赤と青の力で異世界を楽しもう   作:コレクトマン

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第12話です。


始まります。


デストロイヤー襲来!……気持ちわりぃ!?

 

 

正宗達が、このすばIFの世界から元の世界に帰ってから二日後……祐介は相変わらず作業室にて“HYPER MUTEKI”の開発を行うのであった。無論、開発する度に約十回以上死んでGAME OVERになって、開発困難になっている事を正宗は知らない。そんなことを知らないまま正宗は、祐介の様子を見に作業室に向かうのであった。そこで正宗が見たものは、トチ狂った祐介が笑っている光景であった。

 

 

「ブゥァアアッハッハッハッハーー!!ブゥァアアハッハッハッハッハッハーー!!」

 

「おーいっ大丈夫か?つーか、まさか……アレ、出来たのか?!」

 

 

正宗は祐介が“HYPER MUTEKI”の開発に成功したと思った。しかし……現実は非情である。

 

 

「……駄目だ〜〜〜〜?!!(泣)」

 

「だあぁーーー!!?(怒)」

 

 

未だに“HYPER MUTEKI”の開発は困難で約80%が完成しており、セーブ機能を含む残りの20%が未完成であった。何故祐介は“ハイパームテキ”にセーブ機能を搭載としたかと言うと、万が一の保険だそうだ。

 

 

「“HYPER MUTEKI”の完全無敵は無事に再現することは成功したものの………肝心なセーブがうまく機能しないときた。開発を始めてから既に二日………開発中に既に11回位は過労死しているな」

 

「いや……お前また無理しすぎだろ!?つーかもう休め!体がもう持たんぞ?!」

 

「あぁ……分かっている。私もそろそろ……休まな…けれ………ば………………ぐはっ」バタンッ!

 

[GAME OVER]

 

 

またしても祐介は力尽きてしまい、GAME OVERになってまたライフを消費してしまう。

案の定、紫の“CONTINUE”土管から祐介が疲労しながらもまた復活する。

 

 

「ジャンプ……残りライフ………82……クソッ!“HYPER MUTEKI”が完成間近だというのにまたライフを削るとは……」

 

「いやっ削りすぎだろ、お前………」

 

 

とりあえず正宗は、祐介と共に今しばらくのひと時を過ごして羽を伸ばそうと現実世界に戻ってきたのだが、街の住人達や冒険者達が慌ただしくなっていた。そしてアナウンスからも警報が鳴っていた。

 

 

『……繰り返します!デストロイヤー警報!デストロイヤー警報!“起動要塞デストロイヤー”がこの街に接近中です!住人の方は速やかに避難、冒険者の皆様は装備を整えてギルドへ集合してください!』

 

 

どうやら“起動要塞デストロイヤー”がこのアクセルの街に向かって進行しているようだ。

折角の羽伸ばしも台無しになった正宗は最悪の気分であった。

 

 

「あー……クソッ!今日は厄日か?!なんて日だ!!」

 

「うーむ………とりあえず、街の外へ行ってみよう!デストロイヤーがどんな形をしているのか見ておく必要があるからな」

 

 

そう行って正宗達は街の正門から外へ出て、祐介は“JET COMBAT”ガシャットを起動させて“コンバットゲーマ”を召喚し、コンバットゲーマに乗ってデストロイヤーを偵察しに向かった。

残った正宗は、自前の望遠鏡でデストロイヤーを目で目視すると正宗は思わず呟いた。

 

 

「うわぁっ…気持ちわりぃ…!本当にキメェッ…!」

 

 

そう呟くと、街から冒険者達が次々と出てきた。その中にはカズマ達の姿が見えた。

正宗はそのままカズマ達の元に向かって合流し、祐介が帰ってくるのを待った。

 

 

「応っカズマ!お前達もデストロイヤーを討伐しに来たのか?」

 

「ん?あぁ…正宗か。実際そう言うことになるな……て言うかこの街がデストロイヤーによって壊されちまったら、俺たち住む場所がねぇ……」

 

「あー………確かに。……おっ?どうやら祐介が帰って来たようだ」

 

