悪夢の少女と   作:ヤマシロ=サン

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2ヶ月以上投稿期間が空いてしまい誠に申し訳ないです。
活動報告の通り、受験の真っ最中だったので許してくださいお願いします何でも(ry

あと、期間が空きすぎたせいでかなり内容が変わってしまっているかもしれませんが許してくださいお願いします(ry




第14話 逃亡

「はっ…はっ…はっ…!」

 

 

俺は今全力で走っている。何をいきなり言い出すのかわからないと思うが、俺は今走って逃げているのだ。何故、逃げているのかと言うと、遡るとおよそ20分程前のことである。

 

俺はシロナさんに引っ張り出されて大舞台でバトルをさせられていた。で、メアがルカリオを倒してしまうという大番狂わせが起きてしまい、ヤバイと思った俺はソラをこっそり繰り出して、ヤヨイが戦ってる最中に会場の照明を落としてもらったのだ。で、周りがぎゃーぎゃー騒いでいる間にこっそり逃走し、今に至ると言うわけだ。

 

 

「はぁ……これからどうすりゃいいんだよぉ……」

 

テンガン山入口前で地面に座り込んで頭を抱えていた。顔を上げるとヨスガシティの明かりがうっすら見える。行きはシロナさんのトゲキッスにお世話になったが、今は逃亡している身なので当然トゲキッスにお世話になることはできない。引き返してシロナさんに会ってお願いする手もあるが、あの人はおそらく逃げ出したことに激おこぷんぷん丸だろう。捕まったら間違いなく俺は死ぬ。

 

「もう、徒歩で家に帰るしかないね。」

 

ふと、声がして横を見ると隣にはソラが座って俺にからだを預けていた。中々ご満悦そうな表情だ。ちなみにこんなことしてるとメアが出てきて喧嘩になるところだが、ゆめくいの件でボールの中でぐっすり眠っているらしい。ヤヨイはシロナさんのガブリアスとの戦いが中断されていじけているらしい。……ごめんよ。

 

「前があまり見えないから道案内頼むわ。」

 

「おっけー、任せて。」

 

 

仕方なく俺たちはテンガン山の中へと進んでいった。

 

 

 

***

 

「はぁ…」

 

私は今ヨスガシティのポケモンセンターの一室で休んでいる。そして、さっきまでの彼、ハルトとの戦いを思い出していた。

 

「なんなのよあの子。私のルカリオをあくタイプのダークライで倒しちゃうし、ガブちゃんとは互角……いや、それ以上の戦いしてるし。手持ち全員人の形してるし、規格外にも程があるでしょ。」

 

 

戦いを振り返って考えれば考えるほど思ってしまう。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と。そう思うと悔しくて仕方なくなる。ハルトの方から勝手に逃げ出してくれたから実質勝ちということにはなっているが、私からすればそれが余計気に入らない。……弱音ばっか吐いてて私と戦うことを頑なに嫌がっていた理由が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()としたら更にイライラしてとても悔しい気持ちになってしまう。

 

 

「はぁ、取り敢えずハルト君に電話してみようかしらね。」

 

 

今回の件は取り敢えず置いておくとして、勝手に逃げ出してしまったのだからおそらく徒歩で帰る羽目になっているだろう。途中でポケモンに襲われたりしたら大h………大丈夫か。あの子のポケモン規格外だし。一応、連絡を取るために携帯を取り出して電話をかけてみる。

 

 

『prrrrrr……prrrrrr……prrrrrr……prrrrrr……』

 

「出ないし……もう知らない!寝るッ!!」

 

 

連絡もつかないのでどうでもよくなり寝ることにした。このまま起きてると余計にむしゃくしゃしそうだったし。…おやすみ。

 

 

 

***

 

 

「ソラぁ、まだ出口つかないのー?」

 

「まだだよー。」

 

 

テンガン山に入って30分は経ったのではないか。真っ直ぐ進むが全く出口が見えない。ゲームではヨスガからクロガネ付近までって結構短かったはずだが、リアルだとこんなに長いとは思ってもいなかった。シロナさんに送って貰えばよかったと今更だが後悔してしまう。しかし、携帯を開いてみるが、圏外になっていて連絡をとることは不可能となってしまっている。

 

懐中電灯で前を照らしながら進んでいると、別方向からもう一つの光が見えた。

 

 

「あれ、こんな時間にテンガン山をうろついている人とかいるんだな。」

 

「ホントだ。珍しいね。」

 

「ゴルバットでも捕まえ……に………ッ!!」

 

「ハルト?」

 

俺は思わず絶句してしまった。懐中電灯で照らしながら現れたのは青いトゲトゲ頭で顔は色白で目つきは鋭い、目があった人絶対殺すマンって言われてもおかしくない、ギンガ団のボスのアカギだった。服装はギンガ団のなかなかに気持ちわr…独特な服装ではなく、テンガン山にいるからか、普通のジャンバーに大きめのリュックサックという、旅に出ている人のような格好だった。てか、あの人こっちに向かってきてね?

