そん、ごはく。孫 悟白っていいます。   作:鯱の助

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前回までの閲覧、お気に入り、感想、名前案、大変誠にありがとうございました!!凄く嬉しく、幸せな気持ちになりました!


さて、名前ですが…恨みっこ無しな感じであみだくじで決めました!
結果はどうぞ、本編で!




超究極のフュージョン、お目見え!!

「ちょ、ちょっと待った!!お、俺と父さん!?」

「そうだ。さっきからそうとしかいっていない。」

馬鹿なのか?と言われたがそれに反応する暇などない。

「ベジータさんと父さんでやった方がいい!

凄い力を持った人が生まれ、」

「黙れ」

「えっ」

「俺よりも強くなりやがった野郎がなにを腑抜けたことを言ってやがる。いいか、俺はお前に越されたんだ。

それに、強い方とフュージョンした方がいいに決まっているだろうが!」

それはそうだけど、と食い下がる。

自分はさっきのちょっとしたやりとりで、2人ならと思ったのだが…

こんな様子の自分に呆れたと息を吐いたベジータは、一星龍へ目をやりながら口を開いた。

「…いいか。

俺はさっき言ったように、最初からフュージョンをカカロットとする予定でここへ来た。

…だが、お前達の気がどのくらいか感じられる領域に来てから、変わった。

お前達でフュージョンするのが適しているとな。」

至って真剣に、そう伝えたベジータを見る。

「お前達の気はほぼ同じ…デカさの話じゃないぜ。

存在がほぼ同じなんだ。切っては離せないような、そんな風になってやがる。

…正直そういうのは見てて気持ち悪いが…だが、そんなお前らが、本当にひとつになっちまったらと思うと…ちょっとばかし見てみたいと思うぜ。

2人で1つってのが、本当に1人になっちまった時に完成する最強の戦士、ってやつをな。」

純粋な思いが語られ、ベジータの気持ちを受け取る。

…こんな危ない所へ、超サイヤ人4になる為の準備を整えてやって来て、しかもフュージョンしてまで戦おうとしていた本気の彼を引っ込めて仕舞うような…そんな、凄いものが…自分達に出来る、という事なのだろうか。

「…気に食わないが、俺が時間を稼いでやる。

その間にフュージョンを完成させやがれ!

………悟白。」

自分たちの前に出たベジータが、少しだけこちらに顔を向けた。

「!」

「あの時と、逆のようだな。」

そのセリフにハッとする。

……あの時。

…魔人ブウの時の、事だろうか。

…この発言からして、もう本当に自分が倒す気持ちで戦うつもりはないのだろう、と息を吐いた。

…丸くなったのか、尖ったままなのか…分からない人だ。

「……本当に、俺でいいんですか?」

「…師匠の言うことくらい一つ返事で聞いたらどうだ。」

「…え?」

「俺が気絶してる間に俺の事を師匠呼ばわりしたらしいな。聞いた。

…わかったらとっととやれ、馬鹿弟子」

そういって、完全に一星龍へ向き直ったベジータに、見えていないだろうが少し頷く。

浮いていた自分達は下へと降りていき、手近で1番足場の安定しているビルの上へと降り立った。ベジータも、そんな自分達の壁になるように降りてくる。

「フュージョンか……そっか、そういやそんなんもあったな」

しみじみと悟空が呟き、

「でも、まさか悟白とやる日が来るなんて思って無かったぞ。

あん時もベジータとやるのがいいって断られたしな。

…ま、あん時はポタラだったけどよ」

自分がお断りした日から、そういう類いの技は似たように断ると思っていたのだろう。

「はは…、でも、今回はそうもいかないみたいでね…

…自分が本当に適任なら、喜んでやるよ。

何も地球を見殺しにしたいわけじゃないんだし。」

嫌だから断っているわけではなく、自分より適した人がいると判断しての事だった。…今回もそうだと思ったが、まさかベジータにその役をやられてしまうとは。

「………調子に乗るなよ、お前ら…」

『!』

一星龍が言葉を発した事で一斉にそちらを向いて身構える。

「これ以上好きにさせるか!!」

「チッ…少しは大人しくしてられんのか貴様は!!

