衛宮士郎であり、衛宮士郎ではない   作:夢幻パンチ

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ジャンヌ・ダルクは……

私の名はジャンヌ・ダルク

 

ルーラーのクラスで召喚されたサーヴァント

今回は、人類焼却と言う事で、召喚に応じた訳で、目が覚めた時には懐かしいフランスに居た

 

このフランスは特異点と呼ばれるものらしく、私は竜の魔女と呼ばれていた。罪ない民達を苦しめ、サーヴァントを使役し多くの人を殺めたと、助けた人達はそう言って私を怖がり、威嚇し、攻撃を加えてきた

 

正確には私ではなく、いえ、あれも私なのでしょう。全ての人に恨まれ、裏切らた成れの果て

そんな想いが、聖杯の力によって現れた姿

 

ジャンヌ・オルタ

 

ジルが描いた理想の私。それが彼女の正体

 

私は自分に出来ることをした。嫌われようとこの生き方だけは変える事ができなかった。そんな中、人理継続保障機関フィニス・カルデア。世界を守る為の機関からマスターが派遣された。まだ成人も迎えていない少女だ

 

だが、そのマスターが率いるサーヴァントの中に、彼は居た

 

手入れされてない真っ白なボサボサ頭、日焼けを知らぬ真っ白な肌、黒を中心とした服にロングコート

姿は違う、顔も違う、背も、でも何故だかわかった。私が心の底から嬉しかった日常、初めてルーラーとしてではなく、ジャンヌ・ダルクとして聖杯に現界を望んだ三年間

 

「貴方は……、シ「死ねぇ!聖女!」キャー!」

 

感動の再会はなかった。やっぱり彼だ

 

「バーサーカーどうしたの⁈」

 

「やっぱり狂っていたか………⁈」

 

「エミヤさん。今やっぱりって……」

 

「HA☆NA☆SE!この聖女は殺す」

 

ああ、懐かしい。彼は変わっても変わらない

 

「………フフ、初めまして!カルデアの皆さん。私はルーラー、ジャンヌ・ダルクと言います」

 

こんな状況で不謹慎かもしれないけど、私は今、救われた気がします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、ジャンヌって、バーサーカーと何処で知り合ったの?」

 

「バーサーカーとですか?あのコミュ症の?」

 

食堂で食事中にマスターに聞かれてしまった。どうやら彼はあまりマスターに自分の事を知られたく無いようで、バーサーカーと言うクラス名で呼ばれているみたいだ

 

「ジャンヌさんはバーサーカーに対して辛口ですよね。でも私も知りたいです」

 

「なになに?なんの話?僕にも教えて欲しいな」

 

「ドクター。あっちに行っといてください」

 

「う、……はぁ。最近マシュが反抗期なんだよなぁ」

 

あの再会から数々の特異点を修復した。私もフランスを修復した後に、マスターである藤丸立香さんの召喚に応じた

そこでまた、彼と、バーサーカーと再会するので働きがいがあると言うかなんと言うか

 

「そうですね。私はなんだかんだ色々な聖杯戦争にルーラーとして参加したんです」

 

「それは、ここではない世界線の話だろ?」

 

「あ、エミヤ。私、あんまりわからないんだけど……」

 

「フ。なに歴史の教科書は載っていないことさ。あまり深く考えない事だ」

 

「ふーん。じゃあ過去にジャンヌが参加した聖杯戦争は無いんだ」

 

「はい。別世界の話なので」

 

時にロンドンの大聖杯戦争。時に月の聖杯戦争、月に関しては聖杯戦争と言い難いですが

 

「それでですね。私はルーラーを一回やりきるごとに英霊休暇がもらえるんです」

 

「へー、エミヤは英霊休暇なにしてるの?」

 

「英霊休暇があるのはルーラーだけだが、召喚が無いときは………、畑を耕していたか……?」

 

「なぁにそれ」

 

「その休暇で冬木に訪れたんですよ。そこでまだ小学生くらいの彼にあったんですよ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へー、るーらーすげー」

 

「全然心がこもってない」

 

当時、彼はまだ赤い髪をして、衛宮士郎と名乗っていた頃だ(当然、容姿や名前はマスターに言いませんよ)

 

ちょうどその当時子供達の間でカプセルサーヴァントと言う遊びが流行っていた。それで目の前の子に完膚なきまでにやられた後の話です

 

「フランスからご苦労なこった。帰れ」

 

「なんですか⁈このマセタ子」

 

「ふん!俺がまともに話せる女だ。ろくな女じゃねーなテメー。藤姉で検証済みなんだからな」

 

「いやいやもっと自信持ちましょうよ!逆に、いい女過ぎたんじゃ無いですか?ほら私有名ですから。いやー有名だけど、名前を言えないのがつらいわー」

 

