変なのに愛されて悪夢しか見れない   作:蒼穹難民

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前回のあらすじ


僚の人類軍ロロ雑巾計画
野獣少女!蔵前果林! ☆爆☆誕☆‼︎




にじゅうななにちめっ!

ーー『アルヴィス・格納庫』ーー

 

 

 

僚達L計画参加パイロットはファフナー開発担当の羽佐間容子らに収集され、

容子はノートゥングモデルに改修されたティターンモデルの説明をしていた。

 

 

 

「これが貴方達の生まれ変わったファフナー、

ノートゥングモデル化した[マークヌル]と[マークエアスト]よ」

 

 

その機体は通常のノートゥングモデルと同じサイズだが、

四肢と細部以外はティターンモデルの面影が残っている。

 

 

 

「これが…俺達のドライ…いや、今はヌルか…」

「かなり小さいな、形はあまり変わってないけど」

 

「データだと出力が落ちてる、けど以前より長時間戦える…!」

「武装も汎用性が高くて水中戦も出来るみたい」

 

「ティターンモデルをベースに、コックピット自体は変わってないそうだ」

「脱出装置は追加されてるんだろ?

ペインブロックも追加されてるし別にいいんじゃないか?」

 

「…プクの匂いがする…プクも匂いで俺を見つけてくれたんだな…」

「そうだったね…けど、まだプクはここにいるんでしょう?」

「ああ、ずっと、ここにいる」(ワンッ!)

 

「このファフナーの特徴は水陸両用型で、水中はもちろん掘削も出来るの、

ヌルはゼロ、エアストは最初の意味で、この二機は以前ティターンモデルのように

乗り回しはできないわ。だから平等に適性のあるあなた達に誰が乗るか、決めて欲しいの」

 

この質問にパイロット達は間髪入れずに答えた。

 

「俺はパスだ、アイツら置いてっちまったのにコイツら乗るなんてできねぇ。

こいつは僚と祐未達が乗るべきなんじゃない?一緒にマリンスノー見た仲じゃないか、なあ惇」

「俺だってそうさ、だから俺もパスだ。正直アイツらに嫉妬されそうでおっかねぇや。

異論はないな、乗ってやれ。俺達みたいに残しちまって後悔しないようにな」

 

「俺もいい、適性はあっても水中はあまり慣れない…L計画を思い出すからな、ちょっとしたトラウマもあるし」

「自分はファフナー自体の適性が低い、出来れば通常の陸戦型に乗りたいのが本音です。慣れない操縦をしてファフナーを失ったらそれこそ意味が無い」

 

「私も適性低いし…僚達にやって欲しいかなー…って」

「あたしだってそうよ、てゆーか僚と祐未は浮気は許されないと思います。二人の性格的に」

 

「浮気って…別にファフナーだしそんな…まあ乗りたいのは事実だけど」

「そうだよな、浮気はダメだよな。なら、祐未、俺達が乗るしかないな」

「そうだね、私達はずっと一緒だもん。乗ってあげなきゃかわいそうだよね…」

 

 

 

「祐未…」「僚…」

 

 

 

「うっわー…どう思います?早苗さん、見せつけてますよあのバカップル」

「これは10点満点ユルサナエですわー、小百合さん。天使はいずこ?この怒りを癒して欲しい」

 

「いいなぁー…同期はこんなんだし羨ましい」「「んだとゴルラァ」」

「少しは慎ましくなれんのかお前ら…」

 

「「……………」」ガッ!ガッ!ガッ!

「ああっ!?幸弘と徹が壁を殴る機械に!?」

 

パイロット全員は僚達に乗って欲しかっただけなのに、なぜこんな事になってしまったんだ…

ちなみに真由は待機室にてお留守番である。しっかり監視カメラに映ってその映像はラハムに送られる。

まっ?多少はね?

