さて、ゴゴットの活躍はいかに…!?
完全に元に戻った地球に満ちた気を愕然とした様子で感じているらしい一星龍を、特に面白みもなく見詰める。
これでこいつにはもう特に用といった用はない。
あるとすれば、正常な状態のドラゴンボールを返してもらう事だけだ。
「な……なぜ…何故だ…?!」
全く訳が分からないらしい一星龍。さっきまであんなに偉そうに楽になれとか、肩の荷を下ろせとか言っていた相手とは思えない。
やはりこんなものか。
…まあ、あいつにパスする名目で蹴り飛ばしたパワーボールは、俺の思惑通りに一星龍の右肩を抉って行ったので酷く戸惑ったような言い方も、負傷したからだと言うことでそこだけは納得だが。
「俺がお前と楽しくサッカーしたいと思うんか?
あれには俺のプラスのエネルギーをたっぷり込めた蹴りをお見舞しておいたんだ。」
説明しながら、ゆっくりと自分の片腕をあげる。
「……!
ま…まさか、それで俺達のマイナスエネルギーは…!」
「そう。全部プラスにしておいた。
だから途中で気持ち悪ぃ色の玉は青色になったし、それが弾けたことで」
「プラスとマイナスが正面衝突して……!」
「そうそう。いいね、当たり。
相殺しあってプラマイゼロ。
凄いじゃねぇか、数学出来るんだな!」
素直に褒めて手を叩くと馬鹿にされたと一星龍が怒る。
なんだよ。褒めただけなのに。
「じゃあ、ご褒美をあげないとだよな。
偉い子にはプラスエネルギーたっぷりの…」
ピコ、という音が上げた片腕の先…人差し指の先からする。
それと同時に蒼く綺麗な気弾が作り出された。
さっきの説明の通りだと一星龍がわかるなら、この小さな塊の中にはサイズ以上のプラスエネルギーが込められていると分かるはず。
「久方ぶりの
撃ち込むだけなんて褒美には向かないよな。」
そう言って、一星龍へ向けていた1本の指の先の気弾を、他の指で拡大するように広げてやった。
「じゃあ、ご褒美だからちゃんと味わうんだよ?
………SR、かめはめ波!!!」
「___________??
_________?____!!!
………ッあ゛ぎゃああああああ!!!?」
瞬きさえする暇なく、技名を言い終えるか放たれるが先か。
どちらかは分からないが、銃弾のような速さでかめはめ波か一星龍を包んだ。
一星龍は周りが全て蒼になったのに、何が起こっているのか分かっていなかった。
自分が既にプラスエネルギーの中に居るのだ、と分かったのはやつがかめはめ波の中で首だけになった時であった。
片手だけで、しかも5秒も経たずに終わってしまった事をつまらなく思いながら、その片手を振って落ちてきたドラゴンボールのうち一つを掴んで大層喜んでいるパンを見て笑う。
みんなも終わった、と言っている。
…しかし、酷く弱かったな。一星龍。
「残念だな。俺のお眼鏡にかなうようなやつじゃ無かったよ。
…お前は。」
「ふん………俺は、まだくたばらんぞ…!」
「あー、うん。そうだな。でも、お前さ。飲み込んだドラゴンボール外れてんじゃねぇか。」
指を指した先には、あの時のパワーアップ前の一星龍と同じで何も無い胴体があった。
「…ぐっ………!」
やれやれ、と思いながら遅れて降ってきたドラゴンボールの一つが自分の頭に落ちてきたので、それを取って帯の内側へ仕舞う。
「…っと、遊んでる暇は無いんだった。
…よし、決めた。
次でどうせ終わるんだし、どうせなら派手に飾り付けてやるよ。嬉しいだろ。」
と言って、少しだけ距離を取り、右腕にありったけの気を込めていく。
すると、キラキラとした輝く気の粒が辺りに漂い始める。
それは右腕に集約していき、次第に白銀の輝きを放つ。
「…フ。龍には龍で対抗…ってな。」
そう言って、更にエネルギーを込めると、右腕に神龍くらいのでかさの白銀に輝く龍がイメージとして現れ、一星龍へと吼える。
そこにもう一つエネルギーを込めると、白銀の龍に金色の輝きが足されていく。
これも悟空の技と気のコントロールと悟白の瞬発的な発想とその発想を実現しようと無意識に極限まで高められる巧みなコントロールがあってのものだ。
熟練の技と混じり気のない純粋な想いによるそれは、見事なまでの芸術を生み出していく。
銀の粒を振りまく金銀の龍が、俺の後ろに作り上げられた。
それに怯んだように退く一星龍を目で捉える。
「…しっかりきっかり受けてもらうぜ一星龍。
これこそ親子の龍の技の
それに続くようにイメージの龍が吼えた。
「……行くぜ?
