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今回の話で30話…!
初めて出会った邪悪龍の内の一体は額に変色した二星球の埋め込まれたずんぐりな緑色の龍であった。
そいつへ蹴りを入れたパンであったわけだが、それだけで軽く吹っ飛んだ。勿論龍が、だ。
邪悪龍というだけあって強いと思っていたので悟空と2人で思わず驚きの声をあげてしまった。
起き上がった龍だが、足に落ちてきた岩で足が腫れ上がって泣きながらケンケンで跳ね回った。
だいぶ出鼻をくじかれ呆れていると、ようやく龍が真面目そうな雰囲気になった。
「俺様と戦うことになるとは…運のない奴らだ」
…だが、やはり先程のやり取りがあってからなので全く信じられない。それに身も入らない。
「もう生きて帰れると思うな、分かったか?」
こちらに指を指してそう言ってきたが、パンはそっぽを向いているし、悟空は笑っているし、自分は下唇を緩く噛みながら頬を指でかいているし。
とにかく簡単に倒せそうだなと3人共思っていることは確かだ。
悟空は少し前に出て、
「おめぇ、実は無茶苦茶弱えんじゃねえか?」
と言った。正直である。
「な、なんだと?!俺は7匹の邪悪龍の中でも、最強という噂なんだぞ!?」
そんな言葉にパンはその邪悪龍を見た。
「…あんたがぁ?」
実に疑わしそうな声色でそう聞いた。
「…残念だけんどおらもちょっとそうは…見えねえかな…」
「ぐぬ…!ようしわかった、俺の本当の力を見せてやろう!
ボコボコにされてから『勘弁してくださぁい!わたしはか弱い女の子なのぉ!』とか言っても、絶対許してやらんぞ!!」
ご丁寧に女の子の真似をして言ってくれた邪悪龍。
真似をする、というところがもう弱そうだ。本当に弱そう。
「…言いたい事は、それだけ?」
そう言うと、パンが素早く移動し邪悪龍の顔の前へ。
パンのビンタが邪悪龍に決まった。
そして吹っ飛び、岩に叩き付けられた。
見事に邪悪龍の型が取れている。
起き上がった邪悪龍は口から血が流れていて、やっぱり弱そうだ。
「どう?降参するなら今の内よ!後で『勘弁してぇ!俺様は、実はメスのドラゴンなのぉ!』とか言っても許してやらないから!」
「でぃひひひひ!こんなんで勝ったと思うなよ?」
そう言ってヨロヨロと立ち上がった邪悪龍。
もう二三発当てたら倒れるんじゃないだろうか。
「ハン!もう勝ったも同然じゃない!ボロボロじゃない、あんた!
さあ!ドラゴンボールを渡しなさい!」
「ぜってぇ渡した方が身のためだべ…パン、容赦ねえから本当に今のうちだぞ」
自分にはパンにギタギタにされて無理矢理額のドラゴンボールを奪い取られる邪悪龍の図が鮮明にみえる。
だが、何か考えでもあるのか笑いながら血を拭っていた。
「ん…?……!奴はまさか…」
悟空は何か考え付いたのか、少し緊張感を持った声で何か言った。
「フン!勝負はネタを吐くまで分からんという言葉を知らんようだな。ちゃんと勉強していないだろお嬢ちゃん…!」
と、言って空気を吸い込み始めた龍。
「どっちがおバカさんかすぐ分かるわ!」
そう言って挑みに行ったパン。
「パン気を付けろ!そいつ変身すっかもしんねえ!!」
「……へあ!?」
パンが驚いたように声を上げ、空気で膨らんだ龍の腹に当たって跳ね返った。
「変身すっと、変身する前とは比べ物になんねぇくれぇとんでもなく強くなる奴がいんだ。
そいつはそういうタイプかも知んねえぞ…」
でないとあんなに余裕があるわけがない、というように真剣にそう言い放った悟空。
確かに、そういうタイプならばあれだけボロボロにされても余裕でいられる理由は説明が付く。
"勝負はネタを吐くまで分からない"という言葉はそれの事と断定してもいいかもしれない。
「何ですって!?こいつが、そんな変身を?」
「ああ、そうだ!そうにちげえねえ!」
「確かに、それなら余裕そうなのも説明出来るだな。
さあ、変身してみろ!」
「そうよ!さっさと変身しなさい!