やれ!!」

そう言って飛び出したベジータを見送って、フュージョンの構えに入ろうとしたところでこちらに光線が飛ばされ構えを崩される。

「好きにさせんと言っているだろう!」

ベジータの攻撃の合間を塗っての一星龍の攻撃だったらしく、また光線が撃たれた。

だがそれを払わんと前に現れた人物がしっかりと光線を払い除けた。

「さあ!早くフュージョンを!こっちは任せてください!」

「と、トランクス兄さん!」

「悟空さんとのフュージョン、俺にも見せろよな!

悟白、頑張れよ!……っゔぁ?!」

こちらに振り向いて言葉をくれたトランクスが、後ろから首を締め上げられた。

「兄さん!!」

「ふん、猪口才な…こんな首、へし折ってくれるわ!」

「あーーーー!!!コラーーーっ!!」

「!」

下からの甲高い声にそちらを見る。

それはブルマで、ブルーツ波発生装置?というやつからブルーツ波を発射してトランクスから一星龍を離した。

「ふざけんじゃないわよ!人の息子に!!

トランクスに何すんのよこのバカーーー!!!」

「ブっ、ブルマさん!?」

何してるんだあの人!本当に何してるんだあの人!!

いつも思うが威勢が良すぎてついていけないよ!!

一星龍は特に何を言うでもなく、その機械に向かって気弾を撃った。

機械が爆発するとそれに飲まれたブルマが見えなくなって、やばいと思って瞬間移動をしようとしたが、悟飯がすぐに駆け付けてブルマを助けていた。

「あんたねぇ!!いきなりズドンって何よ!

撃ちますよーとか、行くよーとか、喰らえーとか一言無いわけ!?

死んじゃうでしょうがこの馬鹿!!!」

本当に威勢が良すぎてついていけない。

どうしてあんなに威勢が良いんだあの人。

いや………でも……まあ…ベジータの奥さんだと思うと納得だが。

みんなが足止めをしようと奮闘しているのを見て、悟空を急かすために悟空を見たら何故か笑っていた。フュージョンの構えをせず。

どういう事だ。

「…?父さん?」

「いや、なんかよ…あいつがフュージョンする気でいたのと、してやるって自分から言い出したのと…そんで、おめぇもするって言ってくれたしよ…」

へへ…と状況に似合わず笑う悟空に息を吐く。

…こんな感じの状況で、ポタラを付けろと言われて知ったことかと笑ったベジータが、フュージョンする、と自分から。

……良く考えたら物凄く凄いことだった。さっきのあれは。

…プライドを捨てる、とかそういう事じゃなくて…そういう人間性が年月を経て培われた…ということか。

「…ちょっとずつ、変わってくんだね」

しみじみと、心からそう言ってから、両腕を水平に、悟空のいない方へ上げた。

「…あぁ、そうだな。…本当に。」

悟空もそれをみて、距離を取って同じようにした。

…宙では、一星龍がこちらに向かってこようとしたのをベジータとみんなで食い止めていた。

ほぼ同じ気である自分達は特にロスすること無く気を同じにし、フュージョンを開始した。

『フュー…!』

あの時見た、あの時トランクスとやったのと同じように、腕を上へ上げ、相手の方へ向ける間にカニ歩きで一定距離へ近付く。

『ジョン!!』

「させるか!」

一星龍が気功波を放ったが、今度はベジータが前に出て同じく気功波を撃って相殺した。

「そんなに上手くやらせる程、俺は容易くは無いぞ!一星龍!」

「悟空さん達の邪魔は、絶対にさせない!!」

親子が一星龍の前へ立ちはだかり、食い止めてくれているのをみて、ふと笑った。

…本当に、あの人達は。

 

『______ハッ!!!』

 

 