 

「そこの君。こんな夜遅くになんでこんなところにいるんだ?」

 

アカギは答えないと殺すと訴えかけているかのような目つきで聞いてきた。

 

「ヨスガシティからの帰り道ですけど。」

 

 

取り敢えず正直に答える。

 

 

「ふむ、ということはチャンピオンマッチを見に行ったというところか。」

 

 

「そ、そうですよ。」

 

 

「ふ、お前、チャンピオンと戦ってた少年だろう。違うか?」

 

 

え、なんでこいつ俺のこと知ってんの?

 

 

「い、いや、ただ観戦しに行っただけっすけど。」

 

 

「ただの観客ならこんなところにいるわけがない。あの停電の後に騒ぎを沈めたのはウチの連中だからな。誰一人として外に出してないはずだがな。」

 

 

「え。」

 

 

マジで?ギンガ団めっちゃいい警備会社じゃん!なんで、新世界作ろうとしてんだよw

 

 

「まぁ、別にだからといって興味は無いがな。」

 

無いんかい!!

 

俺は心の中で思わずツッコミをいれてしまった。

 

 

「お前に一つ聞きたいことがある。」

 

アカギは更に目を鋭くして言った。

 

「『アグノム』というポケモンを知らないか?シンオウの神話に登場する三匹のポケモンのウチの一匹なのだが、リッシ湖で最近見られなくなったらしいんだが、捕獲されたんじゃないかと思ってな。何か知ってることはないか?」

 

 

「あっ、ぼk「いや、知らないです!初めて聞きました!」

 

 

「そうか。邪魔したな。出口はすぐそこだから出るといい。」

 

 

そう言ってアカギは立ち去って行った。

 

 

「ソラ、あの男は危ない気がする。」

 

「え、どうして?普通にいい人だったじゃないか。」

 

「普通の人がお前のことを聞いてくるわけないだろう?つまり、そういうことなんだよ。」

 

「あー……なるほどねぇ。なら、ここで消しておく?」

 

こいつ、平然ととんでもないこと言いやがって。

 

「いや、あの人は他の人がいつか何とかしてくれるだろ。それに、まだ何もしてないのに消すってのも理不尽すぎるしな。もしかしたら、何もしないのかもしれないし。」

 

 

まだ、ジュンが8歳ってことは、主人公も8歳ってことになるからギンガ団が動き出してないはずだ。何もしてないなら干渉しないほうがいい。これからの未来が変わっても困る。………あ、俺シロナさんに干渉してるわ。未来変わるかも。

 

 

思い出すと冷や汗が出てくるが『それもまた有りか。』ということにして忘れることにした。

 

 

 

***

 

クロガネシティにて

 

 

「あっ、あの人チャンピオンと戦ってた少年だ!」

 

 

「……」

 

 

「マジで!?本物じゃん!」

 

 

「……」

 

 

「すげぇ、マジで子供じゃん!拡散しよ。」

 

 

「……」

 

 

なんだろうな……どこの世界線でもそうだが、珍しいもん見つけたらすぐに拡散しようとする習性どうにかならんのですかねぇ…(多少の憤り)いや、ならないだろうなぁ(反語&確信)俺も実際やってそうだし。取り敢えず取るべきアクションは一つ……

 

 

 

「……逃げるぞソラ。」

 

 

「うん、そうだね。」

 

 

神様は俺に休む暇も与えてくれないらしい。おそらくシンオウ中に俺のことが知り渡っているらしく、俺を見るなり驚くなり、騒ぐなり、写メるなり、拡散するなりされて視線を集めている。恐らくシンオウ地方ならどこに行っても目をつけられるだろう。これからどうするかについては置いておくとして、とりあえず家まで走って逃げよう。

 

 

俺とソラはクロガネシティを急いで後にし、コトブキシティに向かった。クロガネトンネルを抜け、コトブキシティに着いたが予想通り視線を集めて騒ぎ立てられているので走って駆け抜けてミオシティに向かった。前を見ると壊れて先がなくなった桟橋がある。