…まんまと騙されるところだったわ。邪悪龍なんて大層な名前のやつがこんな弱っちいわけ無いもんね…!」
「…ぃえ?!」
「…?」
変身するかも、と警戒して見ていたが、邪悪龍の様子がおかしい。
なにやら汗を大量にかいているようだ。
その間もパンが邪悪龍を急かしている。
どんな姿になっても相手になると言っているが、邪悪龍が
『ぬふふ、そんなに言うなら仕方がない…!
この俺様の真の姿をみて後悔するといい…!!』
と言わない。
それに変身する素振りもない。
ただただ汗をかいている。
「あ……い、いや、ぁあのー…」
「さあ!」
「お父、もしかしてこいつ変身する系じゃないんじゃ…」
「え?」
小声で隣にいる悟空に話しかけた。
「だっておかしいべ、見破られたんだから変身すればいいのに素振りもなく、汗かいてるだけだべ…?」
「いや、でもよ…あんだけ余裕あんならそんくらい隠してねえと…」
「…とりあえず様子見だべ、もしかしたらするかもしんねえ」
そう言って前に集中した。
「そ、そんな能力……」
さあ、どっちだ?
あるに決まっているだろう、なのか…それとも…?
「…ない」
赤くなってそっぽを向きながらそう答えられた。
パンと悟空がズッコケた。
自分はガク、とコケてしまった。
なんだろう、期待した分大きく見えていたのに途端に小さく見えてきた。
「おんめぇ……もうちっと期待さしてくれよ…」
隣でパンとギルに責められている悟空の会話を聴きながら龍にそういった。
「ぬぁははは…!馬鹿を言え、ああいうのは弱虫くんが苦し紛れにやる事だ…!真の強者はそんな卑怯な事しないのだ。」
「…じゃあお前、はやくネタを明かせよ。
"勝負はネタを吐くまで分からない"んだろ?
変身じゃないならお前は一体何を隠してる…?」
「あ、そうか…悟白お兄ちゃん冴えてるー!
さあ!!何隠してんのよさっさと言いなさい!」
「嫌だ。」
「分からねえままにするんはモヤモヤするから嫌なんだ。
早く吐いちまってくれるか?」
少し前に出る。
「え?悟白お兄ちゃん?」
「だんだん余裕出てきてっからなんか怪しいんだ。
ボコボコにされて余裕出てくるやつなんて変態か本当にネタ隠してるかだ」
そう言って人差し指を構えた。
人差し指の先にビー玉位の気弾を作った。
「さあ、どうする?ネタを明かしてやられっか、このままやられっか。」
脅しの為に足元にSR砲を撃ってやった。
ポカンとしていたがすぐに足元を見て驚いていた。
「お前はこれに貫かれてわけも分からねぇうちに倒れる。
構わねえって言うならこのままやっちまうだぞ?
言い残したことがあるって言うんなら言っちまったらどうだ?」
遠まわしに言えという。
「………ぶ、ククク!逆にお前に聞いてやるぞ。
言い残したことはあるか?」
自信たっぷりにそう言ってきた龍。
「ぎゃ、い゛!?」
右肩を貫いてやった。
「瞬発SR砲、だ。もう一回聞くべ。隠してるネタ、は、なん…だ……?」
もう1度指先にSR砲を溜めるが、徐々に小さくなって終いにはピチュ、という音を立てて消えてしまった。
そして、身体からどんだん力が抜けていく。
どうやら二人もそうらしく、膝を付いていた。
「な、ん……?」
「デァハハハハハ!いいか?主役は最初にやられるもんなんだ…そして、不思議な力を目覚めさせて相手を伸す!
さあ、反撃開始と行こうか。」
悠々と歩いてきた龍。
そして、自分の前に止まった。ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべている。
「悟白、お兄ちゃんに…なにしようとしてんのよーーっ!!!!」
パンが立ち上がって、飛び出した。
「ああん?生意気なお嬢ちゃんだ!」
「あッ、グ…!!?」
大きな拳で腹を殴られたパン。
「ぱ、パン!」
慌てて立ち上がり殴り掛かろうとしたが先に悟空が飛び掛った。
だが、悟空の攻撃が当たることは無く、龍に捕まえられた。
「わ!?あ、あれ、オラの攻撃が避けられた…!」
「あらら、坊やも悪い子ちゃんみたいねえ?
