今回のフィールドは地上だな……確かここはガンダムOOの軌道エレベーター前の基地。今回の戦場はここって訳だな。
それにしても……凄い機体だ、ざっとスペックを見てみたけれど、中々の武装の数と出力の強さだな、Gセルフとノワールのパックとの相性も中々良い具合だし……これはかなり良いガンプラだ、吹雪は凄いな。
『司令官!二時の方角から熱源反応が!』
「OK!!」
早速来たか、夕立のガイアガンダム!
あいつのガイアガンダムはとにかく速い、基本的な形態は犬モードで来るが、人形態と犬形態の変形がスムーズに行える、隙がほぼ無い程に行えるそれに惑わされて俺は前に負けてしまった。
前回の失敗はしないさ!
『ぽいぽいぽーい!!』
途端、夕立のガイアガンダムが建物の影から飛び出してきて、バルカンを放ってくる。
奇襲って奴か、だけど吹雪はお前を見破っていたぞ!
余裕を持って機体を動かしバルカンの弾丸を回避し、すかさず右手のビームライフルをガンダムに放つ。けれども相手は夕立だ、それを悠々と避けていった。
『甘いっぽい!』
好戦的な声と共に夕立は人形から獣型に変形し、建物を踏み台にしつつ立体的な機動を描きつつ接近してくる。
俺はビームライフルを乱射するが全て回避され、相手は俺との距離を徐々に詰めて来た。
「くそっ!速すぎる!」
『司令官!ビームライフルではなくビームライフル・ショーティーを使って下さい!』
そうか!あれなら小回りも効くし連射性も優れていたな!
確かノワールパックに装備されていた筈だ……こいつか!
「こいつを喰らえ!!」
『ぽいっ!?』
ガンダムブリザードが両手に持つのはビームライフル・ショーティーと呼ばれる二丁拳銃型のビームライフルだ、威力は従来のビームライフルよりも劣るけれど、取り回しと連射性能が高く、状況によってはビームライフルよりも強い!
ビームライフル・ショーティーによる連射がガイアガンダムに直撃し、堪らずに足を止める。その隙を見逃す俺達じゃない!
『今です司令官!すかさずヴェスパーで!』
「追撃、だよなぁ!」
足のパーツはV2アサルトと呼ばれる機体のパーツを使っており、そのパーツにはヴェスパーと呼ばれる高出力ビーム砲が付属されている。
『や、ヤバイっぽい!睦月ちゃん!どうすれば良いっぽいぃ!!?』
『うーん……今夕立ちゃんの機体は体制崩してるし、そもそも今獣形態だから盾使えないし……うん、無理かにゃ☆』
『そ、そんなー!!』
これで、止めだぁぁぁぁ!!!!!
ーーーーーーーーーーーーーー
「あーん!負けたっぽいー!」
「リベンジは果たしたぜ、夕立!」
「むぐぐぐー!!」
悔しそうに頬を膨らませているけれど、全然怖くない、寧ろ嬉しい位だぜ!
さっきのリベンジは無事に果たしたし、こいつの……ガンダムブリザードの初陣は見事に果たせたしで、良いことだらけだ!
「流石は提督、睦月感動しちゃった!」
「てかお前、仮にも夕立のセコンドだったんじゃないのかよ……」
睦月の変わり身が素早過ぎて俺戦慄……っと、いけないいけない。
「それはそうと吹雪!こいつ凄い機体だったぜ!こいつなら俺も十二分に戦えるよ!ありがとうな!」
「そう言ってもらえると嬉しいですよ、司令官……あっ、ドレッドノートガンダムをもらっても良いですか?」
「あぁ、そういう約束だったからな」
吹雪に俺の機体を作ってもらう際に、俺が今まで使ってたドレノをあげる約束をしていたからな。
でもまぁ良いのかなぁ。こいつは俺が作った奴だし……吹雪の奴とは釣り合わないんじゃ……そんな事を考えながら吹雪にドレッドノートガンダムを手渡したら
「えへへ、司令官の……えへへ」
…………まぁ嬉しいなら良いか
「……ヘェ……」
「ぽい……」
ん?何か悪寒が……
「そ、それよりさ!ブリザードも届いたし……もうちょいやってかね?今度は睦月が相手してくれると嬉しいんだけど……」
「あっ、そうだね!じゃあ睦月が勝ったら何かご褒美が欲しいにゃあ……?」
「あー、考えとくよ」
「えへへ、じゃあ睦月、張り切って挑みますぞよ?」
こうしてまぁ俺達は、部活が終わる時間までぶっ通しでガンプラバトルを繰り広げていた。
全ては夏の大会での優勝を果たす為に。