視点はいろはす。
主な登場人物は理性の化け物とあざとい後輩である。

1 / 1
久しぶりに俺ガイルSS投稿です!


年上の彼はいつも

私は一色いろは。元総武校の生徒会長であり現在は3年生なので引退済みである。サッカー部のマネージャーでもあったがそれは3年生になる前に辞めてしまっていた。理由は簡単、葉山先輩を好きではなくなってしまっていたからだ。それもこれも全部あの腐った目をしたダメダメな、でも頼りがいのある"先輩"のせいなんだけど……

 

 

 

───

 

──────

 

──────────

今私は"たまたま"サイゼに入って行くのを見かけた。こっそりと先輩のあとをついて行ってみる。

 

「せーんぱいっ!こんにちわでーす!」

 

「あ?なんだ一色か」

 

「なんですかそれ感じ悪ーい!」

 

「あーすまんなー」

 

「全く心こもってないんですがそれは……」

 

「まぁまぁ、んでお前何か用事でもあんの?」

 

「あ、そうですよそれそれ!今から何処か出かけませんか?」

 

「却下」

 

「えぇ〜なんでですか〜!こんなに可愛い後輩が遊びに誘ってあげてるのに!!」

 

「あーあざといあざとい。てかお前受験生だろ?勉強とか大丈夫なのか?」

 

「多分大丈夫でーすよー」

 

「おいそれ本当に大丈夫なのか……」

 

「そんなことより遊び行ってくれますよね?」

 

「だからいかn」

 

「よね?」

 

「いかn」

 

「ね?」

 

「……はい」

 

「よぉし!何処行きましょうか!」

 

「決めてねぇのかよ……」

 

「先輩もう大学生だし暇そうだしいいお店とか知ってるんじゃないんですか?」

 

「大学生だって大変だぞ……んまぁ高校よりは暇だけど……」

 

「それでそれで?知ってます?」

 

「まぁ出掛けることも多くなったから前よりは知ってると思うぞ」

 

「前2人で行った時は悲惨でしたもんね……女子をラーメン屋に連れていくなんて……」

 

「でも美味かっただろ?ラーメン」

 

「……悔しながら……美味しかったです……それ以外はほぼオワってましたけどね」

 

「過ぎたことだしいいじゃねぇか……今からまた新しいとこ行くんだし前の記憶を上塗りしておいてくれ」

 

「仕方ないですねーいいですよー」

 

「助かる」

 

(まぁでも前は前で私の良き思い出なのでそんなことしませんけどね……♪)

 

「それじゃ行くか」

 

「どこ行くんですか?」

 

「それ言っちゃうと楽しみなくなるだろ?」

 

「昔の先輩ならさらっと言いそうなのに……変わりましたね先輩」

 

「そりゃ変わるだろ。変わらない方がおかしい」

 

「そういうものなんですか?」

 

「そういうものだ」

 

「外見は変わってませんけどね…ボソッ」

 

「なんか言ったか?」

 

「いえ!何も言ってませんよ!」

 

「そうか?ならいいんだが」

 

「それより早く行きましょーよー!時間が勿体ないです!」

 

「そうだな、んじゃ行くか」

 

「レッツゴー!」

 

 

 

 

────

 

───────

 

───────────

 

 

 

数十分後…

 

「先輩」

 

「ん?」

 

「マジで言ってます?」

 

「大マジだ」

 

「まさかあの先輩が……ここに連れてくるなんて……」

 

「来たくなかったか?」

 

「いえ、そういう訳じゃないんですけどね……」

 

「んじゃ入るぞ」

 

「あ、待って下さーい!」

 

(まさかあの先輩が"遊園地"に連れてくるなんて……おかしい……絶対におかしい……!!)

