赤と青の力で異世界を楽しもう   作:コレクトマン

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第9話です。

始まります。


カズマ死す⁉︎……と思っているのか!!by.祐介

 

 

間も無く冬本番が近づく中…彼こと“工藤 正宗”はクエスト表にて色々なクエストを確認していた。一方の祐介は、あるガシャットの開発の為に宿に留まっていた。その中で一つ気になる表紙があった。

 

 

「“起動要塞デストロイヤーの偵察”?……何だコレ」

 

 

起動要塞デストロイヤーという訳の分からん要塞?の偵察らしいが、一体どんな形なのか見当が

付かなかった。クエストの情報によるとデストロイヤーは蜘蛛型の超大型ゴーレムだそうだが……

正直言って嫌な予感しかしないクエストであると思った。そんな時にクエストを受けに来たのか

カズマ達がやって来た。

 

 

「おっ…正宗か。お前も、クエストを受けに?」

 

「ん?カズマか……まぁな。といってもまだ決めてないけどな」

 

 

そう言って正宗は再びクエスト表を見直してみると、“雪精討伐”と書かれたクエストがあった。

 

 

「“雪精討伐”?こんなクエストもあるのか」

 

「なぁ…その雪精ってのは何だ?」

 

 

カズマが雪精とは何なのか分からなかった所で正宗が大まかに説明した。

 

 

「あぁ…雪精ってのは街の人から聞いた話によると、白くてフワフワした人に害のない雪のモンスターだそうだ。それと因みに何だが、その雪精を一匹倒す毎に春が半日早く来るって言われてるんだとさ」

 

 

カズマは“へぇー”と頷きながらクエスト表の“雪精討伐”の報酬額を確認した。

報酬の方はやたらと高額だった。しかし、その分何かしらの裏があるはずとそう思った正宗はカズマ達と共に“雪精討伐”を受けた。

 

 

「…報酬も良いし、危険なヤツじゃないならコイツにするか」

 

「…なぁカズマ…俺、大事な事を思い出したわ。アニメの傭兵が言ってた言葉があるんだが……確かな……“妙に報酬が良い依頼は絶対に受けるな”……だっけか?何となく嫌な予感がするから今回は助っ人という形で参加するぞ」

 

「お……応っ。まぁ…人手が多い方が早く終わらせるからな」

 

「うぅっ………ドSライダーと一緒なんて……」

 

 

アクアは正宗に対しての拒絶を抱きながらもカズマ達と正宗は雪精討伐の為に雪精が屯っている雪の平原に向かった。しかし、今思えば疑ってかかるべきだった。雪精討伐中に、まさか……彼奴が死ぬ事になるなんて思いもしなかった。雪の平原にて雪精を数十体を討伐、捕獲した後そのままアクセルの街に帰ろうとした時だった。

 

 

「……なぁカズマ?なんか急に吹雪が少し強くなったような気がするんだが」

 

「そうか?俺にはよく分かんないけど……」

 

 

カズマは吹雪が強まった事に気付かず、正宗は僅かな吹雪の強まりを見極める事が出来た。

すると次第に吹雪が着々と強まっていき、正宗達の前に鎧を着た何者かが薄々と現れて来た。

 

 

「あっ」

 

「やはり来たかっ」

 

「ん?アクアにダクネス?どうした?」

 

「あーっ……嫌な予感が的中したか……アクア、彼奴何なのか知っているか?」

 

「えぇ…知っているわ。カズマ…何故他の人がこのクエストを受けないのか教えてあげる…」

 

 

アクアは、今着々と近づいてくる鎧武者?の説明をした。

 

 

「日本に住んでいたあなたならニュースで聞いた事があるでしょう?この時期になると訪れる冬の風物詩…殺された同胞の仇を討たんとする雪精の主、そう冬将軍の到来よ!」

 

「嫌な予感がこれと来たか……このクエストを作った依頼者と会ったらバグスターウイルスを感染させてこの世から消滅させてやる…!」

 

「いやっ…こんな時にブラックジョークを言っている場合じゃないぞ!?」

 

 

カズマの突っ込みの後に冬将軍は一呼吸をした時に自前の刀を抜刀してカズマに斬りかかろうとする。

 

 

「危ないっ!」

 

 

