HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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試合が終了したことで、ストブラ編へとまた戻ってきます。










あと、監獄結界の囚人にオリジナルを追加します。

あのメンバーだけだと人数差的にすぐにケリがついてしまって面白くないと判断しました。


波浪院フェスタのその裏で

 

 

「と、いうわけでサプライズで参加してみようと思うんだけど、来る?」

 

「だからDSAAがあるって言ってんだろ」

 

 ノーヴェにバッサリと切られてしまった。

 

「すいません、試合とかぶってて行けそうにないです」

 

「その日はヴィヴィオさんやリオさんの応援に行きたいので、すいませんが辞退させていただきます」

 

 ふむ~ん。俺として今後の交流も兼ねてたんだが、しかしDSAAがあるとなれば仕方がないか。

 

「なるほど残念だ。あ、お土産は何がいいかな?」

 

「え、お土産買ってきてくれるんですか? それとすごい筋力ですね!」

 

 乗ってきた車を持ち上げて筋トレしてる最中だったので、同じく力自慢のリオに尊敬されている。

 

 うん。子供の純粋な尊敬は場合によっては心地いいな。

 

「まあ腐っても上級悪魔だし? 戦車にプロモーションして魔力も併用すればこれぐらいはねぇ?」

 

 調子に乗ってスクワットまでしながらやって見せるが、しかしこれは調子に乗りたくなるな、うん。

 

「しかしコロナちゃんは敗退か。ちょっと残念だね」

 

「はい。アインハルトさんは強かったです」

 

 なんでもハイディとコロナちゃんの同門対決だったそうだが、しかしそれは残念だった。

 

 複数名でノミネートしての試合だと、こういうこともあるということだろう。俺も独立している以上、イッセーとの試合はあるだろうし思うところはある。

 

「でも、コロナもすっごく頑張ったんですよ! ゴーレムが破壊されたのに自分の躰ですっごく綺麗に動いて!」

 

「言っとくがなヴィヴィオ。あれは今後の試合じゃ使わない方向で言ってるからな?」

 

 む? そんなに危険な技使ったのか?

 

「あんまり説得力ないけど、競技試合で命削るのはお勧めしないぜ? 俺も後でバッシングの種になったし」

 

「そういうのは教えるなよ? もっとこう、安全なのないのか?」

 

 ノーヴェの言うことはごくごく当たり前だが、しかし安全でパワーアップできる方法……ねえ?

 

「大将、瞬動術とかどうだよ? あれ、使えれば相当強くなれるだろ?」

 

 グランソードがそう言ってみた。

 

「ああ、あれか」

 

 確かに、あれは接近戦で使えるとすごく強力だ。間合いを詰めるのにも離すのにも効果的だからな。

 

 だが、俺達の中で使える奴っているか?

 

「確か兄上、非戦闘時なら少しぐらい使えませんでしたの? それを試してみたらよろしいのでは?」

 

 雪侶の言葉に、俺はふと考えた。

 

「瞬動術ってなんですか?」

 

 ヴィヴィも興味深そうにしているし、ここはちょっと実演してみるか。

 

「ああ、魔法世界(ムゥンドゥス・マギクス)式の戦闘技術の一つでな。加速するときに魔力か気を込めることで―」

 

 俺は軽くステップを踏んでから瞬動を発動。

 

 その瞬間、十メートルぐらい離れたところに普通に走るよりも何倍も速く移動していた。

 

「おお! すごぉい!!」

 

 リオが目を見開いて歓声を出す。

 

「とまぁ、いわゆる超高速ステップってやつだ。俺達センスないから戦闘中にはできなくてなぁ」

 

 とはいうが、非戦闘時の余裕のある状態なら結構出せるので、何度か連発する。

 

「ほっ! はっ! よっと!」

 

「うわぁ! 早いです!」

 

「すごいな。目で追うのも一苦労だ」

 

 コロナちゃんやノーヴェも感心しているが、しかしこれは少し恥ずかしいな。

 

「ま、練習の間の息抜きに試してみたらどうだ? あ、着地の時に注意しないとすごいスッ転ぶから気を付けてな?」

 

「「「「はいっ!」」」」

 

 うん、こういう可愛く元気のいい返事は、気分が良くなるな。

 

「ま、俺達は色々とやることがあるから毎日付き合うわけにはいかないけど、若い子が強くなるを手伝いのも先達の責務ってやつだ」

 

「たまにぐらいは手を貸すから、その時は面倒見てやるぜ?」

 

 俺とグランソードはそう言ってぽんぽんとヴィヴィ達の肩をたたく。

 

 うんうん。こういうのってやっぱりなんかいいなぁ。

 

