そん、ごはく。孫 悟白っていいます。   作:鯱の助

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前回の久方ぶりの投稿で、沢山の閲覧ありがとうございました!



頑張れ子孫達!見守ってるぞおら達は

「ちっとばかし遅かったかな?」

「どうだかな…間に合ってりゃええけども」

2人で並んで観客席へ続く道を歩いていく。

ここも随分と久しぶりだ。

「そういや、おめーがここに来たのはウーブと一緒に島に行ったあん時以来か?」

「ええと…多分そうでねえかな?

それ以来てんで行ってねえしな。」

「はは、おめぇもベジータも参加しねーっつうから、オラが行こうとする事も無かったしなあ!」

「…もし行ってたら、復興作業終えたてホヤホヤの武道会場さ粉々にして工事の人を泣かせてたろうな…」

隣で笑う父、孫悟空を横目に人の間を縫って席の前の方に向かう。

 

界王様にこの世の様子を教えてもらった。

自分達の子孫で、しかも自分たちにそっくりな子供たちが天下一武道会に出るらしい…と。それは見に行くしかない。

そして、パンも席に居るらしい。

…彼女はたしか100歳をとうに超えているスーパー老人だったな。

腰も曲がらず元気に走り、武闘を未だ志している、110歳とは思えぬ動きぶりをする……と聞いている。界王様から。

いつまで経ってもパワフルなところが彼女らしい。

 

そんなこんなで悟空が見に行きたい、と言ったことから自分もと便乗してこの世に降りる許可を得てやってきたのだ。

「いやぁすげえな〜、オラ達があの世で色々してるうちにこんな風にこの世が変わるなんてな!時間あったら見て回りてえくらいだぜ!」

「界王様見張りの元での武道会観覧だからなぁ…」

『その通りだぞ〜、お前たちの同行は私が見張っておるからな!』

「わーかってるってぇ」

自分たちの頭の中に語りかけてきたそれに悟空が笑って答える。

 

「右側に居るのは、大企業カプセルコーポレーションの社長の息子さん!!ベジータくん!!

そして左側、彼は孫悟白くん!!これまで一撃で勝負をつけてきた彼は、同じく楽々勝ち進んできたベジータくんと戦う事で、一体どのような活躍をみせてくれるのでしょうか!?」

 

ちょうど観客席の前に入り込めたところで司会者の言葉が聞こえて驚き、ぱっと前を見る。

「すげえな〜!本当にオメーそっくりだ!

しかも名前も一緒!」

「…………ベジータ、て…ほんとだ、ベジータさとまんま一緒…」

如何程、と思うまもなくそれらをみてぽかんとする。

サイヤ人の尾を生やした、緊張で竦む子供。

挑戦的な、不敵な笑みを絶やさない青い服を身に纏う子供。

紛うことなき子孫達だ。

「孫悟白…、絶対パンが名付けたな!

あいつほんと、ずーっとオメーの事大好きだもんなぁ」

「……………」

なんだか恥ずかしくなってきて顔を手で覆う。

試合開始の合図で顔を上げ、戦いを見る。

それによってその感情も吹っ飛ぶ

「良い動きだ。

どっちも鍛え方がしっかりしてんな。

ベジータの方はカプセルコーポレーションの重力室とかでやったんだろうが…

悟白の方はパンが指導者だとしたら、大したもんだぜ!

ばーちゃんになるまで生きてるだけあんな!」

いけっ、そこだ!と声を飛ばす悟空の横で、頬杖を付いて笑う。

「ほんと、良い動きだな…」

素早い動きを目で追い、同時に観客席にも目を走らせる。

(…いた、あれだ。)

随分と歳を取った、あの頃の少女がいた。

自分と悟空が死ぬ時、傍で泣いていた女性が、しっかりと成長し、元気に腕を振り上げて応援している。

(お、…そこでそう動くか…なるほどちゃんと学んでんだべな。)

しかし、はて。あの子の親は見には来ないのだろうか?

自分は早いうちに死んでしまったため、どんな人が親なのか分からない。…仕事や用事で忙しいのかもしれないな。

 

激しい戦いを一旦やめ、離れる両者。

「ふぅ、お前思ったよりも断然動けるじゃねーか。」

「はー…そ、そんな事は…」

「ここまで俺とやってそんだけ息切らす程度なら上々だぜ。

準決勝でやるのはちょっと格好が付かねえからやりたくなかったが、本気でやれそうなのにチャンス逃すなんてもったいねぇしな。

…ッハァ!!!」

「!」

 

「うぉ、やーっぱり超サイヤ人に軽々となりやがるな…」

「んだな。結構血は薄まってんのかと思っただが…まだまだ続きそうだな。」

「うわ〜っ、ならまだまだ余裕でなれる奴が生まれるっちゅうわけかあ!

ちゃんと鍛えてえなぁ!そしたら楽しく戦えそうだ!」

 

「……、っそれなら、僕も……ッ゛!!」

もう片方、孫悟白も金色に毛の色を変え、目の色を青緑色へと変える。尾も、勿論金になる。

「!、へえ?お前もなれんのか!」

「はい!」

「……はは!そりゃあいい勝負が出来るわけだ!

なるほど態度に騙されたぜ。

…それじゃあ行くぞ!!」

「は、っはい!!」

 

 

 

______

 

 

 

 

「いやぁ準決勝とはいえ見応えあったなぁ!

悟白が勝てるって時に最後の余力残してたベジータが勝ったとこ、あそこ良かったな!

オラもう戦いたくてうずうずしたぜ!」

「………名前が一緒なだけあって不思議な感覚だ…

…でも、おらも分かるだよ。

いい勝負だったし…やっぱ実力が同じくらいの戦いは見応えがあんな。」

準決勝は、ベジータの勝利に終わった。

最後、力を振り絞って場外へ持ち込もうとした孫悟白を見事に討ち取ったベジータは、彼を気絶兼場外負けにして勝利を収めたのだ。

なので、孫悟白は現在医務室で眠っていることだろう。

現在は、決勝までの休憩時間だ。

「なあなあ悟白、あの世にけぇったらいっちょやらねーか?」

「いいぞ、おらもちょっと疼いちまって。」

…まあ毎日毎日拳を交わしているから、本気度が変わる程度なのだが

 

さて、待ち時間の間はどこを見て時間を潰そうか。

 

 





GTを書き進めるはいいとして、続編がどうしてやろうかって感じですよね…

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