 

「ソラ!」

 

 

「わかってるよ。任せて!」

 

 

ソラはサイコキネシスを使い、俺を浮かせ向こう岸へ運んでくれた。便利な能力だなぁ…

 

 

そして、俺たちは何とかミオシティまで何とかたどり着くことが出来た。

 

 

 

「た、ただいま……はぁ、はぁ……きっつぅ!」

 

 

「あら、あんたヨスガにいたんじゃないの?」

 

奥から母さんが出てきた。

 

 

「それどころじゃなくなって急いで帰ってきたんだよ。」

 

 

「はぁ、一体何やらかしたの?話してみなさい。」

 

 

***

 

 

 

「なるほどねぇ。それは大変だったわね。」

 

 

「どうしようか、どこか遠くに身を寄せるか。」

 

 

シンオウ地方内では俺のことは周りに知り渡っているのでアウト。別の地方に行くしかない。

 

 

「そうだなぁ、ホウエン地方にでもにげるか。一応知り合いいるし。」

 

 

俺がちっちゃい頃にホウエンで一時期住んでた時期があって、そんときに知り合ったやつがいるんだが、連絡取れるかな……。あとついでにヒンバス釣りたい。釣りポイントは何となくわかるからいけるはず(ポケモンRSE知識より)

 

 

「今日はもう遅いから寝なさい。これからについては明日考えることにしましょう」

 

 

「うん、今日はなんか疲れたから寝るわ。おやすみー。」

 

 

***

 

翌朝

 

「よし、出るかわからんけど連絡を取ってみよう。」

 

 

携帯に番号を入力し、ホウエンの知り合いに電話を掛けてみる。

 

 

『pr.あっ、もしもしもしもし!?わぁ!お兄ちゃんだぁ!!なになに!?急に電話かけてきてくれるなんて!!』

 

 

耳に当てて1秒で電話に出て少しビックリしてしまった。

 

 

「お、おぉ、久しぶりだな。悪いんだけど、シンオウで色々あって出ないといけなくなったんだが、おまえんちに少し居候させてもらってもいいか?」

 

 

『知ってるよー、お兄ちゃんあれでしょ、チャンピオンに喧嘩売ってプライドをズタズタにした挙句、敵前逃亡したんでしょー。知ってるよー』

 

 

「なんでそのこと知ってんだよ!ホウエンにまでそのこと回ってんのか!?」

 

 

『そりゃあねぇ、私はお兄ちゃんのことこの世で一番愛してるからねぇ、どこにいようともお兄ちゃんのことは見えてるんだー、ふふふ……』

 

 

「怖えよ……やってること完全にストーカーじゃん……。すぐにやめてくださいお願いします。」

 

 

『やだよー、お兄ちゃんのことを考えて見てないととても正気でいられないもん。しかも、最近はほかの子に手を出してるみたいだしねぇ……、その子達とも()()()()しないといけないしねー』

 

 

「お、おう……」

 

怖えええええええええええ!!!なんでこいつこんなに怖くなってんだよ!!?ヤンデレじゃねえかよ!前会った時はまだ温厚な性格してたのに一体向こうで何があったんだ!!?

 

 

『昼までにこっちに来る準備しといてねー、()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「えっ、ちょ、おまっ………切りやがったアイツ……。」

 

 

しれっとアイツは最後に拉致る宣言していた。ホウエンから船で迎えに来るとなるとどんなに急いでも1日はかかるのだが、アイツは関係なく3()0()()()()()()()()()()()()()()()()理由は簡単、アイツはポケモンだからだ。人ではない。

 

 

「マスター、どうするんですか?私としてあんな堂々と犯行予告するなんて許せないので返り討ちにしてやろうと思うんですけど。」

 

メアは笑いながらとんでもないことを言っている。てか、笑ってるのに目が笑ってない。

 

「おいこらやめろ。」

 

 

「はい、殺意剥き出しにしなくても大丈夫だよー。私はもう()()()()()ねー。」

 

 

「ふぁっ!?」

 

「ッ!!」

 

 

気づけば隣にはアイツ……()()()()()が居た。白くて腰の位置まで伸びた真っ白な髪にてっぺんだけアホ毛が立っており、金色の綺麗な目をしているが、残念なことにハイライトは無い。赤のワンピースを着こなしており、ホウエンで会った時に比べたらかなりスタイルがよくなっていた。あ、別に俺はロリコンじゃないです。

