そん、ごはく。孫 悟白っていいます。   作:鯱の助

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前回までの閲覧、お気に入り、感想…誠にありがとうございます!
皆様のお陰で自分も悟白も頑張れています。
どうか、彼の、彼らの為に手を上に伸ばしてあげてください。

お気に入り50、感想7、ありがとうございます…!


二人のNo.1。

「よ、良かった!間に合った!」

そんな声を聞いた時、自分は地面に顔面をぶつけていた。

…痛みは感じなかった。

悟空が隣で地面に拳を打ち、悔しがっているらしかった。

そんな悟空へベジータが掴みかかっているらしかった。

険悪なムードのなか、デンデが謝る声が聞こえた。

自分は……それを聴きながら、ぶつけたまま顔をあげられなかった。

話はどんどん進んで、そのときミスターサタンが夢だ夢だと騒いでいた。

そして、痛えという声もした。

そんな事があっても…かおがあげられなかった。

「カカロット!!貴様はっ…!あんな大馬鹿野郎の代わりに!!

折角助けたピッコロや悟飯達を見殺しにしやがったんだぞ!!!!」

「っ…」

名前を聞いた瞬間、自分が土を握りしめたのがわかった。

「もうあいつらは元に戻れない…頼みの綱のドラゴンボールも、地球と共に消えてしまったからな…!!

…貴様が、貴様が言ったんだぞ!!合体の前、この俺を説得する為に…!!悟白は最初から最後まで間近で見たんだと!!!

貴様、そんなことを言いながら、間近で見せたな!?」

「ぐ、……!!!」

今度は、存在ごと消えた。

その瞬間も見た。

白に飲み込まれて行くのをみた。

唐突に、両肩を掴まれた。そして起こされた。

「カカロット!こいつの顔をみて、何か言ってみろ!!!言えるもんならな!!」

「…、」

「顔も見れないのか!貴様ァ!!」

生い茂る草や香りの良い土が顔に張り付いているのがわかる。

…落とす気力もない。その気力はなくても、湧き上がる闘志だけ、ある。

ベジータの怒りで震えている両手を両肩からそっと離した。

「ベジータさ…おらは、お父を攻めちゃいねぇ。

…ただ、あの…あん畜生を…!おら、あの、野郎を…!!許せねぇ…!!!」

「!」

顔の泥を手荒に落とし、自分で立ち上がり、泥だらけになってしまった手で、服の端を強く握り締める。

「絶対あいつを…倒したい。ブウに、無意味に消された地球と、助けられたはずのみんなの為に…!!!!」

溢れる涙は堪えない。流しておけばいい。いつか止まる。

「だから、今まで以上の本気、出すよ…!跡形もなく、消し飛ばしてやるんだ…!」

「悟白、おめぇ…!」

一瞬、通常の状態なのに稲妻が走ったような気がした。

 

 

 

悟空とベジータにポタラが再び渡される。

それをベジータか即握り潰そうとしていたが、途中で悟空がこれはもういいと否定した。

ベジータは驚いたように悟空を見ていた。

悟空の言い分は、自分ひとりの力で戦いたいとの事。

ベジータもそれに賛同した。

「それによ…おらの考えってのもあっけど、もう一つはやっぱ、悟白だな。こんな真っ直ぐに、一人の力でやろうとしてんのに、おら達だけ合体してさ…そりゃねぇんじゃねぇかなってさ。

…こんな時だけど、悪ぃな。」

そんなことを言っていた。

 

 

魔人ブウが関係の無い星を消し飛ばしている。

そして、今は大界王星を吹き飛ばす為のエネルギーを作っている。

…ベジータの案で、この界王神界へ呼び込む事となった。

狙いが自分達なのだから、気を上げて魔人ブウに気付かせれば来るだろうとの事。

界王神様達から距離を取り、3人で超サイヤ人になって、気を高める。

…もっとだ、もっと出せ。

奥から今まで以上に輝く、眩い光を放つ何かを取り出せ!

ほらみろ!こんな気、父達にも勝てていないぞ!

さあ!役にたって見せろ!!!

