3,弥生時代
スイレン「次は弥生時代だよ。名前の由来は現在の東京都弥生町付近の場所で土器が発見されたから」
リーリエ「この時代の特色は金属器と稲作です。同時期にこれらがなかった沖縄、北海道ではそれぞれ貝塚文化、続縄文文化が続いていました」
マオ「この頃の土器は弥生土器と呼ばれている。特徴は薄手、高温、赤褐色。それから表面に特に彩飾もないよ」
マーマネ「金属器には二種類あって、実用的な鉄器と祭器に用いられた青銅器があるよ」
サトシ「祭器?」ドッドッドガースドガースド シャアー
スイレン「」ツカツカ
サトシ「ごめんなさい!」
スイレン「許す」
カキ「祭といっても現代のそれとは大分違うけどな」
リーリエ「青銅器といえば代表なのは銅剣(瀬戸内海中心に分布)、銅鐸(近畿地方中心)、銅矛(九州北部中心)、銅鏡辺りでしょうか?」
スイレン「稲作だけど、始めは低湿地帯にもみを直蒔き、後にかんがい施設の発達により乾田での田植えが行われるようになった」
マーマネ「収穫方法も当所は石包丁(磨製石器)での穂首狩りが一般的だった。これもやがて変わっていったよ」
マオ「脱穀に木臼、竪杵が、保管には高床倉庫が使われたよ。だけどそのなかでだんだん階級というのが出来上がってきたんだ」
カキ「そうして争いなども起こった。そのため防衛のために環豪集落や高地性集落が出現した」
スイレン「そうしたなかで争いに勝ち上がった村が負けた村を吸収して、力をつけクニとなっていった。そうしたなかであの王国が現れたんだ!」
サトシ「?」
マーマネ「女王卑弥呼率いる邪馬台国だね。彼女は鬼道による政治を行い、弟に補佐をしてもらっていた。結婚はしてなかったよ。邪馬台国は三十ほどのクニを束ねる連合王国だったらしい」
サトシ「それならわかるぜ! 漢倭奴国王の金印もらったとこだろ?」
リーリエ「惜しいです! 確かに239年に金印は魏より送られましたが、そこには親魏倭王と書かれています。漢奴倭国王はあとでやりますね」
スイレン「年号だけど語呂合わせを作ってみることにしたよ。239年は......二(2)次元サン(3)キュー(9)とか?」
カキ「風習だが、男子は入れ墨にみずら髪、女子は貫頭衣だ」
マオ「しかし248年に彼女がなくなり、その死後に男の王がたつと倭は再び荒れた。そこで卑弥呼と同族の女性・台与が即位すると再び纏まったという。ちなみにこのとき彼女は十三才」
リーリエ「語呂合わせは......二(2)代目イヨ(4)や(8)って来るとかでしょうか?」
サトシ「へぇ......」
スイレン「サトシ、ちゃんとわかった?」
サトシ「バッチリだぜ!」
リーリエ「では次に埋葬方法を完結に纏めます。主に箱式石棺墓、甕棺墓、支石墓、方形周溝墓、墳丘墓などがあります。墳丘墓は後に巨大化して古墳と呼ばれるようになりました」
カキ「最後に遺跡と中国の歴史書について触れていこうと思う」
マーマネ「遺跡は福岡県の板付遺跡、
佐賀県の菜畑遺跡、
静岡県の登呂遺跡(集落や水田跡、木製農具出土)、
島根県の荒神谷遺跡(青銅祭多数出土)、
佐賀県の吉野ヶ里遺跡(環豪集落)、
香川県の紫雲出山遺跡(高地性集落)」
マーマネ「この辺りを押さえておこう! 前者二つは前回も言ったね」
スイレン「中国の歴史書はここでは三つ紹介するね。この時代まだ日本に文字はないから、詳しいことを知りたい場合この史料に頼る他ないの」
リーリエ「『漢書地理志』には"紀元前一世紀ほどの昔に日本は百ほどの小国に別れていた、楽浪郡というところに定期的に朝貢する奴等がいた"何てことが書かれています」
サトシ「朝貢?」
カキ「噛み砕いて説明すると、中国の皇帝に貢ぎ物を贈るとそれの何倍もの価値の贈り物をくれるというシステムだ。中国からすれば自国の力を見せつけられるし、貢ぐ国からしても中国の優れた物を貰えるからな」
マーマネ「続いて『後漢書東夷伝』! 紀元57年に奴国の王様が後漢の皇帝(光武帝)に朝貢したら"漢委奴国王"の金印紫綬を貰った、ということが書かれているよ。ちなみにこの金印は江戸時代に福岡県の志賀島で発見された」
スイレン「それから師升という王様が生口(奴隷)百六十人を献上したとも書かれている」
マオ「そして最後に『魏志倭人伝』! 邪馬台国のことはここに載っていたんだ」
サトシ「色々あるんだな。ところで邪馬台国はどこにあるんだ?」
リーリエ「それはわかっていないんです。魏志倭人伝の記述をすべて信じてしまえばたどり着くのは海の上。主流なのは距離を間違えたという説から広まった北九州説と、方角を間違えたとする畿内説です。ただ現在では畿内説が主流とされております」
カキ「畿内説であるという根拠に箸墓古墳が卑弥呼の葬られている場所ではないかという仮説があるのだが......発掘が禁じられている現在では確証を得るのは難しいだろうな」
サトシ「そうなのか......そういえば邪馬台国の解説は台与が即位したところまでだったよな。そのあとはどうなったんだ?」
マーマネ「残念ながらなにも......」
リーリエ「このあと中国は混乱期に入ってしまいますからね......このあと出てくるヤマト政権との関係もよくわからないんです」
サトシ「整いました!」
サトシ「弥生時代とかけまして、武道ととく」
スイレン「その心は?」
サトシ「どちらもせいどう(青銅・静動)が大事でしょう」
マオ「弥生時代はこれでおしまい! 来週も見てね!」