「模擬戦…!?どうして急に…!」
「ん?それは君の力を試したいからだよ。そして生徒会でしか使えない"模擬戦"を使いたい。あっそうそう…我々は"模擬戦"だが君たちは"決闘"となるから注意な?」
そう言うと熊谷は佐藤に合図を出した。すると
「それでは2時間後に熊谷vs天草の模擬戦を開始します」
「え!?2時間後!?」
「何かマズイことでも?」
熊谷は首を傾げ海斗に問いかける。
「い、いえ…」
「では決まりだな!2時間後!ここに集合だ!」
「はぁ…どうしてこうなった…逃げたい…」
準備のため海斗は部屋に戻った。試合がある時は必ず"自分に必要な物"を用意する決まりなのだ。
「これとこれ…これがないと戦えない…でも怖いなぁ…」
ブツブツと愚痴を言っていると
約束の時間まで残り30分
「仕方ないか……よし!やるしかない!」
海斗は準備を終えると部屋を出て模擬戦のある広場に向け歩き出した。
「おや?早いなぁ。まだ20分もあるのに」
熊谷は準備がないのか制服のままで待っていたようだ。
「はい…待たせる訳にはいかないので…それにやるしかないからです!」
「うん♪いい顔だ♪それじゃあ始めるぞ!佐藤!」
熊谷が佐藤に合図を出し位置につく。試合の時は必ず15mは離れる決まりなのだ。
「ありゃ?あれ海斗じゃない?おーい海斗〜♪って熊谷先輩!?生徒会じゃない!」
「えぇ!?ことちん!?」
「なんだ?彼女か?仕方ない…君も佐藤のところへ行け!危ないぞ!」
熊谷に言われるがまま琴音は佐藤の元へ歩く。
(これなに…?喧嘩…?)
「それではこれより模擬戦を始めます!両者準備!」
「模擬戦始め!」
「えぇぇ!?模擬戦!?あの生徒会の熊谷先輩と!?海斗が!?」
琴音が訳が分からず叫んでいると熊谷と海斗はお互いにらみ合っていた。
「それじゃあ…行くかぁ!!」
そう言って四股踏みをすると地面が大きく振動した。まるで地面が水のように。
「わっ!?な、なんだ!?地面を水のように変える能力か…それとも波動…!?」
海斗が熊谷の能力を考えていると
「遅いぞ天草ぁ!!」
熊谷は一瞬で海斗の鼻の先まで来ていた。
「いつの間に…!」
「行動が遅いぞ!ふん!!」
海斗は熊谷から距離を取るが熊谷は地面を思い切り殴る。その衝撃により地面がかなりえぐれた。
「す、凄い…あれが熊谷先輩の"自己強化能力"…!」
「そろそろ能力使わないと危ないぞ天草!」
確かにこのまま能力を使わなければ海斗は負ける。そして大怪我をすることになるだろう。
「くっ…仕方ないか…!」
そう言うと海斗は持っていたバッグの中から一枚の紙を出した。
「これが俺の能力です!」