HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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ナツミとのレーティングゲーム、決着!


VSナツミ! 決着です!

 

「にゃーっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!」

 

「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!! いや、死なないけど!!」

 

 俺は全力で砲撃から逃れている。

 

 今、ナツミはグレゴリー状態で絨毯爆撃をぶちかましていた。

 

 ああ、これぞ制圧射撃ならぬ制圧砲撃。

 

 ここまで砲撃されるとこっちも回避に専念せざるを得ない。

 

「おい、これ本当に死なないんだろうな!?」

 

「お前はミンチにされても死なないだろうが!!」

 

「にしても俺を抱えながら走るなよ!? そんなことしなくても走れるぞ!?」

 

「お前は眷獣の攻撃に集中しろって意味だよ!!」

 

 暁と言い合いながら、俺は全力で砲撃から逃れる。

 

 神格化をフルに発動できない今の俺では、ナツミと撃ち合いなど不可能だ。

 

 かといって眷獣の扱いに慣れてない暁が、回避と制御を同時に行えるとも思えない。

 

 ゆえに暁を抱えて俺が移動するという真似が必要なのだ。

 

 ちなみに時々遠距離武装を構えて攻撃を仕掛けようとしてくるパワードスーツが出てくるが―

 

「させるか!!」

 

 このように、機動力の高いノーヴェコーチに撃破してもらってます。

 

 つまり俺は囮だ。

 

「カッハハハハハハ!! どうしたご主人! この程度かよ!?」

 

「ナントでもいうがいい! 己の低い実力を、コネに改造止めに武装で補うのが俺だ!! そういうわけで打ち返せ暁!!」

 

「俺は武器か!!」

 

 などとツッコミを入れる暁だが、しかししっかり反撃してくれている。

 

 だが、ナツミはその広範囲攻撃を器用に回避した。

 

「そんな適当ぶっぱで俺様を倒せるわけねえだろ!! うんうん、まだまだ素人なんだね、頑張れ!」

 

「なあ、あのナツミってのそんなに強いのか!?」

 

「どっかの国の最強魔導士十人衆に、将来はノミネートされるの確実とかなんとか言ってたな!!」

 

 ビッグマウスとは思えない実力ではある。少なくとも、D×D女性メンバーにおけるスペックなら総合的にトップクラスだろう。

 

 とはいえ、どちらかといえばナツミもパワータイプのはずなのだが、しかし中々戦い方が上手だ。

 

 軌道にフェイントをぶちかますことで、的確に攻撃をかわしやすい状態を維持している。これは中々厄介だ。

 

 そして、そのおかげで暁の攻撃も鋭く正確になっていく。

 

 あいつ、俺の目的を見抜いて手伝ってまでくれているということか。

 

「因みに! 大出力の攻撃はまず最大出力に慣れるといいよ!」

 

「お、おお。ありがとう」

 

 アドバイスまでしてくれているよ! え、今敵なのにマジでいいの!?

 

「実戦形式って強くなるからね! ボクは兵夜の使い魔だから、兵夜の役にもちゃんと立つもん!!」

 

「ありがとうナツミ! 愛してる!!」

 

 でも本当にそんなことしていいのか?

 

 だって、今試合中だからそんなことしてていいのか?

 

「あ、でも今はレーティングゲームの真っ最中だから―」

 

 そのとたん、発動するはサミーマモード。

 

 あ、ヤバイ―

 

「ぶっ倒すことには変わりねえけどなぁ!! 覚悟しやがれご主人!!」

 

「やっぱりねぇえええええええ!!!」

 

 うぉおおおおおおお!!! 死ぬ、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!! いや、死なないけど!!

 

「そして私もここで参戦!!」

 

 と、そこにはパワードスーツを一部外しながら追いかける姉貴の姿が!!

 

 そしてその手には弓が構えられていた。

 

「いかん! 姉貴はアーチェリーで全国大会に出場したことのある腕前!!」

 

「「お前の家族はすごいの多いな!!」」

 

 うんそうだよね二人とも! 実際その通りなんだよ!! 俺が言うのも何なのかもしれないけど!!

