赤と青の力で異世界を楽しもう   作:コレクトマン

4 / 14
第3話です。

始まります。


いきなりボス戦!?……早すぎだろ!

 

 

ボーナスクエストから約一週間が経った。俺こと“工藤 正宗”は、武器屋にて色んな武器を見て

いた。何故武器を見ているのかというとこれには理由がある。万が一パラドクスに変身できない

状況になった時に対しての緊急処置である。武器屋で俺は戦斧を購入した後道具屋にてある武器

を作る為に材料を購入し、組み立てて連射型のクロスボウガンを作った。

…しかし俺は戦斧とクロスボウガンを見てパラドクス パーフェクトノックアウトゲーマーに付属

する“ガシャコンパラブレイガン”のことを思いつく。

 

 

「……よくよく作ってみればパラドクスの武器を意識しすぎたなこりゃ……」

 

 

そう呟きながら俺はギルドに向かうのであった。ギルドではあの水色髪のアークプリーストこと

“アクア”が借金返済の為にギルドの食堂で働いていた。何でもカズマ曰く、ここにツケを作り

すぎたとの事だそうだ。俺は思うのだが、ツケは作るべきではないと思うんだが………。

一方のカズマはというと、眼帯のアークウィザードこと“めぐみん”と共に爆裂魔法の練習?

をしに街の外にある廃城で爆裂魔法をぶっ放していた。恐らくこの前のボーナスクエストの

爆発はめぐみんの爆裂魔法が原因だと分かった。カズマ達は今、ギルドの食堂にて休憩しながら

昼食を取っていた。そんなこんなで俺は、クエスト表を確認してどのクエストにするか決めて

いると、突如とサイレンが鳴り響いた。

 

 

『緊急!!緊急!!全冒険者の皆さんは戦闘態勢で街の正門に集まってください!』

 

 

どうやら何かしらの敵がこのアクセルの街に攻めてきたのだろう。俺には関係ない事なのだが。

ここで街を失うのはこっちも痛手を負うのは確実だ。そんなこんなで俺は至急街の正門まで

走って向かった。正門には多数の冒険者達で埋められて前が進み難かったが何とか突破して

目の前の敵を目視した。その敵は、人の者とは思えない黒いオーラを放っておりいかにも強者の

風格を感じさせる何かを感じた。黒い首なしの馬に乗り、頭の兜を持つ首無しの騎士が街の正門

に立っていた。

 

 

「あ…あれはまさか…!」

 

「…むっ、知っているのか?えっと…」

 

「ダクネスだ。あれは強大な力を持つアンデッドモンスターの“デュラハン”だっ!」

 

「マ…マジかよ!?そんな奴が何でこんな初心者の街に…」

 

「大方あれじゃないか?どっかのバカが敵の拠点に攻略か、攻撃でもしているかのどちらか

だろ?(何かデジャビュを感じるんだが……)」

 

 

するとデュラハンが首なしの馬から降りて俺たちに問いをかけた。

 

 

「俺はベルディア。つい先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部の者だが……」

 

 

“ベルディア”と名乗ったデュラハンは、左手に持つ兜から見える赤い目を光らせ問いかけながら

大声で冒険者達に告げた。

 

 

「……貴様らに問う…毎日毎日俺の城に爆裂魔法を撃ちこんでくる大馬鹿は誰だぁーー!!」

 

 

どうやらベルディアがここに来た目的は、己が城に爆裂魔法を撃ちこむ犯人を探しに来たようで

怒りを抱えながらここにやって来たようだ。

 

 

「ば…爆裂魔法…?そんなの撃てる奴なんていたか?」

 

「爆裂魔法好きで撃てる奴って言ったら…」

 

「(あちゃー…デジャビュはここだったか…)めぐみん、君だろ?爆裂魔法を撃ちこんだの…」

 

 

俺の問いに冒険者たちは一斉にめぐみんの方に目を向ける。そもそも魔法を放てる時点で職業は

ウィザード系に絞られる。況してや爆裂魔法という上級魔法を使う時点でウィザードの上位職

アークウィザードでないと無理だ。そして、レベルの低い駆け出しの冒険者が集まるこの街で

爆裂魔法を覚えている……というより爆裂魔法中毒者としか言えないアークウィザードはこの中

でたった一人しかいない。

 

 

「……ギクリッ……」

 

「(今口で言ったぞコイツ…)」

 