 

 

「えへへ、待ちきれなくなって来ちゃった☆」

 

「いや、来るの早すぎだろ……ものの数秒しか経ってないぞ?いつのまにそんなに速くなったんだ?てか、お前スタイルよくなったなぁ(歓喜)」

 

 

「そうだねー、ホウエンで()()()()()()を手に入れてもっと速くなったんだよー。すごいでしょー。スタイルが良くなったのはそのおかげっていうのもあるけど、後は強いポケモンと戦いまくって強くなったから……かなぁ。」

 

 

そう言って自然な流れで俺の腕に腕を絡めて抱きしめて来た。

 

 

「……何してるんですか。」

 

メアがとんでもない怒りオーラを出しながらラティアスを睨みつける。

 

 

「見たらわかるでしょー?」

 

 

ラティアスはメアを挑発するように嘲笑った。俺から見てもわかるがラティアスは明らかにメアを見下している。メアも今にも殴りかかりそうだが、家の中だということがわかっているのでなんとか踏みとどまっているようだ。

 

 

「………マスターに手出しやがったら、その場消しますからね。」

 

 

メアはラティアスを睨みつけた。

 

 

「あなたにはむりだよー。やれるもんならやってみろーって感じかなぁ?」

 

 

「おいラティアス、そろそろ離してほしいんだが……。」

 

このままだと、動けないので準備もまともにできないと思い、離れるようにラティアスに言ったのだが…

 

「えっ………。」

 

何故かラティアスがこの世の終わりのような絶望に満ちた表情をしている。

 

 

「えっ?」

 

 

えっ、俺が何かした?

 

 

「その……離れてくれないと準備ができないんだが……」

 

 

そう言うと、ラティアスは再び希望に満ち溢れたような表情に戻った。

 

 

「そっか!そうだよね!ごめんねお兄ちゃん!離れるね!そっかそっかぁ!えへへ。」

 

 

マジで向こうでこいつに何があったんだ……割と真剣に心配になってきたんだが……

 

 

***

 

 

「ボクも何か手伝うことある?」

 

 

荷物をまとめているとボールから出てきたソラが手伝おうとしてくれていた。ちょうどソラに言いたいことがあったのでタイミングがよかった。

 

 

「ソラ。」

 

 

「なんだい?」

 

 

「お前はシンオウに残れ。」

 

そう、ソラは伝説のポケモンとしてリッシ湖の管理をしている以上、ホウエンに連れて行くことはできないと思ったのだ。だから無理も承知の上でソラに残るように命令した。

 

 

「わかったよ。それにハルトならそう言うと思ってたしね。………寂しくなるなぁ……ぐすっ…」

 

 

ソラもそのことは理解していたらしく、潔く受け入れてくれた。俺は涙を流していたソラを優しく抱きしめてあげた。

 

 

「ほとぼりが冷めたら直ぐに戻るから待っていてくれ。本当に直ぐに帰るから……な?」

 

 

「わかってる……ずっと待ってるから……。」

 

 

ソラは少しの間俺の胸に顔を埋めていた。

 

 

***

 

「なぁヤヨイ。お前はどうするよ?」

 

ソファーに座ってぼーっとしていたヤヨイに聞いてみた。

 

「私もホウエンに行くよ。ちょっとそらのはしらで腕試ししたいし、あと、レックウザ倒したい(直球)」

 

 

獣のようなギラギラした目でとんでもないことを言っている。てか、こいついつのまにこんな戦闘狂になってたんだよ。

 

「そうか、戦うのもいいがたまには体を休めろよ?」

 

「わかってるよー。休憩はちゃんととってるから。とりあえず私もホウエンに行くからよろしくねー。」

 

 

「おう。」

 

 

***

 

「メアは……」

 

 

「勿論行きますよ。あの女を野放しにはとてもとてもできないので。いずれはアイツをボッコボコのミンチにしてやりますよ。」

 

メアはラティアスにライバル心を燃やしながらそう決意していた。俺のベッドに寝転がっていたラティアスは「無理無理〜」と挑発していてメアが思わず殴りかかりそうになっていた。

 

 

 

「はぁ……頼むから仲良くしてくれよ……。」

 

 

 

俺はそう切に願っていた。

 

 

 

 




もうダメだ……自分でも何してるのかわからなくなって来ちゃった☆


ここのラティアスは一体何があったんでしょうねぇ(他人事)


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