両手の人差し指は一発でピタリと合い、その先から眩い光が発せられた。

その瞬間から自分達の全てがじわりじわりと混じり合い、光はそれより先に自分達2人を包み込んだ。

光はどんどん大きくなり、自分達を光の中へと隠した。

指の先から、溶けるように、元々一つだったように重なっていく。

 

そして悟空、悟白という概念が解け混ざって、一人となった。

 

 

_______________

 

 

「………っチィ!!」

「!くそ!」

「あ!!待て!!」

一度その光により止まった一星龍だが、ベジータとトランクスが同じく光を見ていた事で隙をつき、完成させるものかと光の中へと飛び込んだ。

敵である孫悟空と孫悟白の元へと真っ直ぐに向かう。

だが、そこへ辿り着く前に何かに弾き飛ばされ、光からだされる。

飛ばされる中、一星龍は光を見ていた。

その中では、確かに何かが動いていた。

…どちらだ。悟空か。悟白か。

光が大きくスパークし、その場の全員が息を飲んで結果を見守る。

…形成を完了させていくにつれ、光から輪郭が見えてくる。

2人の。…いや、1人の姿が、みんなの前に現れてくる。

コツリと、一歩前に踏み出した音。

まだ光は収まらないが、全て、しっかり…くっきりと、姿が見えた。

その姿に、一星龍はまた向かって行っていたが止まる。

「………?!誰だ貴様は?!」

 

「誰か…、だって?

そりゃあ自分自身で確かめてみれば、分かるんじゃないか?」

 

「…!?」

そこに立っていたのは、悟空でも、悟白でもない…別の、しかし2人のような1人が立っていた。

「強いて言うとすれば…

俺は、一星龍…お前を倒す為に生まれた戦士。

孫悟空でも孫悟白でもない一つの生命体………

 

___ゴゴットだ」

 

_____________

 

 

俺が名乗った瞬間に飛び込んできた一星龍を手厚くジャブで迎え入れ、丁重に送り返す。

軽い挨拶の後の握手くらいのつもりだったのに、一気に視界から消えた一星龍の軽さと言ったら無い。埃が肌に当たったくらいよく分からない重さだった。もっとちゃんと鍛えた方がいいと思う。

「…ありゃ、ちょっと吹っ飛びすぎじゃない?一星龍。」

これじゃあ、俺がくしゃみをしただけで上半身、吹き飛んじゃったりするかもしれないな。

あーぁ、可哀想に。

俺ができちゃう前にいなくなっとけば良かったのに。不幸だな。

 

少しだけ待っているとロケットのように飛んできた一星龍。

戻ってくるのに30秒もかかつた一星龍の存在に欠伸がでる。

拳を構えて向かってくる一星龍をまたすぐ吹っ飛ばすのは可哀想なので、ちょっと手加減して…名刺交換をしてちょっと手が触れた時くらいの勢いで脳を殴った。

それでまた飛んだ一星龍をみたら、何故自分がこうなっているのか分からない…というか、自分がバリアでも張っているからこうなっている、と思い込んでるくらいの一星龍に説明をした。

その思いのままで顔面が半壊しているというのは、些か申し訳ない。

「…パンチを2発食らって、顔面半壊っていうのもなかなか大したものだね。ちょっとはできると思ってもいいんかな?」

「……??パンチ2発…?」

「…分かるように教えてあげたいところだけどよ。」

しゃ、と移動して一星龍の前へ。

分からないままの一星龍は、分からないが頭で回ったままで目と前に俺が現れた為、延長して分からないでこちらを見た。

「悪ぃけど、俺も忙しい身でさ。

お前一人に構ってられる時間はないんだ。悪いね。」

と言って、見えるようにゆっくり、でも確実に叩き潰すように横っ面を殴り付けた。

しかし、悟白の要素があると俺もせっかちになっちまうみたいだな。

とっとと一星龍を倒しちまおうと思えるなんて。

ちょっと遊びたい気持ちも無いわけじゃないし、むしろサイヤ人なんだから遊んでやりたいが…ま、俺には30分しか時間無いんだし、仕方ないか。時間がある融合がしたいもんだ。切実に。