ダクネスがカズマを庇いながら割って入り冬将軍の斬撃を防ぐが、ダグネスの長剣が紙の様にあっさり斬れて、その斬れた長剣は正宗の方に飛んでいき、正宗は“危なっ!?”と言ってギリギリの所で避けるのであった。

 

 

「わわっ私の剣が!?」

 

「何つう刀の技量だ…!ダクネスの剣を紙の様に簡単に斬るとは………!」

 

「おいっアクアっめぐみんっ何とかしろ!」

 

「無理よっ!あの精霊決まった実体持たないもの!」

 

「……面倒だな。この世界に来た日本人の何処かの馬鹿が“冬将軍=鎧武者”って洒落で連想したんだろうな。こんな事なら祐介も連れて来れば良かったぜ…!(めぐみんは既に死んだふりしてるから大丈夫だろう…)」

 

 

少しばかり後悔した正宗を置いてアクアは捕まえたであろう雪精を逃してカズマ達に土下座する様に伝えた。

 

 

「とにかくっ冬将軍は寛大な精霊よっ!DOGEZAよ!DOGEZAして謝るの!早くっ!!」

 

 

カズマはアクアの言われた通りに冬将軍に土下座をした。しかし、この場にて土下座しない二人がいた。それは正宗とダクネスである。

 

 

「…!何やってんだっお前達も土下座しろっ!」

 

「はっ?土下座?冗談じゃない…!日本風物である甲冑があんなダサい雑魚将軍に理解されてたまるか!実体を持とうが持たなかろうが関係ないっ…!この場でぶっ潰す!」

 

「くっ…聖騎士である私がモンスターに頭を下げるなど…いや…しかし下げたくもない頭を無理やり下げさせられるなんてどんなご褒美が…「ダクネス…独りでにドMモードに入るな」え?ワップ……!?」

 

 

正宗はダクネスの頭を無理やり下げさせた後にガシャットギアデュアルを取り出して変身しようとしたその時、冬将軍と正宗の間に“WARP”と書かれた紫色の土管が出現して、そこからアクセルの街の宿でガシャットを開発に没頭していた祐介が現れた。

 

 

「トゥッ!……やっほー兄さん。ガシャットの件で報告が「おいっ馬鹿!伏せろ!」…え?」

 

 

すると祐介の首が身体と分離するかの様に首が跳ねた。そして身体は力尽きる様に倒れた。

 

 

「OH!MY!GOD!?祐介ーーっ!?」

 

[GAME OVER]

 

 

祐介の身体が真っ白になった時にドット状の粒子状になってまた祐介が消えた。

そして冬将軍は、正宗達に背を見せて去ろうとした時に冬将軍の前に“CONTINUE”と書かれた紫色の土管が出現し、そこから祐介がガシャコンブレイカーを持って復活して来た。

 

 

「ジャンプ!…って!何さらすんじゃボケーーッ!!」

 

 

祐介は決まった実体を持たない冬将軍の兜にガシャコンブレイカーを叩きつける。

すると意外なことに冬将軍にダメージを与える事ができたのだ。ダメージを受けることを思っていなかった冬将軍はよろめいた。

 

 

「残りライフ…97。僕の貴重なライフをよくも!」

 

 

冬将軍は何とか体勢を立て直して祐介を見つめ直した。そして再び刀を構えて攻撃体勢に入った。するとそこで正宗が変身する“パラドクス ファイターゲーマー”が冬将軍に殴りにかかった。

しかし冬将軍はそれを難なく防いだ。

 

 

「祐介!こいつには実体を持たないそうだからこいつをリプログラミングしてくれ!」

 

「なるほど…任せろ!こいつには僕の貴重なライフを減らした礼を返さないとな!」

 

 

祐介は懐からゲーマドライバーを取り出して腰に装着して“MAXIMUM MIGHTY X”ガシャットを

取り出してスイッチ入れた。

 

 

[MAXIMUM MIGHTY X!]

 

「マックス大変身!」

 

 

祐介は“MAXIMUM MIGHTY X”ガシャットをドライバーのスロット口に差し込んでレバーを開いてガシャットのエグゼイドが出ているスイッチを押した。

 

 

[マキシマムガッシャット!ガッチャーン!レベルマーックス!マキシマムパワーX!]