 

「決まりね、壁に痕ができてきたから辞めて欲しいのだけど…早速水中での模擬戦をしてもらうわ」

「いいんですか?果林のファフナーは水中戦もできるとはいえ通常の陸戦型ですよ?」

 

マークツヴァイは水中機動もできるが、本格の水陸両用の機体では差があるのは当然だ。

余談だが格納庫の壁は事故予防のため、ミサイルが1発くらい撃っても頑丈な設計である。

 

「その心配はしなくていいわ。試験稼働を合わせた訓練だし、あなた達のファフナーにはハンデとしてリミッターをつけてるから。けれど違和感はないはずよ。心置き無くやって頂戴?」

 

「ずいぶん急ですね、試験稼働を合わせた訓練だなんて」

「え、ええ、やっぱり新型のデータを上が取りたがっているからかも…」

 

実際の理由としてはスパイに対する牽制、皆城公蔵が予期しているフェストゥムとの来るべき全面戦争に備えてである。

 

「………チッ」「僚?何か言った?」

「いや?何も言ってないけど」「そう?」

 

(何が人類の為だ…戦争だ…フェストゥムと戦うだけで人が守れるもんか!)

 

僚はフェストゥムの全面戦争は公蔵の私情だと理解しており、

人類軍スパイとその存在を許した大人達、ひいては仇である人類軍を救う気であるのに

フェストゥムと解り合う事をせず、人間至上主義の公蔵の姿勢が気にいらなかった。

 

(何が人類の為だ、何が平和の保存だ!いつ崩れるかわからない足下なのに、

悠長に人類軍とは敵対せず独力で力を身につけてそれで人類を救うだって?

傲慢にもほどがある、そんなのだから日野さんやミツヒロさんは出て行ったんだ!)

 

ファフナーの開発担当であり、ティターンモデル製作者の

日野洋治、並びにミツヒロ・バートランドはアルヴィスに賛同できず、

竜宮島から出て行ってしまった。

 

僚は真由の兄からさらなる力を引き継いで、客観的に物事を見る様になり、

真由が見せたフェストゥムと人間の共存、野生のフェストゥムの沈静化させた奇跡を見たのと、プクとの同化で動物の視点も手に入れた。

 

結果、冷静な判断力、客観的思考、多方向の視点、それらが合わさり、

攻撃的だが様々な思考判断ができ、遠からずその考えは当たっていた。

 

(人類軍がここ(アルヴィス)を見つけられないはずはない、

それでもスパイを泳がせて何の意味がある?人類軍の情報に何の価値がある?

敵対をしない、隠れて逃げるだけなら元からL計画なんて時間稼ぎ、何の意味もないだろ!

人類軍が来たら偽装鏡面を解除させられる!そうじゃなくてもスパイがいつ偽装鏡面を解いて

人類軍に場所を教えて、それにフェストゥムがついて来たら本末転倒じゃないか!)

 

僚はスパイが島の存在を人類軍に教える様な事をすれば、必ずファフナーを接収に来るのと

それについて来ると思われるフェストゥムにまで島が見つかる。

 

 

人類軍に島が荒らされるかフェストゥムに島が荒らされるか。

 

自分達が今まで戦った意味はなんだったのか。

 

もしそうなったら、

命懸けで遂行した、思い出と決意と覚悟のL計画(家族と仲間の青春)を、汚される思いだった。

 

 

(許さない…!俺達の努力を、無駄になんかにさせる様な事は!絶対に!!)

 

(やっぱり変だよ、今日の僚…ううん、最近どうしちゃったんだろう…)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ねぇ?勝ち目があると思う?」『ムリダナ(・×・)』

 

 

場所は変わって、今は海中での動作確認をしている僚のヌルと祐未のエアスト。

動作確認が済み次第、待機している蔵前果林が駆るマークツヴァイと模擬戦を行う。

 

今回の模擬戦では僚達に総士のアドバイス無し、出力のリミッター、

ウェポンベイから新しく基本装備として腕に内蔵された魚雷と、

セミオートにしてあるレーザー銃のゲーグナーのみのハンデがある。

 

 

「だよねー…初めて使うファフナーであれだもの…」

『心配するな、照準レーザーかロックオンの撃墜判定だから怪我などは絶対にない』

「そういう意味じゃないんだけど…」

 

 

今二機のファフナーはリミッターが付いてるとはいえ、

全速で海嶺の峡谷を、スピードを一切落とさず岩や魚すら避けて周回している。

なお、現在は30ノットだがリミッターを外せば80ノットを超える計算である。

マークツヴァイも全速50ノットほど出せるが、今の果林には扱えるものではなかった。

 

この時点で果林は勝ち目がない事を悟り、せめて一矢報いる方法を模索していた。

 

 

(落ち着いて果林…今の私なら30ノットくらいなら動かせる、レージングカッターのワイヤーとかも使えるしスペックならこっちが上回ってる。先輩達は半年のブランクがあるし訓練をしていた私の方に軍配があるはず…うん!)

