サトシ「日本史わかんねぇ!」【解説】   作:ぽかんむ

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6,奈良時代

マーマネ「今日は奈良時代だよ!」

 

~システム~

 

リーリエ「ごめんなさい! はっきり言って奈良時代、とりわけシステムの話は読み物としては今まで以上につまらないです!」

 

カキ「だが避けて通ることは出来ないし許してほしい」

 

 

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スイレン「京職・・・左京、右京の一般地方行政を担当」

 

マーマネ「摂津職は摂津国の一般地方行政を担当したよ」

 

カキ「他には太宰府、鎮守府辺りは覚えておこうな」

 

リーリエ「次に五畿七道について解説しますね」

 

マオ「現在の日本列島は北海道、東北、関東......とわけられているけど、それに当たるのがこれよ」

 

スイレン「北から東山道・東海道・北陸道・山陽道・山陰道・南海道・西海道」

 

マーマネ「それから五畿とは畿内(現在のほぼ近畿)に属する五つの国名のこと」

 

カキ「大和・山城・摂津・河内・和泉があるぞ」

 

マーマネ「ちなみに北海道、沖縄は含まれないよ」

 

 

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リーリエ「それぞれの国は中央から派遣された国司が管理しました。彼らが仕事をこなした場所を国衙と言います」

 

スイレン「お次は班田収受法について」

 

カキ「班田支給のために戸籍が作られる。班田は6年に1度、支給されたから戸籍の更新もそれに準じた」

 

マーマネ「それから課税台帳として、計帳というものが毎年作られた」

 

 

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カキ「租以外は男のみが対象だった。それから寺田、神田などは不輸租田(税を払わなくてよい)だった」

 

マオ「ちなみに税を納めないといけない田んぼを輸租田と呼ぶよ」

 

スイレン「当時税は大変重いものだった。そこで農民は浮浪したり、勝手にお坊さんになったり(私度僧)して回避を試みた」

 

マーマネ「兵役だけど、防人(3年間九州警備)、衛士(1年間都の警備)があったよ」

 

スイレン「あとは蔭位の制、官位相等制、五刑、八虐を暗記」

 

~遣唐使~

 

スイレン「隋に変わって中国を統一した唐にも日本は使者を送った」

 

カキ「630年の第一回では犬上御田鍬が正使として派遣されたぞ」

 

サトシ「すげえ名前......」

 

 

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マーマネ「8世紀(700年代)には大規模化。原則20年に1度、4隻が派遣されたことからよつのふねとの別名もあるよ」

 

マオ「航路も初期は朝鮮半島沿岸を経由する北路だったのだけどその後白村江の戦いで新羅との関係が悪くなると南路に切り替えたよ」

 

リーリエ「しかし南路は大変危険で遭難が多かったです」

 

サトシ「そーなんすか」

 

スイレン「894年に菅原道真によって遣唐使が廃止されるまで続いた」

 

マオ「廃止した理由は唐の疲労によるもの。このとき唐は内乱状態だからとっても危険だったの」

 

マーマネ「実は道真側にも理由があるのだけど・・・それは次回詳しくやるね」

 

~政治~

 

カキ「710年に藤原京から平城京に遷都された。ここはいわゆる条坊制によって作られたぜ」

 

サトシ「納豆で覚えてこ」

 

マオ「そのときの天皇は元明だよ」

 

スイレン「この時代は権力者がころころ変わるのだけど、一番最初に権力を握ったのは藤原不比等!」

 

リーリエ「主に彼が行った業績は、平城京遷都・蓄銭叙位令(711)・養老律令の制定(718)です」

 

サトシ「蓄銭叙位令ってなんだ?」

 

マオ「この頃に日本で最初の銅銭である"和同開珎"が鋳造されたのだけど中々流通しなかったの」

 

スイレン「そこで出されたのがこれ!......まああまり意味はなかったらしいけどね」

 

リーリエ「ちなみに和同開珎から後に出てくる乾元大宝までの朝廷で作られた銅銭を"皇朝十二銭"と呼びます」

 

カキ「それから古事記や日本書紀の編纂だな」

 

マーマネ「その後政権を握った長屋王(皇族)は722年に口分田の不足を対処するための百万町歩開墾計画を打ち出したよ」

 

サトシ「百万町歩ってどのくらいなんだ?」

 

カキ「当時の日本の農地が88万町歩程度だっただろうと言われている」

 

サトシ「すげぇ!」

 

マーマネ「まあ失敗するんだけどね」

 

リーリエ「723年には三世一身法が施行されました。これは開墾者の孫まではその土地の私有がみとめられるというものです」

 

サトシ「三世代だったら百年くらいか?」

 

マオ「そう思うじゃん? 実際には当時の庶民の平均寿命から考えると、短かったらしいよ」

 

リーリエ「その後、長屋王は謀反の疑いをかけられて失脚、自殺に追い込まれてしまいました。変わって台頭してきたのが藤原四兄弟です!」

 

マオ「上から、武智麻呂(南家)・房前(北家)・宇合(式家)・麻呂(京家)。南家とか言うのはあとで出てくるよ」

 

スイレン「さて、この時期の天皇はかの有名な聖武天皇なんだけど、彼の皇后になったのが藤原家の光明子なの」

 

マーマネ「持統天皇とか見ればわかるが皇后は天皇になる可能性があるから、これまでは皇后には皇族以外はなれなかったんだ」

 

