そん、ごはく。孫 悟白っていいます。   作:鯱の助

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前回までの閲覧、コメント、お気に入り、ありがとうございました!

余談ですがドカバトで劇場版ブロリーのゴジータ今年初ガチャででましたやったー!!!!!!!!!

閑話休題。
さて、孫悟白の消失後、二人は…?


立ち上がれ孫悟空!超巨大の元気玉!!!

まず自分達は、ベジータの言っていたように死んでしまう場合を考え、全員をブルマの宇宙船に乗せて地球を去る、という案をまず出して避難させた。

「いいか。必ずやり遂げろ!

そして、もしも俺達がいなくなっちまった時…パワーアップしたお前達が、やつを倒せ!

いいな!?」

「で、でも父さん!!」

「悟白の仇を打つのに貴様らでは実力が不十分だ!!!」

「っ、」

「いいか!?これはお願いじゃない、命令だ!いいな!!!」

ベジータは強制力を持ってして、自分の息子に叫んだ。

それに言い返せる言葉はなく、トランクスは押し黙った。

それを横目に、自分も自分の息子達の方に行った。

悲痛な表情だが涙を流さぬように堪えている悟飯と、涙と鼻水を垂らした悟天がいた。

「…っちゅうわけだ。悟飯。悟天。

おめぇらはみんな連れて、安全な星に逃げろ。」

「父さん、でも…!!」

「やだ……やだよ、ねえ父さん、…悟白は…?

悟白はどうすんだよ…!」

「……今から、オラとベジータで仇を打つんだ」

「死んだって言いたいのかよ…!!」

「おじいちゃん…おにいちゃんは…」

悟天にしがみついてよろよろとこちらに来たパンを見た。

目を逸らしたくなるくらいに、顔面は青ざめていて、涙がでてもおかしくないくらいに目には涙が溜まっていた。口はワナワナと震えていて、今にも泣き叫びそうだ。

「……大丈夫だ。オラ達でちゃんと、悟白も…なんとかする」

「…………だいじょぶなの…?……ほんとに…お兄ちゃん……」

「ああ、大丈夫だ!」

大丈夫なんかじゃない。分かっている。

でもなんだかパンに言うのははばかられ、ニと笑って応えてやった。

パンも奥底では分かっているだろうに、深く頷いて悟天を無言で引っ張って行った。

「ちょっ…!パンちゃん!ねえ!!」

「行くよ、っ!早くっ!ほら!!みんな死んじゃうじゃない…!!

急いでよ、はや、く!!」

力強く悟天を引きながら喋っているので変なところで言葉に力が入っているが、それに声を掛けることも出来ずに悟飯を見た。

「…頼んでいいか、皆のこと。」

「…はい。………お父さん。

…悟白は…」

「……ああ」

「……。…情けないですね。

…兄が、弟よりも負けてて、護られてるなんて。」

「…そういうんじゃねえ。あいつは、それをしたいと思ってやったんだ。おめぇらをそうだと思ってやってたんじゃねぇんだ。」

「分かっていますよ。勿論です。

…あの子はそういう子じゃ無いですし。

……仇、打ってください」

「…ああ、任せろ!」

「おい!何をグズグズしている!急げ!」

「…じゃあな。元気でやれよ。」

「…はい。」

それだけをいい、悟飯は飛べない人達の元へ向かっていった。…そう言えば、1人はエネルギーの枯渇で倒れていたか。どうにか頑張って運んでくれ、としか思うことは出来ない。

ベジータの元まで飛んでいき、頷き合って飛んで行く。

「覚悟はいいな」

「当たりめぇだ。」

「…ふん。むしろ出来ていないと言われた方が驚きだがな。」

軽口を、重く叩く。

「…さあ、どうだカカロット。上手い作戦は浮かんだか。」

「…へへ…わりぃけど、こればっかはさっぱりだ」

「…そうか」

一星龍の後ろへやって来て、そこで軽口は止まる。

「…ほう?なんだ、まだ生きていたか、死に損ないめ。」

「死に損ない?貴様が中途半端な事をするからだろう。

そういう風に始末がしっかりつけられないから、この俺というやつに背後を取られるんだろうが。」

「背後を取られる?取らせてやったんだ。

ハエに背後を取られたところで何が怖いものか。」

「ハエ?…いいだろう、俺がハエでは無いことを証明してやるぜ!!」

そう言ってベジータが飛び出していく。自分も続いて行こうかとすると、ベジータから鋭い視線が飛んできた。

(お前はいい作戦でも考えてろ!!)

