衛宮士郎であり、衛宮士郎ではない   作:夢幻パンチ

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なにも考えずに読んでください。私も考えずに書いた


ロマニ・アーキマンは……

彼を初めて見たのは

特異点F冬木だった

 

『問おう、お前が………、おい、名前言え」

 

『え、藤丸、立香です』

 

『……………………マジか』

 

炎上汚染都市と化した冬木。僕も昔に行ったことがあったから覚えている。

その特異点に間違って入ってしまった最後のマスター

藤丸立香

そして自身と契約したサーヴァントと融合を果たした

マシュ・キリエライト

最後にこの人だ

オルガマリー・アニムスフィア

 

僕は夢でこの人類が滅びるのを見た。それを防ぐべく必死に努力した。なにもなく、なにもできない自分を変えるために

だから誰も信用できる人などいなかった。もしこれを話し、邪魔をされては水の泡だ

だから彼のことも信用出来なかった。真名が俺。訳がわからない。そもそも英霊とは歴史に何かを残したものが大抵だ。

 

だが彼は良くも悪くも一般人だと思った。逃げるのは一番早く。戦闘を怖がるマシュを盾にし、協力してくれるクー・フーリン・キャスターとはまともに喋れないコミュ症

 

こんな英霊がいるのか?カルデアでモニター越しに、僕は頭が痛くなった。人類最後のマスターが最初に召喚した英霊。それは立香ちゃんとの縁が一番深い英霊と言うことだ。言葉にはしない。だがもう無理だと内心思ってしまった

 

『ほう、キャスター。仲間を連れてくるとはな。なるほど貴様か…』

 

『相変わらず減らず口だな。それよりこのバーサーカーのこと知ってんだな?』

 

『多生の縁と言うやつだ』

 

敵側のアーチャーは彼の事を知っているようだ。ステータスを見ても彼の正体は分からなかった。そのバーサーカーを知っているアーチャー。少しでも情報知りたかった僕だったが敵側のアーチャーも情報があまり無かった

 

『マスター、先に行け。こいつには話がある』

 

『バーサーカー大丈夫?』

 

『ああ大丈夫だ。だが別に倒してしまっても構わないのだろう?』

 

『グフッ』

 

なんかアーチャーがダメージを食らっていたが、バーサーカーを置いて立香ちゃん達はセイバーのいる大聖杯の下に向かった

バーサーカーの事は知りたいが、立香ちゃんをモニターしなければならないので、この時何があったのかはわからない。だが

 

『どのルート?どのルートの人なの?ねぇ誰を蹴って誰を選んだの⁈ねぇ!』

 

『やめ、ガハッ!心は硝子なんだぞ……』

 

これ以上は聞こえなかったが、マスター以外に話すところを見たことがないバーサーカーがよく話していた。精神攻撃の類だろう

 

その頃セイバーの下では、マシュは宝具を無事発動する事が出来た。だがセイバーに決定打を与えられずにいた。そこに一本の矢がセイバーに放たれた。

 

『ッ!なんだ?テメーこっち側に着いたのか』

 

『………………』

 

『アーチャー。それが貴様の選択か………、なら死ね』

 

不味い。アーチャーがこちら側に着いたとはいえ、聖杯からバックアップがあるセイバーの魔力に底はない

 

「みんな宝具が来るぞ!」

 

『デミ・サーヴァントの……、マシュだったな?構えるんだ。この一撃を防げば勝機は多少あるだろう』

 

セイバーが放った宝具はマシュの盾、そしてアーチャーが出した盾によって防がれている中だった。歌?

 

『なんだ?なんか聞こえ…』

 

『ひとりになると聞こえるの、苦しいならやめていいのと……♪』

 

次の瞬間。やはり彼が英霊なのだと思わされる。歌い終わると、宝具を放って隙だらけのセイバーにバーサーカーの一発の拳が入った。たった一撃だった。たった一撃でセイバーの膝を突かせた

 

これが彼の宝具

一撃で霊基に決定的な一撃を与える

 

『くっ…………、そうか、貴様』

 

『………当たっちまった。……エミヤ!当たっちまったよ』

 

『そうだねよかったね』

 

『テメーもっと構ってやれよ』

 

『顔は覚えた。決して忘れないぞ。名もなきバーサーカー』

 

『………あかん。俺死ぬ』

 

バーサーカーのおかげで、立香ちゃん、マシュの二人は助けることができた。マリーは………

 

特異点F冬木を修復した

正直言って、このまま彼を立香ちゃんの側に置いていいのか悩ましい所だ。だが下手に疑えば足元をすくわれる。僕はこのまま様子を見ることにした

 

 

 