 

 放たれる狙撃をかわすという難易度まで追加されながら、俺は全力で攻撃を回避していく。

 

「それと兵夜! ちょっと前に言っていた私の性癖の件なんだけど!?」

 

「姉貴これ全世界放送!!」

 

 なに!? こんなところでカミングアウトって正気か!!

 

「アンタの知り合いにドンピシャの相手がいるから後で紹介しなさい!!」

 

「いるの!? 俺のコネにそんなのがいるの!?」

 

 なんでだぁあああああああ!!! 俺のコネは一体どこまで広いんだ。

 

「お、オネエ系か!? それなら確かに俺のコネでは知り合いに多いが!!」

 

「なあ、お前は一体何を集めてるんだ?」

 

 意外とできるんだよ、オネエ系は。

 

 そんなことを考えながら俺は誰を必要としているのかを考える。

 

 ああ、俺のコネは確かに広範囲。それも一時期性的にはしゃいでたからエロ方面においても広範囲だ。

 

 さあ、誰が出る!?

 

「み、み、み……」

 

 誰だ、いったい誰だ!? み、ってどんなジャンルだ!? 巫女萌えとかか!? 朱乃さんはダメだぞイッセーのだから!!

 

「……ミルたんって人、紹介して欲しいの!!」

 

 …………。

 

 あ、ああ、あーあーあー! そういうこと!!

 

「イッセーのお得意様だから、イッセーに相談してくれ」

 

「え、そうなの? 分かった、じゃあ聞いてみる!!」

 

 姉貴、なんて難儀な性癖なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………

 

「イッセーさま、どうなさいます?」

 

 うん、レイヴェル。

 

 いやね、紹介するのはやぶさかじゃないんだよ。

 

 だってミルたんはいい人だし、陽城さんもいい人だから大丈夫なんだけど……。

 

「俺の周り、本っ当に変な人多いなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで俺達は未だに激戦を繰り広げている。

 

「うぉおおおおおお!!! 走る、俺は走るから暁お前はとにかく撃て!! あとノーヴェは有象無象を近づけさせないでくれ!!」

 

「分かってるけど大丈夫か? 顔真っ赤で汗だくだぞ?」

 

 ノーヴェ! 大丈夫大丈夫頑張るから!!

 

 とにかく、この攻撃をなんとしても潜り抜けなきゃ話にならない。

 

 ああ、リタイアしても復活できるとはいえ、そんないい加減な気持ちでナツミと相対するわけにはいかないからな。

 

 リタイアするときは何としても相手を道ずれにしてくれるわ!!

 

「カッハハハ! 一思いに道づれにする気が満々だぜ!! 全員近づくなよ!!」

 

 クソ! 流石はナツミだ、俺の性格を読んでいる!!

 

「っていうか、お前が道づれになったら俺は間違いなく一緒にやられるんだが」

 

「うっかりしてたな」

 

「またそれかよ!!」

 

 などと漫才を繰り広げながら、俺は一生懸命攻撃を避ける。

 

 そして、そんな中、ナツミは俺に声をかける。

 

「ねえ兵夜!!」

 

「ん? なんだ?」

 

「ボクは兵夜のこと大好きだよ!!」

 

「ああ知ってる!!」

 

 そんなことはわかっているとも!!

 

「うん、だからね?」

 

 そのあと、ナツミは顔を真っ赤にする。

 

 ああ、なんとなく想定できてしまったよ俺は。

 

「アザゼル杯が終わったら、ボクを、お嫁さんにしてください!!」

 

 ですよねぇえええええええ!!

 

『おぉっとぉおおおおおおおお!!! ここで宮白兵夜選手逆プロポーズだ!! さすがはラブシーン公開処刑の異名を持つ男、我々を予想外の方向に沸かせてくれます!!』

 

『全くです。これで私に新たな義妹が確定するということですね。いやぁめでたい目出たい』

 

 外野うるさい!!