 

「一色は何に乗りたいとかあるか?」

 

「んー、観覧車……とか?」

 

「……それはまだ早くないか?」

 

「それもそうですね〜……それじゃあ無難にジェットコースター行きましょー!」

 

「無難なのだろうか……」

 

「ほら先輩!早く!」

 

「おい、ちょっ、待てって!」

 

 

 

 

 

 

 

「それではセーフティバーの方下ろさせて頂きますね!」

 

ウィーン ガチャンッ

 

「ではいってらっしゃい!!」

 

「先輩!動きましたよ!」

 

「見れば分かる」

 

「ワクワクしますね!」

 

「そ、そうか?」

 

「キャーーー!!」

 

「ンウォォォォォォ!?!?」

 

ジェットコースターを降りて

 

「先輩先輩!楽しかったですね!」

 

「き、気持ち悪い……」

 

「大丈夫ですkって先輩……!!」

 

「や、ヤバイかも……おrr」

 

「だ、出さないで下さい!トイレ連れて行きますから我慢して!!」

 

「喉まで迫っt…おrrr」

 

「た、耐えて下さい!!」

 

 

 

 

 

 

 

10分後

 

 

 

 

 

「その……すまんかったな……」

 

「いえ……無理に乗った私が悪いんですし……」

 

「頼りないよなぁ俺……」

 

「そんなことないですよ!先輩は頼りがいありますよ!」

 

「そ、そうか?」

 

「はい!」

 

「慰めてくれてサンキューな」

 

「いえいえ」

 

「一色も変わったよな」

 

「え?どこがですか?」

 

「ん、なんていうかあまり俺を罵倒しなくなったところとか?」

 

「私あまり罵倒した覚えないですけどね……」

 

「自覚のない罵倒ほど辛いものはないぞ……」

 

「いやいや本当にないですって!」

 

「まぁ雪ノ下よりはマシだわな」

 

「むぅ……女の子との会話で他の子の名前出すのはNGだって教えたじゃないですか〜!」

 

「あ、すまんすまん油断していた」

 

「ソフトクリーム食べたいな〜?」

 

「お詫びに献上させて頂きます……」

 

「よろしいっ!」

 

 

 

 

「バニラとチョコで520円になります!」

 

「うっす」チャリン

 

「ありがとうございましたー!」

 

「お前はどっち食いたい?」

 

「んー、チョコがいいです!」

 

「……ジャンケンで決めよう」

 

「そこは譲るべきだと思いますよー!?」

 

「そんなの知らん。文句あるならどっちも食うぞ」

 

「わ、分かりましたジャンケンしましょう!」

 

ジャンケンポイッ

 

「負けちゃいました……」

 

「う……」

 

「はぁ……」

 

「……冗談だよチョコやるよ」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「おう」

 

「ありがとうございまーす!」

 

「んじゃ食うか」

 

「はいっ!」

 

 

 

ペロペロタイム

 

 

「美味しいですね〜」

 

「おう」

 

「私の……一口……いります?」

 

「な、な、何言い出すんだ急に//」

 

「べ、別にいらないならあげません//」

 

「食べても……いいのか?」

 

「……はい」

 

「その……気にしたりとかしないのか?」

 

「そうやって言われると意識しちゃうので言って欲しくなかったのが本音です……」

 

「配慮に欠けたな……すまん」

 

「別にいいです。はい、どうぞ」

 

「お、おう」

 

(やばいやばいやばいやばい恥ずかし過ぎるぅぅぅ!!)

 

「じゃ、じゃあ食うぞ?」

 

「い、言わないで下さい!」

 

ペロッ

 

(舐めた……先輩が私の食べかけのを……舐めた……///)

 

「う、美味いなチョコ//」

 

「せ、先輩のバニラも食べさせて下さい//」

 

「ほらよ」

 

(これが先輩のバニラ……食べかけの……バニラ……)

 

ペロッ

 

「ば、バニラも案外いけますね!」

 

「だ、だろ?」

 

「なんかこういうの新鮮です……」

 

「そうか……」

 

(何言ってるの私……もっと話したいのに上手く繋げられない……)

 

「一色」

 

「ひゃいっ!?」

 

「次、何乗る?」

 

「そ、そろそろ観覧車とか……」

 

「お前観覧車好きだな……」

 

「はい!早く乗りましょう!」

 

「まぁそう急ぐな……」

 

 

 

ゴユックリオタノシミクダサイ

 

 

 

「上がり始めましたね……」

 