そんな悪い子達は…こうだ!!」
そう言って思い切り両手に捕まえていたパンと悟空の頭をぶつけた。
「ギャ!!!!」
「あ゛グ!?」
そしてそのまま2人をぐるぐる回し、掛け声と共に遠くへ飛ばしてしまった。
「なっ…!お前、なにを…!」
「あの小娘にも好き勝手やられたが、お前はよくも俺の肩に風穴を開けやがったな…?許さんぞ!」
「!!」
立ち上がって構えを取ろうとしたが、その前に首を掴まれ、持ち上げられた。
そしてそのまま2人の落下地点へ飛んで行った。
「これで分かっただろう?本当の実力の差が。」
「こ、の…!何よ、悟白お兄ちゃんにもあたしにもコテンパンでマグレで偉そうに………!!?お、お兄ちゃん!!」
力が入らず首から手を外せず、どんどん苦しくなってくる。
「お兄ちゃんを離しなさい!!!このバカ!!」
飛びかかってきたパンを、龍は自分をぱっと離し地面にうつ伏せで落ちる自分を上から踏み付けて勢いよく落とし、そして自分の上で両手で捕まえた。
「ははは!どうだ?離してやったぞ、嬉しいだろ?」
「ぅわあああぁぁあああ!!あたしを離しなさいよー!!!
…もーー!!!!離してエッチ!!!!」
「ぱ、パン…!!」
僅かに握る力を強められたのか苦しさからかパンの肩が少し震えた。
「ゔッ…!!もう!!やめてったら!!!離してよ!!!!」
本気で嫌がって龍の手を拳で叩いたりしているのだが、拘束が解けず、しかも力がどんどん抜けていっているらしいパン。
自分もそうだ。逃れようとしていたが、力が抜けて尻尾にも力が入らないのだ。
ギリリと踏みにじられ、痛さで呻く。
「この野郎!!悟白とパンを離せ!!!」
向かってきていた悟空が、龍の尻尾ではたかれ吹っ飛んだ。
「お、父…!」
「あはは…、食っちゃおうかなー?」
パンを喰おうとしている龍のその発言に自分は暴れた。
「何、考えてんだ…!!!お前、許さねえだぞ…!!!!」
ガタガタと震えながら上の重力を僅かに押し返す。
「おお?お前まだそんな力が出るのか?」
そう言って今度は両足で勢い良く乗ってきて、体制が崩され立てていた肘を大きく擦りむいた。
「ぎ、ああああ…ッ!!!」
「お兄ちゃん!」
「さーて、いっただっきまーす…!」
「ッええ!??!やだ!!やめてよ!!おじいちゃんっ、お兄ちゃん!助けて!!嫌だ!!!」
ずんぐりなこの龍が全体重を自分に乗せてきていてはどうしようもない自分は自由な四肢を動かすのみで、悟空に頼るしかなかった。
「パン!悟白!!ようし…!はああああぁぁぁああ…!!!」
そうして悟空が超サイヤ人になったのをみたが、すぐに元に戻ってしまっていた。
その様子を見た龍が、ようやくネタを吐いた。
どうやらすぐ横にある元は綺麗な湖であったであろう腐った匂いを発する毒の湖。
これを変化させたのは龍の身体から発せられるマイナスエネルギーであったらしい。
さらに、それが毒霧となり、マイナスエネルギーの毒霧が辺りに充満しているという。
そのマイナスエネルギーが、戦っているうちに自分達の体に回っていっていた…というわけであった。
成程、つまり最初の方に龍が、『7匹の邪悪龍の中でも最強』と言ったのは、強さが、ではなく…能力の事だったらしい。
そこにいるだけで、自分より強い敵も自分より弱くすることが出来る……成程、これは確かに変身するより凄いと言えるだろう。
最初の方はボコボコにやられるが。
「きったねーぞおめぇよ!!ちゃんと戦えよ!」
鼻を押さえながら悟空がそういった。自分もそう思う。
「ふぁははは!マイナスエネルギーに気付かなかったお前らが悪いんだよ!」
「マイナスエネルギーって何回も言うけど!あんた一体なんのマイナスエネルギーだって言うのよ!」
「…………。…孫悟空。お前はウパというガキの事を覚えているな?」
「ウパ?」
「お前はそいつの親父が桃白白とかいうやつに殺された時、生き返らせるためにドラゴンボールを使っただろう?
