そん、ごはく。孫 悟白っていいます。   作:鯱の助

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前回までの閲覧、お気に入り、ありがとうございました!
お気に入りがとうとう90…!?なんと有難い…!


星二つまとめてお送りします!
本編へどうぞ!



速攻で取れてよかっただな!

「なあ、おめぇ名前なんていうんだ?」

『DB4649T2006RS』

「ほぇー…変わった名前だなあ。おら覚えらんねぇぞ。」

「確かに。」

「なんだっけ…でぃーびーよん………」

「DB464…」

『DB4649T2006RS』

「?でぃーびーよんろくよんきゅ…」

「DB…4649……てー?」

『T2006RS』

「2006……??ダメだ、覚えらんねぇ。悪ぃな」

「DB2006…T…???おらもだめだ…」

『ギルギル…』

「ははは、名前じゃなくてそれは製造番号だぜ。」

「え?製造番号?」

「作られた順番に付けられる名前だよ。1号2号とか」

「ああ、人造人間とかと一緒かあ」

「あ、18号さのことか」

「ま、そんな感じだな。んー、名前か…考えないとな」

『ギルルルル、ギルルルル、ドラゴンボール確認。前方、4500』

「お、…だとすっとこの目の前の星だべな?機能を自分のもんにするってだけあって性能も完璧だな。この調子で頼むべ?」

『ギル、』

「ほらほら、席付いて2人とも。大気圏突入に入るぞ」

 

 

 

巨人の星だったわけだが…まあロボットの指示に従って進んで行くとドラゴンボールがあり、すぐに取ることが出来た。

上からリンゴが落ちてきたというハプニングはあったが、受け止めることで何とかなったし…

「早かっただな。位置を知らせてくれるし一々見なくてもいいし、まずそれ以外の事も言ってくれるなんてよく出来てるべな…こっちのドラゴンレーダーの方がいいんでねぇか?帰ったらブルマさに提案してみるといいべ。」

「おう、確かに。こういうドラゴンレーダーは新しいな。」

『ギルル』

「んじゃ、次の星いっか!なあ、次などこだ?」

『ギルル…』

「あれ?」

「?」

宇宙船へ帰る道のり、トランクスが急に止まったので近寄って聴いてみる。

「いや、レーダーが映らなくなったんだ…」

「ん?どした?」

『ギル…エネルギー不足…』

「え?」

『レーダー不能…エネルギー補充…』

「んー、腹減ったっちゅうことか?」

「人間ならそうなる…だな」

「んー…まあ確かにそうだな。

でもなあ…この星にはそんなエネルギーになるものなんてないし…」

「んなら他の星いってそこで補充するべ」

「あ、そうか。」

「んじゃあ宇宙船そのまま帰りゃあいんだな?」

「ん。」

「おーし、帰るぞ!」

 

 

 

 

「しかし、困ったもんだな。エネルギーか…」

『ギルル…ギルル…』

「んー、なあ、こいつの名前ギルっちゅうんはどうだ?」

「あれ、エネルギーの話じゃ…」

「でもいいべな。ギルギルギルギル言うし。

んしゃ、ギル、よろしくな。」

『ギル!』

自分の座る席のすぐ目の前のテーブルに設置されているギルをカツカツつついて挨拶をする。

無機質ないつものボイスよりも幾分か元気のあるボイスを出したので、だいぶお気に召しているように見える。

「お父、気に入ってるみたいだべ?」

「お?そうか?」

 

 

 

 

 

 