「はあああああああああああああ!!!!!!」

「!」

「!」

そして、すぐに魔人ブウがここへ来た。

_____絶対、倒す。

 

 

 

みんなが安全な星へ移動するとなり、自分の手の甲の傷、魔人ブウの頭の中の自分にやられた左腕の抉れた傷をデンデに治してもらい、それからほかの星へ移動したみんなを見送った。

すると、1人ずつ戦うことになってしまったらしいが、異を唱える前にジャンケンが始まってしまった。

 

…自分がこういう事に弱いのを忘れて本気で挑んだら、2人がグーを出して自分がチョキを出してしまって一回戦負けした。

…魔人ブウと戦う前から負けた。

 

 

 

 

なんとも納得いかないが大人達に逆らえるほど自分は大きく出られる訳では無いので仕方なくベジータと共に下がるわけだが、悟空が唐突に言った。

「ほんというと…実はあのとき超サイヤ人3で倒せていたんだ」

「!?」

「でも…死んじまったおらが倒すより、生きてる若ぇやつらに倒して欲しかったんだ。これからの地球の為にも。」

「…」

「…あ!?ベジータの野郎聞いてねぇ…!…まあいいか。

…悟白、若ぇやつらがみんな先に魔人ブウにやられてくなか、おめぇはおらの希望通り、本当によく頑張ってくれたぜ、ほんと…

おらは、おめぇにみんなを任して良かったって思ってる。」

「え、でも、」

「結果はいいんだ。ただ、応えようとしておめぇは…どんどん、強くなってる。

…多分、全力の、本気の本気なら…おらを越えられんじゃねぇかな?」

「な、何言って…冗談はよしてください、じゃあ行きますから。」

そう言って、ベジータの元へ向かって飛んでいった。

 

 

 

 

思い切り地形が変わった界王神界を眺める。

…そして、崖のようになった場所に立つのは…

超サイヤ人3になった悟空と、魔人ブウ。

 

だが、超サイヤ人3になっても、悟空は、負けていた。

 

 

 

 

思い切り打たれたかめはめ波は、魔人ブウを分解するだけ分解し、悟空へピンクの光弾が霰玉のようにふりそそいだ。

そして、パワー切れになってしまった悟空は通常の状態に戻ってしまい、地に伏した。

「カカロット!」

「お父さん!」

思い切り悟空の元へベジータと飛ばして向かい、交代かどうかを問う。

…だが、応えることが出来ないらしく少し動いただけで終わってしまった。

…まだ戦えると言いたかったのだろうか。

「…お前は少し休んでいろ」

「べ…ベジータ、悟白……、あいつ…とんでもねぇ強さだ……!

覚悟が、いるぞ…!」

「…分かっている」

「…知ってます」

今見たこと。それだけでもうわかる。

超サイヤ人3で敵わないのだ。その事実が、言っているのだ。

…難しい、と。

そんな情景を、上で対象に分裂したままの魔人ブウ全員が大笑いしながら見ている。

それを見て、ベジータは気をあげた。

行く気だ。

「…ベジータさん、俺も良いですか。」

何も言わないベジータ。…何も言わないなら、自分も出るまでだ。

「…じゃあ、行きますよ!!」

自分は超サイヤ人3となる。

だが、ベジータは……超サイヤ人にならない。

…彼の心に、どこか諦めでもあるのだろうか。

ああ、大人が諦めている。

だが、プライド高い彼に何も言うことが出来ず、そのまま上へ飛んだ。

そして、2人で魔人ブウの大軍へ突っ込んだ。

 

飛びかかってきた魔人ブウを背を合わせ、気合で吹き飛ばす。

そして、エネルギー弾を打つ。

再びピンクの塊になった魔人ブウだが、すぐに集まって一つになった。

そして、馬鹿にするように笑ったかと思うと、自分達へ向けて気弾を放った。

自分は弾いたが…ベジータは食らってしまった。

「べ、ベジータさっ…!!!」

魔人ブウの気が二つになった。見ると、二人に分かれていた。

…二人別々に相手をする気か!

ベジータへもう一体が。自分へもう一体が飛んできてラッシュを仕掛けてきた。

「っ…!」

自分も迷うことなく魔人ブウへラッシュを仕掛ける。

「ぐあ!!」

「ベジータさん!!くそっ、」

チラリとみると、ベジータがタコ殴りにされていた。

苦戦とまではいかないが隙がないので、抜けて助けに行こうにもいけない。…くそ、面倒くさい!!

 

 

 

 

ベジータから遠くへ離された。

それを気掛かりに思いながら応戦していると、急にベジータの気が落ちた。

…これは、何か…まずいぞ。

「イィ、いぃぃいあああああああははははははぁ!!!」

「くそっ、赤ん坊みたいな脳みその癖に…!!!」

「ホッ?ホホゥ!!」

「な、!!?待て!!」

戦っていた魔人ブウが突然塊に戻って猛スピードで…ベジータの元へ。

「くそ、離したのはわざとか…!!!待てっー!!!!」

ベジータが、ベジータがやられる!!!!