 

 だが、そんなことはどうでもいい。

 

 もう今更だからあえて言おう。

 

 いや、そんなこと結論はとうに出ている。

 

 初めて出会って心を交わした転生者。

 

 そして、こんな俺についてきてくれた大事な使い魔。

 

 ああ、俺の答え何てたった一つだ!!

 

「当然だとも、大体、一緒に幸せになるって誓ってるだろ、ナツミ!!」

 

 攻撃を避けながらだけど我慢してくれ! それは痛いし暁を巻き込むから!!

 

 ……いや、やっぱりこの答え方はまずいか?

 

 そんな風に視線を向けて見たら。

 

「……うんっ!」

 

 満面の笑顔で喜んでくれていた。

 

 ああ、よかっ―

 

「兄上よけてですのぉおおおおおお!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 チュドォオオオオオンッ!!

 

「「ぐぁああああああああああああっ!!!」」

 

「兵夜、古城!?」

 

 砲撃は続行中だったのかぁああああああ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ、シルシ選手がビットを確保しました。この勝負、神喰いの神魔チームの勝利です!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ああ、死ぬかと思った。

 

「もう兵夜っ! それはそれとして戦闘をきちんとしなきゃだめだよ!」

 

「砲撃ぶちかましたお前が言うことか!」

 

 まさかあの笑顔で容赦なく砲撃ぶちかますとは思ってなかったよ!

 

 そんなこんなで、勝者チームと敗者チームで仲良く飲み会などぶちかましている。

 

「………好み、ドンピシャ……!」

 

 そして姉貴、眼の幅で涙流しながら感動するな。どんだけ性癖で困ってたんだよ。

 

 ミルたんの写真を見せただけでこれとは、もう驚く他ない。

 

 まあ、ミルたんは悪い奴じゃないし、酷いことにはならないだろう。

 

「それにしても、天騎の奴はいらんことばっかりしちゃってからに!! 兵夜、次あったら一瞬で半殺しにしなさい!!」

 

「言われなくても兄上なら、三分の二殺しぐらいはしてのけれますとも」

 

「安心するといいさ。四分の三殺しで終わらせてやるよ」

 

「物騒だな、オイ」

 

 おいおい暁、姉弟妹の仲のいい会話じゃないか。駄目アニキをどうにかしようという間違ったところが一つもない会話だぞ?

 

「それにしても、私達は初参加でしたけれど貢献できたでしょうか? 割といっぱいいっぱいで……」

 

「それは問題ないよ。本当に苦戦したから」

 

「こんな可愛い女の子なのに戦闘能力も高いなんて、やるじゃないか」

 

「ああ、俺の娘も君みたいに素直な女の子だったらなぁ・・・・・・」

 

 姫柊ちゃんは警備の連中にとっつかまってアイドルになってるし、ありゃ当分離れられんぞ。

 

「ノーヴェ、わたしの動きはどうだったかしら? 格闘技経験者としてのアドバイスがほしいのだけれど」

 

「ん? ああ、踏み込みとかは特に問題はないな。ただ、走る時がちょっと浅いっていうか―」

 

「ああ、確かに悪魔は飛べるからそういうの緩くなるよね―」

 

 シルシも、ノーヴェや須澄と一緒に今度の反省会などを行っている。

 

 

「で、暁。今後の予定は?」

 

「ん? ああ。じゃあ悪いけど来週は無しにしてくれ」

 

 と、俺達は今後の展開のために話し合いを続ける。

 

「来週? 来週は最初から入れてないが、何かあるのか?」

 

「ああ、波浪院フェスタっていう祭りが絃神島の方であってな。昔の友達が来るから道案内することになってて、ちょっと用事が埋まってたんだよ」

 

「へえ。そんなお祭りがあるのか」

 

 なるほど、それは良いこと聞いた。

 

 ……良いことを聞いたぞ!!

 




兵夜と彼女たちのレーティングゲーム。原作最終章の展開と合わせて、兵夜と彼女たちのある種の決着をつけようと思います。


そして次の戦闘はストブラ編。

さてさて、アザゼル編の説明をした時に出した案を回収するときがやってきたぜ!!

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