あれからだいぶ日が経った。

『エネルギー補充!!ギルルー!!』

「…なあ」

「ん?」

「ギル、どうする」

「……あー」

『ギル!ギルル!?』

「?……え、悟白?」

「あんな、確かによろしくはしたけんどな?誰が宇宙船を構築してる部品を食べるのをよろしくした?」

『ギルルー!!ギルルルル!!』

「予備はな、まだいいべ。本当はだめだけどまだいいべ。

でもな?やっぱり、今使ってるのは駄目だ。しかもおめえ今さっき何しようとした?」

『ギ……』

「おらの旅用の袋のなか漁って出したもん言ってみ?」

『テレビ電話…ギルルルル…』

「だよな?それはな?おらがいっちばん大事にしてるブルマさからの餞別だ…それをおめえエネルギー補充!ギルルー!とか言って…食おうとしたんだな?」

無意識に力が入る。仕方ない。一番の宝物なのだ、それを盗ろうとするなんて許せるわけがない。絶対だ。

『ギル!!壊れる!!ギルル!!!』

「次やったらおめえ、あれだべ?喋る機能ぶち壊してやるかんな?」

『ギル…!』

「なんならドラゴンレーダーの部分だけ取っておめぇバラしてトラ兄さにドラゴンレーダー作り直してもらうかんな、覚悟しとけよ」

『ギル…ルル…』

「ほれ、かわりに旅の途中で貰った送りもんのピアスとかネックレスとか指輪やっから」

そういって、懐に大事にしまっていた贈り物達をまとめた袋から少しだけ出してギルにあげた。男の人達からは食べ物を貰ったため何も無いが、食べ物以外の物は全て女の人から貰ったもの。申し訳ないが、いらないのであげることにする。小出しにして。

『ギルルルーー!!!』

「…お前それ誰から貰ったんだ?」

「え?ああ、いろんな人だべ。これみて思い出してねとかなんとか?」

ギルにあげたネックレスの、写真を入れるところから落ちた紙をトランクスがひらって見て、なんだか遠い目をした。

「…可哀想になあ…」

「?何がだ?」

「…いや…うん…」

トランクスの持っていた紙はトランクスの気で燃やされた。

 

実はあれには愛の告白が書かれていたらしい。

そんな事は知らずに自分はまたギルに高級そうな指輪を渡すのであった。

 

 

 

 

ドラゴンボールのある星に付き、降りる。

……なんとものどかで過ごしやすそうで、とてもいい星だ。

暫く散策していると村のような集まりを見つけた。

そして、トランクスに引っ付いたギルが言うには…北西?北東?230…にあるらしいので向かう。

だんだんと音の間隔が狭くなっていき、目の前に見えたのは…一つの家に集まる人達。

「?」

「なんだべな…?」

「さあ?とりあえず聞いてみるか。……あの!」

すると、全員がこちらへ振り返って視線の的になった。

「あ、あの…何かあったんですか…?」

「ズーナマだよ…」

「「ズーナマ?」」

なんだ?この星ならではの儀式とかそういうやつか?

と思っていると、隣に移ってきたギルが耳元で

『ドラゴンボール発見!ドラゴンボール発見!』

といって目の前をゆびさした。

なにかと見ると、奥に項垂れて座る女性の…髪を縛っているものの先に六つ星のドラゴンボールがあった。

あー!と叫びながら前に走っていってしまった2人に小走りでついて行ってすいません、すいませんといいながら人の間を抜ける。

すると家の中に飛び込んで来たことの理由を話しているところで追い付いた。

「君達の事情は知らないけど、こっちはそれどころじゃないんだよ…!いつズーナマが姿を現すか分からないんだ」

儀式ではなくズーナマは名前だったらしい。聞く感じは悪いやつのようだ。

「ドマ、この方達に当たったって仕方ないわ。」

「レーヌ…」

「なあ、さっきからズーナマズーナマっつってるけど誰なんだそいつ?」

「よろしければ話を聞かせて頂けませんか?」

ご飯を食べさせてもらいながらズーナマとは、聞くところによると凶悪なバケモノで、ヒゲを震わせて自身を起こすという超能力を持っているらしい。

それを脅しにして難しい要求を毎回してきて、最近は頻度も上がり、要求の難しさも上がっていくという。

「そして、奴はとうとうとんでもない要求をしてきたのです。」

「それって…」

『危険接近!危険接近!』

「!」

どうやら御出座らしい。

外を見ると、なんとも言い難いシルエットが。

後ろでギルが慌てていた。お前本当にロボットか?