…………超金銀龍翔拳!!!」
叫んで、利き手とは逆の足を大きく踏み出し、それに勢いを乗せて右腕を前へと突き出した。
すると神龍大の龍は前へと突撃していき、大口を開けて一星龍へ向かう。
プラスエネルギーで出来た生き物に追いかけられるマイナスエネルギーの塊、というのはなかなかに恐ろしい事らしく、汚い言葉を吐きながら一星龍が逃げていく。
いいね、追いかける側は。優越感の中であぐらかいて座ってられるんだからな。
…でも、そういうのはまた今度、機会があったらにしよう。
逃げた一星龍はほんの少し逃げられただけで、俺がちょいと気を流し込んだらすぐ追いついて龍が龍を一呑みにした。
薄く気の嵐の中で苦しみもがいている一星龍が見えて、なんだか心がいたんでしまった。やめて手当しようとは微塵も思わないが。
「んじゃあな。
ほんとに心から悪ぃと思ってるよ。
だから…おめぇを倒して、俺達はちゃんとした行動をとるぜ!」
これで終いだ、と腕に力を込めようとした時、自分が真っ二つに裂ける様が急に浮かんで止まる。
いや。待て。まさか。
技を放っている最中でありながら、おそるおそる自分の手を見た。
…自分が生まれた時と同じ光が自分を彩っていく。
……待て、まだ俺は10分もここにいないぞ!
「待、」
そして、そこでゴゴットとしての記憶…すべては二つに裂けて唐突な終わりを迎えた。
___________
突然に分たれた自分達は、思い切りバランスを崩して地面に落ちそうになるが、なんとか耐えて留まる。
自分たちによって放たれていたはずの奥義は、一星龍への猛威を急停止し、一星龍を手放して天へと登り消えて行った。
「………な……、なんで…??
体内時計狂ってたとか…?あんなに急いでたのに…!」
動揺した。激しく。そりゃあもう激しく。
あんなに切り詰めていたのに。しかし、あれで30分経っていたなら体内時計の電池が切れていたと考える他ない。
「あ!そっか!分かったぞ!
超サイヤ人4同士のフュージョンはエネルギー食うから、きっとそれで時間がすげぇ短ぇんだ!」
「えっ」
嘘だろこんな大事な時に!
「ははは、あいつらに責任とらせるんやらねぇでとっとと倒しゃよかったな!」
「なんで笑って…笑い事じゃないよ!!どうするのこれ!!」
「ははっ、心配すんな!今のあいつなら俺達の誰相手しても倒せるぜ!」
「そうだけど!!」
「声荒らげんなって、半分は悟白持ちだぞー?」
「………」
…………そうか、………連帯責任か。
文句を言えなくて口を閉ざして一星龍を見る。
確かにボロボロの一星龍は誰が相手をしても倒せるだろう。
サイヤパワーでパワーアップしたどちらにでも倒せる。
仕方ない、と首を振って右腕にパワーを貯めていく。
「…ま、倒せるくらいで助かったけどさ。」
「ふん!倒せるくらい、だと?…そいつはどうかな?」
「……?」
何をする気だと行動を伺っていると、一星龍の瞳が赤く光った。
「集まれ!ドラゴンボール!!」
その大声に、まず三つのドラゴンボールが各場所から飛び上がって一星龍の口へと入っていった。
三星球、二星球、五星球…か。
と、頭で考えていたところで帯の中から何かが引っ張られる感じがしてそこを抑えた。
何かと思ったら、さっきフュージョンしていた時に帯に入れていたドラゴンボールがこちらの方に来ていたらしい。
隙をついて出ようとしたドラゴンボールをがしりと掴んでそのままにして一星龍を見守る。
…あと一個くらいはどうにかしたいものだが。
「っと!