「やっぱりか、やっぱり騎士王スゲー」

 

「どなたかと勘違いなされてる⁈もー!バカー!いつか思い知らせてあげますからねー!」

 

「あ、逃げた。聖女って案外アホなんだな」

 

これが私と彼の初めての初めまして。この後、私はあの少年に私の事を知ってもらおうと聖杯に頼み、三年間の有休をもらうのであった。そして、初めましてから二年後、彼が中学になる時に家に居候させてもらうのであった(士郎と切嗣猛反対、大河の叔父のオッケーに仕方なく)

 

「ジジィ死なねーの?安珍したーって死なないの?」

 

「死なないよ⁈まだまだピンピンしてるからね僕?」

 

「え?おっかしいな。安珍するはずなのに……、じゃあいつ死ぬんだ?こっちにも色々対策を練っとかないといけないし、カレンダーに印つけといて」

 

「安心できないよ!レティシア。君からもなんか言ってやってくれ」

 

「シロウ。駄目ですよ。切嗣さんに死ぬだのなんだの、死んで困るのは貴方なんですよ?」

 

「うるせぇな!姉貴ヅラすんな処女が!」

 

「貴方だって童貞でしょうが!」

 

「ど、ど、童貞ちゃうわ」

 

「「え?童貞じゃ無いの⁈」」

 

「ついに士郎にも友達が……、安珍した」

 

「シロウどんな子ですか⁈私に教えて下さい」

 

「(こいつら……!)う、嘘です……」

 

「「…………」」

 

「この世の終わりみたいな顔するな!」

 

今でも思い出す楽しい会話。最初こそ仲が悪かった切嗣さんとも家庭内で仲が悪かったらシロウの教育に良く無いと言う事で強い握手は忘れません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして三年間居候をさせて貰い、大河の就職祝いを最後に私は家出たんです」

 

「戦闘になるとテンションが上がるバーサーカーさんの面影がありますね」

 

「と言うより、小学生からコミュ症かよ!しかも自覚症状ありの、ん?エミヤどうしたの?」

 

「いや、そんな世界もあるのだな、とな」

 

「?。でも意外だな」

 

「なにがですか?」

 

「いや私も小さい頃は冬木何だよね」

 

「そうなんですか?初耳ですね。そう言えば私、先輩の事あまり知らないですね」

 

「うんうん、僕も知りたいな立香ちゃんの事知りたいな」

 

「出たー、花のお化けマーリン」

 

「失敬だな君、僕はただのファンさ」

 

だいぶ時間が経ったようで、食堂にも職員の方やサーヴァント達がぞろぞろと入ってきたようだ。その中に彼も入る

 

「あんた!死にすぎなのよ!何回死ねば気がすむのよ」

 

「無駄だぞ突撃女。こいつのHPは100だからな」

 

「こんな奴にフランスで負けなんて…!一生の汚点よ」

 

「いや、あ、あれは、たまたま決まったと言う、か」

 

「ちゃんと喋らないし、休暇取ったらもう一回よ。せいぜい千回に一回勝ってみなさいな」

 

「待て突撃女。私もこいつには冬木で世話になったからな」

 

「じゃあこうしましょう。どっちが多く殺せるか勝負よ冷血女」

 

「いいだろ。興が乗ったぞ」

 

「ヒィィィィィ!助けて!」

 

遠くでオルタ二人に虐められてる彼を見て、相変わらず女の子には弱いなと思い。私には相変わらず態度がデカイ彼、なんとなく特別感があって嬉しかったのは彼には内緒です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様です。シロウ」

 

「天草ならあっち行ったぞ?」

 

「もう!意地悪ですね」

 

「生憎、俺は俺だ。そんな事よりお前のオルタ、エグイな。こっちの気持ちはベオウルフかマルタになった気で殴ってんのに全然効かないよ」

 

「それだけ貴方の事を認めている証拠じゃないですか」

 

「やっぱり頭ヤバイな」

 

「な、もう怒りましたよ!その腐った根性叩き直してあげます!」

 

「七の段!」

 

「ぁぁぁ頭が!」

 

「相変わらずだなジャンヌ」

 

 

 

 

 

 

 




衛宮切嗣
衛宮士郎の結婚後、失踪。ちゃんと安珍した

藤村大河
衛宮士郎が高校卒業後、転勤。月一で帰ってきてはちょっかいを出してくる。勉強は絶対教えてくれなかったクソが

エミヤ
今回もちゃっかり登場。別に皆勤賞を取っても構わないのだろ?

バーサーカー
ジャンヌが帰るときに、互いに大泣きしたのは黒歴史

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