地面に叩きつけられ頭が崩壊した一星龍を見下ろしながら降りていく。

…あーあ、本当に可哀想なやつだ。悟白じゃなくてベジータだったら、もっと長生き出来た筈なのに。

生憎ゴゴットっつう奴は、平穏を脅かすやつを長々と生かしておくほどに優しく無い。

…しかし、そうだな。地球に平穏を取り戻す為にちょっとばかし一星龍に協力してもらってから始末することにしよう。

自分のやらかした事は自分で始末を付けさせよう。

うん。それがいい。

…よし、ちょっと煽てておくか。

 

_____

 

「わあっ…!やるでねぇか!」

心底嬉しそうにチチはそう言った。

「そりゃ当然よ!悟白君と孫君がフュージョンしたんだからね!

…ベジータがそうしなかったのは不満だけどさ!」

と言って、隣に立つベジータを肘でつついたブルマ。

「フン。俺があいつが適任だと判断したんだぞ。文句あるのか」

特に痛くもない肘攻撃には反応もせずにただ戦いの行く末のみを見守りながらブルマに反論した。

「べっつに!あんたが決めた事なんだから、あたしは文句無いわよ。

…でも、良かったわけ?あんたがここに来たのは…」

隣で応援し続けているチチを横目に、こっそりとベジータに伺う。

ブルマは、ベジータの気持ちを知っていた。

だって、そうでないとこんなところになんて来ないし、今は壊されてしまって跡形もないが、超ブルーツ波発生装置だってこんな急ピッチで作ったりもしなかった。

ブルマはベジータに理由や動機を、熱意の宿った目で語られたからそれに心が動いて頷いて、ならば自分もこの熱意に応えるべきだし、こんなベジータに賭けようと思った。

そのベジータが超サイヤ人4になってあの親子に並んだ途端に、見守る側に変わった。

………それは、どれ程の願いと、想いと、熱意だったのだろう。

あんなに熱い思いを自分へぶつけ、自分を引っ張り出してまでやって来たというのに。

悟空と同じ段階までやってきたというのに。

「____成長した。」

自分の言葉に、短くそう応えたベジータをみた。

相変わらず前を真っ直ぐ向いたままだったが、その目は強く、優しかった。

「あの泣き虫のガキだったやつがああいう風に成長した。

全てにおいて俺を越していった。」

そういう言葉を紡いだベジータは、悟空に向けるような悔しいような感情は一切なかった。

「俺の言葉を正しく受け取りしっかり成長した。

それだけで十分だ。」

満足そうなベジータのその姿と言葉に乗る色に、自分もようやっと納得してやれやれと肩を竦めた。

それと、自分が思っているよりも末っ子君を大事にしているらしいベジータにちょっと笑いそうになった。

なんだろう。ライバルの息子に親心でも芽生えたのだろうか。

「やーね、いつの間に悟白君の事そんな大事にしてたのよ。妬いちゃうわね」

「喧しい。いい歳こいて何言ってやがる」

「あらやだ、失礼しちゃうわこの万年王子」

「黙れ馬鹿」

「そっちが馬鹿」

 

 

「やだぁ!超カッコイー!!さすが悟白おに…い……???

おじい……?え?うん?どっち??

………でも悟白お兄ちゃんでもあるから悟白お兄ちゃんか!最高!カッコイイ!!好き!!!!!!」

「力一杯告白したねパンちゃん…」

苦笑いの悟天おじちゃんを気にしないで叫び散らす。

パパがまた頭を抱えていた。一途な娘で良かったね!喜んでよ!

「悟空さんの要素を丸っと無視したな…」

「僕は…僕は…」

「兄ちゃん…気をしっかり持って…」

「あなた…もうあれは…諦めるしか…」

「僕は…認めたくない……ぼく……僕は……」

「…だめだなこりゃ」

だって、悟白お兄ちゃんって素敵でしょ?

地球で大人しくお留守番してる時に悟天おじちゃんに沢山話してもらったんだから!