「その感じからして肯定で良いんだよな?多分、反論はできないと思うけど…」

 

 

俺や冒険者たちの視線に痺れを切らしたのか、めぐみんは堂々とベルディアの前に立ち………

 

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードにして爆裂魔法を操る者!気高き紅魔族の者にして

この街随一の魔法使いである!」

 

「あのな、誰が名乗れと言ったんだ。普通そこは謝るところだろ?」

 

 

謝りもせず、己が名を名乗ったのでめぐみんに突っ込む俺であった。無論、ベルディアはまだ

怒っており、怒りながら漫才的な展開になった俺とめぐみんに突っ込みを入れた。

 

 

「めぐみんって何だ!そこの奴と漫才でもしてる辺りバカにしているのか!?」

 

「いやっ違う違う!俺は別だ!」

 

「ち、違うわいっ!」

 

 

なぜか俺もとばっちりを受けて魔王幹部にも突っ込みを入れられるのであった。

突っ込みをした後か、自然にベルディアの怒りが冷めてきた。…でも俺は別であった。

“なぜ俺まで巻き込まれなきゃならんのだ!”っと。

 

 

「…フン、まあいい。今日は警告に来たのだ。俺はある調査のため、あの城に滞在している

だけ「どうでもいい…」…む?」

 

 

ベルディアは喋っている途中に別の声が出たので語りを途中で中断し、その別の声が聞こえた

方へ向くとそこにはめぐみんとの漫才を否定した工藤が、めぐみんの前に立っていた。

 

 

「つまりこの爆裂魔法中毒者に爆裂魔法を使わせるなってことだろ?」

 

「うむっ…話が分かるように言えばそういうことだ」

 

「いいえお断りです!紅魔族は一日一発爆裂魔法を撃たないと「めぐみん、少し待って。

OK?」……不本意ですが、分かりました」

 

 

めぐみんは爆裂魔法を使うなと言われて抗議したが工藤の一言によって中断した。

当の本人は不本意であったが………。

 

 

「まっ…あの廃城にアンタが居るのを知らずに攻撃してしまってすまなかったな。

詫びと言ってはなんだが、代わりに俺がお前の()()()()になってやるよ…!」

 

 

“ほぉ…”とベルディアは興味を示しながら俺を見つめる。そして俺はブレザーのポケットから

ガシャットギアデュアルを取り出してダイヤルを左に回した。

 

 

[KNOCK OUT FIGHTER][The strongest fist! "Round 1" Rock & Fire!]

 

「変身!」

 

 

そう言ってスイッチを押してギアホルダーに差し込んだ。

 

 

[DUAL UP!][KNOCK OUT FIGHTER!]

 

 

“仮面ライダーパラドクス ファイターゲーマー”に変身した俺を見たベルディアや冒険者たちは…

 

 

「な…何!?何だその姿は!?」

 

「おいっ…さっきの奴がこの前の青いやつと違って赤いやつに変わったぞ!」

 

「ありゃ…格闘重視を特化した姿か?」

 

「あれか?青のやつは妙なデカイメダルを使うやつで、赤のやつは拳で殴るタイプなのか?」

 

 

ベルディアは俺が仮面ライダーパラドクスに変身したことに驚き、冒険者達は俺の特徴を冷静に

分析をしていた。おいおいっ…分析するタイミングが違うだろ………。

 

 

「そんじゃ…行くぜぇ」

 

 

俺は右腕のマテリアライズスマッシャーを軽く振るいながらベルディアに向かって殴りかかる。

しかしベルディアもタダで食らうわけもなく何もない所から剣を出現させ、右手で剣を持ち

そのままその剣で工藤のマテリアライズスマッシャーの拳を防ぐ。

 

 

「(ぬっ…重い!)貴様、見た目の割にやるではないか!」

 

「見た目で判断するんじゃ怪我するぜ!」

 

 

そう言って俺はベルディアの剣を弾き、そのままラッシュを仕掛けた。

ベルディアも俺のラッシュを防ぎ、反撃のチャンスを伺った。これを見たカズマ達や冒険者達

は彼らの戦いを見届けていた。

 

 

「ス…スゲーッ…!マジモンの仮面ライダーの戦いを見たのは初めてだ…」

 

「あの魔道具から未知の力を解放させてその力を行使している?…何やらライバルの予感が

します…」

 

「スゲーぞあいつっ!あの魔王の幹部と互角に戦っているぞ!」

 

「いいぞ、ボウズ!かなり押しているぞ!」

 

「俺たちは応援することしかできないが、負けんじゃないぞ!」

 

 

カズマは空想のヒーローが今目の前で戦っている事に驚きながらも感動していた。

めぐみんはガシャットギアデュアルに興味を示しながらも何故か俺をライバル扱いにされた。

そして冒険者達は俺の応援をしていた。応援するのは良いが、お前達の安全は保証できんぞ?

