今年もあとちょっと、次回はそれらしい作品にしていきます。なるべく今年中に出す予定。…………多分
『おい道化。貴様はこの世界をどう観る?』
『んー、別に考えたことないな。でもデカイと思う』
『大きさの話ではないは阿呆が』
『じゃあなんて言えばよかったのよ』
『楽しいとか、退屈とか、言いようはあるだろうが』
『じゃ楽しい』
『……………貴様、前々から思っていたが我のことを馬鹿にしてないか?』
『……………して、ないよ?』
『我を前にして、貴様神経壊れているのか?ん?』
『いやでも楽しいよ?俺にとって英雄王ってスゲー怖い存在だもん。でも先輩って怖いより、カッケーし』
『カッケーか…………、ふん!当たり前だ』
「エクスカリバー!」
「ッ!」
なぜ今なのだろう、なぜこの間際に、あのやりとりがよぎったのだろうか………、セイバーの一撃を受け、浮かぶは奴の顔
「………アーチャー!貴方ッ!」
「…………ふ、なんて顔だ。誇れセイバー。この我に勝ったのだ」
「…………貴方、わざと」
「意味がわからんな、ほら見ろ。あれが貴様の求めた聖杯だ」
この日、我は綺礼を連れ柳洞寺に来ていた。最後の戦い、残るサーヴァントは我とセイバーのみ、聖杯は出現し、泥を垂れ流す
「ッ!…………あんなものが、あんなものが聖杯だと言うのか⁈私は、あんな物を………」
「なんだ違ったか?貴様はアレが欲しかったのであろう?だが、もうどうでもいい、好きにしろ」
体は倒れ、血流れる。アーチャー特有のの単独行動のスキルで消えるのが遅い
「セイバー!」
「………凛」
「…………綺礼もやられたか。小娘、あれをどうする?」
セイバーのマスターがここに来たと言うことは、言峰綺礼は負けたと言うことだ。だがあの小娘の事だ。綺礼生きてはいるだろう。だが、あやつもまだ人の子であったか……
「………セイバー」
「大丈夫です凛。あれは私の求めたものではなかった。壊しましょう」
「うん!アーチャー。いや英雄王ギルガメッシュ、最後に、あいつになんか言うことはない?」
あいつだと?ある訳がない!雑種で凡人、凡夫な奴なんぞに、我が言う事などない
「………なにをしている?我が完全に消えてしまったら、あれは世界を飲み込むぞ?」
「わかった。セイバー行きましょう」
立つこともままならん状態。セイバーとセイバーのマスターが聖杯の元へ行ったようだ。だがしかし何故だろうか……、エアを使えば、勝利など容易かった。だが我はセイバーに剣で勝負した。そして最後は避けれた。だが体は奴の一撃を受け入れた
「何故だ?」
「正々堂々と戦いたかったからじゃない?」
「……………貴様、阿呆だとは思っていたが、ここまでイカレているとはな。あれが見えんのか?」
「いや見えるけど……」
この場に似合わぬ者がいる。魔術の才能もなく、魔力回路も開くことも出来ん一般人が
「切嗣から外に出るなと言われなかったのか?」
「ジジィはマーボーの方に行ったよ。まぁここには黙って来たんだけど」
「そうか」
「消えんの?」
「ああ」
「そっか………、セイバーに負けたんだ。ダサ」
「体が動いていたら八つ裂きにしてやったろうに…」
幼き頃から、こやつとは一緒にいた。第四次が終わり、次の聖杯戦争まで猶予があった。暇であった我だが、偶然にも奴とあった。衛宮士郎にだ
「………………」
「貴様。何者だ?この時代、いやこの世界の者ではないな。いやまて、…………貴様どこかで会ったか?」
「え、いや、あのー」
「なにをおどけている?人の目も見れんのか貴様は」
「いや、だって、その、見たら殺されるし」
「ほぉ」
足を震わせ、酷い汗を出している。見たら殺される。確かに我の許可なく、我を見たら殺していただろうな。こやつ…
「我知っているな」
「ッ!……………」
ガクガクの足をゆっくり回れ右して……、あ、逃げた
「待てー!小僧!」
「待つか金髪クソ野郎!逃げ足はグランド級なんだよ俺は」
「グランドクラスまで知っているのか」
「しまったー!」
それから冬木中を走り回った。宝具を使えば簡単だが、綺礼の奴がうるさいので我も全力で走った。てか足速
「はぁ、はぁ、はぁ、手間をかけさせおって」