それと一緒に、テレパシーも飛んできた。

まさか、ベジータは最初からこうするつもりでいたのか?

一星龍にボコボコにされていくベジータを手を握りしめて見る。

「ほう?最初に殺されるのは貴様か!」

「黙れ!!」

口ではああだが、体はもう動けるわけはないはず。それなのにベジータは向かっていく。

急がなければベジータは殺される。

自分は大慌てで何かないかを考える。

かめはめ波。いやだめだ、弾かれる。

10倍かめはめ波。これもだめだ、弾かれてしまいだ。

ならば界王拳。…だめだ、超サイヤ人4でないなら手立てはない。身体強化系は断念した方がいいだろう。

なら、1回で一星龍を倒せる技。奥義。それを探すしかない。

なにか。何かないか。

ベジータと呻き声と鈍い音が自分をどんどん焦らせる。

脳みそが弾け飛ぶくらいに頭を回して考えつく技をどんどん考えてはあれでもないこれでもないと頭をぐちゃぐちゃに掻く。

…くそ!!何か…あいつを呑み込めるくらい大きくて、それこそ一星龍の出したマイナスエネルギーの塊みたいな技…!!

「…………?エネルギーの塊………?」

そこで、少しだけピンと来て顔を上げる。

エネルギーの塊の技。自分は持っているはず。そして、それは前も自分たちを救っている。

「…………!!!!」

(ベジータ!ベジータ!!分かったぞ、元気玉だ!!!あれしかねえ、あれをやるんだ!!!)

そう!そうだ!元気玉だ、それがあった!

これだとテレパシーを送り、ベジータに案を話した。

「………っち…!」

それが合図。自分は勢いよく飛び込んだ。

「くらえ!!一星龍!!!か……め……は……め…!!!!」

「ん?なんだ。特攻するかめはめ波が作か?」

つまらん、と至近距離まで突撃した自分は一星龍に叩き落とされる。

それを上手くクレーターの中に落ちられるようにして、悲鳴を上げて落ちて、すぐに地球のみんなにテレパシーを送る。

(地球のみんな……!!みんなの元気が必要なんだ…!

地球をこんな風にした、1番悪いやつを倒すのには…みんなの元気が必要なんだ………!!!!

だから…手を…両手を上に上げてくれ……!!!)

 

 

 

「く……ふ、はははは…!

どうやら、死ぬのはお前のようだな…!」

からりと笑ったベジータが、一星龍に向かってそう言い放つ。

それを聞きながら、自分はクレーターの中から、

「へへ……そういうわけだぜ、一星龍!」

地球の全ての元気を頭上に、笑いながら現れた。

一星龍は一歩退いた。だが、自分が両腕を上げているのを見て、すぐに手を構えてこちらにエネルギー弾を連続して撃ってきた。

自分さえ倒せばこれが四散するのを察したらしい。

生身の体には響き、思わず逃げそうになる。

だが、投げるわけにもいかずそのままで受け続ける。

切羽詰まったようにテレパシーを繋げた。

(界王様!…界王様!!)

それにすぐに応えてくれ、あの声が聞こえた。

(おう、聞こえておるぞ悟空。

やはり分かっておるなぁ。最後には元気玉という)

(今そんな風に話してる場合じゃねぇんだ!

頼む!大急ぎで宇宙全体にオラの声を届けてくれ!

急がねぇとオラの体がもたねえ、早く!)

(おぉおぉ…分かった…たく界王使いが荒い…)

あまりの急いだ風に聞こえない声のトーンだが界王様なりに急いでいることは分かっている。だから必死に耐える。

「落ちろ!落ちろ!落ちろ!落ちろぉお!!!」

だんだん弱っていく自分が滑稽で仕方ないのか笑いながらエネルギー弾がぶつけられる。

「ゔッ……ぐ、ま、まだか界王、様…!!!」

(繋げたぞー!思いの丈を全部話しちまえー!)

(サンキュー、界王様ー!

……宇宙全体のみんなー!オラに元気を分けてくれー!!!)

足が片方やられたか、力が無くなってだらりと垂れる。

くそ、と悪態をつくがふんばり、そのまま声をかける。

今、一つの星からの元気がまとめてきた。

これは…ナメック星か!

「な…っ、なんだ、きゅうにでかく…!?」

一星龍は一度驚いて止まった。その隙に声をもっとかける。

(みんなぁー!!両手を上に上げてくれー!!!)