とりあえず捕まえておいた。

見ていると、家の事も周りのことも無いようにしてあるく大きくふてぶてしい姿…そして、ある地点まで来て止まり…

「どうだマズ?俺の嫁さんは決まったか?」

と言った。

…もしかして

「とんでもねぇことって…」

「はい…あいつの花嫁にうちの娘のレーヌが選ばれまして…」

そう言われてレーヌを見ると、泣いていた。

…嫌だろうな。

「そ、そんなのまるで…!生贄じゃないですか!!

今時…なんて非文明的な…!」

「…いや、地球の今時とここの今時は違うべ…水指しちまうけど」

「…」

外のズーナマは響く声で嫁が出来るのを酷く喜んでいるようだった。

…その手を叩く音も響くから今すぐその踊りをやめさせたいところだ。

「これ!どうした?早く嫁をださんかいマズ!!早くせんとまた地震を起こすぞなマズ!」

だが、そうやすやすと出せるようなものでなく、誰も動けない。

「…んじゃあ地震起こしちゃおっかなー。いいのかな?

よーし、震わせるぞー!ほーれほれほれほれー」

すると次第に地が揺れ、立っていられなくなり…物も落ち…いずれ、家も崩落するだろう。

「まずいぞ…ほんとに地震を起こせるなんてな…!」

「ほーれほれ!どうしたどうした!どうするんだ?早く出さないと次は火山を噴火させて村ごと無くしてしまうぞ!」

そういっていると、レーヌが外に出てズーナマに声をかけていた。

「お前は俺の嫁さんか?お前、名前は何というマズ?」

「レーヌといいます!こうして名乗り出てきたのですから地震はもう辞めてください!!」

「レーヌさ!!」「レーヌ!」

地震がやみ、外ではレーヌがまじまじと舐めるように見られている。

中ではドマがみんなに取り押さえられている。…なんという。

「何とかしないとだが…」

「なんか作あるんけ?」

「くそ!!離してくれ!レーヌ!!!」

そんな中、外ではレーヌがズーナマから合格を…なんであんなやつに合格なんて貰わなければならないのか知らないが貰い、明日出直してくるから楽しみに待っていろ、服がイマイチだから花嫁衣装をしておけと言ってズーナマが帰っていき、一難はさった。…一難は。

 

 

 

倒れてしまったレーヌを寝かせた2階で、ズーナマを倒すと誓い、お礼にドラゴンボールを貰うことにする。

言ってみると疑っているようだったので強いと一押ししておいた。

「おらは7歳からずっと修行の旅に出て何度も訪れた試練を乗り越えて、結構な強さだ。それも生半可な試練でねぇ。死ぬかもしれない試練を乗り越えてきただ。下にいる子供はそんなおらを超える強さを持ってる。となりにいるトランクスっちゅうおらの一つ上の兄さんもおらと負けず劣らず強え。ズーナマくらいなら…ま、一瞬だべ!」

「いや、怠けてたし負けず劣らずってのはっぷ!?」

トランクスの脇腹を強くつついて黙らせた。とにかく強いから任せてほしいという理由付けだから余計な事は言わなくていいのだ。いい事だけ言うのだ。多少の話の盛りは知らない相手がどうこうできることではないのだから。

まだ不安そうだったので、最後にひとつ言っておいた。

「物は試しっちゅうべ。もし失敗なんてしたら…全責任はおらが持つ。大丈夫、失敗したとしても腕や髭はもぐべ」

そういうとようやく頷いてくれたのでホッとして笑った。

 

 

 

 