私が投げて返された時はパパも怒っちゃってたけど、悪気があってやる子じゃないから、あの子はって言って結局すぐに許しちゃってた。

ママも、普通娘を乱暴に扱われたら怒るものだけど全然怒らなかった。むしろこういう風にしたくなかったろうに投げてまで地球に置いていってくれたんだって、いい子だって言ってた。

それって、簡単に言ったら人望あるって事でしょ?

あと、私を見てないか聞かれてちゃんと探して見つけ出して、しかも親元にちゃんと帰したって話!凄い!

…でもちょっと残念。ランデブーってわけじゃなかったもん。ちぇ。

それにそれに、魔人ブウっていう、あのブウとは違う悪いブウがいて地球がダメになりそうになった時にはおじいちゃんが悟白お兄ちゃんにみんなを守るようにお願いしたんでしょ?悟天おじちゃんがやられちゃった時にって。

それに絶対やるって言って悟白お兄ちゃんすぐ頷いてたんだって!

やり遂げる為に本気で取り組んで、トランクスと悟天おじちゃんが休んでる時もずっと特訓して本気で強くなっちゃったって!

これ、ほんとに凄いことよね?だって、その時私よりちっちゃい時なのよ?絶対すごい!

…すんごいちっちゃい時から、ずっと悟白お兄ちゃんは悟白お兄ちゃんだった。

素敵で、格好良くて、人望あって、とにかく全部最高!

「がんばれお兄ちゃん!格好良いよー!

そんなやつ、やっちゃえー!!」

私、軽々しく好きになったりしてるんじゃないんだから!

悟白お兄ちゃん、私分かってるからね!

だから、全部終わったら私とちゃんとデートしてね!

 

__________

 

くあ、とまた欠伸をして怒りでブルブル震える一星龍を見る。

「どうしたんだよ?マッサージはもうおしまいか?

次は頭皮のマッサージでもしてもらおうと思ってたんだけどなぁ。」

まだ煽てが足りないのか俺の想像通りにならない。

うーん。いっその事木っ端微塵にしたくなるような態度でいればいいのか?

どうしたらいいかな、と軽く足を組んで、その上に腕を置いて頬杖を付いて考える体制を取った。

時間が押してるから長引かせるのはやめて欲しいんだが。

「全く。弱っちくて駄目だなあ。

おめぇ、負けないんだろ?

悪いけど、負けないって言うのは何にだ?