 

 

追いついた時に、魔人ブウが放とうとしていたものと魔人ブウが悟空の頭突きで飛ばされるといった状況であった。

満身創痍なのに、悟空が立ち上がったのだ。

「交代だベジータ…魔人ブウは、強ぇ。おらが今まで戦ってきた誰よりも強ぇ。だが、おらはまだ負けちゃいねぇ!!」

…辛いのに…凄い人だ。

そんな凄い人の隣に、立つ。

「お父さん、俺で良ければ力を使わせて下さい」

「おめえ…はは、つれぇぞ?」

「分かってます。でも、そんなの関係ないです。結局辛いですから」

「…やらなくても一緒ってことか?

…はは、言うようになったじゃねぇか。……行くぞ!」

「はい!」

そうして、2人で、魔人ブウの前へ。

悟空が、超サイヤ人、2…3と、なった。

それが、開始の合図。

 

 

______

 

 

 

上で始まったぶつかり合いを、岩に腰を落ち着けて見る。

2人が、魔人ブウの野郎の前と後ろで同時にラッシュを仕掛けている。

 

…カカロット、悟白…すごい奴らだよお前らは。

 

カカロット、お前と初めて出会ったのは、俺が辺境の星々を征服し、地球に立ち寄った時だったな。

そのときボコボコにやられた俺は、お前を越えることを目標に生きてきた。

超サイヤ人になれる可能性があるのは、1000人に1人。

そして、可能性があるのはこの俺だけだと。そうだと思っていたのに、お前は伝説の超サイヤ人になりやがった。

この俺を差し置いてだ!

…だがある時

自分への怒りで超サイヤ人に目覚めることが出来た俺は、喜びに打ち震えたぜ。…やっとカカロットを越えたのだと。そして、サイヤ人の王子に戻る時が来たのだ!とな。

……だが、俺は遂にお前を越えることは出来なかった。

…そして、悟白。

生まれて7年足らずのお前は、今まで修行しかつんでいない、実戦を知らないガキだった。

それに、俺が生きている間は1度も超サイヤ人になりやがらなかった。

…勿論俺は、悟天やトランクスが恵まれてお前は恵まれなかっただけだと思った。

……だが違った。

お前は、1番…兄弟の中で1番恵まれていた。

最初から?違う、そういうわけでない、そういう恵まれ方ではなく…

才能に恵まれた。

…本当に少し前まで平和な環境で、修行をつんでいただけのお前が、いきなり実戦に放り込まれ…ここまで、強くなった。

泣いて、震えながら。

……俺の先に居たカカロットに、追い付いて、強くなった。

…それをお前は、付いていくだけでなく越そうとしている。

信じられるか?俺が、七つのガキに…宇宙の命運を任せているんだ。

…セルの時の悟飯よりも若いお前に、セルより強い敵を任せいるんだ。

…情けないもんだぜ、全く。

 

カカロット。最初、俺はお前には守るものがあるからだ、と。

守りたいという思いが得体の知れないパワーを生み出しているのだと。

確かにそれはあるかもしれない。だが、それを言えば、今の俺だって同じだ。

…俺は、俺の思い通りにする為に、楽しみのために、敵を殺す為に。そしてプライドの為に戦ってきた。

だが、お前は違った。

お前は勝つ為ではなく、絶対負けない為に、限界を極め続ける為に戦うんだ。だから、相手の命を断つことにこだわりはしない…

 

お前は、遂にこの俺を殺すことはしなかった。

 

まるで、今の俺がほんの少し、人の心がわかるようになるのが…分かっていたみたいに。

……ああ、頭に来るぜ…!

戦いが大好きで優しいサイヤ人なんてよ…!!

 

 

……悟白。

お前は…きっと、100%守りたいから戦っていると、そう思って今も戦っているだろう。

…だが、違う。

お前自身気付いていないが、俺には分かるぜ…お前は自分を何処までも高め、そして内に秘められた自分の可能性を見ようとしている。

この短期間で強くなるには、守りたいという、味方へ向けるような強い思考では無理だ。相手へ向ける、倒したいという思いが強くなければな。

俺は、地獄で見ていて、すぐ、わかった。

お前は目の前の自分より強い相手に怯えていて、今にも逃げ出したがっていたが…やってやろうという闘志が、目の奥に宿っていた事をな!

