HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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マコトに勘しては感想で思ってもいないミスをしている方たちだけなのにビックリ。

ひねる方向が間違ってます。ヒントは「ああ、あいつならこうするな」的な発想です。



VSヴァーリ 第一ラウンド!!

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達は試合会場に集まって、その試合に注目していた。

 

 タイミングが悪いことに次期当主としての仕事で行けなかったリアスが心底悔しそうにしてたのが印象に残ってる。

 

 気持ちはすっごくよくわかる。

 

 なんてったって、あの宮白とヴァーリの試合だ。

 

 すでに解説番組でも何かしらの動きが出てくることは確実といわれているし、それにしても注目されているのは今回のルールの特性。

 

 ……使い魔制限の完全開放。これはマジですごいことなるだろう。

 

 なにせ、宮白のチームで女王を担当してる暁ってやつはかなり注目されている。

 

 火力だけなら龍王クラス。その破壊力で試合のフィールドをごっそり破壊したことだって何度もある。

 

 だけど、それでも暁は全力じゃない。

 

 本人が戦い慣れてないこともあるけど、それ以上にイレギュラーゆえにルールにおいての扱いが困っているのが現状だ。

 

 S×Bの眷獣は独立具現型神器と同じ扱いにするべきか、それとも使い魔と同じ扱いにするべきかで難航してるからだ。

 

 だから、今回のアザゼル杯のルールでは眷獣は一対だけ使用するってことになっている。

 

 ……それが、解禁される。

 

 つまり、暁古城の正真正銘の本気が見れるってことだ。

 

「イッセーさま。おそらく今回の試合は誰もが注目する一戦になりますわ」

 

 レイヴェルが会場に視線を集中させるのも当然だ。

 

 なにせ、相手はあのヴァーリ。

 

 ……一つの世界において最強の吸血鬼と呼ばれる、第四真祖暁古城。

 

 現在過去未来全てにおいて最強と呼ばれる、史上最強の白龍皇ヴァーリ・ルシファー。

 

 その闘い、間違いなくフィールドの何割かが吹っ飛ぶだろう。

 

 そう固唾をのんで見守っている中、ついに司会のアナウンスが始まり―

 

『えー、今回の試合ですが、暁古城選手は補習のため欠席とのことです』

 

 ―俺たちはいっせいにずっこけた。

 

 いや、そりゃこけるよ!!

 

 え、このタイミングで補習!? よりにもよって全力で暴れられるこのタイミングで補習!?

 

 あんた何やってんの!? 授業はちゃんと受けようよ!!

 

『今回、暁古城選手の完全開放が見られると思った方には非常に残念な結果となりましたね、解説のサーゼクス様』

 

『私も非常に残念に思っている。今頃この試合に注目していたVIP席では、ブーイングの嵐が巻き起こってるだろうね』

 

 解説のサーゼクスさまも苦笑してるよ。うん、ブーイング起こりそうだね!!

 

「そういえば、学業優先とはっきりメンバー表に書かれていたな。成績悪いのか、その暁というのは」

 

「完全夜型の吸血鬼であることを隠して、昼型生活を送っているため遅刻と居眠りの常習犯だと伺ったことがありますわ」

 

 いち早く持ち直したゼノヴィアとレイヴェルの話を聞き流しながら、俺たちは視線を会場に向ける。

 

 たしか、姫柊ちゃんって子は暁の監視役ってことで、一緒に参加してるから今回は参加してないんだっけ。

 

 ってことは、もしかして宮白すごく不利?

 

『しかし、あの宮白君のことだから代役も相応の人物だろう。正直期待しているのだが、そのあたりはどうなのかね?』

 

『あ、はい。渡された資料によりますと、今回女王のリザーブ枠で参加されているのは、ディミトリエ・ヴァトラー選手ですね』

 

 そ、その人をわざわざ女王枠にするってことは、かなり強いんだろうか?