まあ、普通に考えて俺にじゃあ無ぇよな。」

「ッ、…貴ッ様ァ………!!!」

完全に舐められていると感じた一星龍の顔に青筋がくっきり浮いた。

それから大きく飛び上がり、俺より上の方に飛んで大声で叫んだ。

「全ての邪悪龍よ!俺に力を!!!」

お、なんか主人公みたいな事言ってる。

なんて思いながらそのままで見守っていると、胴体に浮き出ているドラゴンボールの星が赤く光った。

それが光の筒を伸ばし、一定の場所まで広がって邪悪の塊を作り上げていく。

…お。

ここに持っていくまでにちょっとかかってしまった。

俺が暇人にでも見えているのか?俺は強制退場を強いられているんだから暇じゃないんだから。出し惜しみも大概にしろよこの角お化け。

なんて思いながら体内エネルギーを変換させていく。

自分達で作り上げたこの地球の有様を自分達で治すのを、とくと見るがいい。

空中で優雅に足を組み、尾を振り子時計みたいに振って巨大な朱を眺める。

下ではザワつく声がする。

そうか。まあ、そうだよな。そりゃあビビる。

そしてそのエネルギーは一気に凝縮していき、しまいにはどす黒い色の大玉転がしの大玉大のでかさとなった。中々の塊だ。

「これは、全ての邪悪龍の恨みや怒り…マイナスエネルギーがたっぷり凝縮されたパワーボールだ!」

「ふむ…」

なるほど。今までのやつらは弱かろうとなんだろうと、それはそれは大きな負の感情を持っていたようだ。

でなければあんなえぐい色の塊が出来上がるわけがない。

…そういえば六星龍はギャルのパンツだったけど、あれはどのくらいの部分があの塊に入っているのだろうか。

…なんだか本当に申し訳なくなってきた。後でウーロンにあったら怒ってた人がいたと言っておこう。ごめんな。うちのウーロンが。

「お前らまとめて地獄へ行けーッ!!!!」

その言葉と共にこちらへ放たれたパワーボール。

下からザワつく声がする。

「まずい…!みんな逃げろ!!」

ちらりと伺うとそこには飛べない人達を抱えて逃げようとする人達。

「馬鹿野郎!」

そしてそれを1つの言葉で止める人。ベジータだ。

「あんなもん地球に当たれば、丸ごとおじゃんだ。

どこにいこうが変わるものか。」

こちらの行く末を見届ける気しかないらしく、そこから動きも、目を逸らしもせずにベジータが言ってのけた。

つまり自分と目が合った。

不敵な、いつものベジータの笑みだ。

「で、でも父さん!」

「おいトランクス」

「!…は、はい」

「お前は、悟白が…いや、ゴゴットがあれをいなせないと思うのか?」

「………!」

「そう思うんなら、そうやって尻尾巻いて逃げるといい。」

とだけ言って、また傍観の体制に戻ったベジータをみて、トランクスがこちらを見た。

軽く尾を振ると、恐怖から冷や汗を流してはいるが、父親の隣に立ってこちらを見る体制になった。

流石兄貴分。…いや、ライバルの息子…、難しい。流石とだけ言うことにしよう。

まぁ、期待には必ず応えると約束しよう。

遠回しにベジータにはいなせ、とプレッシャーを掛けられたし。

あんな大きな声でわざわざ言わなくてもやると言うのに。

悟飯の叫びでようやっと聞こえたと言うのに。あの男は。

耳が良くて良かった。トランクスの声が聞こえないところだった。

体内エネルギーの変換を終え、組んでいた足を直して勢いよく飛んでいく。

「どりゃあああ!!」

サッカーの容量で蹴りつけ、それに応じてへこむ玉をみてニヤリとする。

「なんだ。俺とサッカーしたかったのか?

ならもうちょっと小さい玉にしねぇとな!!!」

「なっ………なんだと?!」

その投げ掛けに本気で苛立ったような声色で凄んできた一星龍。

まあ、そりゃそうか。自分達の恨みの塊を本当のボール呼ばわりなんてそりゃあキレる。

「ほら、パス!

受け止めろよ一星龍!

そらよ!!!!」

 

 

それを掛け声に、思い切り天へと蹴り上げた。

 

 

 

 






_____戦士、始動。


彼の見た目はこうなっております!!

【挿絵表示】


2つが1つで1人になった、究極体
……とか言って。
オッドアイな彼!体毛は悟空と悟白の体毛カラーのおおよその中間カラーです!髪の毛は金色寄りの橙となっています!
腰布は悟白みたいになっています!
見た目的にはほぼ変わらない彼らですが、髪型には2人の特徴をだしました。下がる傾向のある悟白の後ろ髪と、超サイヤ人4だと上に上がる悟空の後ろ髪を交互にしてみたり…前髪を悟空よりにしてみたり、でもうっすら悟白っぽさを出したり…
上手いこと2人であって2人じゃない新しい戦士、という風に描けているかはあれですが、ふたりのフュージョンで生まれた戦士の見た目は、これです!

そしてあみだの結果、この究極体である彼の名前は『ゴゴット』でした!!
(5回ウェブにあるあみだくじで引いて、出た数が多いものを選ぼうとしましたらまぁ見事に全部ゴゴットでした。)
発音はベジットと同じです!
案をくださった皆様、本当にありがとうございました!
結構真剣に考えたんですけど決まりそうになかったので…あみだくじ、となりました!!


本編の中盤ほぼオリジナルのみんなの会話で申し訳ない…
それでも楽しんでくれればいいのですが…
それでは今回も閲覧、誠にありがとうございました!
そしてなんか中途半端ですみません!!!
折角考えて頂いた名前の彼がたった1話で終わるとなるとモロに寂しくてほんと…

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