 

正宗は空を見上げるとコンバットゲーマに乗った祐介がこちらに戻って来て、そのままカズマ達と合流した。因みにアクアは祐介を見た瞬間背筋が凍った様な感覚を感じ取ったのは余談だ。

 

 

「戻ったぞ。デストロイヤーなんだけど、三点で特徴を言うと…デカい、キモい、ヤバいのノーハッピーセットみたいな感じでやばかったよ?」

 

「俺も望遠鏡で確認したがかなりヤバい位に馬鹿デカかったぞ?移動動作が滅茶苦茶キモかった。攻略法としては何か考えはあるのか?」

 

「無論あるぞ。兄さんはこれを使ってくれ、僕は引き続きこれを使う」

 

 

祐介は正宗に“MIGHTY CREATOR VRX”ガシャットを渡して懐からゲーマドライバーを取り出し装着、そして手持ちの“BANG BANG SHOOTING”ガシャットと“JET COMBAT”ガシャットを取り出してスイッチを起動させる。

 

 

[BANG BANG SHOOTING!]

 

[JET COMBAT!]

 

「第参戦術!」

 

 

祐介は“BANG BANG SHOOTING”、“JET COMBAT”の順番にゲーマドライバーのスロット口に挿し込んでレバーを開いた。

 

 

[ガッシャット!ガッチャーン!レベルアップ!

ババンバン!バンババン!(YEAH!)バンバンシューティング!]

 

[アガッチャ!ジェット!ジェット!イン・ザ・スカイ!ジェット!ジェット!

ジェットコンバット!]

 

 

すると祐介は“仮面ライダースナイプ”に変身し、コンバットゲーマはスナイプに噛み付く様に合体して胸部は戦闘機のような形になり口には呼吸器が付き、前髪のようなパーツは上に回転し右目も見えるようになった姿になった。腰には高い連射能力と威力をもつガトリング砲[ガトリングコンバット]を装備する。飛行能力があり空中から相手に砲撃を浴びせる戦法を得意とする“仮面ライダースナイプ コンバットシューティングゲーマー レベル3”である。

そして正宗は、祐介から渡された“MIGHTY CREATOR VRX”を使って変身するのであった。

 

 

「……よく考えれば俺、初めてエグゼイドに変身するな。じゃあ……気合入れて行くか!」

 

 

そう言って正宗は、ゲーマドライバーを装着して“MIGHTY CREATOR VRX”ガシャットを起動させる。

 

 

[MIGHTY CREATOR VRX!]

 

 

そしてガシャットをゲーマドライバーのスロット口に挿し込んでそのままレバーを開く。

 

 

「無限大変身!」

 

[ガッシャット…!ガッチャーン…!レベルアップ!天地創造の力!(ゲットメイク!)未来のゲーマー!マイティクリエイターVRX!]

 

 

正宗はエグゼイドに変身すると同時にエグゼイドに腰のマントや白い装甲、肩部、VRヘルメットなどが付けられている。また、複眼部や胸部の装甲はモチーフのVRのヘッドセットの意匠が大きく出ている。この姿こそ“仮面ライダーエグゼイド クリエイターゲーマー”である。

このエグゼイドにはレベルは存在せず、最大の特徴は"クリエイター"の名が示す物体創造能力。

マイティクリエイターVRXガシャットをペンの様に使用して空中に線や絵を描くことで剣やミサイルなどの攻撃手段や敵の攻撃を防ぐ盾を自由自在に出現させられる上に、足場や空中を高速飛行する翼までも作り出せる他、チート武器までも作り出せるのだ。そのため、変身者のセンスや応用力次第でどこまでも強くなれるフォームと言える。

 

 

「ノーコンティニューで…ゲームを作るぜ!」

 

 

そう言ってエグゼイドはゲーマドライバーから“MIGHTY CREATOR VRX”ガシャットを抜き出して、それをペンの様に左右にロケットがついたウイングを描くとエグゼイドの背中に合体して空高く飛び出してスナイプと合流する。これを見たカズマ達や冒険者達はもはや唖然とする他なかった。唯アクアはエグゼイドクリエイターゲーマーの物体創造能力に神聖な力を感じ取った。