 

「あの宮白君のことだから、きっとその人もすごい人なのよね?」

 

「でも、その男もヴァーリとレーティングゲームが最初だなんて運が悪いな」

 

 イリナとゼノヴィアがため息をつくが、しかしビナー氏は首を振った。

 

「気にすることはないわ。独自のパイプでつかんだ情報だけど、かつてのヴァーリ・ルシファーに凌ぐぐらい質が悪い戦闘狂だそうだから、むしろ喜んでるでしょうね」

 

 ビナー氏。それ、間違いなく宮白から直接聞きましたよね。

 

 でもまあ、ヴァーリと同タイプの戦闘狂なら、きっとむちゃくちゃ強いんだろうなぁ。

 

『なんでもこのディミトリエ・ヴァトラー選手、S×Bでは「真祖に最も近い男」と呼ばれているそうです。これはこれで期待できますね』

 

 むちゃくちゃ強かったよ!!

 

 なに、その「世界で五番目に強い吸血鬼」的な異名!!

 

 確か暁って吸血鬼としてはまだまだ戦闘慣れしてないんだよな? ってことは今のところ、暁より強いってことでいいのかよ!?

 

 こ、これはすごいことになってきたぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、俺たちは試合会場でヴァーリと向き合う。

 

「ふふふ。この機会を待っていたよ。俺はこういうことがしたくてこの大会に参加したんだ」

 

 そう、堂々と楽しそうにするヴァーリをみて、俺はどうしたものかと思う。

 

 こいつ心から楽しそうだな。なんというか困ったもんだが。

 

「そこまで愉しみな試合か?」

 

「もちろんだとも」

 

 俺の言葉に、ヴァーリは即答する。

 

「数人がかりとはいえ超能力者(レベル5)を打倒した高町ヴィヴィオと、その師匠であるノーヴェ・ナカジマ。さらにはその彼女たちに勝ち越しているアインハルト・ストラトス。この時点でまず楽しめそうな相手がそろっている」

 

 さらに視線が横にずれていく。

 

「さらに神滅具(ロンギヌス)保有者が参加し、その彼と一体化する形で魔帝剣グラムの保有者が参加」

 

 そしてさらに視線は移動し、俺に向いた。

 

 ……心の底から楽しそうな顔をしやがったよ、こいつ。

 

「さらには君だ。神喰いの神魔(フローズヴィトニル・ダビデ)。もう何もかもが楽しみで仕方がない」

 

「だよねぇ。誰も彼もが優秀なら、もうより取り見取りで選びたい放題だ」

 

 うんうんとうなづきながら、ヴァトラーが一歩前に出る。

 

「でも、お流れになったボクとの模擬戦のことも忘れてもらっちゃ困るよ? ……存分に喰らい合おうじゃないか」

 

「そうだった。それに、宮白兵夜の相手は他にいる」

 

 心底楽しそうにする戦闘狂(バカ)二人から視線を逸らせば、そこには強い戦意を込めた視線を向けてくるやつが一匹。

 

「………」

 

 フェンリルさんが殺気すら見せてこっち観てきてるよ。

 

 あ、これアーチャーとの連携で爪へし折ったの根に持ってるな? やられた分しっかり借りを返したいと思っているな?

 

「……ヴァトラー。意地でも試合終了までヴァーリを抑えるか倒すかしてくれ。……俺、一時間持ちこたえられる自信がない」

 

 うん、これ実戦だったら俺死んでるな。

 

 成果を上げるって、つらいね。

 

 フェンリルさんや。ここにはアーチャーもナツミもいないから手加減してくださいな。

 

 そんな諦観を抱く俺の肩に、シルシがぽんと手を置いた。

 

「大丈夫よ兵夜さん。私がいるわ」

 

「シルシ……っ」

 

 俺は、ぶわっと涙を流した。

 

 こ、心強すぎる!!

 

「……っていうか、私今回評価低い組ですのね」

 

「私もなにげにスルーされたよっ!?」

 

 あ、雪侶とトマリはとりあえず頑張れ。

 




何気に残念な扱いを受けている雪侶とトマリ。

ですが、この作品のオリキャラにただのカマセキャラはあまりいないのでご安心ください。

ちゃんと、パワーアップフラグも活躍チャンスも作っております!!

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