「死ぬー!ジジィ助けてー!」
やっと捕まえた。こいつは知っている。未来を全てを……、こいつは天性の千里眼所有者かもしれん
「さて、小僧。話せ、全てだ。嘘偽りなく、真実のみを語れ。嘘を話してみろ……、わかっているな?」
「……………一ついいですか?」
「言ってみろ」
申し訳なさそう口を開く小僧。雰囲気が変わった
「………行くぞ英雄王。武器の貯蔵は充分か?」
「………なにを言っている?」
「もう充分!生涯に言ってみたいこと言ったし………、殺せよ!」
「……………仕方ない殺すか」
「すいません!全てゲロりますから命だけは、勘弁してください!」
話を聞いたところ、輪廻転生の類であった。いや正確には憑依の類が妥当か……
「名は?」
「衛宮士郎、です」
「戯けが、転生前の名だ」
「えっと………、なんだったけ?」
「……殺すか」
「藤丸◾️◾️です!はい思い出した!流石AUO!凡人に思い出ささせるやり方を心得てらっしゃる!」
これが道化との出会いだった。思えば、奴とは長いな。友が居らぬからか、この日逃したら、性懲りも無く教会まで顔を出しに来る阿呆
「ギルガメッシュ。客人だ」
「なんだ綺礼。この我に客など居らんわ。…………まさか」
「AUO遊ぼー!」
「貴様阿呆か?命を狙われて、よく顔を出したものよな」
「お前、こんな少年になにをしている?君、帰ることをオススメしよう」
「友達居ないから暇なんだ。四人プレイのゲーム買ったけど、ジジィやってくれないし、藤姉弱いしで」
「昨日そこらであっただけで、我の友を語るとはおこがましい。そうだな…………、さしずめ我は貴様の人生の先輩よ」
「おお!人生初めての先輩だ。一生ついて行くっス」
「ふふ、悪くない。よし付いて来い道化!貴様の家でゲームやるぞ」
「おっしゃー!」
「……………似た者同士、か」
不思議であった。あやつは我の事を王として見て、ギルガメッシュ見て、なお、先輩と呼んだ。先輩として我は……
「ウゲー気持ち悪い!先輩。エサ付けて」
「貴様それでも男か?ほれ、貸せ。まったく釣り自体が始まらんわ」
娯楽を教えた
「見ろ道化。黄金に輝く我のバイクを」
「スゲー!」
「ふん、我の騎乗スキルを見せてやる。乗れ!海に行くぞ!」
「英雄王。やめた方がいいですよ。貴方の騎乗スキル云々では「喧しいは!聖女風情が、我に説教か⁈家で煎餅食べて寝ろ!」はぁ、もうお好きに」
「私を海に連れって……!」
「しっかり掴まっていろよ?」
「その茶番いります?」
「「イヤッフゥゥゥゥ!ってギャァァァァ!」」
「…………シロウの呪いには勝てませんよと、言いたかったでけどね」
悲劇を教え
「…………衛宮切嗣!」
「…………言峰綺礼!」
「なんだ?貴様らもオセロ大会に来たのか?」
「先輩こそ。てかマーボーもオセロ大会に参加してたのね」
「…………言峰の姓を見ると頭が痛くなりますね」
「まぁ我も暇だから付いて来たまでだが……、道化。近く公園があったぞ」
「マジで⁈ウルク要塞作ろうぜ先輩」
「ウルクをチョイスするとは、センスが良いぞ道化。よし!砂場を占拠するところからだ。付いて来い」
「………巷では、メタルファイトだのなんだの言っているが、元祖こそ最強!ガイアドラグーンの力見せてやる」
「我の、コロコロ限定、金のドラグーンの力を使う羽目になるとはな……!」
「ベイブレードで砂場占拠するんですか?それなら一緒に遊べばいいのに……、まぁ本人たちはやる気満々ですからほっときます」
敗北を教え
「白野。この味噌汁味がせんぞ」
「先輩先輩。それいつもだから」
「まことか?…………こういう感情はあまりしないのだがな、道化。お前は可哀想だ」
「数年間一緒だけど、そんな目の先輩初めてだね。白野よかったな」
「……………なにが?士郎おかわり無いから。明日の朝ごはんも、昼ごはんも、晩ごはんも無いから士郎だけ」
「うま!うまい!この白米うまい。白野はズゲーな」
気遣いを教えた
「確か、貴様は第四次聖杯戦争の生き残りらしいな。あの泥に触れて生きているとはな……、いい死に方はせんだろうよ」
「助けてよ。蔵の中にそれっぽいのあるでしょ?」