思いは違えど…お前はカカロットにどこか似ている。

いや、家族に似ている。

…今のお前は発展途上だ、いずれ、必ず…最強の戦士へ変貌を遂げるだろう。

 

……頑張れ、カカロット、悟白…!

……お前らがNo.1だ!!

 

 

____

 

 

 

ようやくボロボロになってきた魔人ブウ。

…同じくこちらもボロボロだ。

悟空が突っ込んでいくと、地面に足を突っ込んだ魔人ブウが足を伸ばして悟空の顎へ地中から蹴りを入れた。

体制を崩したがすぐに立て直して襲い来る蹴りを後ろへ下がっていくことで避ける。

「そらこっちも相手しろ!!!」

後ろから、ついさっき思い付いた超幽霊神風特攻くらいの爆発力を誇り、ちょっとの衝撃ですぐ発動する技を投げつける。

すると、足の攻撃を止めて弾こうとして触れた魔人ブウが爆発する。

煙が晴れた時に魔人ブウは…かめはめ波の構え方をして、こちらの方へ放っていた。

「んげ、」

「ぐっ…」

二人して防御の構えをとって、強大なかめはめ波を最小限のダメージで防ぐ。

「…いっちち…よし、悟白。あっちがその気ならおら達もだ。

…やるぞ」

「勿論。」

煙で見えないながらも、溜めの構えを取る。

…すると、いがいとすぐ隣にいたらしく、手が当たった。

『か…め…は……め………ッ!!』

 

『波ァァァアアアアアッーーー!!!!』

 

同時に放ったかめはめ波は、なんどもクルクルと回ったあと、混ざりあって1本の大きなかめはめ波となった。

その奥から、魔人ブウのものらしき、

「キギャアアアア!!」

という叫びが聴こえた。

そして、かめはめ波が魔人ブウの後ろで爆発した。

…魔人ブウの身体を大きく抉って。

魔人ブウは、なにやら…かめはめ波をはじこうとしていたのが伺えた。

つまり、弾こうとする魔人ブウの強さよりも自分たちのかめはめ波が勝ったということ。

今打ったので悟空は息が荒くなった。

「バッキャロー…こっちは、本場のかめはめ波だってんだ…」

魔人ブウはムカついたのか歯をむいていた。

…そして体の損傷を直してしまった。

「…!」

ああもう、面倒くさい!

 

 

 

激しく拳をぶつけ合い、どんどん傷がつき、動きがだんだんと鈍ってくる。

それに気付いた悟空が途中で自分へ下がれと言ってきた。

応とはしなかったが、空中で気弾を作り機会を伺う。

すると、地面へ叩きつけられた悟空が2つ、気弾を放ったのでしめたと思って思い切り魔人ブウへ作っていた2つの気弾を撃ち込んだ。

魔人ブウは足で悟空の気弾を受け止め、自分のを反り返って腕で受け止める。

吹き飛ばそうと考えていることなどすぐ分かった。

だから、ぐっと力を込めて対抗した。

すると、上下から押され、潰されそうになっている魔人ブウに悟空がエネルギー弾を放った。

すると、足の方は悟空へ、手の方は自分へ投げ返し、飛んできたエネルギー弾は悟空へ返すかと思いきや、こちらへ飛ばしてきた。

それを理解したのは、自分に返されたエネルギー弾二つを弾いて、魔人ブウの方へ向き直った時だった。その時には、もうエネルギー弾は目の前にあって……直撃した。

「ゔわぁあっ!?」

上へ飛ばされると、少しして受け止められた。

悟空だ。

そう思った時、悟空は下にいる魔人ブウへ脳天割りを仕掛ける。

食らった魔人ブウは地面に向かって落ちていくが、寸前でモモンガのようになってスピードを落として地に足を付き振り返る。

だが、振り返った瞬間追撃で悟空の足蹴りを頭にくらって地面にめり込み、更にゼロ距離のエネルギーを食らった。

魔人ブウの埋まった地面は穴が開き、やったかと思って空中で息をついた。

…すると、悟空は突然、地面に引きずり込まれていった。

……魔人ブウだ。

中で何かされているのか、しているのか…衝撃音が響いてくる。

少しして、中から、「どうしても負けるわけには行かねぇんだ!!」という悟空の声がした。

そして、少しの間、ぶつかり合う音。

すると、悟空の声と共に上にエネルギーが飛んできた。

そして、細々とした桃色の破片が集まって行っている時、自分の隣に悟空が来た。

…だいぶ、疲れている。

「…この程度の攻撃したぐれぇじゃ、あの野郎は体力を減らしやがんねぇ…すぐまた新品に戻っちまいやがる…!」

「…みたいですね」

「カカロット、悟白!」

「!…ベジータさん?」

「なんだよベジータ、また交代か?もうちょっとやらせてくれよ!」

後ろへやって来ていたベジータに二人して顔を向ける。

「ハン、2度と交代する気なんてない癖に、白々しいことを言うな!