「ああ、こんな調子で波浪院フェスタも楽しめたらいいんだけどなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『兄上、なんでフラグを立てやがったんですの!!』

 

「俺の、俺の所為なのか!?」

 

 携帯を利用しての念話で、俺達は口論を続けていた。

 

 いや、ただの念話だとやっぱり周りに怪しまれるし。これなら電話という説得力がある分、周りにあまり怪しまれないんだよ

 

 それはともかく。

 

 ここは絃神島。大絶賛波浪院フェスタが行われている真っ最中だ。

 

 そして、俺がいるのはその市庁舎ともいえるキーストーンゲートの中。

 

 だが、そこに眷属はいない。あいつ等は全く別の場所にいる。

 

 その理由は単純。

 

 空港についた途端に転移した。

 

 ものすごく適当にまとめている所為でよくわからないかもしれないが、俺達だってわからない。

 

 バラバラにいきなり転移して混乱して、何とか合流しようとしたが結局また転移したりして全然合流できない。

 

 ようやく転移の連発が収まったと思ったら、窓から見えるのは撃墜されたヘリコプターやら救急車の群れ。

 

 なんだこれ。明らかにトラブルが発生してやがる。

 

『大将。トラブルに巻き込まれすぎだろ。今度お祓いしてもらったどうだ?』

 

「いや、そんなの俺に言われても困るって。俺はもっと平穏に生きたいんだけど?」

 

 グランソード。俺はむしろお祓いする側だと思う。あとお祓いされたら俺が浄化される。

 

 とはいえこの状況はどうしたもんか。

 

 普通に考えれば、またしても暁たちがトラブルに巻き込まれたんだろう。そして展開的にもう解決していると考えるべきだ。

 

 なにせ、トラブルの元である空間転移減少現象は落ち着いている。騒動の元がこれである以上、解決していなければ収まらないはずだ。

 

 しかしだからこそ今頃説教されているだろうし、暁達に連絡するのは気が引けるんだが……。

 

『あの、兵夜さん?』

 

 と、そこでシルシが声をかけてきた。

 

『どうしたよシルシ。何か見えたのか?』

 

『ええ、適当に辺りを見渡していたんだけど、明らかに不審な人工島を発見したわ、しかもよく見直したら暁くんや姫柊ちゃんも見つけたわ』

 

「……やっぱりあいつら巻き込まれてたか」

 

 だが、空間転移現象が収まった以上解決したと考えるべきで―

 

『しかも、なんか二人が敵対してる風に見えるんだけれど』

 

 前言撤回。どうやら本番とか第二弾とかのようだ。

 

 あいつも本当にトラブルに巻き込まれるな。一時期の俺達を思い出すトラブル遭遇率だ。

 

 っていうか、それにイッセー達をおいて俺の眷属達が巻き込まれている。

 

 あれ? これって俺が一番貧乏くじを引いているってことじゃないか?

 

「泣きたくなってきたんだが」

 

『はいはい。薄い胸でよければ後でいくらでも貸してあげるから今は頑張りなさい』

 

 うん、厳しいのか甘いのかよくわからないよ、シルシ。

 

 まあ、それはともかくどうやら緊急事態なようだ。

 

「シルシ、雪侶、グランソード。お前達は先に行っててくれ」

 

 チームメイトの窮地ならば動くしかない。ここで死なれても寝覚めが悪い。

 

 とりあえず、位置的にあの三人は俺より近いからすぐに行ける。ならば選択肢としては間違っていないだろう。

 

『大将は?』

 

「俺はとりあえず状況把握だ。それだけの事態ならアイランドガードも何か掴んでるだろうし、話を聞いてみる。死なない程度に頑張ってくれ」

 

 そういいながら、俺はアイランドガードの詰所へと向かう。

 

 混乱状態になっている可能性は大体予想できるが、しかしそれはそれとして話を聞いておきたい。

 

 なにせ、俺達はこの世界において外様以外に何物でもない。前もって話ぐらいは聞いておかないとややこしいことになってもおかしくない。

 

 できれば藍羽にも話を聞いておきたいが、さてさてあいつは今回どんな巻き込まれ方をしているのやら。

 

 などと思いながら道を間違えてホールに出たら、見知った人を見つけた。

 

「あ、フォリリンに煌坂」

 

「あら、兵夜ではないですか」

 

 あ、これはもっと手早く事情が聞けそうかな?

 




ヴィヴィオたちの強化フラグも立てました。

以前の活動報告で、ヴィヴィオたちの強化関係を要望されたので、それを考慮してパワーアップフラグを。

おそらくDSAA編はこれが終わったら始まりますが、果たして平和に終わることやら……

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