すると、地球に向かってくるエネルギーの集合体の気配。

そして、自分の頭上の元気玉へと集まる気配。

ぐんぐん大きくなり、一星龍なんて豆粒程と感じるくらいの大きさになった。

「………ふん、だが…それがなんだと言うのだ!!

死ねー!!!!」

そう言って、一星龍は悟白に向けたものと同じマイナスエネルギーの塊を作り、自分に向かって投げた。

「や、やべ……!!!!」

まずい。どうしよう。あれを喰らえば間違いなく死ぬ。

足をばたつかせるしか出来ない自分に、ぐんぐん塊は迫り、自分をどんどん焦らせて考えが回らなくなる。

なにか、なにか回避を…!!!

 

____お父!!何やってんだ!!瞬間移動で避けるんだ!!!!

 

 

「!」

瞬間移動、という言葉を聞いてそうか、と思ったのも束の間。

自分は誰かに後ろから肩に触れられ、一瞬ベジータのところに行き、また元気玉の下に瞬間移動で現れた。

「な、なに!?」

一星龍の驚く声を聞きながら大慌てで後ろを振り向いた。

だが、そこには誰もいなかった。

…だが、惚けている場合じゃない。

一星龍に向き直り目を瞑り、それからにっこり笑ってやった。

「……これは、地球に生きる全部の思いと、宇宙全体の思いだ!」

「ま、待て!よせ、やめろ!!!」

「なんでおめぇを待たなきゃなんねぇんだ?

オラ達はこんなにやられたぜ?

いいから反省しろ!!!

…くたばっちまえー!!」

「……ちぃっ……!!!!くそがぁああ!!!」

一星龍は、こんなに大きなみんなの元気が降ってきているというのに果敢にも腕を伸ばして受け止めようとしていた。

「あぐッ………ぐぉおおおおあああああ!!!!!」

受け止めただけで一星龍の腕の中に流れる血管という血管が千切れたらしく、ブチブチと千切れる音がする。

だが、それでも受け止め切っているらしく流石に自分も賞賛を述べた。

「……おめぇ、すげえよ。一星龍。

みんなの元気を受け止めるなんてよ。流石だよ。

でも……!」

そう言って、気で元気玉を押す。

「がァァァァァァァァァ!!!」

今ので肘がやられたらしく、一星龍の腕が急にかくりと折れた。

だがそれでも踏ん張っているらしく、これには勝手に口から笑いが出た。これは凄い。流石だ。

…そう思っていたら、じわりと押し戻され始めた。

「すげぇな一星龍!やべぇやつじゃなきゃ普通に戦いてぇくれぇにすげぇぜ!」

「世迷……言を……!!!!!」

じわりじわりと押し戻し、どんどん、何故かあちらの力が強くなって行った。

何事だ、と内心驚いていると、一星龍が種明かしをした事で分かった。

一星龍は、悟白を真似て自身からマイナスエネルギーを発し、そして六星龍からエネルギーを奪ったみたいなドームを袋状に作り、それでゆっくり元気をマイナスエネルギーに変換して力に加えていたらしい。

「余裕こいて……笑っていたのが、仇になったな……!!」

「くっ……くっそぉおー!!!!」

また元気を集めようにも、宇宙全体からもう元気をもらってしまったし、もう無理だ。

いまのまま押しても、きっと全て吸い取られておしまいだ。

「も、もう……だめなんか………!!!!」

 

その時、元気玉が急に膨らんだ。

 

「………っ………へ?」

ダメだ、と目を瞑ったところでそれが起こったので、ぽかんとそれをみた。

それにより、一星龍は進めなくなり、地面に足が埋まっていた。

もうパワーアップしないと思っていた一星龍も目を白黒させていた。

今の元気は…一体…?

じっと元気玉をみつめると…先程の気は中心に入っていて、それは…銀の、ほっとするような優しいエネルギーを放っていた。

それで誰の元気かが分かり、少し鼻をすすった。

「………行くぜ、一星龍……!

もう手は抜かねえぞ…!!!」

「なっ、ま、まて悟空!!」

「待ったはナシだ!!!

 

________今度こそ、くたばれーー!!!!!!」

「くそ………!!

くそ、くそ、くそ、くそぉおおおぉおお!!!!!」

 

 

 

一星龍は、今度こそ完全に消え去った。

 

 

 

 

 




連投。そして短い。
キリが大変良いので、ここでおしまいです。

一星龍編、終焉。

さて、もう僅かです。
どうか、お付き合いいただければと。

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