 

 

「えっ……?アレに神聖な力を感じるんですけど……」

 

「おいっ!デストロイヤーが来たぞーーっ!!構えろっ!!」

 

 

冒険者がデストロイヤーを目視したと同時に皆に知らせて己が武器を構えるように指示を出す。

これを聞いたカズマ達や冒険者はすぐ座に各々の所定の位置についてデストロイヤーを迎え撃つ準備を終える。そしてカズマがデストロイヤーを目視した時に言葉が発した。

 

 

「デケェ!!速ぇ!!予想以上に恐えっ!!」

 

「カズマ!俺に任せろ!」

 

 

エグゼイドはガシャットで先が尖った遺伝子の形を描き、矛なのか剣なのか不明な武器を創り出した。

 

 

「想いの強さが剣に宿る………名付けて、“ぬのぼこの剣”!」

 

「いやっ兄さん、それアウトだから!なんか名前がいろんな意味でアウトだから!?」

 

 

スナイプはエグゼイドが創り出した武器の名前に突っ込みを入れる。

 

 

「いやっ適当に考えただけなんだが……まぁどの道、あのデストロイヤーの周辺に張っている見えないバリアみたいな物を壊さないと攻撃が効かなさそうだしな。トドメは祐介、下にいるめぐみんとウィズさんと共に決めな!」

 

「やれやれ……バリア破壊という名の美味しい所取りかよ!だが…任せろ!」

 

 

そう言ってスナイプは一旦下へ、めぐみん達と合流しに向かった。そしてエグゼイドはガシャットをキメワザスロットホルダーに挿し込んでホルダースイッチを押す。

 

 

[ガッシャット…!カミワザ!]

 

 

するとエグゼイドが創り出した“ぬのぼこの剣”にカラフルなエネルギーが収集し、エグゼイドは

再びホルダースイッチを押す。

 

 

[MIGHTY CRITICAL STRIKE!]

 

「神レベルの一撃だ!身をもって味わえ!」

 

 

エグゼイドは、“ぬのぼこの剣”をデストロイヤーに目掛けて投擲する。

投擲された“ぬのぼこの剣”は、そのままデストロイヤーのバリアである結界に阻まれるが、その結界に徐々に罅が生じ、やがて結界は打ち砕かれ、そのままデストロイヤーの胴体に突き刺さる。

 

 

[神撃の一発!]

 

「よしっ、デストロイヤーのバリアは破壊した!トドメを一発を頼むぞ!」

 

 

エグゼイドは地上にいるスナイプにトドメの一撃を頼み、一時離脱する。

 

 

「了解だっ兄さん!めぐみん!ウィズさん!行くよ!!」

 

 

そう言ってスナイプはゲーマドライバーから“JET COMBAT”ガシャットをキメワザスロットホルダーに挿し替えてホルダースイッチを押す。

 

 

[ガッシャット!キメワザ!]

 

「は…はい!いきますよ、めぐみんさんっ!」

 

「我は最強の爆裂魔法の使い手!リッチーや仮面ライダーに遅れをとるわけにはいかないっ!」

 

 

めぐみんとウィズは詠唱を行い、爆裂魔法を発動させる。そしてスナイプは、キメワザスロットホルダーのホルダースイッチを押して必殺技を放つ。

 

 

「行くよ!僕たちの必殺技!!」

 

[JET CRITICAL STRIKE!]