「いや、あんな?家に集まってた人が引っ張り出してた花嫁衣装を見せてもらったまではいいけどなんでそうなっただ?いってみお兄さん、うん?」

トランクスと両手を握り、押し合いをする。

経緯はこうだ。

老人が出してきていた花嫁衣装をみてトランクスが着替え部屋へ悟空と自分と共に入ったかと思うとなんと自分に着せようとしてきた。

理由を聞くと、「お前が髭を切ればって言って思い付いた。お前が変装して接近して、髭をお前の技のレーザーで一瞬で切り落とせばいいじゃないか」だという。冗談じゃない。

「巫山戯た事を…!あとレーザーじゃなくてSR砲だ!なんで花嫁衣装をおらが!?馬鹿でねぇか?!」

「お前が言ったんだ!全責任おらが持つってな!」

「失敗したらだ!!!」

「だとしてもお前があんなメンチ切ったんだからな!!」

「意味がわからねぇ!思いついたのはいいけど自分がやりたくないからそんなこといって!!」

暫くやっていると、悟空が提案した。

「決まんねえんなら運で決めればいいじゃねえか」

「運…?」

「ジャンケンだ!あれなら公平だろ」

「ああなるほど……!ようし、やろうぜ真剣勝負…」

「…運なら仕方ねぇべなあ…うっしゃいくべ…!!」

自分は思った。絶対、負けられない。

トランクスは確信した。絶対勝てる。

「じゃん!!」

トランクスが確信している理由はただ一つ。

今まで、悟白は。

「けん!!!」

ジャンケンで勝てた事など。

「ぽん!!!!」

 

ない。

 

 

 

 

 

惨敗である。

自分は、ブウのとき以来の…7歳から22までの、およそ15年以来のジャンケンだった為忘れていたのだ。

…自分がジャンケンに弱い事を。

「…」

「な、泣くなよ…悟白、な、今回だけだから、な?」

「似合ってんだし泣く事ねぇって。な。」

「悟空さん、追い討ちって言葉知ってますか?」

まずこの女の人が着るものを着てしまうことの背徳感と、男である自分が着こなせてしまったという羞恥心、負け戦をさせられたという悔しさが涙を次から次へと出させる。

「ぅっ…!だっ、て…!こんなの…っ」

罠にハメられていたことの悔しさがじわじわと後から押し寄せて来てトランクスを弱く叩いた。

 

トランクスは…自分が嫌だからといって弟分に無理強いをしたのだという罪悪感に襲われた。言いはしないが、可愛がっている弟分だ。それを自分でいじめたとあれば良心がザクザクと抉られていく。

「あ〜!!本当ごめんな!!ごめんな〜ごめん〜!!!」

耐え切れずに抱き締めた。

でもどうせトランクスが変わりたくないことは変わらないのでその分抱きしめる。

謝られてもそう思っていることは分かっているらしく、悟白はトランクスの脇腹を殴り続けた。

 

 

 

 

「あ…えっと、お待ちしておりました…」

女性達から指導されて言葉遣いを直されたりして、ズーナマの前。

超サイヤ人3の時とほぼ変わらないので超サイヤ人3を意識しているが…

「んん?どうしたマズ?涙声なきがするマズが…」

「あ、これはですね…昨晩泣いて喜んでいたのです…ズーナマ、さまの、花嫁にな、れる、と…」

反吐が出そうだ。すごく。

「そうかそうか!ようしよし、可愛いレーヌちゃん。もっと近くにおいで。その可愛い顔をもっと近くでみたいナマズ」

えっ、と思って思わず肩が震えた。

「ほうれどうした?早くこっちへおいでナマズ」

仕方なくほんの少しだけ前に出る。

顔は気にならないし大丈夫と言われたのだが、やはり…女性とは作りが違うのだ。演技はなんとか出来ているが、やはりもともとの容姿までは変えられない。

香る花々に顔をうずめ、隠す。

大丈夫、誤魔化せる。この言葉で全部説明できる!!