 

 

「無理ね」『そうだな』

 

 

半年のブランクがあるのに逸脱した動きをする時点でブランクなぞ無いも同然なのは明らか。

 

実戦で戦略眼を培った相手に今まで訓練しかしていない果林の幼稚なワイヤートラップなど、

すぐに見抜く事など造作もないだろう。武器が多くてもプロの相手に勝てる道理なんてない。

 

釣りの初心者が最新の道具を揃えてもベテラン漁師に勝てないのと同じである。

それほどまでに経験の差は大きなものなのだ、聡明な果林と総士だからわかりきった事だが、

普通の人間なら「貴様らには水底が似合いだ」「今日で後進に道を譲ってもらうぜ!」

「実戦経験者とかって話だが、現役が負けるわけねえだろ!行くぞぉぉ!!」

とか言いそうである。主に人類軍とか傭兵とかが。

 

『そろそろ始めるがそっちの準備はいいか?』

「問題ありません、結果は変わりませんので」(私がボコボコにされる結果だけど)

 

『いいじゃないか、やる気十分で』

『果林さん、お手柔らかにね?』

「恐縮ですがお二人の胸を借ります」

(終わったら本当に抱きつこうっと、真由くんも合わせて)

 

ビクゥッ!『!?そ、それじゃあいくぞっ!』

『(今果林さん何考えたんだろう…)次の模擬戦まで待機してるね』

 

ジークフリードシステムから果林の感情を直に受けた総士が一番の被害者、

感覚を共有した僚達は、溢れ出る果林の熱意に冷や汗を流すのであった…

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「罠を仕掛けておいてあっさり撃墜とはな…」

「…言わないで……シミュレーションしかしてなかったんだもん…」

 

模擬戦で果林は海底洞窟に逃げ込み、ワイヤーを仕掛けて有利にしようとしたが、

僚は別の入り口を開けて果林を見つけ、そのままレーザーポインターを当てて撃墜した。

 

祐未との模擬戦では正面から向かい、祐未の巧みな回避に後ろを取られ、

なすすべなく逃げ切れずロックオンの撃墜判定を受けた。

 

「まさか洞窟に別の穴を開けるだなんて…」

「実戦での賜物だな、お前も得るものは多かっただろう。さっきも含めて…」

 

シナジェティックスーツを着るために犬耳と尻尾のある僚のスーツは特注で、

当然帽子は被っておらず、犬耳尻尾の僚の身体を一時間堪能し(意味深)

祐未の胸と真由のタマゴ肌も存分に味わったところである。なんでお巡りさんこないの?

 

「最新のスーツで良かった…前のスーツじゃ祐未先輩のおっぱいが揉めないもの」

「お願いだ、身内に犯罪者を出さないでくれ…!」

 

「大丈夫、アルヴィスのデータは門外不出だし同性だもん。泣き寝入りしかできないわ」

「そういう、問題では、ない…!」

 

誰かこの性欲モンスターを止めてくれ…!総士は切に願った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「僚…そっちはどう…?」ハァハァ…

「…ヒュー…ヒュー…だ、ダメだ…こっ、腰が…」ガクガク

「う〜…ほっへはいひゃい…(ほっぺたいたい…)」ヒリヒリ

 

俺達は模擬戦に勝ち、勝負に負けた…

まさかドリフトしながら追いかけて来るだなんて…早苗以外にもできる人間がいたのか…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーそのひ、わたしはおにいちゃんたちといっしょに

こわいおねえさんにたべられちゃうあくむをみました。ーー

 

 

ま、まゆはたべていいからおにいちゃんたちはたべないで…!

 

 




お巡りさん!お触りさん、こ↑こ↓です!

遅れてすいません、週一以内は投稿したいなぁ(願望)

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