 

「「エクスプロージョン!!」」

 

 

めぐみんとウィズの爆裂魔法である“エクスプロージョン”とスナイプの“ガトリングコンバット”のエネルギー弾と飛行ユニットである“エアフォースウィンガー”から小型ミサイルが多数発射されデストロイヤーの胴体を破損させ、脚部を完全に破壊し、アクセルの街への衝突を回避する事に成功するのであった。そしてデストロイヤーは、脚部を破壊されたことで街の一歩手前で停止した。

 

 

「ふぅ………危なかった」

 

「はぁっ……はぁっ………なんか……めっちゃ疲れたような気がするな。やるもんじゃないな………柄じゃないことするのは………」

 

 

スナイプは無事にデストロイヤーを止められたことに安堵し、正宗は変身を解除してぐったりしていた。何故か“クリエイターゲーマー”に初めて変身した後の疲労が反動で来たのだった。

 

 

「な…なぁ。アレ……やったよな?オレたち、やったんだよな?」

 

「おっと!ここからは迂闊な発言は慎もうぜっ!」

 

 

他の冒険者がデストロイヤーを止めることに成功したことを確信したのか喜びが湧き上がるのを見たカズマは、フラグを回避する為に迂闊な発言は慎む様に伝える。無論、正宗たちもデストロイヤーに対して警戒していた。

 

 

「そうだな……取り敢えずデストロイヤー内部に侵入して、念には念を入れてデストロイヤーの機能を完全停止をしよう」

 

「そだねっ兄さん。聞いた話だと…あのデストロイヤー内部にアイツを開発した責任者が中枢部を乗っ取って操作を続けているそうだって」

 

 

“面倒な奴だな……そいつ”と正宗が呟くとお約束の如くなのか、アクアが空気を読まずにフラグを建てまくるのであった。

 

 

「あははやったわね!何よっ!起動要塞デストロイヤーなんて大げさな名前しておいて!期待はずれもいい所“バキュンッ!”よ………へっ?」

 

 

アクアの顔に何かが遮り、その遮った方向に顔を向けるとスナイプが“ガシャコンマグナム”をアクアの方に向けていたのであった。恐らく、わざと顔スレスレに撃ったのだろう。

スナイプの顔の中は仮面越しではわからないが、祐介は笑みを浮かべているが目が笑っていない事をアクアは悟った。無論、正宗も怒っていた。

 

 

「おいっ……このマダオ。お前はなんで余計な事をしでかすんだ?素なのか?それともわざとか?もしわざとなら、マジでぶん殴らせろ………」

 

「全く………あなたは本当に何で余計な事をしでかすんですか?それだから“まるでダメな女”。

略してマダオなんですよ?それともそうやりたいのが素なのですか?バカなの?アホなの?死ぬの?」

 

「ひっ……ヒィィィィ!?」

 

 

カズマはアクアがフラグを建築しまくったことに怒ろうとしたが、逆に正宗達が怒ってアクアを容赦なく怖がらせた。これを見たカズマは、流石にアクアの事を同情するのであった。

するとウィズはデストロイヤーの異常を察知したのか、正宗たちに声をかける。

 

 

「あ……。ク……クドウさん……ユウスケさん……」

 

 

ウィズの掛け声に気づいた正宗たちはデストロイヤーの方に向けるとデストロイヤーから駆動音とは思えない音を発していた。

 

 

《この機体は起動を停止致しました。排熱、及び起動エネルギーの消費ができなくなっています。危険レベル上昇中……搭乗員は速やかに避難してください繰り返します………》

 

「だークソッ!アクアがフラグ建築した性で結局こうなるのかよ!」

 

「……こうなったら、即席“プランB”の出番だね。デストロイヤーに乗り込んで内部に突入し動力を止める!と言うわけでアクア、事の落とし前をつけてもらう為について来てもらうぞ?強制的にな……」

 

「だから今回は私は何もしてないのにーーっ!!」

 

「「フラグを建てまくったアンタ(あなた)が言うな!」」

 

 

そんなこんなでスナイプはアクアを掴んでデストロイヤーに乗り込み、正宗は自前のクロスボウガンにフックとロープを取り付けた矢を装填し、そのままデストロイヤー上空に放ち、フックが引っかかったことを確認すると、そのまま登り始めた。その後に他の冒険者(男ども)が後を続く様に弓にロープが付いた矢をデストロイヤー上空に放ち、そのロープをたどって登り詰めた。