 

 

祐介はエグゼイドに変身したと同時に後ろに出現する“マキシマムゲーマ”の方に跳び、そのまま搭乗する様に入り人形へ変型した。

 

 

「変身したのは良いが、やっぱり人手が足りないな…。カズマ!今こそ変身してこっちを手伝って来れ!」

 

「……はっ!?忘れてた!これがあるんだった!」

 

 

カズマは“ゾンビメーカー討伐”失敗以来、祐介からゲーマドライバーとプロトガシャットであるプロト“MIGHTY ACTION X”を取り出してドライバーを腰に装着し、ガシャットのスイッチを入れる。

 

 

[MIGHTY ACTION X!]

 

「えっと…変身!」

 

 

カズマはガシャットをゲーマドライバーのスロット口に差し込んでレバーを開いた。

 

 

[ガッシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!

マイティー!アクショーン!X!]

 

 

カズマが変身したのは“仮面ライダー ゲンム レベル2”である。

そしてカズマの前にパネルが出現し、カズマがそのパネルを触れるとガシャコンブレイカーがカズマの手元に出現した。

 

 

[ガシャコンブレイカー!]

 

「すげぇ…!俺、仮面ライダーに…「カズマ!感傷に浸っている場合じゃないぞ!」はっ!?そうだった!今行くぞっ!」

 

 

ゲンムに変身したカズマはガシャコンブレイカーを片手にパラドクス達と合流し、冬将軍と対峙しようとしていた。パラドクスは、エグゼイドとゲンムにある戦法を伝えた。

 

 

「祐介はリプログラミングで冬将軍に実態を持たせて攻撃できるように頼む。俺とカズマはお前の攻撃のチャンスを作る」

 

「了解した!」

 

「それは分かったけどよ…どうやって彼奴の注意を引くんだ?」

 

「それはな…こうするんだ!」

 

 

パラドクスは、エナジーアイテムの中でこちらを指で挑発するシルエットで描かれた橙色のメダルを吸収する。このアイテムの名は“挑発”といって相手を挑発し、対象に注意を向けさせる効果を持つアイテムである。パラドクスは、アイテムを吸収したと同時に冬将軍の注意を引く。

 

 

[挑発!]

 

「おいっ!雑魚将軍!お前みたいな奴が日本甲冑を纏ってんんじゃねぇ!!」

 

 

冬将軍はパラドクスから罵倒されたことに気が触れたのか、刀の居合抜刀で正宗に斬りかかるが、パラドクスはギリギリなタイミングで避ける。

 

 

「ふぃー…!結構ギリギリな攻撃だなこりゃ…」

 

「よーしっ俺も!」

 

 

ゲンムもパラドクスを置いてガシャコンブレイカーで冬将軍に攻撃を仕掛けるが、冬将軍は自前の刀でゲンムの攻撃を全て受け止めていた。そしてお返しと言わんばかりに刀を振るう様に一閃し、攻勢に出ていたゲンムを吹き飛ばした。この時にゲンムのライダーゲージが一気に六割も持って行かれた。

 

 

「おいっカズマ!迂闊すぎるぞ!それと胸のライダーゲージが全てなくなるとGAME OVERで死ぬぞ!」

 

「げっ!?マジか!?」

 

「二人共、いったん離れて!」

 

 

エグゼイドはゲンムの危機を察知したのかガシャコンキースラッシャーに“MAXIMUM MIGHTY X”を差し込む。

 

 

[マキシマムガッシャット!キメワザ!]

 

「よしっ!行くぞ!」

 

 

エグゼイドはガシャコンキースラッシャーを持ち直してそのまま必殺技を放つ。

 

 

[MAXIMUM MIGHTY CRITICAL FINISH!]