その時に発生したマイナスエネルギーから生まれたのが…この俺様だ。」
悟空はその事をしっかり覚えていたらしく、酷く驚いていた。
「あんときオラがドラゴンボール使ったせいで、おめぇみてぇのが生まれちまったっちゅうんか?」
「そうだ。一応礼を言っておこう。
ありがっとーうッ!!」
そういいながら龍がパンをボーリングのように投げた
見事ストライク、というふうに悟空とパンはぶつかった。
「オマケだ、そぅれ!」
上から重さが消えたと思ったら横腹に強い衝撃が走り地面をゴロゴロと転がった。
蹴られたらしい。
一番でかい自分が当たったりするのはまずいと思ってなんとか止まろうとする。
地面に指先を強く当てて勢いを殺す。
パンの足で最後、なんとか止まった。
「すまねえ…パン。」
踏ん張って、立ち上がり立とうとするパンを支える。
「そういう事なら、オラが倒さなきゃ行けねえな…!」
ふらふらとしながらも立つ悟空。
今立つだけで限界なのだろう。
「無理だな。今お前達は立つのだけでもやっとこさのはず。
そんなところに強い風が吹いたらコテンと倒れちまうだろう。」
そういいながらどんどん近付いてくる龍。
「その強い風を俺様が今吹かせてやるぞ。俺様を馬鹿にしすぎたことを…地獄で後悔しろ!!」
悟空達の後ろに立った。
とりあえず、庇わなければ…!
「リャンシンロン!ドラゴン…ダイシンプウー!!!」
やってきた強い風で飛ばされる前に、小さな2人を両手で抱き込んだ。
そして一瞬で壁に飛ばされ、背中にいつもは特に何も感じない岩に埋まるほどの打撃が、今は血反吐を吐くほど大打撃になっているようで、酷く効いた。
「ぐっ…!ふ、う…!」
「っ…?、お、お兄ちゃん?」
「!悟白!!」
耐え切れず2人を離してしまった。
「おや、2人庇ってまだ生きてるのか、流石だねえ。
まあどうせすぐ死ぬだろうけどね。
一応とどめを刺して起きますかねっと。」
そういって近付いてきていまず2人をまとめて片方の手で掴み、自分を頭を掴んで持ち上げた。
「て、めえなにするつもりだ!」
「ちょっと!やめてよ、離してよ!」
「俺のマイナスエネルギーでこってりしているこの湖の奥底で、じっくり骨まで溶けてしまうがいい。」
そばに感じる酷い異臭。その中に入って溺死し、ゆっくり溶けて無くなれと?
「いやだ…!」
「や、やだ!あんな汚い水の中に入るなんてー!!」
「や、やべ…あんなかに入っちまったらそれこそおしめえだ…!!」
「さて!死刑執行だ。なるべく、真ん中に投げ込んでやるからね…」
だが、投げようとしたその時に龍の左肩に何かが飛んできて爆発した。
「!」
『悟白を離せ!ギルルルー!!』
「ぎ、ギル…!」
なんともカッコ良く助けに入ってくれたギルであったが、龍には全くダメージになっていないらしく、何がしたいの、と呆れたように言われていた。
そして、ギルは龍の尻尾ではたかれて湖に叩き込まれてしまった。
「ギル…!」
「心配なんてしなくても良いぞ。お前達もどうせ同じ場所で死ぬんだからね!」
そう言って、自分が投げられてしまった。
浮く力さえ残っていないのだから重力に従って落ちるしかない。
着水寸前に見えたのは、こちらを見て迫真の表情を浮かべたパンと悟空だった。
口から空気が漏れても、逃げていかないように両手を口と鼻の上に持っていき、なんとか二酸化炭素を肺に取り入れ、苦しいがなんとかまだ生き長らえる。
視界の端に映った物をちらりと見た。
そこには、沢山の骨があった。
…この水で溶けたのだろう。
つまり、自分も直にそうなるということ。
諦めたくなんて無いが、するしか無い状況の為息を吸うことだけに集中し、目を閉じてしまう。
すると、何かに足を掴まれ、ゆっくりとだが移動していく。
驚いて全部の空気を吸い込み、足の方を見るとなんとギルであった。
どこかに連れていこうとしているらしいが…
聞く手立ては無いので大人しくされるがままになる。
ついたところは、なんとさっきまでのおどろおどろしい水の中ではなく、とても澄んだきれいな水であった。
ギルは、ここの水は汚染度が0だと教えてくれた。
そうか、成程。