「俺の嫁さーん…何で隠す?」

「花嫁になれると喜んだはいいのですが…や、やっぱり、顔を見られるのはどうにも恥ずかしいのです。どうかこのままで…」

女性の仕草も教えて貰った。

もじもじして肩を窄めて、困った顔をして俯いていればなんとかなる。たぶんこんな感じでいい筈だ。

…後ろから悟空の「あいつうめぇことやってっけどほんとは女だったんかな」というなんとも失礼極まりない言葉が聴こえた。

……尊敬している父でも殴るぞ。

まあ、そんな事をする暇はない。

自分の考えた作戦はシンプルだ、それをやってしまえばもうあとはどうとでもなる。

まあ皆が予備で考えてくれている作戦もやっているが。

…ちょっとでも隙をみせたらそこでヒゲを切ってしまうのだ。

楽だ。スナイパーライフル砲の構えを両手でやってしまってズバン。これだけでこの村とレーヌは救われるのだから。

さあ、ヒゲの付け根を早く見せろ。

 

 

 

 

 

見せられてはいるのに上手くいかない。

抱き抱えられて運ばれた時にもチャンスはあって、両指を向けると「なんだマズ?空になにかあるマズ?」

と上を向かれたり。

…とにかく、見ていなくても花嫁には気が向いているらしくまったく隙がない。

…自分の作戦が適当過ぎたのがやはり悪かっただろう。

仕方ないのでみんなの作戦を取り入れて事前に渡されていた酒を飲ませることにするわけだが…

「レーヌちゃんは本当に可愛いマズね…」

「あ…ありがとうございます……」

ベールを取られ隣に座らされて見回されていて…こう…鳥肌が凄い。

「この艶々な髪も素敵マズね」

「あ」

乗せただけのカツラを撫でられた。

すると、手と一緒に取れた。

「………」

「……あ、の……」

「……お前、レーヌちゃんじゃないマズね、俺を騙したマズね!?」

「っ…しっかたないべな…!」

隙をついてズバン作戦は効かなくなってしまった。それに酔わせてチョキン作戦もだ。

…こうなったら今作った即席、実力行使作戦をするしかない。

そう思ってぐっと構えた。

 

 

 

なんでだ。

「ほらほら琥珀ちゃん、遠慮なく食べるマズ」

「あ…は、はい、」

確にカツラをかぶるのに邪魔で後ろ髪は縛った。それだけだ。

なのに何故だ。「そういうくせっ毛な子も好みマズ」となる。

偽名は悟白のごをこにしただけだ。「神秘的で素敵マズ!」と言われた。こにしただけだぞ、こに。このおなご腹筋割れてるぞ。いいのか。

まあ、レーヌだと思ったら琥珀とかいうくせっ毛のおなご()だったという出来事だけでもう注目の的のようなものだ。自分の作戦はもうこの際無しだ。

とにかく酒を飲ませる。

「えっと…あの村で丹精込めて作ったお酒をお持ちしましたので乾杯を…」

「俺は下戸だから飲めない。いらないマズ。」

「え、ええ……ぇと、でも…ズーナマ様の為に急いで作りまして…わ、わたしの想いをつめたお酒です…」

「え、琥珀ちゃんが?」

「はい…ですが、そうですか…想いを受け取って貰えないなら、もうあのマグマの中に投げ捨てるしかありません…!」

飲めない?飲ませるさ。精一杯の演技だ、受け取れズーナマ!!!

