衛宮士郎であり、衛宮士郎ではない   作:夢幻パンチ

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マシュ・キリエライトは……

私の名前はマシュ

マシュ・キリエライトと言います。カルデア所属のデミ・サーヴァントをしています

そして、先輩であり、私のマスターである藤丸立香のサーヴァントでもあります

 

「マシュ!バーサーカーの盾になってあげて!」

 

「了解しました!」

 

「防御は不要!こんな骸骨なんぞ俺一人で、グアァァァ!」

 

「バーサーカーが死んだ!」

 

「この人でなし!ってそれ俺のネタ!」

 

「無駄口を叩いている場合かランサー⁈」

 

ですが最近入った真名『俺』と言う人が毎回のように倒れるので……

 

 

 

 

 

自信が無くなりそうです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

「元気出してマシュ。マシュはよく頑張ってるよ。私だってマシュのお陰で無傷で帰って来れる訳だからさ」

 

「先輩。ありがとうございます」

 

あの後、エミヤさんの宝具で敵を一掃。クエストはバーサーカーさんのみが倒される形で終わりました。

カルデアに帰った後、バーサーカーさんはエミヤさんに説教され、その後は先輩に説教されていました

 

「マシュ。あんまり思い詰めることはないよ。バーサーカー君がよく倒されるのは今に始まったことじゃないんだし」

 

「ロマ二。それはフォローになってないぞ」

 

「え?本当に⁈マシュごめん」

 

「いえ、ドクターにダ・ヴィンチちゃんもありがとうございます。はぁ」

 

ドクターが言ったように、クエストの度にバーサーカーさんは今回の様に倒されるのを繰り返している。それは私がバーサーカーさんを守れていないことを示している

 

「ちょっとバーサーカーをもう一回説教してくる」

 

「先輩大丈夫ですから」

 

私の言葉を無視して、先輩はバーサーカーさんのいる食堂にズンズンと向かう

 

「バーサーカー!出てこい!」

 

「マスター。食堂の扉は足ではなく、手で開けような」

 

「そうだよ。行儀がわるいよ」

 

「あ、ごめん。オカンズ」

 

「私はオカンではないのだが」

 

「先輩!あ、エミヤさん。ブーティカさん」

 

私が先輩に追いついた時には、ほぼ毎日の様に食堂にいる。エミヤさん。ブーティカさんに怒られていた

 

「バーサーカー知らない?説教の続きをしようと思って」

 

「立香はバーサーカー君になると見境がなくなるよね。でも彼ならいないよ。さっきまで居たんだけど」

 

「くそ〜、ダ・ヴィンチ工房だな。バーサーカー出てこい」

 

「あ、先輩。行っちゃいました」

 

ブーティカさんの言う様に、先輩はバーサーカーさんの事になると見境がなくなる。特にバーサーカーさんが女性とまともに喋っていると目が血走る。まるで清姫さんの様に……

 

「マシュ」

 

「はい」

 

先輩を追おうかと思ったとこでブーディカさんに止められ、手招きされる。言われるがままにブーディカさんが居る厨房の方に行く

 

「あ」

 

「ん?あ」

 

そこにはエミヤさんの足元で三角座りするバーサーカーさん

 

「ま、ま、ま、マシュ。そ、そ」

 

「あの、落ち着いてください。ゆっくりでいいので」

 

バーサーカーさんは召喚されてからなのだが女性とあまり話せない様で、よく先輩の後ろに隠れることが多々ある。ジャンヌさんは普通に喋っているようで、どうやら女性全般ではなく。特定の人には話せるようで

 

「えっと、あの、マシュ。いつもありがとうな」

 

「え?」

 

バーサーカーさんが振り絞って出した言葉は感謝だった。空気を読んでか、エミヤさんとブーディカさんの姿は居なかった

 

「いや、私はバーサーカーさんのことを守れずに、いつも迷惑を掛けているんじゃないかと思っていたのですが……、お礼なんて」

 

「こっちこそ毎回やられて迷惑だろ?今回も俺の宝具当たったのに意味なかったし…」

 

今わかった。バーサーカーさんも気にしているんだと、エミヤさんが言っていたことを思い出した。奴はめんどくさいと

この意味はメンタルが弱いと言う意味だ。なんでもかんでも自分のせいだと

 

「えっと、あの!歌上手かったですよ!バーサーカーさん」

 

「え?マジ?いやー困るな〜、あんまり褒められると俺調子乗っちゃうよ?エヘヘ」

 

あ、チョロい。いやいや、危うくエミヤさんみたいに悟りサーヴァントになるところだった。でも悩んでいるのは私だけじゃないのか

 

「マシュ。君は生きる事から逃げちゃダメだぞ?君は生きるサーヴァントなんだ。君が守るのはマスターだ。そして君を守るのが最弱の俺なんだ。だから君を守らせてくれ、君は女の子なんだから」

 

ッ!

 

「バーサーカーさ「見つけたぞ。バー・サー・カー!」せ、先輩⁈」

 

「ァァァァァアア!なんでバレた!あ、メフィスト!」

 

「マスターの為に頑張る。それがサーヴァントだろ?(イケボ)」

 

「フザッケナ!無駄なイケボ使ってんじゃねぇ!」

 

バーサーカーさんは首根っこ掴まれて、先輩がマイルームに連れ行った。不覚にも、先程の言葉は少しドキッとしました。ああゆう所は先輩に似ていると思いました

少しですが、バーサーカーさんの事がわかった気がしました。まともに喋れたのは初めてでしたが、彼ともっと喋りたいと思いました

 

 

 

 

 

 

その後、私は積極的にバーサーカーさんに喋り掛けています。先輩は血走った目で

「マシュに何をした?」と言ってバーサーカーさんをボコボコにしていました

 

その日のクエストもバーサーカーさんは即死でした。私ももはや慣れました

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、最近マシュがお前と同じ様な対応して来るんだが?悟ってるって言うか、諦めている?」

 

「マシュと喋れたとは初耳だな。最近彼女はお前によく喋っているのは風の噂で聞いたが……、で?その怪我はどうした?」

 

「マスターがいきなり殴ってきた」

 

「………ランサーが釣ってきた魚があるんだが、食べるか?」

 

「我が友エミヤ。お前の優しさが傷に染みるよ」


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