 

 

そしてエグゼイドは、冬将軍に向かって斬り捨てる様にガシャコンキースラッシャーを振るった。同じく冬将軍もエグゼイドを斬り捨てようと刀を振るい、剣と剣がぶつかり合いつばぜり合いが起こった。しかし、そのつばぜり合いもすぐに決着が訪れた。エグゼイドのガシャコンキースラッシャーがつばぜり合いに勝ち、そのまま冬将軍の腹わた部分を斬り付ける。

するとリプログラミング機能が発動し、冬将軍は実態を持って当てられる様になったのだ。

 

 

「うっし!二人とも、一気にフィニッシュを決めるぞ!」

 

「あぁ!フィニッシュは必殺技で決まりだ!」

 

「お…応っ!」

 

 

エグゼイドはガシャコンキースラッシャーから“MAXIMUM MIGHTY X”を取り出してそのままゲーマドライバーのスロット口に差し込み、レバーを閉じて必殺技の体勢に入る。

そしてパラドクスとゲンムも必殺技の体勢に入る為に、パラドクスはガシャットギアデュアルをギアホルダーから軽く抜いてダイヤルを右に回した後に再び左に回してギアホルダーに差し込む。

そしてゲンムは、ゲーマドライバーからガシャットを抜き出して左腰についているキメワザスロットホルダーに差し込んでそのままホルダースイッチを押した。

 

 

[ガッシャット!ガッチョーン…キメワザ!]

 

[KIME-WAZA!][Dual Gashat!]

 

[ガッシャット!キメワザ!]

 

 

そしてエグゼイドはレバーを開き、ゲンムはホルダースイッチを押して必殺技を発動させる。

 

 

[ガッチャーン!MAXIMUM CRITICAL BREAK!]

 

[MIGHTY CRITICAL STRIKE!]

 

[KNOCK OUT CRITICAL SMASH!]

 

「オラァッ!」

 

 

パラドクスは冬将軍をアッパーで打ち上げる様に殴りつけ、エグゼイドとゲンムは打ち上げられた冬将軍に向かってライダーキックをお見舞いする。

 

 

「ハァァァーー!!」

 

「オリャーーッ!!」

 

 

空中に打ち上げられた冬将軍は成す術をなくエグゼイドとゲンムのライダーキックをモロに食らうのであった。

 

 

[会心の一発!K.O.!]

 

 

そして冬将軍は倒れこみ、パラドクス達は勝利を収めたのだった。

 

 

「ふぃ〜……何とかなったね」

 

「はぁ〜っ…死ぬかと思った…」

 

「やれやれ…だ?………ッ!?」

 

 

パラドクスは倒れこんでいる冬将軍の方に殺気を感じ振り向くと、冬将軍が居合抜刀体勢でパラドクス達の誰かを道連れにしようとしていた。

 

 

「げっ!?二人とも、しゃがめ!」

 

「ん?あっ…やっば!」

 

「え……?は…」

 

 

パラドクスは、ゲンムとエグゼイドにしゃがむ様に指示した後に自身もしゃがみこんだ。

エグゼイドもパラドクスの指示を聞いた後に冬将軍の方を見た。その冬将軍が居合抜刀で斬りかかろうとしていることを理解してすぐ座にしゃがんだ。しかしゲンムは、パラドクスの言った指示を理解できず冬将軍の方を向くと冬将軍が居合抜刀で斬りかかろうとしているを理解した時には冬将軍の刀がゲンムの胴体を斬りつけてゲンムを吹き飛ばした。

 

 

「がっ……!?」

 

 

冬将軍の居合抜刀をモロに食らったゲンムは、そのまま倒れこむと同時にライダーゲージが完全になくなってゲンムの身体は紫色のドット柄の粒子状になって消えた。

 

 

[GAME OVER]

 

「!!ッ……なろっ!!」

 

 

パラドクスは、己が腕に装着している“マテリアライズスマッシャー”に搭載されている特殊燃焼装置“マテリアバーナー”をフルに発揮させて冬将軍の方に向けて拳を振り上げて、炎を冬将軍に直撃させてそのまま冬将軍を溶かし、消滅させた。その後パラドクス達は変身を解除してカズマはどうやって蘇生させるかを考えていた。

 

 

「マズった……まさかカズマがGAME OVERになるなんて……」

 

「ありゃりゃ……なんてこったい。まさかこうも早くβ版の新機能が此処でお披露目とは…」

 

「ん?……β版の新機能?どう意味だ?」

 

「んっ……実はあのβ版、僕が改造して新機能である“コンティニュー機能”を搭載されているんだ。まぁ……こうも早くGAME OVERになるのは予想外だったけどね」

 

 