リーリエ「この辺りからも当時の藤原家がいかに権力をもっていたのかわかると思います」

 

マオ「だけどね、四人は天然痘で死んじゃうんだ」

 

カキ「変わって政権を手中に納めたのが橘諸兄。さらに政治顧問として遣唐使経験のある吉備真備・玄肪がいたな」

 

マーマネ「ちなみに橘諸兄は元々皇族なんだけど、あまり(皇族内での)身分が高くなかったから皇籍離脱をして臣下になったんだ」

 

カキ「だが、橘諸兄はともかく、他の二人の身分はそんなに高いわけではない。だから不満を持つ人達も現れる」

 

スイレン「そして起きたのが太宰府で起こった藤原広嗣の乱。ちなみに彼は式家出身」

 

マオ「それにビビりまくった聖武天皇は

平城京→恭仁京(山背)→難波宮(摂津)→紫香楽宮(近江)→平城京

と遷都しまくるよ」

 

マーマネ「遷都の間にいくつか法令が出された。まずは741年の国分寺建立の詔。これは国ごとに一つ国営のお寺を建てようというもの」

 

リーリエ「743年には大仏造立の詔も出されました。これらには鎮護国家思想という仏の力で国を治めるという考えがあります」

 

スイレン「そしてそのための資金を集めるために作られたのが同じ年の743年、墾田永年私財法! 声に出して読みたい歴史用語10年連続No.1だね」

 

サトシ「なにそれ?」

 

カキ「二位は不輸・不入の権だな」

 

サトシ「???」

 

リーリエ「話を戻しますね。これは土地の永久私有を認めるものです。これにより公地公民は完全に崩壊しました」

 

マオ「その結果初期荘園というものができたよ」

 

カキ「ちなみにこのころ聖武天皇は体を崩したようで、退位して大上天皇(上皇)になった。代わりに娘が孝謙天皇として即位した」

 

マーマネ「752年には大仏開眼。つまり完成したってこと。これには行基というお坊さんも活躍したと言われているよ」

 

スイレン「ところで大仏は本当は何て言うか知ってる?」 

 

サトシ「???」

 

マオ「答えは盧舎那仏! 完成当初は黄金に輝いていたようね」

 

カキ「橘諸兄のあとに政権を握ったのは藤原不比等の孫の藤原仲麻呂だ。彼は養老律令を施行したぞ(757)」

 

マオ「757年には諸兄の息子の橘奈良麻呂の変が起きたけど無事に鎮圧」

 

リーリエ「翌年には彼は孝謙のあとの淳仁天皇より"恵美押勝"の名前を貰いました」

 

マーマネ「だけどここで光明皇后が死んじゃうんだ。後ろ楯を失った恵美押勝はピンチに!」

 

カキ「ちなみに天皇がいつのまにか孝謙から淳仁に変わってたけど、これは孝謙が病にかかったからなんだ」

 

スイレン「だけど彼女はとある坊主によって助かった。それが道鏡だよ」

 

マオ「764年に恵美押勝の乱が起こる。だけれどもこれも鎮圧されてついでに淳仁も天皇の地位を引きずり下ろされる」

 

リーリエ「そして天皇の地位に返り咲いた孝謙上皇は称徳天皇と名前が変わりました。前述のこともあって彼女は道鏡を大変信頼されておりました」

 

カキ「本来僧は政治に口を出すことはないんだけどな......まあ彼はその後、大政大臣禅師(765)→法王(766)と出世していく」

 

スイレン「彼の野望はとどまることを知らなかった。なんと天皇になることを本気で望んでいたらしい」

 

サトシ「嘘だろ!? お前......」

 

リーリエ「神のお告げが来たそうですよ。現代ならばともかく、この時代はそこそこ信じられていましたからね。これを宇佐八幡神託事件といいます」

 

カキ「それを防いだのは和気清麻呂! 彼はそのお告げは嘘、と称徳に告げた」

 

スイレン「称徳にめっちゃ怒られて左遷されちゃうんだけどね」

 

マオ「だけど称徳が死ぬと道鏡は一気に地位を失ってしまう。殺されはしないのだけど藤原百川によって下野薬師寺に追放されちゃう」

 

マーマネ「ところで称徳には子どもがいなかった。つまりここで天武天皇の血が途絶えちゃったんだ」

 

カキ「奈良時代......正確には壬申の乱が終わってからの天皇は皆天武天皇から続いていた」

 

スイレン「天智系は皇族内でも地位が低くなっていたんだよね」

 

リーリエ「だからといって天皇制を止めるなんて選択肢はもちろんありません。そこで即位したのが天智天皇の孫の光仁天皇でした。このときはもうかなりご高齢だったそうです」

 

スイレン「その後、第50代である桓武天皇は最初は長岡京に遷都した(784年)。だけれどもそこで藤原種継が暗殺されてしまったんだ」

 

リーリエ「そのため桓武天皇は平安京に遷都します。理由としては先程のことに加えて、早良親王が亡くなったり、長岡京がなかなか完成しないことなどもあったとされております」

 

スイレン「そして桓武天皇は平安京へ遷都......ここから先は次回やる」

 

 

 

カキ「最後はなぞかけだな」

 

サトシ「シロナさんとかけまして武智麻呂、房前、宇合、麻呂ととく」

 

スイレン「その心は?」

 

サトシ「どちらも強大(兄弟)」

 

マーマネ「次回もよろしく!」




ありがとうございました

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