…へへ、こいつはじいちゃんの形見だかんな…渡せねぇな。」
「うん?…あ、四星球」
なんて思っていたらやってくれた悟空を見ると、悟空が掴んでいたのは四星球だった。
自分のはなんだったか、と思ったが一星龍の腹を見ればわかるので確認はしなかった。
そんな自分達を見て一星龍は呆れたようにため息を吐いた。
………ため息を吐きたいのはこっちの方なのだが。
「………お前らは合体してすぐに俺を塵も残さず消しておけば良かったものを…お前らは大馬鹿者だな。」
「…!?
馬鹿って言うな!俺はちゃんとすぐ倒そうと思ってたんだ!」
「…………………?
あり?そりゃもしかして俺が倒そうとしてないって言ってんか?」
「だって父さんすごい遊びたそうにしてたでしょ?!フュージョンしてたんだからわかるよそんなの!」
「ありゃー」
「ありゃで済むなら理屈なんていらないよ!……はぁ」
どこまでマイペースなんだこの人は、なんて額を抑えて首を軽く横に振っていると、悟空が肩に手を置いた。
「へへ、ほれ悟白!もう1回フュージョンすっぞ!
それで解決だ!」
「………うん…」
いい笑顔の悟空に押し負けて頷いて、距離を取って構えようとしたところで一星龍がこちらへ向かってきた。
「それは残念だったな!何故なら、もうお前達にフュージョンはさせないからだ!」
「やっべ、悟白!とりあえず避けるぞ!」
「わかっ…、ぐぁ!!!」
返事をしようとした時には一星龍は自分達の鳩尾へ重たい拳を放っていた。
…くそ、どれほどフュージョンで強くなっていたかわかる。
軽い拳は重くなっている。…というかそう感じる。
「四星球を返してもらうぞ!」
それを食らったことで悟空の手から四星球が離れ、一星龍に回収されてしまった。
「あ!」
「あー!!俺の四星球!!」
「何が貴様のだ!ドラゴンボールはお前なんぞのものではないわ!
ドラゴンボールさえ俺の元に帰れば、お前らなどパワーボールで一発だ!」
そう言って、大きく口を開けた一星龍に向かって悟空は飛んでいき、腕に蹴りを食らわせて四星球を取り返した。
「な、ナイス父さん!」
「危ねぇ危ねぇ!こいつは絶対にやらねぇっていったろ!」
「くそ……!」
ちょっとばかし降りてきて一星龍と同じ高さにきた悟空は、一星龍に向かっていい事を思い付いた、と言いたげなニンマリとした笑顔でこう言い放った。
「どうせおめぇに取られて食われちまうくらいなら…
俺が食っちゃお!」
「……………ん??」
今なんと言った?と聞こうとしたらその間に悟空は、一星龍が先程していたように大口を開けた。
そして、手に持っていたオレンジの輝きを持つ四星球を、
「!!?、父さん!?なにやってん…父さん!??」
「……あの馬鹿!!」
…口に入れた。
遠くにいたベジータがこちらへ飛んできていたのか、近くで悟空への罵倒が聞こえた。
本当に何してんだあのお馬鹿!