だからみるみる本調子に戻ってきているのか。
ギルにジェスチャーで、悟空の髪型とパンの頭巻きと服の鳩尾までしかないのをなんとかパンと悟空だと認識させ、行ってこい、というふうに向こうを指差して、『ギル。お父とパンも連れてきてくれ』と伝えた。
伝わったらしく、ギルは了解、といってむかっていった。
とにかく自分がする事は、空気が閉じ込められているような場所を探す事だ。
悟空とパンが気が付いた。
なんだここはと言ったふうだったので、ギルに伝えてもらった。
『ここ、水質汚染ない。だからギル、連れてきた!』
そう言うとそれぞれがありがとうという意味を込めてジェスチャーしてギルに伝えていた。
ギルと共に見つけた場所があったので2人を連れて行ってギルに説明してもらった。
『ここ、湧き水!だからこの辺り汚染度ない!』
そうすると、パンが自分を呼んだ。
なんだろうと見るとジェスチャーをしてくれた。
…湧き水を指差し…自分を指差し…かめはめ波のポーズ…
つまり…。
ためしに、自分を指差し、湧き水を指差し、かめはめ波のポーズをとると、頷かれた。
あっているようだ。
みんなが離れたのを確認し、かめはめ波を溜め、撃ち放った。
見事に湧き水が吹き上がり、パンの思考はジェスチャーであまり良く分からないがこれできっと合っているのだろう。
すると悟空とギルを引っ掴んだパンが寄ってきて、湧き水に近付いて行った。
そして自分に向かって、湧き水を指差して何かを伝えてきた。
良く分からない。
するとギルを手放し、自分の腕を掴んできた。自分にギルが張り付いたのを見ると、すぐにパンに引かれて湧き水に特攻した。
すると勢いで上へ引っ張られていく。
きっとパンがやりたかったのは超高速エレベーターのような事だろうか。多分そうだろう。
すこしすると、周りから水の心地よい音が消え、ザバザバと噴き上げる水の音と、龍の声が聞こえてきた。
新鮮な空気を摂取し、元気になったので龍の後ろに回っていた自分たちが龍に声をかけてやった。
すると怯えたような顔で見られた。
「湧き水のお陰ですっかり元気になったぞ!」
「あんたの特性もよぉく分かったから、最初から本気でやらせてもらうわよ!」
「ひぃっ…」
「おめぇ、最初に言ってただな。勝負はネタを吐くまで分からないって。確かに形勢逆転は読めなかっただが…それだけだべ!」
そう言うと湖の方へ逃げていく龍。
「いくぞ、悟白、パン!!」
「はい、おじいちゃん!」
「んだ!」
三人一緒にかめはめ波を両手の中に溜める。
「か…」
「め…」
「は……」
「め………!」
「「「波ぁぁぁぁああああああぁああああ!!!!」」」
3人の凄まじいエネルギー波が混ざり合い、一つの大きなエネルギーになり龍に襲い掛かった。
「ギョェーーーッ!!!!?」
そうして龍が逃げたかった湖に押し付け、かめはめ波が龍を呑み込んだ。
撃ち終え、様子を見ていると、龍がいた方向からなにかがとんできた。
悟空がキャッチすると、それはあの龍の額に埋め込まれていた二星球であった。
「あ!ねえみて、二星球が元に戻っていくわ!」
見ると、ヒビが直り、そして色が元のドラゴンボールの色に戻った。
「やった!まず1個目だ!」
2人が喜んで両手をあげた。
すると悟空が喜びで握っていた手を開いてしまい、ポロ、とドラゴンボールが落ちていく。
「あ」「あ」
2人が反応できずに腕を上げたままそう言う。
間一髪のところで先に動けた自分が、足元あたりまで来ていたドラゴンボールを、手でとるより蹴り上げた方が早いと思って上にサッカーのような感じで蹴り上げた。
そして片手でしっかりキャッチして、悟空に向き直った。
「お父…危ねぇでねえか。」
「へ、へへへ…悪ぃ悪ぃ!サンキュー悟白!」
「もう、おじいちゃんのおっちょこちょい!
やっぱり悟白お兄ちゃん素敵!」
そう言って腕に抱き着かれた。
「…ま、何はともあれ1個目だ!次はこんなふうに行くかわかんねえけど…頑張るべよー!」
おー!と三人と一体で腕を上げた。
二星球ゲットだぜ!
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