するとベルディアが反撃と言わんばかりに剣を振るい、俺を切りつけ吹っ飛ばした。

切り口はなかったものの、切りつけられた衝撃で飛ばされた俺は受け身を取って体制を

立て直した。

 

 

「やるな!ファイターゲーマーでもいけると思ったが、流石は魔王の幹部だけのことはある」

 

「当然だ!貴様らが相手をしていたそこいらの雑魚と思わぬことだ!」

 

「…だったら、戦術を変えるだけだ。(にしても…如何してだか判らんが、心が踊る!)」

 

 

そう言って俺はギアホルダーからガシャットギアデュアルを抜き出してダイヤルを右に回して

さらに右に回した。

 

 

[PERFECT PUZZLE][What's The next stage?]

 

「大変身!」

 

 

ガシャットギアデュアルのスイッチを押して再度ギアホルダーに差し込んだ。

 

 

[DUAL UP!][PERFECT PUZZLE!]

 

 

俺はファイターゲーマーからパズルゲーマーに姿を変えた。

 

 

「ぬ…!また姿を変えたか…」

 

「こういう相手には真正面、ゴリ押しで勝つ!」

 

 

そう言ってマテリアライズショルダーの効果でアイテムを上に集めて整理し、コンボを作った。

 

 

[マッスル化!][マッスル化!][マッスル化!]

 

 

“マッスル化”のアイテムを三つ取って倍の倍の倍。つまり、8倍のパワーを得た。

 

 

「!…真っ向からくるか。よかろう、なら来るがいい!」

 

「んじゃ…お言葉に甘えるぜ!」

 

 

ベルディアの騎士としての誇りに甘んじて、ギアホルダーからガシャットギアデュアルを

抜き出してダイヤルを左に回した後右に回してそのままギアホルダーに差し込んだ。

 

 

[KIME-WAZA!][Dual Gashat!]

 

 

俺からはカラフルなエネルギーが足に収束して青いオーラを放ち、ベルディアは黒いオーラを

放ちながら必殺の間合いを取る。俺はマッスル化の効果で己が体のパワーを上げ、必殺の構えを

取る。

 

 

[PERFECT CRITICAL COMBO!]

 

「行くぜ!!」

 

「……来い!!」

 

 

ベルディアの声を合図に俺は走り、助走をつけた処で飛んでライダーキックをベルディアに

かます。ベルディアは、左手に持つ兜を空高く投げて剣を両手に持ち替えて俺のライダーキック

と張り合う。両者ともに張り合いが続き、そして…俺とベルディアは、パワーとパワーのぶつかり

合いの衝撃で互いに吹っ飛び合う。

 

 

「ぐわぁっ!……あぐぅ……!」

 

「……ぬっ!ぐぅ……!」

 

 

俺はあまりのダメージで変身が解けてしまい倒れこみ、ベルディアもまたダメージを負って

膝をついたのであった。冒険者達は俺が敗れたと思ったのか戸惑っていた。

そしてダクネスは、自分もあんな風に吹っ飛びたいというMな感じで赤面になっていた。

 

 

「フ……フフッ……フフフフ……!」

 

「ハ…ハハッ……ハハハッ……!」

 

 

ベルディアが心が滾ったかのように笑い、俺もベルディアに釣られたのか、俺も笑っていた。

こんなにも心が躍ったのは初めてだった。俺はなんとか体を起こし、立ち上がった。

 

 

「これほどの力を持っているとは………人間にしては惜しい者だ」

 

「まさか…魔王の幹部からお墨付きが貰えるとはな。ある意味、光栄かな?」

 

「フッ………しかし、貴様をこのまま野放しにして置く訳にはいかん。

ならば、貴様が我が城に来なければならない運命をくれてやろう!」

 

「俺が…アンタの城に来なければならない運命…?」

 

 

するとベルディアは人差し指に何かしらの黒い魔力を収束させ、そのまま俺に向けて

黒い魔力弾を放った。するとそこに………

 