無論、カズマとウィズも後に続いた。一方のダクネスは、カズマにめぐみんの面倒を見る様に言われてがっかりしていた。本人曰く自分も行きたかったそうだ。そして登りきった正宗たちの前に多数ゴーレムが立ちはだかっていた。恐らくは、デストロイヤーに侵入してくる魔物を排除するために作られた自立防衛型ゴーレムだと思われる。

 

 

「……分かってたとしちゃ分かってたが、ここの守りも硬いなくそったれ!」

 

「その様だね……どうする?」

 

「どうもこうもない……強行突破だ!」

 

 

そう愚痴りながらも正宗はゲーマドライバーを装着してガシャットギアデュアルを挿し込んで、変身ポーズをとりながらもゲーマドライバーのレバーを開いた。

 

 

[デュアルガッシャット!The strongest fist! What's The next stage?]

 

「マックス大変身!」

 

[ガッチャーン!マザルアップ!パーフェクトノックアーウト!]

 

 

正宗は“仮面ライダーパラドクス パーフェクトノックアウトゲーマー”に変身し、そのまま“ガシャコンパラブレイガン”を召喚し、装備してAボタンを押してガンモードに切り替えてパラドクスは、ゲーマドライバーからガシャットギアデュアルを抜き出してそのままガシャコンパラブレイガンに挿し込んだ。

 

 

[ズ・ガーン!デュアルガッシャット!キメワザ!]

 

 

そして“PERFECT PUZZLE”の恩恵である物質操作能力でエナジーアイテムを集めてそのままコンボを作り上げた。

 

 

[鋼鉄化!][分身!]

 

 

“鋼鉄化”のエナジーアイテムはガシャコンパラブレイガンに吸収され、“分身”のエナジーアイテムはパラドクスに吸収された。

 

 

「ゴーレムを一体ずつ相手にするだけ時間の無駄だ。ここは一気に畳み掛ける!」

 

[PERFECT CRITICAL FINISH!]

 

 

そしてガシャコンパラブレイガンをゴーレムに向けると“分身”の効果で7人に増えたパラドクスは“鋼鉄化”の効果を得たガシャコンパラブレイガンの鋼鉄化したエネルギー弾を全ゴーレムに向けて撃ち込んだ。かなりの強度を持つゴーレム達は、パラドクスの必殺の一撃に耐えられるわけもなくゴーレム達の胴体に大きな風穴が空いた。そしてゴーレム達は、ダメージに限界が来たのかそのまま倒れ込んで動かなくなった。

 

 

「うっし!これでよしっ!」

 

「よしっ……後はコイツを作って中を乗っ取っている責任者を探し出すか!」

 

 

そしてことが運ぶ様に後から来た冒険者達と共にデストロイヤー内部につながる入り口から侵入して、そのまま責任者がいる中枢部に到着した。だが、その責任者は既に死んでいてミイラ化していたのであった。その途中アクアがその死んだ責任者の日誌と思わしき物を発見しアクアがそれを読んでみると内容が酷い物であった。簡略に説明すると、その責任者はデストロイヤーの動力源である“コロナタイト”と呼ばれる超レア鉱石にタバコを投げ込んで暴走させたのだ。

しかもその責任者は、酒に酔っていた為なんの責任感もなくである。

 

 

「あ……ここで終わりみたい」

 

『なめんな!!』

 

 

カズマや他の冒険者の意見は最もではあるが、正宗の怒りがさらに加速されるのに十分な位にお怒りであった。そして正宗はミイラ化した責任者の頭蓋骨に思いっきり殴りつけてその責任者の頭蓋骨を粉砕するのであった。

 

 

「巫山戯るな!なんでこの世界には碌でもない連中がいっぱい居るんだ!!」

 

「兄さん、今はそのミイラ化した責任者(バカ)はほっといてあのコロナタイトを何とかしよう」

 

 

祐介は正宗をなだめて動力源であるコロナタイトを如何にかすることを持ちかけた。

するとカズマがあることを閃く。

 

 

「あ……そうだ!ちょっとこれは怪我する前提だが、取り出せることが可能かもしれない!」

 

「ん?なあっカズマ、それは大丈夫なのか?」

 

「やってみる価値はある!“スティール”!」

 

 

