そん、ごはく。孫 悟白っていいます。   作:鯱の助

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のんびり地震だ七星龍!…あれ?

空を飛びながら同じ速度で飛行するギルの背にあるレーダーを見ていると、ドラゴンボールの反応がほぼ真下に来た。

なのでギルから目を離し下を見た。

「ねぇギル、ドラゴンボールはどこなの?」

『この下!』

「この下ってねえ……」

「…なーんもいねぇだ」

そう、何も無かった。

真上から見ているのに、何も。

デタラメを言うなとギルに怒るパンを宥めながらギルのレーダーを良く見る。

…やはりほぼ下にある。

嘘は付いていない。今まで一緒にいた中でそんな事になったことは無いはずだし、ギル自身が自信を持ってこのレーダーは優秀だと言っている。

悟空の案で、下に降りて良く探すことになった。

隠れているかも知れないからそうした方がいいだろう。

「ってもさあ!どこにもいないじゃないのよ!このポンコツ!」

『ギルルルー!!ギルのレーダー嘘つかない!ほんとにこの下!』

「下ってあんたね!地面!わかる!?じ!め!ん!」

『だからこの下!』

「嘘つかないでよー!!」

「パン、静かに」

「うっ…」

自分の言葉に一瞬で静かになるパン。

だが、気にもとめず、悟空と自分が見るのは地面の下、地中。

小さく、声と地響きが近付いてくるのが聴こえる。

「〜ら……た……だ……き」

パンもようやく聞こえたのかハッとして聞き耳を立てる。

「ぐ……が…た……お…じ……ず……」

「な、何よこれ…」

「ギルの言う通り、ドラゴンボールはこの下にいるっちゅう事だべ」

そして、揺れがどんどん強くなり、拳大の石まで跳ねるほどの揺れになった時、自分達は舞空術で浮き上がった。

「ぐ〜らぐら、が〜たがた、俺は、地震だ地震好き」

「!!」

来る、そう直感し、3人と1体が一斉に宙高く浮く。

すると、地面からそれが出てきた。

大きな、薄紫色をしたモグラのようなやつだった。

そして、よく観察すると、額にドラゴンボールが埋まっているのが見えた。

間違いなく次の邪悪龍だ。

「おい!オメェが次の相手か!?」

悟空が空中でそう叫んだ。

……だが、聞こえてもいないのか頭を掻き、自分の通った場所の荒れた地を見て、

「ああ、素晴らしい。なんて芸術的なんだろ」

と言った。

…芸術的…?

「なんか、全然無視って感じ。」

「うーん、しょうがねぇなあ」

そういってモグラの耳元へいき、叫んだ。

「コラーーーーーーーッ!!!!!」

「!!?!?」

「オメェが今度の相手かぁぁぁあああーーーーーッ!!!!」

驚いてそのまま倒れたモグラ。

「ふぅ、やっと聞こえたか」

「あー、びっくりしたしたなもう…」

そういいながら悟空の方を向き直ったモグラ。

「オメェ、人の話はちゃんと聞くもんだぞー…」

調子の狂う相手だ…そう思いながら悟空のもとへ向かう。

おっとりとした雰囲気の感じられるモグラは、1度目を瞬かせた後、こう言った。

「ん?オメ、誰だ?」

悟空がそれを聞いてがくっと崩れたあと、体制を直して自分は悟空だと叫んだ。

「…なぁんか調子狂っちゃうなあもう」

困った顔をした悟空が頬を叩く。

確かにこれは困る。

「…1、2、3………7。おめぇ七星龍だべな?とりあえず、しっかりきっかり戦って貰うだぞ!」

「ええ?なんで俺の名前知ってんの?」

構えた瞬間本当に驚いたように返されて思わず舞空術がとけてずっこけてしまった。

「今まで戦ったやつがみんな揃って何とか星龍っちゅう名前だからだ!!もー!!」

「どうでもいいけど、七星龍!どっからでもかかってこい!」

悟空が構えて七星龍の出方を伺っていると、右手が上げられた。

やる気になったのかと警戒すると、その手は七星龍の頭に向かい、そして1度ポリ、と掻いた。

そして七星龍が口を開いた。口からレーザーでも出す気なのか?