「そうだな」

 

「わっ、もうこんなに高くなってる!」

 

「海見えるんじゃないか?」

 

「本当だ!私の家見えるかな?」

 

「さぁな」

 

「もうすぐてっぺんですよ!」

 

ガタンッ

 

「ん?」

 

「あれ?止まった?」

 

ピンポンパンポーン

 

『ただいまシステムの故障により緊急停止しました。復旧までもう暫くお待ち下さい』

 

「故障か」

 

「ちょっと怖いですね……」

 

「大丈夫か?」

 

「はい……」

 

(今私と先輩は向かい合って座っている。先輩は観覧車が停止してから携帯を見ている)

 

「まだかなぁ」

 

「まだ怖いのか?」

 

「ちょっとだけ……」

 

「隣……来るか?」

 

「えっ」

 

「い、嫌なら別にいいが……」

 

サッ!!

 

「先輩……」

 

「なんだ?」

 

「もしですよ?このまま動かなかったらどうします?」

 

「そんなことは起きないだろ」

 

「だからもしですよもし!」

 

「んー、俺はジッとしといて助けを待つかな」

 

「先輩らしいですねクスクス」

 

「そうか?」

 

「はいっ」

 

「なら一色はどうなんだ?」

 

「私ですか?私は……うーん、先輩と同じかな?」

 

「同じなのかよ……」

 

「同じですねクスクス」

 

ピンポンパンポーン

 

『システム復旧が完了しました。観覧車が動き出しますのでご注意ください』

 

「おっ、動くみたいだな」

 

「良かったです!」

 

止まっていた時間が動き出すように、観覧車はゆっくり回り始めた。先輩は窓の外を儚げに見ている。私は先輩のそういう顔が好きなのかもしれない。だからついつい見てしまっていたりする。

 

「先輩」

 

「ん?」

 

「雪ノ下先輩や由比ヶ浜先輩とは今どうなんですか?」

 

「どうって言われてもな……特に何も無いぞ?」

 

「そうですか……」

 

そこで私は決意を固める。彼女らは先輩を想っている。しかしそれを行動に起こさなかった。それが今の現状なのだから。私は逃げない。この想いを彼に、先輩に伝えるんだ。振られちゃってもいい。想いを伝えることこそが大切なのだから。

 

「先輩!」

 

「ど、どうした?」

 

「ずっと……ずっと言おうと思ってた事があるんです」

 

「なんだ?」

 

「私……先輩には助けてもらってばっかりで……特に生徒会の事とかで助けてもらって……最初はただの面倒臭い先輩だとしか思っていませんでした……」

 

「面倒臭い先輩……」

 

「でも!それからは違います!一緒に色んなことをするうちに変わり始めたんです!」

 

「おう」

 

「だから……その……私……」

 

「な、なんだ?」

 

「先輩の……こと……」

 

「……」

 

「好き!です……」

 

「……」

 

「……」

 

「ありがとな」

 

「へっ?」

 

「いや、その、お前の気持ち……素直に嬉しい……」

 

「返事は……?」

 

「お前と同じ……だな」

 

「同じ……え!?先輩も!?」

 

「おう//」

 

(先輩と両想い!?!?嬉しい……嬉し過ぎる!!)

 

「その、なんだ。これからよろしくな。一色」

 

「いろは」

 

「え?」

 

「一色じゃなくて、いろは」

 

「よろしくな。いろは」

 

「キュンッ」

 

「よろしくです!先輩!」

 

「お前は先輩なのか……」

 

「先輩は先輩なので!」

 

「そうか」

 

「はいっ!」

 

 

 

────

 

───────

 

──────────

 

 

 

帰り道にて

 

「あ、そういえば先輩!」

 

「なんだ?」

 

「まだちゃんと聞いてませんよ!」

 

「何を?返事ならしただろ?」

 

「私は好きって言いましたけど先輩からは聞いてません!」

 

「……言わなくちゃダメなの?」

 

「ダメです〜!」

 

「はぁ……」

 

「好きだ、いろは」

 

「私もです!先輩っ!」

 

 

 



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。