 

「下がれっ!」

 

「なっ!?お前は…!」

 

 

工藤を庇った者はゲンムと同じゲーマドライバーを装着しガシャットギアデュアルβを差し込んだ“仮面ライダーブレイブ ファンタジーゲーマー レベル50”だったのだ。

ブレイブは、ファンタジーゲーマーの魔王の力を発揮させバリアを張り、ベルディアの黒い魔力弾を無力化したのだ。工藤はブレイブのキメワザスロットホルダーのホルダーケースを見た。

ブレイブのホルダーケースに“SHAKARIK SPORTS”ガシャットがあった。

この時に俺はブレイブの正体が一週間前に助けに来たゲンムだと分かった。

……後、今更なのかブレイブの登場と同時に起動音が聞こえた。

 

 

「何っ!?我が“死の宣告”が打ち消されただと!?それに、あの禍々しい鎧を被さった青い騎士といい、あの魔力………まるで魔王の魔力そのもではないか……!」

 

「お前……まさかっ、ゲンムなのか?」

 

 

ゲンム兼ブレイブは工藤の問いかけには応じずベルディアに問いを投げた。

 

 

「ここは引け、魔王の幹部ベルディアよ……」

 

「貴様……何者だ」

 

「僕……いやっ、俺は仮面ライダーブレイブ。訳あって彼を助けに来た」

 

 

彼というのは多分俺のことだろう。いきなりのブレイブの登場にカズマ達や冒険者達は混迷していた。ただしめぐみんに至っては、ブレイブの尋常じゃない魔力の量やブレイブのカッコいい台詞に憧れを抱いていた。

 

 

「フンッ!貴様の様な輩に引けと言われて“はいっそうですか”と答えるとでも?」

 

「強がるな…お前はパラドクスの必殺技を相殺させたとはいえ、ダメージを受け流す事が

出来なかったのだろう?」

 

 

ブレイブの言う通りベルディアの鎧などをよく見てみると、彼方此方に傷ができていた。

ベルディアもダメージを受けていながらこうして喋っているあたり流石は魔王の幹部だけのことはあると思った。

 

 

「……まぁ良い、今回ばかりは引こう。それと…貴様の名は何だ?」

 

 

ベルディアが俺を指名して名前を聞いてきた。ここで名乗らなければな………

 

 

「…俺は“工藤 正宗”。又の名を仮面の戦士こと、“仮面ライダー パラドクス”」

 

「工藤 正宗……仮面ライダーパラドクス……確かにその名を覚えたぞ」

 

 

ベルディアは俺の名前や俺が変身するパラドクスの名前を聴き終えると乗ってきた馬に乗り、俺達に告げた。

 

 

「パラドクス、ブレイブ、いずれ貴様らとの決着は着ける。それまで首を洗って待っているが良い!あえて言おう、覚えておくがいいっ!!」

 

 

そう告げたベルディアは己が馬を走らせ、城へと帰っていった。

 

 

「もはや長居は無用か………パラドクス、これを渡す」

 

 

そしてブレイブは去る間際に俺に“マイティブラザーズXX”ガシャットを渡してきた。

 

 

「おいっこれって……!」

 

「また会おう………」

 

 

ブレイブはマントを広げながら魔力の霧の中に消えた。結局俺はブレイブことゲンムの正体を掴む事はできなかった。するとカズマが俺にブレイブについて聞きに来た。

 

 

「なぁっ工藤。あいつって一体……」

 

「俺にも判らん……だが、何故かブレイブの中の奴の事を知っているような気がする……」

 

 

“…そっか”とカズマは答えるしか無かった。すると正門の方からギルドの食堂のバイト用の服を着たアクアが今頃になってやって来た。

 

 

「ちょっと皿洗いで時間がかかったけどアンデッドのデュラハンはどこかしら?私が浄化して報奨金を頂いて……って、あれ?」

 

 

本当の意味で“今頃?”という空気が漂っていた。主にアクアの性で………。

 

 

「アクア……お前なぁ、最後の最後でしらけるタイミングで来るか?普通……」

 

「何よ!せっかく来てあげた上にアークプリーストの役割を果たそうというのにその言い草はないでしょ!!」

 

 

本当の意味でしらける感じで“魔王の幹部襲撃事件”が一時的に幕を降ろすのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーSee you Next game...?ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。