「何してんの?」

おっとりと聞いてきた七星龍に一気に力が抜けて地面に落ちた。

パンは調整ミスで少し遠くへとんだし、悟空はくるくる回って横に飛んでいった。

「いってて……」

みんなが元の位置に戻り、七星龍にパンが説明をした。

「な、何ってあんたね!!あたし達はそのおでこのドラゴンボールを掛けて壮絶なバトルを繰り広げるんでしょうが!」

七星龍はそっぽを向いて拒否をし、パンはそれにつっかかった。

だがそれを全て往なし、地震を起したいらしい七星龍は丁寧にお辞儀をしてまた地面を掘り進みながらあの歌を歌い去ってしまった。

 

 

追い掛けていると、七星龍が向かう先に街があった事がわかり大急ぎで向かう。

すると、一歩遅かったか地震が始まっていた。

そこで大急ぎで、手分けして街の破壊を元に戻す作業に取り掛かった。

 

 

 

 

 

街を全て元に戻し3人が合流したところで、後ろから大きな影がさした。

振り返れば、上の方にちょっとだけ怒っているように見える…というより怒っているらしい七星龍がいた。

怯えて街の人たちが逃げていき、向き直るとパンがこちらに走り寄ってきた。

「よっ……!よくも元通りにしてくれちゃったなぁあ!?」

やはり怒っているらしく鼻から息を機関車のように吹き出して怒りを伝えてきた。

「お、おめぇやっと戦う気になったか?」

「…というか、キレちゃったみたいよ…?」

むすっとしている七星龍は、せっかく一生懸命地震を起こしたのに、などと敵らしくはない発言をした。

「滅茶苦茶に壊れた街を見るのが楽しみだったのに!!」

それと同時に攻撃して来たので、自分はパンを抱えて空へ回避する。

悟空が攻撃しに行ったのを見送りパンの無事を確認して離してやって、悟空の蹴りにより飛んでいった七星龍とそれを追った悟空の元へ急いだ。

 