すると正宗達の前に“CONTINUE”と書かれた土管が出現した。しかし、少し時間が経ってもカズマが出てこなかった。

 

 

「おいっ…カズマが全然出てこないぞ?」

 

「あーっ…あれかな?初めてのコンティニューだから仕組みをまだ理解してないのかな?仕方ない、直接迎えに行くか!行くよっ兄さん?」

 

 

そう祐介が言うと、正宗を強制的に連れてCONTINUEの土管に入っていった。

 

 

「おいっまて!俺は関係ないだろ!?」

 

「まぁまぁっ良いじゃないかwww(まぁ…実際兄さんに合わせたい人物がいるからね♪)」

 

 

そんな感じで祐介と正宗はCONTINUEの土管に入ると、そのCONTINUEの土管が消えた。

アクア達は、死んだカズマをなんとか蘇生させようと考えていたが、祐介がカズマを迎えに行くと言ってCONTINUE土管に入って以降頭の中の処理が一時的にフリーズした。

因みに余談だが、死んだふりし続けためぐみんは冷たい雪の上で死んだふりをし続けたせいで風邪をひいたそうだ。

 

 

一方のカズマはと言うと、死後の世界で“幸福の女神 エリス”から己が死んだことを告げていた。

エリスから告げられたカズマは、瞳から涙を流して泣き出した。そして時間が経ち、何とか落ち着いたカズマはエリスから“俺を殺したモンスターは…?”と聴きだすと、“正宗さんがトドメを刺して消えてしまいました”と告げられた時、カズマは安堵した。

 

 

「佐藤和真さん、せっかく日本からこの世界に来てくれましたのにこんな事に…。

異世界から来た勇敢な人…せめて私の力で何不自由なく暮らせるように転生させてあげましょう」

 

 

カズマは、祐介からもらったゲーマドライバーとガシャットを見て思った。

“何か破天荒的な感じだったけど、結構フレンドリーな奴だったな…”と……。

そしてカズマは、そのまま己が死を受け入れてエリスの祝福のもと転生をする…………

 

 

「あーっ…ゴメン。何かシリアスな展開な所…神である私が言っている、ここで死ぬべき運命では

ないと!ハッハッハッハッハ〜〜!“スパーンッ!”ハンコック!?」

 

 

………はずだった。カズマとエリスの間から“CONTINUE”と書かれた土管が出現し、そこから祐介が現れたと思いきや正宗も土管から現れるのであった。そして正宗は、自前のハリセンで祐介の“黎斗化”を止めるために突っ込むのであった。

 

 

「お前はいい加減に自重しろ!……んでっカズマ、迎えに来たぞ」

 

「正宗に…祐介?!お前ら……どうして?」

 

 

カズマは正宗達が何故死後の世界にいるのか疑問に思った時に正宗に突っ込まれた祐介が堂々としてカズマに説明した。

 

 

「どうして?って……それはカズマに渡したプロトガシャットのβ版の追加された新機能である

“コンティニュー機能”の土管を通じてここまでやって来たと言う訳だ!」

 

 

正宗は突っ込むことに疲れたのか、懐からバグヴァイザーの強化版(というよりバグスター専用だが)である“ガシャコンバグヴァイザーⅡ”を取り出した。何故正宗がそれを持っているというと雪精討伐の前に祐介から渡されたからだ。

 

 

「つまり事実上、カズマは99個のライフを得て私と同じように何度でも復活できる様にしたのだ!やはりワァタシは、神だーー!ああぁぁぁああ〜〜〜〜〜!??」

 

 

すると祐介は突然オレンジ色の粒子状になってそのまま正宗が手に持つバグヴァイザーⅡに吸収された。

 

 

『おいっ!何をするっ!?』

 

「調子付くな!突っ込むこっちの身になれ!」

 

『フザケルナーー!!出せェーーー!!ブゥゥゥェァァアアア!!』

 

 

祐介をバグヴァイザーⅡに吸収した時の正宗は思った。“もう祐介は黎斗化しちまっているわ……”

この光景を見ていたカズマとエリスは…“何かしらの漫才か(でしょうか)?”と考えていた。

そして正宗は、祐介を吸収したバグヴァイザーⅡを懐にしまってカズマにアクア達がいる所に戻るように伝える。

 

 