手の平大のものをそのまま飲み込んだんだから、予想通りに喉に詰まらせた悟空はあまりの苦しみに地面に落ちてきた。
そこにベジータと共に駆け寄って、悟空の背に手を当てて軽く叩く。
「カカロット!吐き出せ!!」
「そんなん飲んだらそうなるに決まってる!出して!」
あわあわとしていたら、悟空は下にやっていた顔を上にあげて、脂汗の滲んだ表情で喉に力を込めた。
すると、そこにあるとわかるように喉にあったドラゴンボールは、上にではなく下に消えて行った。
「ふー…ご馳走さん!」
「ご馳走さん?!」
「…!!この馬鹿が!貴様とはやってられん!!」
もはや悟空に何か言おうにも何も言えなくてガックリ崩れた。
ベジータは本気で馬鹿だと罵って、心配していたというのにあっさりやめて立ち上がった。
「ご馳走様じゃないよ…!食われるくらいなら食うってどういう事…!?」
「へへ、いいじゃんか!形見取られちまうよりマシだ!」
「どの辺が!?」
形見を取られるくらいなら飲み込むとは一体どういった了見なんだ。
「もーさー、いいじゃんか別にー。
こうなったんは半分おめぇの責任でもあるんだぞー?」
「そ、それとこれとは…!!」
「じゃあ、おめぇも持ってんだろ?それ食えばお愛顧で良いだろ?な!」
「な!って何?!ちょっと何言ってるのかわかんないよ父さん!」
「貴様本気で正気なのかカカロット!!」
「本気で正気だ!」
「頭がイカれてる!構うな悟白こんな野郎!」
「硬ぇ事言うなって!ほら!」
「なッも゛ご?!」
自分の手に握られていたドラゴンボールを悟空が奪い取ったかと思うと、何が硬いことだと言い返してやろうとしたその口に無理矢理ドラゴンボールが捩じ込まれた。
「あ!馬鹿!!!!」
ベジータが一際でかく叫んだのと同時に、口に入れられた事に驚いて反射的に喉が上下してドラゴンボールを喉へとやった。
あまりの事に目が白黒として、喉が圧迫されて苦しみに地面に倒れた。
「馬鹿野郎!!貴様自分の息子を窒息死させる気か!!」
「大丈夫だ!飲み込んじまえば問題ねぇ!」
「吐き出せば問題ないんだ!!飲み込んだら大問題だ!!!」
「あり?」
「ありじゃない!!悟白!出せ!」
「ゔ……ッぬ゛、ぐ……っ!」
上で2人が言い合っている間、自分は戦いと全く関係ない所で死ぬのかと、死因は父にむりやり飲み込まされたドラゴンボールを喉に詰まらせての窒息死か、と頭で考えていた。
ドラゴンボールは少しの間喉で震え、ふとおかしな所に力が入った事で悟空と同じく下へと流れて行った。
「………ぁ………………」
顔から血の気が引いていく感覚がする。自分の手の中にはオレンジのボールは無い。…誰も、持っていない。
「ど、どうした悟白!」
「……の……飲ん…じゃ…った……」
「お!やったな悟白!」
「なにがやったなだこのバカヤローーッ!!!!!」
その場にどデカいベジータの叫びが響き回った。
一通り悟空を責めていると、一星龍が入ってくる。
「ふん…上手く俺のパワーボールを封じたつもりだろうが…
それで勝ったと思うなよ」
「…何を馬鹿な。買い被りすぎの勘違いをするな。
カカロットがそんな事まで考えているわけないだろう!
息子にお愛顧だとかいってドラゴンボール食わせる野郎だぞ!
