがなぜ…」
そう、話し合いの結果引っ越しのことを黙って置いていこうとなったのであった。主に九重への性的イタズラが原因で…
「ひ、ひどいにゃ…」
と黒歌と呼ばれた猫耳着物少女が頭を垂れていると、
「もしかして…連れてきては不味かったでしょうか?」
と別の女性が奥から現れた。
薄桜色の着物を着た銀髪の女性。
「いや、姫華は悪くない。気にするな」
そう言って優しく頭を撫でる。
対して女性は照れ臭そうに頬を染める。
この女性、旧姓をルキフグスと言い元悪魔である。
過去の悪魔内乱で旧魔王に属して闘うも配下のエルザ・スカーレット共々捕らえられ、非道な扱いを受けていたのだが、姉のレシティアナ・ルキフグスが新魔王と結ばれたことにより解放されたのだが、心身ともに傷が酷く、永らく引きこもり生活をしていたのが、沖田総司の眷属化の際に魔王城を訪れた天照の目にとまり交換条件でエルザと共に日本神話側となった。
今は咲良の配下であり、側仕えであり、万能メイドとして働いている。
因みに、エルザ・スカーレットも同じく配下ではあるが、トラウマがフラッシュバックすることがあり、高天ヶ原で療養中なのである。
ともあれ、5人は仲良く引っ越し作業を終わらせるのであった。
とはいくわけもなく、
「我、約束通り禍の団抜けてきた…結婚の約束…」
ロリっ娘龍神さまが登場したのである。
「咲良?この子は誰なのじゃ?」
「そうじゃ!妾というのもが有りながら浮気か!?」
「ロリコンにゃ…」
と三者三様。
「約束…」ギュッ
と抱き付く龍神。
絶対絶命。
しかし、
「皆さん、落ち着いて話を聞きましょう」
とこのメンバーで一番まともな姫華の一言で終息をみせたのであった。
因みに、オーフィスとは一年程前の出張中、
「グレートレッド…一緒に倒す」
とスカウトされたのが出会いである。
あまりの可愛さにオーフィスを愛でまわし、撫でまわし、骨抜きにした際に
「我、咲良と一緒…」
とご都合主義にありがちな展開になった際、流石に持ち帰りは不味いと思い
「禍の団を抜けてきたらな」
と返したのがこの状況の始まりだったりする。
この後だが、軽く四人とオハナシした後は違和感無くオーフィスは受け入れられたわけで、流石にオーフィスと呼ぶのは不味いとのことで、桜華(おうか)と名付けたわけである。
これによって、姫華が
「…私と咲良の子供みたいね…」
と若干頬を染めて呟いたことでひと悶着あったのは言うまでもない。
という訳で、頑張って書いてみようと思います。
語彙力や表現力等圧倒的に足りませんが、温かく見守っていただくと有りがたいです。
なお、
グレイフィアについては姫華、オーフィスは桜華、エルザは紅葉(くれは)としてやっていく予定です。