カズマは盗賊スキルである“スティール”をコロナタイトに向けて発動させ、そのままカズマの手にコロナタイトが収まった。()()()()()()()()()………

 

 

「計画通……あああああづああーーーっ!!?!」

 

「ちょっ!?お前なにやってんだ?!“フリーズ”!」

 

「会心のボケの一発をやってる場合じゃないよカズマ!!“ヒール”!」

 

 

カズマの手が黒焦げになってしまったが、ギャグ補正?と正宗と祐介の治療のおかげで大事に至らなかった。しかしその時、コロナタイトに異常が発生した。コロナタイトがより輝きを増していた。これを見た正宗は嫌な予感を悟ってしまった。

 

 

「げっ……不味い!このままだとコロナタイトがメルトダウンして大爆発するぞ!!」

 

「マジでっ!?おい、アクア。お前、女神パワーとかで封印出来ないか?」

 

「ゲームとかじゃないんだからそう都合よくいかないわよっ!」

 

 

この時祐介は、アクアが“ゲームとかじゃない”というキーワードを聞いてあることを閃く。

 

 

「………!?それだ!!その手があった!」

 

 

祐介がそう言うと祐介がオリジナル魔法である“セイクリッドオールクリエーター”でオリジナルエナジーアイテムである“ワープ”を創り出し、そのエナジーアイテムをコロナタイトに吸収させる。この“ワープ”は、対象をランダムに転移させる効果を持つエナジーアイテムである。

 

 

[ワープ!]

 

 

そして“ワープ”を吸収したコロナタイトはどこかへワープして消えた。

 

 

「ふぃ〜〜っ……間一髪」

 

「なんとか……助かったのか?俺たち………」

 

「うん、なんとか一件落着だよ……みんな……」バタリッ!

 

 

すると祐介は“セイクリッドオールクリエーター”を使って魔力を枯渇させたのか、途中で倒れ込んだ。

 

 

「お……おいっ祐介!大丈夫か?」

 

「大丈夫じゃない………疲れた」

 

「まぁ……お疲れさん。カズマ、俺は祐介を連れて先に離脱する。後は任せてもいいか?」

 

「お……応っ!後のことは任せろ!」

 

 

こうして正宗は、祐介を連れて先にデストロイヤーから脱出し、そのまま街に帰還して祐介を宿屋のベットに寝かせてデストロイヤーの方に向かおうとすると、そのデストロイヤーの方角から爆風が聞こえた。大方めぐみんかウィズがデストロイヤーにトドメの“エクスプロージョン”を放ったのだろうと正宗は思った。しかし、実際のところデストロイヤーの内部に溜まっていた熱が大爆発を起こす事を悟ったウィズは爆裂魔法で相殺しようとしたが、カズマがウィズがリッチーであることがバレる為、代わりにめぐみんが爆裂魔法で相殺することになった。

この時カズマは、ウィズから教わった魔力吸収魔法“ドレインタッチ”でアクアの魔力をめぐみんに譲渡させて過去最大の爆裂魔法でデストロイヤーの爆発を相殺することに成功するのであった。

 

 

それから数日後……

 

 

デストロイヤーが討伐されてから数日経ったある日、王国からアクセルの街にやってきた王国検察官“セナ”とその護衛の騎士達が正宗と祐介に国家転覆罪の容疑がかけられている事を告げに来た。

 

 

「冒険者クドウマサムネ!及びクドウユウスケ!貴様には国家転覆罪の容疑が掛けられている!自分と共に来てもらおうか!」

 

 

カズマは何が何だか分からず、セナに説明を求めた。

 

 

「あ…あの〜何が何だか分かりませんが、どちら様で?それと……国家転覆罪って、正宗達が何かしたんですか?」

 

「……失礼、自分は王国検察官のセナ。国家転覆罪とは、国家を揺るがす事件などを起こした者が問われる罪だ。知っているな?クドウ兄弟にはテロリスト、もしくは魔王軍の手の者ではないかとの疑いがかけられている」

 

「はぁ?!なんでだよ!?俺は何もしてねえだろ!!」

 