覚えておけ、あいつは馬鹿だ!!」
そう言って先に飛んで行ったベジータに、悟空が飛んでいきながら
「滅茶苦茶に言われて悔しいけどその通りだぜ!!」
と認めた。
もう本当に何も言えなくてガックリしたままで自分も飛んで行った。
…もう駄目だ、この人。
再びベジータが自分達にフュージョンをさせようとしたが、フュージョンの恐ろしさを知った一星龍が易々と許すはずも無く、しようと素振りを見せた瞬間に一気に3人を沈めた。
「いっ……ちち…!ベジータ、悟白!どっちでもいい、とにかくフュージョンすっぞ!」
ビルの中に叩きつけられ、その中で悟空が叫んだが…
「それどころじゃない…!」
「足場も状況も悪い…っここじゃ無理だ…!」
カニ歩きするのはすり足だし、そこで障害物に阻まれればタイミングも何もかもズレて大変な事になるだろう。変身後が。
…ゴテンクスを知っているからなおのことちょっとのズレが恐ろしい。
それに、崩れてこようとするビルの瓦礫を抑えるのに手が忙しい。ベジータもそのようだし、完全に場所が悪い。
大変良いチャンスだが、見逃すしかない。
出てくる遅さにフュージョンの構えの事を思い出したか一星龍がビルを壊した。
「出てきたらどうだ!その程度の事でくたばらん事は分かっている!」
「ちっ、完全にバレちまった…!」
悟空が苦虫を噛み潰したような表情で呟いたのを聞きながら、三人同時にパワーを上げて気のバリアを張ってビルから出てくる。
ベジータ、悟空、自分の並びで一星龍の前に出ていき、頬を擦った。
…この中の誰か、誰でもいいから2人がフュージョン出来さえすれば。
「…じゃあ、俺が囮になるから、2人は、」
「ゴゴットになれ。俺がまた時間を稼げばいいだけだ!」
「凝ってられないよ!2人がフュージョンしても一星龍を倒せる強さの戦士になる!」
「お、おいベジータ、悟白…!」
自分とベジータが前に出てきて、そこで一悶着が始まってしまう。
「な、ならおめえらでやればいいじゃねえか!丁度2人で並んでんだ!それでいいじゃねえか!」
「……そ、そっか、そういえばそうか…」
「何を馬鹿な事を!俺はお前たちでやれと言っているんだぞ!」
「ふん、何を言いあっているか知らんが…誰が誰と合体しようが俺はそれを先に防ぐまでだ!」
参った。
……参ったというか…いや、参ったな。本気でだ。
三人のうち1人が囮になって時間を稼げばいいのだが…それが出来る程に力の差が無いわけじゃない。
それに、パンチ一発で削られるのに囮もクソもあるはずが無い。
三人別々に吹っ飛ばされて、案が浮かばずに参っていた時に悟空が声を上げた。
残像拳だ、と。
…名前の通りだと、残像を残す技のようだが…
…いや、しかしなるほど。残像で一星龍の目をくらませて、フュージョンをするという事か。
3人があつまり、一星龍に聞こえないくらいのでかさで悟空が考えた作戦を聞く。
まずその残像拳を使い、3人がフュージョンを一星龍のまわりでするように見せる。
その内1人は囮で、実際にはフュージョンはしないが残像の中ではランダムに2人とフュージョンをする。つまり、3パターンのフュージョン工程をみせるというのだ。
残像拳のやりかたは付け焼き刃だが、大体は分かった。
三人で頷き合って、一気に走り込む。
一星龍の周りに三人で三層の残像を作り上げて、そしてまずは自分と悟空の残像を見せた。
それを一星龍が狙い撃った後、3パターンのフュージョンを交互に見せていき、本体がフュージョンをした。
自分と、悟空だ。
自分達が何処にいるかをようやく発見した一星龍か冷や汗を流して動揺していたが、それももう恐れることはない。
「……あ、れ?」
光で包まれ、また解け混ざる。
…その、はず。
だが、光で包まれ、すぐに光が収まった。
「…??なん……な…???」
悟空も何が起こっているか分からず、2人で指を合わせたままで固まる。ても、どれだけそのままでいてもフュージョンは開始されなかった。
「……くく…はははは……っはははは!!
なぁんだ、合体出来ないのか!