第一特異点オルレアンの修復が始まった

そこで会ったサーヴァントであるジャンヌ・ダルクは彼の事を知っているようだ。見た感じ彼はジャンヌに恨みがあるようで、対してジャンヌは彼に好意に似た感情を向けているようだ

 

ますますわからなかった

オルレアンではワイバーンが蔓延る特異点だった。彼はワイバーンに連れ去られかけて、先日仲間になったエミヤに助けられたり、ジャンヌを囮に逃げたり、野良サーヴァントのマリー・アントワネットに怯えたりと、やはり英霊らしかぬありかただった

 

だがわかったことがある。彼はここぞ時にやる男だった。前回同様、最後にはラスボスがいるもので、今回はジャンヌ・オルタを一撃で沈められた。ほのかだが僕は彼に希望を見た

 

 

第二特異点セプティム

ここではあまり一緒にいた訳ではないのでなんとも言えない。なぜなら彼はバーサーカーだと理由で仲間にいたスパルタクスと呂布と一緒に泣きながら戦場を駆け回っていたからだ。そして今回の一撃は敵として現れたアルテラの宝具が都市に放たれた

 

涙の星、軍神の剣(ティアードロップ・フォトン・レイ)

 

都市に降り注ごうとした宝具の一撃を単身で相殺した。たまたま生きていたがアルテラを撃破後、立香ちゃんに怒られていた

 

 

第三特異点オケアノス

ここでの活躍はエウリュアレを背負ったままヘラクレスから逃げ、ヘラクレスの宝具である

十二の試練(ゴッド・ハンド)をサーヴァントみんなで削り、最後にやはり彼だった。残りの十の命があるヘラクレスを一撃で沈めた。

僕はズゴイと思った。彼ははっきり言って弱い。エウリュアレを背負うのも本来は立香ちゃんがやる予定だったが、彼は自分から、やると言った。足は震え、まともに喋れないサーヴァントに向けてはっきりとした言葉で意識を示していた。チキンの僕には眩しかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ喋り足りないが、第三特異点までの彼の、バーサーカーの話だ。今は最後の特異点を控えるのみで、魔術王との決戦も間近だ

 

「チキン。エロ動画見るのもいいが休めよ」

 

「………ドクター。最低です」

 

「まってよ!レポートまとめてるだけだから!バーサーカーも変なこと言わないでよ」

 

まとめに喋れる人と認識してくれたのか、今では僕をチキンと呼んでいるバーサーカー。僕も彼には信頼を置いている。簡単に言えば、彼は悪い奴ではない。それが僕の導き出した答えだ。彼はジョーカーとなる。必ずだ。

 

「ほれチキン。胡麻団子」

 

「わーい!やっぱりバーサーカーのお菓子は最高だよ。これのために日々残業しているようなものだ」

 

正直に言おう

 

餌付けられました




ロマニ・アーキマン
最初こそ怪しかったバーサーカーに、今はその背中にヒーローを見る。不謹慎だが特異点のたびに、バーサーカーの宝具を楽しみにしている。絶対にバーサーカーのお菓子には負けないんだから!

アルトリア・オルタ
バーサーカーに士郎の面影を一瞬見る。ちなみ根に持つ
クー・フーリン(キャスター)、エミヤ(アーチャー)、アルトリア・オルタの順で召喚される

エミヤ
なんだかんだ友達。汚染されようとエミヤの在り方は変わらない

ジャンヌ・ダルク
姿は変わっていたが、わかってしまう間柄。エミヤを見てちょっと困惑する
バーサーカーに囮にされ、する。ケンカはするが全勝。バーサーカーは今日も泣く

ジャンヌ・オルタ
根に持つ

ネロちゃま
なーに!貴様バーサーカーか⁈よし、スパルタクス、呂布と共に前線に行け!別に恨みがあるわけでは無いのだぞ?無いのだぞ⁈

マッスルバリスタ
スパルタクスと呂布がバーサーカーをぶん投げる。標的はアルテラ宝具

アステリオス
バーサーカーの友達となる。この子のおかげでバーサーカーは頑張れた。

エウリュアレ
バーサーカーの背中でヘラクレスから逃げる。魅力が効かなかったり、喋れなかったりで気に入らなかったが、ヘラクレス戦最後は不覚にもカッコイイと思ってしまった。最後の特異点間近だが、未だ喋れず

バーサーカー
マシュの次に契約したサーヴァント。エミヤに精神攻撃の末に仲間にする。いつもいいところで宝具が決まるので周りの期待が高まる。それについてはカルナの部屋で相談中

藤丸立香
バーサーカーに絶対の信頼はあるが、同時に駄目人間なのを理解している。トレーニング以外でバーサーカーを死なせたことはない。それは自慢
今日もスパルタダイエット中。筋肉がゴリゴリにつかないのはクレオパトラ秘書のおかげ

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