「天草海斗と言います!趣味は絵を描くことです!よろしくお願いします!」
教室に無事着いた海斗は自己紹介を終え席に着いた。
「ねぇねぇ♪君どんな能力使うの?教えて!♪」
明るい口調で話しかけて来たのは海斗の席のとなりに座っている桐林琴音だ。見た感じは大人しそうな雰囲気で少し幼い顔立ちをしている。だが凄く活発な子だとわかる。
「え…?俺の能力はそんな強くないよ…」
海斗は自信が無さそうに白バッジに手をかける。
「そうなの?うーむ…」
顎に手をつけ何かを考えている。
「まぁ海斗くんの能力は今度あるクラス対抗試合で分かるからいいか!♪」
「クラス対抗試合かぁ…って海斗くんって何!?」
「え〜?だって初めて声かけて話せたから友達なりたくて〜ダメ?♪」
目をキラキラさせながら琴音は海斗に訴える。
「うー…分かったよぉ…じゃあ今日から友達だね…♪」
「うん!♪ありがとう海斗!私のことはことちんかことちんって呼んでね♪」
「どっちも一緒だし海斗くんから海斗になってる!?」
「あはは〜♪ごめんごめん♪」
琴音は人懐っこい笑顔で笑っている。
「はぁ…じゃあことちん…?」
「そう!私ことちん!♪」
「じゃあこれからよろしくなことちん…」
そう言って海斗と琴音は無事友達になれたのだが。彼女のバッジはオレンジだった。
琴音と話をしていると。
「先生!何故白と赤がここに!?私たちエリートであるオレンジは別のクラスにするべきでは!?」
席を立ち教師に抗議する女性は霧野香里。髪はロングで綺麗な黒色をしている。どこかのワガママお嬢様みたいだ。身体もスリムでモデルでもしているかのような容姿をしている。
「だがなぁ霧野。これは決まりなんだ。皆能力やバッジの色が違くても同じ学年だ。わざわざ変える必要ないと思うぞ?色関係なく仲良くだ」
「ですが…!」
香里は教師に向かい抗議を続けようとするが。
「いいから座るんだ…」
教師の背中から黒いオーラのようなものが見えクラス全員が凍りついた。香里はそのオーラに負け椅子に座り込む。
「あはは〜ごめんごめん♪つい昔の癖で♪それじゃあこの学校の説明するね♪」
このシリウス高校には生徒会というものが存在する。校長が認めた最強クラスの能力者たちの集まりだ。その生徒会の役割は争いの阻止はもちろん学校行事などで働いているが"外部からの侵入者の排除"も含まれている。
「あっ言い忘れてたけど君たちのそのバッジ。我々教師や校長が"この生徒は上に行かすべき"と判断した場合は白から赤。赤からオレンジ。オレンジから紫。紫からシルバーへと変えることもあるから皆頑張るように」
クラス全員はこの言葉を聞いて驚きを隠せずざわざわしている時教師はこう言った。
「因みに〜バッジ進級試験や学年進級試験には我々教師に勝つもしくは力を認めさせた時に初めて進級出来るから♪それじゃあ解散!今日は授業ないから帰る人は帰る♪訓練する人は訓練♪お疲れ!」
クラスが解散しことちんともお別れした時。二人組から声をかけられ足を止めた。一人は眼鏡をかけ見る限り秘書風の女性。もう一人は身体が大きくガタイがかなり良い強面の印象の男性だった。
「ん…?この人の"匂い"初めてです…私ですから知らない"匂い"がします…」
「そんなバカな…お前ですら分からないとはこいつは一体…」
「あの…一体なんでしょう…」
急に匂いなどとよく分からず"能力の確認"だと言って話しかけて来たから尚更怖い。
「あぁすまない…俺の名前は熊谷幸輝。我々は"生徒会"だ。そしてこいつは俺の秘書の佐藤」
佐藤と呼ばれる女性はぺこりと頭を下げこう切り出した。
「あなた…一体どんな能力を…」
「能力って…俺は…」
戸惑ったように話していると。
「言わなくていいぞ天草海斗」
熊谷は海斗を指差しこう言った。
「天草海斗。俺はお前に模擬戦を申し込む」