何か話しているらしい元へ降り立ち、七星龍を見上げる。

「ふん!俺が本気で怒ったら怖いんだからなぁあ!?」

「それはいいけんど、おめえはいってぇなんの願いで生まれただか?」

「……………俺はな?天下一武道会でベジータに殺された皆を、生き返らせたんだぞ」

……もしや、自分が7歳の時の…悟空が一日だけ帰ってきた時の…あの日のものだろうか。

自分が生まれる前にベジータが天下一武道会で人を大量に殺していなければきっとあの時だ。

思い出しても嫌な出来事だ。

「…でもおめぇはその時のマイナスエネルギーで生まれただけで別におめぇが生き返らしてくれたわけでねぇぞ。」

「ふん!!恩を仇で返すとはお前らみたいなことをいうん…だ!!!」

七星龍が勢いよく地面に片手を付いたので何かと思うと、一瞬光り、その後自分たちの足元に何かがやって来たのを感じた。

反応が遅れて食らってしまったが、どうやら地面を通し気功波を撃ってきたらしい。

地面を通してか…中々に使えそうな技だ。だが…

「へへんどうだ!これこそ究極の必殺だ!足元から気功波を撃たれたらさすがのお前らも避けられまい!」

「確かにすんげえけんど………やっぱ、飛べないやつにしか効かねえぞこれ」

「なっ」

「そうよ!悟白お兄ちゃんの言う通り、宙に浮いてる相手には通用しないわよ?」

「…」

「あら!やっぱりね?さすがお兄ちゃん素敵!」

「そっ……そんなことは無い!宙に浮いてるやつだってちゃあんと攻撃出来ちゃうもんねー!!!」

そう言って、今度は両手を地面に付けた七星龍。

真下から来ることがわかっているので、さっとかわす。

2人も勿論無事によけられているらしく、心配は無用のようだ。

断続的に撃ってくるのをアスレチックのように楽しく避けていく。

「はは!すげえすげえ!」

「結構いい運動になるわね!」

「畜生…舐めやがって………よぉしとっておきのお見舞いしてやる!」

気を多く溜めているらしく、大きいのが撃たれるのがわかって3人で頷いて七星龍の頭の上に乗る。

「ほぉらよ!」

「こうすると…どうなっちゃうのかな?」

自分は流石に他に撃つのでは、という思いもある。

あほか作戦でなければ自分に撃つなんて有り得ないからだ。

さあ、どっちだ…

「あー!バカバカ降りろ!」

「了解、降りりゃあ良いべな」

「ぎゃーー!!!」

タイミングをはかって降りると、七星龍は見事に食らっていた。見事に。

しかも全力だ。あほの方だったか。

「やっぱり!」

「ちょっとは期待してただが…うーん、今回は簡単だったべな。」

大きなエネルギーが消えたところで、だいぶボロボロの七星龍が出てきた。

「んじゃあ…やっか」

自分がかめはめ波の構えをとると、悟空はちょっとだけ不満そうな顔をしたがすぐにやめて腕を組んで行く末を見る事にしたらしい。

かめはめ波を溜めていると、七星龍が何かを言っていた。

「く……くそお……自分の技で…………や」

「残念だったべな。あほだった自分を恨んどけ。」

「…………とは……」

何か言っているのを割ってしまったようだが、まあだいぶ小さかったので独り言か捨て台詞だろう。

そう思ってうとうとすると、どしりと倒れてしまった。

…先程のを言うので精一杯だったらしい。

「んだ?あれで終わりだったんけ」

かめはめ波をやめ、じっと様子を伺う。

するとドカン、と爆発して紫の煙が上がり、いつも通りドラゴンボールがこちらへ飛んできた。

それをキャッチして地面に降りる。

「なんだあ…なんかスッキリしてねえな……ん?」

呆気なく元に戻ってしまった七星球を見る。

………額にある時と変わっておらず、変わる様子も見られない。

……なんだろう。

「やったあ!楽々ドラゴンボールゲーット!」

「なーんかつまんねえなー。悟白どうした?」

「え?あ、ああ…いや……………、!」

手の中のドラゴンボールが、急に今までにない変化を見せた。

悪い変化の予感を察知し、色の悪いままのドラゴンボールを地面に投げる。

すると、ガン、という音と共に光が急速に弱まり、小さな爆発を起こした。

何事かと後ろで構えている2人と同じく構える。

煙が晴れて出てきたのは…

「なっ……なんで離すんだバカ!しかも投げつけやがって…!!」

小さな土色の龍だった。

「おめえ………」

「ひ、ひぃ…、お、お前が手放すからとりつけなかったじゃないか!!」

「…取り憑く?」

「そ、そうだ…!とにかくお前に取り憑かせてもらうぞ!!」

そう言ってぺちぺちと情けない足音をたてながら向かってきた七星龍をさっと避ける。

すると情けなく地面に顔面から突っ込み少しそのまま進んだ。

「いっ………避けるんじゃない!」

「…とりあえず、さっきのでおめぇはやられたんじゃなかったちゅうことだな?」

「ひ、」

先程やめたかめはめ波をもう1度作り、七星龍を見据える。

「今度はしっかり倒す。………か……め…………は……………め!」

怯えて背を向けて逃げようとしている七星龍へ、かめはめ波をバッと向けた。

「波ァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

「う…ぎゃああああああああああああああああ!!!!!」

気が完全に消滅したのを感じ撃つのをやめると、パンの手に今度はちゃんと元通りのドラゴンボールが落ちた。

「やった!今度こそ七星球ゲーット!!」

「あ、なあ!さっきんとこにモグラが倒れてたぞ!」

「んじゃあ…さっきはモグラに取り憑いてたっちゅう事だか。」

『ギルルルー!4個目のドラゴンボールゲット!ギルル!』

変な奴だったな、と話しながら少し休憩し、再び次のドラゴンボールを求めて行動を開始した。

…このくらい簡単でなくてもいいが少々手応えのある敵に会いたいものである。

 

 

 






スーパー七星龍?知らんな。



大変大変お待たせいたしました。申し訳ありません。
言い訳はしません申し訳ありません。ただただちょっとだけ目移りしていました。


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