「おのれ!ズーナマ様を苦しめる想いと自分などこうして……!!」と、マグマのところまで行って飛び込もうとする。

「ま、待つマズ!!わかった、琥珀ちゃんの想いを受け取れんわけないマズよ…注いでくれマズ」

「!い、いいのですか?」

「琥珀ちゃんの為マズ」

 

 

 

 

 

 

酔った。寝た。勝った。

「はは…男だと気付かないおめぇもおめぇだべ…」

「おーい悟白ー!あれ?おまえそれ…」

「それより、上手くいっただよ。早くしねぇと起きるだ。」

「あ、そ、そうか!ドマさん!」

「は、はい!」

と、髭のことは任せて服を着替える。

縛っていた髪も解いた。

花嫁衣装は大事に畳んで袋に入れておいた。これで何とかなるだろう。

「うおわあああ!!」

「??」

準備を終えて振り返ると、ドマがおらず、ズーナマの髭が片方残ったままという変な見た目になっていた。

「あれ、もう片方は……」

『ギルル、切り損ね!』

「え」

「んん…?琥珀ちゃん、その格好は?」

起きてしまったらしいズーナマがそう言ってきた。

この際隠さなくてもいいだろう。

「これはいつもの格好だべ。それにいつまで勘違いしてっか知らねぇがおらは男だ。」

「な、男!?騙したマズな!?」

「あんなんでわかんねぇ方が悪ぃべ!」

「こうなったら火山を噴火させてやるマズ!!そうれブールブルブルぶ…??ああ!?片方ない!!なんてことを…!いや、このさい片方だけでもやってやるマズ!そら!ブルブルブル!!!」

すると、たちまち地震が起こった。

 

 

 

だが、ズーナマがまだ踊っているのに地震が止んだ。

はて、片方なくなったからやはり力がさっきのでなくなったのだろうか。

「あ!わかったぞ!あいつほんとは地震起こせねぇんじゃねぇか?」

「え?」

「自分が起こせてるように見せてる…とかいうんか?起こせるフリ…じゃねえか?」

「…あ!そういうことか!じゃあもともと起きてる地震に合わせて髭振るってただけか…」

「そういう事だか…なあんだ。ズーナマ、そろそろその踊りやめるべ、地震止まってるだぞ」

「ブルブル……ブル…???え、」

「種なら明かされたから、地震起こしてる振りはもういいべ」

「え…バレちゃったの?」

「バレバレ」

「〜…」

「なんだべ、まだなんかやるだか?」

ドンと構えて圧をかける。すぐよこでギルが真似している。

「ご……ごめんよー!!!イタズラのつもりだったナマズ!!うわあああああん!!!」

「イタズラでフィアンセ取られてたまるかよ」

やれやれと首を振ると、横でまたギルが真似した。

全く…

 

 

 

 

 

その後起きた出来事を今簡潔にまとめる。

ズーナマの片方の髭が勝手に震えて大きな地震が襲った。

すると火山も爆発し、村がピンチになりかける。

悟空と自分がかめはめ波を山へ放つと山が元から無かったように煙だけ残して消えた。

だがそれは火山という危険が近くから消えたということで何も無し。

そしてドラゴンボールも貰って一件落着。

みんなの見送りを受け、ズーナマは地震予知を見込まれ村にいてもいい事に。

さて帰ろうという時にトランクスの手からドラゴンボールが浮き、飛んでいき、それが変なやつの手に収まって持ち去られた。

以上だ。

 

 

 

 

「トラ兄さ!!急ぐだ、逃がすべ!!」

これだけ端折ったのには理由がある。

最後のやつだ。これのせいだ。

皆とのちゃんとした別れも簡単に済ませていそいで宇宙船に戻ってトランクスを急かす。ベルトもしたしこっちはいつでもいいのだ。

『ギル』

「ギルゆっくりするでねぇ!ほれ、こい!」

『ギルル』

ゆっくり入ってきたギルが定位置に着くまで間に合わないことが分かったのですぐ後ろにいたギルを捕まえておく。

「発進!!」

急いだので圧が凄いが、これも仕方ない。

 

…一体誰なんだ、自分達以外にドラゴンボールを集めようとしているのは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやあ、これでまだドラゴンボール1個しか集まってないんですから長いですよね。展開瞬間移動を習得しているので飛ばしたいところです。(飛ばせそうなところは教えて欲しいですね…)

閲覧ありがとうございました!

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