こいつは愉快だな…!」
「出来ないだと?!どういうことだカカロット!」
「俺に聞かれたってわかんねえもんはわかんねえよ!
悟白おめぇ、残像拳初めてでカニ歩きの回数間違えたとかじゃねえよな?」
「え!?…いや、間違えて…無いはずだよ。」
「そら、出来なかったんならまたやり直せばいいだろう?
やってみたらどうだ?」
「!……どうした?急に気前がいいな。成功したらおめぇは死ぬんだぜ?」
「ま、やってみるといい。」
…あんなにさせないと言っていたのに、これはなんだ?
……何か、分かったのか?
「よし!今度はベジータ悟白、おめぇらがやってみろ!」
「何!?……ちっ、まあいい。悟白、やるぞ!」
「………。…はい!」
…変な感じだ。
でも、やってみる価値はある。
『フュー、ジョン!!』
タイミングも、やる肯定も抜けていない。
…行ける!
『はっ!!!!』
指先も合った。光も、正常に現れた。
「………は……?」
だが、また失敗した。
……どういう事だ?…失敗…?
…いや、まて。だが失敗だとしても失敗戦士にはなる筈。なのに…
……まさか。
「父さん!ベジータさん!ちょっと…気になることがある。
2人でフュージョンをしてみてください!」
「?…わかった。」
「…いいだろう」
2人がフュージョンの初期位置へついた。
もし。…もし、だ。
もし、自分の予想通りなら。
『フュー!』
…もし、これで…成功も失敗も、結果として出なかったのなら。
『ジョン!!』
…自分達は。
『はっ!!!』
…どうしよう。本当に参ったぞ。今回は本気でだ。
予想通り…自分達はフュージョンに気を取られすぎたせいか、自分達はダメージを喰らいすぎた。それによるエネルギーの消耗は大きく、3人共使い物にならなくなっていた。
それに…エネルギー切れの悟空は、超サイヤ人4が解けて小さくなってしまった。
…悟空でこうということは…自分は、もうすぐに変身が、解ける。
…ベジータもその後を追うように変身が解けるだろう。
「ははは!おめぇ大したやつだなあ、オラもほんとに参ったぞ!
……でも、オラもそう簡単にはやられねぇぞ!」
そう言って構えた悟空と同じで、もうすぐ超サイヤ人4が切れるとしても怖気付いていられないと構える。
…まずいな。このままで一体…どうやってやつを倒せるのか。
いかに!?とかいいながらタイトルバレ。
四星球を食った悟空に無茶苦茶な理由で窒息死させられかけた悟白。
一体どのドラゴンボールを食わされたのか?
【技説明】
超金銀龍翔拳(スーパーきんぎんりゅうしょうけん)
ゴゴットによる奥義。
悟空の龍翔拳と、龍拳の際に現れる金の龍のイメージと、悟白の銀拳と銀の龍を融合させた技。
ゴゴットによると「悟白の発想と実行力とその際に極限まで高められる気を操る力、悟空の技と気のコントロールによって成せる」という難易度の高い技。
因みに超が付いていない場合のこの技は、龍は神龍級に大きくなく、悟空の龍拳程の大きさのものとなる。規模が変わる。
銀拳(ちょっと前のですが、お気になさらず)
悟白による技。
利き腕にエネルギーと力を込め、それを遠距離から放つ。その際銀の気の粒を辺りへと振りまきながら銀の龍へと姿を変える。
悟空の龍拳とは違い、本人が相手へ迫っていくのではなく、確立した気の銀龍が相手を貫く。
実はこれは本人が無意識に行っている気のコントロールであり、悟空は龍の形となった気をまといそれにより相手が貫かれたように見えているのだが、こちらは本当に気の銀龍が相手を貫く。
銀の粒は悟白本人の気から溢れたプラスエネルギーである。
その後龍は本来有るべき天へと帰るように上り消えて行く。
技説明が入ったけどはてさて、ゴゴットの奥義はいつ使うんだろう…
…気に入ってはいるけども。