「まぁまぁ兄さん、少し待って。えっと……確か貴方は、王国検察官のセナさんですよね?何で自分たちに国家転覆罪がかけられているのですか?」

 

 

正宗は自分に訳のわからない罪を付けられたことに癇に障り、祐介は正宗を宥めながらセナから何故自分等に国家転覆罪がかけられているのかを聞き出した。

 

 

「えぇ……以前貴方達はデストロイヤーの核であるコロナタイトをテレポートさせたことでこの地に治める領主殿の屋敷に転送されたのだ!」

 

「(アッチャー!あの時の“ワープ”のワープ先がそこだったのか!……マジでヤバい!)えっと……それで死傷者が出たんですか?」

 

「いや……幸いにも皆不在だったので怪我人はいない。屋敷は吹っ飛んでしまったがな!」

 

 

セナの態度が気に入らなかったのか正宗は腹を立てていた。そして相手を刺激させる発言をした。

 

 

「あのな、要はその領主の屋敷が吹っ飛んだが怪我人はいなかったわけだろ?だったら問題ないだろ、命あっての物種ってやつだ」

 

「問題が大有りだっ!貴様、状況がわかっているのか!?貴様は領主殿の屋敷に爆発物を送り吹き飛ばしたのだ!今の貴様にはテロリストか魔王軍の手の者ではないかと嫌疑がかかっているのだぞ!!」

 

「知るかっ!!そもそもその領主はデストロイヤーが接近してくる時に俺たち民を置いて先に屋敷から逃げ出したんだろ!俺たち冒険者は命懸けで戦っていたというのにそちらの王国の軍隊はどうだ?魔王の幹部ベルディアがこの街に攻め込んできた時もそうだ。そちらは“ああ…そうですか”と適当に返して軍隊を動かさなかったんだろ!その様な奴らにどうこう言われる筋合いは無い!!」

 

「ちょっ…兄さん!?抑えて抑えて!相手を余計に刺激させちゃ駄目だって?!」

 

 

正宗とセナの口論がヒートアップし、祐介が正宗を宥めようとするが既に遅く、セナの堪忍袋の尾が切れていた。そして正宗も、“怒り”と言う名の心が滾っていた。

 

 

「貴様………黙って聞いていれば!我々は兎も角、貴様は領主殿を愚弄するのか!!事の内容によっては貴様を国家反逆罪で貴様を拘束させてもらうぞ!!」

 

「上等だ!!俺は元々貴族や誰かを見下す野郎は大嫌いなんだよ!無論、お前のことは嫌いだ。

お前は……俺の心を滾らせた!!」

 

「ちょっおま?!お……おいっ!コラ!待て待て待てー!!」

 

 

とうとう口論は激しさを増して祐介ですら止められなくなってきたのだった。

カズマ達や他の冒険者達も正宗とセナを止めようとしたその時、まだ昼間だというのに一気に夜中へと暗くなったのだ。無論口論をしていた正宗とセナはこの異常に気が付き、口論を中断したのであった。

 

 

「何だ……?昼間が………夜中になった……?」

 

「何だ………これは?!クドウマサムネ!貴様の仕業か!?」

 

「アホ抜かせ!口論中に詠唱が出来るわけ無いだろ!」

 

「一体……何で昼間が夜中に……………ん?昼間が夜中?……………まさか!」

 

 

祐介が何かに気付くと、ギルドの入り口から一人の男性が入って来た。

見た目からしてこのファンタジーな世界には似合わない現代のビジネススーツを纏っていて、顔付きはイケてるオジサマであり、全てにおいて見下す様な気配が出ていた。

そしてその男性は王国検察官であるセナやカズマ達や他の冒険者にこう告げた。

 

 

「………諸君。“工藤 正宗”と“工藤 祐介”の国家転覆罪は無効だ………」

 

 

その男こそが正宗にとってこの世界に転生させた神であり、全ての黒幕でもある事を今の正宗は気付けなかった。唯、祐介だけを除いて………

 

 

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ーーーーーーーーーーーーーーーSee you Next game...?ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

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