「知らんな。貴様の生き死にに、我が干渉することはない。足掻けよ道化。我は貴様の足掻きを楽しむのだからな」
絶望を教えた
短いな。短すぎる。だが長くもある
まだこやつには教えてないことがある。山の様にだ。ほかの雑種よりも雑種で、弱い凡人
「先輩って、宝具すごいのに、あんまり強くないから」
こいつは成長するたびに、口が悪くなっている。完全に我を舐めている
「…………確かにな、セイバーに剣で戦った時点で、負けていたか」
「でもさ、正々堂々と戦って、かっこいいじゃね?」
「そうか」
かっこいい、か。ふん、変わらんなアホめ
「衛宮士郎」
「…………」
「最後に、この我から直々に人生の助言をしてやる」
「ウッス」
「我が教えた事に対して、難しく考えるな。挫けそうになり、辛くても、前だけは向け。そして立ち続けろ。その生き様こそ、生きると言う事だ。後悔をする生き方はするな。心に決まった目的は決して忘れるな。良いな?」
「まぁ難しいから。適当に楽しんで死ぬよ」
「まぁそれで良いか」
こんなものか……、なに、あとは生きる者の世。二度目の生などこんなものよ。遠くを見れば光の柱が見える。どうやらセイバーがやり遂げた様だな
「じゃあ帰るわ。また、ってさよならか」
「…………………立香だ」
「ん?」
「貴様と白野の子だ。この偉大な最古の王ギルガメッシュが名付けたのだ。誇れ」
「いや、俺と白野はそんな関係じゃないし」
「戯けが!そんなだから童貞なんだ貴様は」
「ど、童貞ちゃうわ!…………くそー童貞だよコンチキショウ」
やはり面白い。だがまぁ、こやつからは千里眼で未来は視えないが、視えた。こやつの様に赤い髪、白野の様な真っ直ぐな目に、通る声。そして生きる様は、道化の様な娘が視えた。常に生きることを諦めず、意地悪く咲く花の様に立ち続ける女
「もう行くは、赤い悪魔が来るし」
そう言って、奴は上がって来た階段を降りて行く
「………………………………ではな、藤丸◾️◾️」
「ッ!…………………覚えてて、くれ、たんだ」
「名前は決めてるの?」
「波動丸!」
「……………ダサ」
「いいと思ったんだがな」
「女の子なんだか、かわいい名前に「あ、立香だ」立香?」
「…………うん。立香だ。それ以外ないし、それに決める」
「…………うん。立香にしよ。いい子に育つよ。士郎と違って、いっぱいコミュニケーションが出来て、士郎と違っていっぱい友達が出来て、士郎と違って「ごめんなさい。今後はちゃんとします」反面教師が近くに居るから、私はちゃんとしよう」
ギルガメッシュ
千里眼では見ることが出来ない衛宮士郎を見つけて、気にいる。何だかんだ付き合いは長く、かっこいい自分を士郎に常に見せたい。慢心は捨てたが、見栄が出来てしまう。第五次におけるアーチャークラスであり、最後はセイバーに正々堂々と剣で勝負して負ける。衛宮士郎は友ではなく、人生の後輩である
衛宮士郎
長くギルガメッシュと遊んでいたため、懐く。何でも出来て、常にかっこいいギルガメッシュに尊敬している。第五次の最後、切嗣に外に出るなと言う言いつけを破り、ギルガメッシュに会いに行く。ちなみに呪いか何なのかはわからないが乗り物は常に事故る。ギルガメッシュとは4回事故っている
遠坂凛
最後の戦いで、言峰綺礼と対峙する。父を殺された事も知っている。最後はアゾットの剣を刺し、勝利する。聖杯は無事破壊し、後にエメロイⅡ世と共に聖杯を解体
セイバー
願いを叶える為にギルガメッシュに勝ったが、聖杯汚染の為、願いは断念。ギルガメッシュが正々堂々と戦ってくれた事が、意外と嬉しかった
言峰綺礼
聖杯戦争監督だが、聖杯戦争に参加し、最後にボスとして登場。凛の剣は避けれたが、綺礼も人の子であった。凛が去った後に衛宮切嗣にトドメを刺される。死ぬ間際、言峰綺礼は終始笑顔だった。ちなみに切嗣が参加する大会で必ず決勝で会う
衛宮切嗣
第五次の最後がわかった為に「士郎。白野ちゃん。絶対に外に出ちゃダメだよ?士郎振りじゃないからね?いいね?………………士郎!わかってる⁈」と言って、言峰綺礼の元に向かい、最後の起源弾を放つ。全てが終わった後、帰ろうとした所で士郎に会い。一緒に帰る