お前にも分かっているはずだ。もう1度やつと戦っても勝ち目がないどころか、たちまち殺されてしまう、とな!」

「え、い、いや…そんなことは…」

「ふん、つまらん気を使うな。

…確かにその通りだ。戦ってみてよくわかった。

あのブウは強い。…この俺よりもな。そして、カカロット、悟白…貴様らもだ!」

「ベジータ…」「ベジータさん…」

「俺に遠慮せず、トドメを指してしまえ!その超サイヤ人3なら、めいいっぱい溜めた気で、完全にブウを消し去ることが出来るはずだ!」

「…ああ。おらもさっきからそうしようと思ってんだけど…なかなかそのチャンスがねぇんだよ。」

「「え?」」

自分は思い切りやろうとしているが、悟空は…ベジータに遠慮していると思っていた為思いっきり悟空をみた。

…ベジータもそうだと思っていたように思える。

「あいつを消しちまおうと思ったら、1分間くらい気を溜めねぇとなあ…!」

「い、1分間…?」

「チィッ、カッコつけすぎちまったかなあ…!

もうちっと上手くいくかと思ってたのによお…!くっ…!」

「き、貴様…お…俺に気を使ってたん、じゃあ…??」

「…違うんけ…?」

と聞いたのに、ちゃんと聞いていないのかくっそー!といっている悟空。

「あの野郎…さっさと元に戻れるくせにわざとダラダラして楽しんでいやがる…!たっく…!あったまいくよなあ…!!」

だいぶ悔しそうにそう言ったのを見て、それからくねくねしている魔人ブウを見て…ため息がでた。

戦ったからとかそういう事じゃなくて…なんだか、気が抜けて疲れる。

 

「1分でいいんだな?」

 

「え?」

「1分あれば、やつを消しされるほどの気が貯められるんだな!?」

「あ、ああ…1分あればだけど…?ベジータ?」

悟空と自分の間を通って前に出たベジータを目で追う。

…何を言う気だ?

「よし。1分間、俺がなんとかやつを食い止める。貴様はさっさと気を溜めろ!!」

「べ、ベジータ…!おめぇがブウを食い止めるだって…?

無茶だ!言っただろ?あいつを消すだけの気を貯めるには、1分もかかんだぞ!?」

「…他に方法があるのか?カカロット

…奴を倒す方法が…!」

「…っ、そ、それは…」

「ベジータさんは駄目だ!俺が、」

「…お前、自分の体力を把握出来ているのか?」

「な、」

「…お前は自分が思っている以上に消耗している!気付いていないから動けるのだろうが、そのままやり続ければ自分が危なくなることくらい気付きやがれ!お前は無理しすぎなんだ!」

そう言われて、気付かないようにしていた事実を正確に理解してしまい、身体が急にずしりと重くなる。

…超サイヤ人3から通常の状態へ戻ってしまった。

…悟空がボロボロで危ないからと悟空よりも動くようにしていたし、2人で畳み掛ける時だって強く、多めにやった。

庇ったし、攻めた。

…それにより負った怪我とエネルギーの消費量が、今自分へのしかかってきた。

心配をしていたのに、逆に心配される側になっていた。

「っ、あ…、」

「…お前は休め。いいな。

…カカロット。貴様はいらん心配などせずとっとと気を溜めろ!!

…稼いでやるぜ、1分間…俺様の誇りにかけてな。」

「わかった。頼むぜ、ベジータ!

…さあ、悟白、おめぇは降りて休んでろ!」

そう言われ、痛む身体をゆっくり下ろしていく。

上では、大人2人が会話をしていた。

…今の自分に出る幕はない。

そう思って、腰掛になりそうな岩のところへ降りて、座り込んで自分の体力の回復に勤しむ事にした。

…頼む、ベジータさん、死なないでくれ…!

 

 

 

 

 




チート設定にはしてないはずなんですけと…悟白が勝手にどんどんパワーアップしていく…おかしいなこんな筈では…
とにかく1度降りてもらいました。一回休もう悟白。

ベジータ様の褒め言葉考えるの凄い難しかったけど楽しかったですハァイ

閲覧ありがとうございました!

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