ルイズアドベンチャー~使い魔のガンマ~   作:三船

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今回は次の話ではなく、召還され起動したガンマから見た話です。


ミッションー101:召還(ガンマ目線)

―――ガンマは困惑していた。

 

 

ガンマは、たしかにあの時、海に墜落したエッグキャリアの上で、改造されたE-101β(ベータ)との戦闘で負傷し、・・・壊れてしまったはず。

なのに…突然再起動され、ブラックアウトしていたはずの視界が明るくなり、気づけば海の上だったはずの場所が・・・見渡すかぎり大地に広がる草原だった。  

ベータから受けた傷も直っており、それに入手した装備がなくなっている。 ガンマは自分の体をスキャンしたところ・・・中にいるはずの小動物がいないところから、やはり一度壊れているのは間違いない。 だが、今の自分の体は小動物の生命エネルギーとは別の・・・未知のエネルギーで動いているようだ。 それが何なのかは不明だが、まずは今自分自身がどこにいるのかということだ。

 

可能性としてミスティックルーインか、または空に浮く島"エンジェルアイランド"を候補にあげたが、どれもインプットされているデータと不一致だった。 何よりも、草原の中心に立てられている巨大な白い城がデータ上にないものなのだから一致するはずがない。

 

・・だが、ガンマは過去にこのような似た現象に遭遇したことがある。

 

まだエッグマンのマスター登録を解除していない頃、初めて受けたカエル捕獲任務のさいに正体不明の光に覆われ、いきなりデータにない場所に飛ばされてしまい困ってしまった。 そのときに祭壇らしき場所に集まって歌っているチャオ達に近づいたところ、ソニックの仲間であるナックルズ・ザ・エキドゥナの種族に似た、巫女のような服をまとった少女と出会ったのだ。 

 

・・・・アノ時カノジョハ・・ボク二何ヲ伝エタカッタノダロウ・・・? そう、ガンマはあの時のことを思い出していた。

 

いや、今はそれを考えるべきじゃない、っと再度現状の把握のために周りを見ようと、上半身を起こした状態で横を向くと・・・・

 

 

 

 

 

こちらをじっと見つめる、マントを羽織ったピンク色の髪の少女と、目が合った。

 

 

 

 

 

「(エ・・・・ミー・・・?)」

 

 

 

ガンマはその瞬間、電子回路が焼き切れるかと思うくらい驚くと同時に、

もう一度会いたかった友達に、再び会えたとよろこびそうになったが・・・

 

よーく見るとそのピンク色の髪の少女が友達のエミーでわなく人間の女の子であるとわかったところ、その少女は気づいてなかったがガンマはすごくガッカリしていた。

 

だがガンマはすぐに立ち直り、立ち上がって周囲を見ると・・・さきほどのピンクの髪の少女と同じマントを羽織った少年少女たちと、エッグマンの頭に引けをとらない輝きを放ちそうな禿頭をした年長の男がいた。 

 

一人一人が木の枝のようなものを所持しているが、危険性はないだろう。 だが、何故かこの少年少女たちはこちらを見てクスクスと笑っている、

 

何がおかしいのだろう? とガンマは疑問に思って見ていると先ほどの少女が年長の男に何かを話しかけ、男はそれに頷くとガンマのほうを観察するように見た後、何故か左手をみて何かを書き出した。

その行動の意図がわからないが、それに先ほどから謎の単語が発せられている。

 

「サモン・サーヴァント」「コントラクト・サーヴァント」「使い魔のルーン」「ゼロのルイズ」

 

どれもデータにない単語で、それに少年達がガンマのことを「ゴーレム」とも呼んでいた。 ここではロボットのことをそう呼んでるのだろうか・・・・

 

 

「(・・・理解不能・・・理解不能)」

 

 

流石にガンマも情報が足りなすぎてこの人間達の行動や目的、謎の単語、それにこの状況に理解ができず、電子頭脳がオーバーヒートしそうになる。 まずは情報を得ることが先決と判断した。

 

とりあえず、目の前にいるピンク色の髪の少女が他の少年少女たちに笑われて怒ってるようだが、声を掛けて

 

「ココハドコ?」っと言ったら・・・周りの連中も含めてガンマを見て「喋ったぁ~~~!!!??」っと叫ばれた……

 

たしかにステーションスクエアでも住民に珍しそうに見られてはいたが・・・ガンマのようなロボットが喋ったのがそんなに驚くほど珍しかったのだろうか?

 

 

 

 

 

「現在地・・・不明。・・・・・・コマッタ。」っと、ガンマは意味も無く呟くしかなかった。




ガンマ目線って難しい

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