「まぁ……そう言うことだから、カズマは先に土管に入って向こうに戻ってくれ」

 

「えぇーっ……いいのか?」

 

「あぁ、俺は彼女と少し話がしたいんだ。まぁ…カズマの蘇生の件は彼女が何とかしてくれるだろうから多分大丈夫だろう」

 

 

“多分かよ……”とカズマが頭の中で突っ込み、エリスはため息を吐いてカズマの復活を了承した。

 

 

「はぁーっ……わかりました。もう…こんな事特例ですよっ?王様だって一度だけなんですから」

 

 

エリスからの了承を得た後にカズマはCONTINUEの土管に入る直前にエリスから“この事は内緒ですよ?”と聞いた後にそのまま土管に入っていった。

 

 

「……そういえばアンタと会うのは初めてだったな。俺は“工藤 正宗”、ちょっとある理由で神嫌いになった転生者だ」

 

「初めまして、私はエリス。アクセルの街の人々から崇拝されている“幸福の女神”です。

貴方の事は祐介さんから聞いています」

 

 

正宗とエリスは、互いにそれぞれ自己紹介をした後にエリスから“何故この世界に転生されたのか?”を聞き出されると俺はジジィの事を思い出して向かっ腹が立ったがあえて抑えてエリスに

説明した。ジジィ()曰く、()()()()()と言う理由で殺されて、この世界に転生させられたことをエリスに話した。正宗の話を聞いたエリスは、悲しい表情で正宗に同情した。

エリスの表情を察した正宗は、ジジィやアクアとは全く違って物腰穏やかな女神と判断した。

 

 

「そうかっ………やっぱりアンタ、俺を転生させたジジィとは違うな。ジジィのムカつく感じが全くしない。向こうにいるアクアっていう奴はジジィと同じ感じだったが、アンタは全くそれが感じない。アンタなら少しは信用してもいいかもしれないな」

 

「そうですか……そのっ…正宗さんの弟である祐介さんなんですが……」

 

「あぁ…祐介から聞いている。彼奴は自分の意思でこの異世界に来たって言ってたからな。

彼奴がどうして死んだのかはまだ聞いてはいないが、いつか聞くつもりだ」

 

 

エリスは“そうですか……”と複雑な気持ちで返事をした。そしてバグヴァイザーⅡに吸収された祐介から正宗にあることを告げる。

 

 

『あーっ…会話している所悪いけど、そろそろCONTINUE土管が消滅するからすぐに戻った方がいいよ?』

 

「えっ………あれって時間制限付きだったのか!?そういうのは早く言ってくれっ!そういう訳でエリス、それじゃあ!」

 

 

正宗はそう言って直ぐにCONTINUE土管に入ってそのまま現世の世界に戻って行った。

そして役目を終えたかの様にCONTINUEの土管は紫色のドット柄の粒子状になって消滅した。

この時にエリスは、正宗等に幸があらんことを祈った。

 

 

「エリスの名の下に……どうか、あの仮面の戦士に幸福の祝福があらんこと……」

 

 

その祈りは正宗に届いたどうかは判らないが、彼女は唯祈るのであった。

 

 

現世の世界に戻ってきた正宗達は、アクア達と共に一旦ギルドに戻って“雪精討伐”のクエストを報告し、何とかクエストを完了することができたそうだ。そして今は、風邪をひいためぐみんを休ませるために宿で休むのであった。因みに宿代は正宗達の奢りだ。

カズマは、めぐみんの看病として医療スキルが高い正宗達に任せたのであった。

 

 

「わ……私としたことが不覚でした。冬将軍がいなくなるまで死んだふりし続けるんじゃありませんでした……さ……寒いですっ……」

 

「めぐみん……あえて言うけど、死んだふりは普通モンスターには聞かないぞ?ほらっおじやだ」

 

「兄さん、ここの常識と僕たちの世界の常識と比べても意味ないと思うけど…。はいっタオル」

 

「俺にも祐介と同じコンティニュー機能がついて残り98個か……何故か何回か位に死にそうな予感がするんだが……」

 

 

そんなこんなで正宗達は宿でめぐみんを看病し、カズマは己がライフが消費する末路を予感をするのであった。

 

 

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ーーーーーーーーーーーーーーーSee you Next game...?ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

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