異世界に勇者としてTS転生させられたから常識通りに解決していくと、混沌化していくのは何故なのでしょうか?   作:ひきがやもとまち

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前回は半端なのを出してしまってゴメンナサイでした。
実は今話はいくつか候補があって、どれにでも対応できるようにと前話を出したのですが無駄になってしまったなと後悔してます。

今回の話には作者の大好きな「空の境界」ネタをパロってギャグとして使われてます。
サブタイトルが無い作品なので書いてませんが、もし付けるとしたら「空の教会で」にしてました。そんな感じの回です。

前回とはなんの脈絡もない展開ですが、お楽しいいただける事を祈っております。


第9章

 墓地でのお化け退治。

 古くはドラゴンクエストⅤのレヌール城で、将来のお嫁さんでもあるビアンカさんとの初作業。

 新しい上に異色すぎますけど、オバロに出てくるワーカーチーム『フォーサイト』によるナザリック調査も類似系ではあるのでしょう、一応は。・・・全滅しますけどね。

 

 別にそう言うルールがあるわけでもないのですが、どう言うわけかお化け退治はファンタジーにおけるお約束要素の一つであり、多くの場合において重要イベントの発生場所だったりします。

 

 ーー例えば、人を救いたいと切望したのに現実に裏切られて絶望し、人類絶命計画練り初めて偽りの生命体生み出して、

 

「お前の命は偽物だ。私が与えてやっただけなのだ。お前に価値はない。でも、私が何したいのかは自分でも覚えていない。私には望みなど無いのだ」

 

 とか、どっかの荒耶なオッサンみたいなこと言い出したりするんですよね。隠し階段を降りていった先にあるダンジョンを踏破した最奥部とかで。

 

 いきなり何の脈絡もなくてゴメンナサイ。なんで私が今更になってこんなこと言いだしてるのかと言うとーー現に目の前で起きてちゃってるからですよ! そんな格好いいけど矛盾しかしてない台詞の応酬が!!

 

 

 

「お、俺が今まで俺だと思っていた自分は偽物だったのか・・・?」

「違う! ロバーデーク! お前はお前だ!俺の知ってるロバーデークはお前だけだ!

 他の誰でもない! お前こそが世界で唯一人のロバーデークなんだ!」

『くっくっく・・・。無駄なことだ、限りある命しか持たぬ者たちよ。お前たちは決して死の恐怖からは逃げられない。

 自らの命が残りわずかで、与えられた物でしかなかったと知らされた苦悩は理解できない・・・』

 

 

 様々な時代、様々な国の聖人たちと思しき方々が殺し合い、助け合い、最後には天に召される構図を描いたらしいステンドグラス。

 一番奥の大机には巨大な空っぽの杯が鎮座し、神を称えて罵る文言が書かれた呪符(っぽい何かです)がベタベタと張り付けられまくり、止めとしては天井に浮かぶ黒い穴・・・って、あれ? この教会もどきな場所ってもしかして型つーーおっと、失言失言。言っちゃいけない言葉でしたね。忘れてください。

 

 

「セレニアさんセレニアさん! 見てくださいよ、あれ!

 すっごく正統派ファンタジーしてます! 私たちも参戦しましょう!

 今こそ異世界転生勇者セレニアの大冒険を始める時なのです!」

「レベル3でサバイバルナイフ装備した職業『指揮官』の勇者が参戦しても大丈夫な状況なんですかね? めっちゃくちゃ場違いすぎる気がしますけど?」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・だから最初に聖剣渡してあげたのにーーっ!!」

「だから最初に重くて持てないと言ったじゃないですか」

「職業補正は!?」

「指揮する兵のいない指揮官に、どれほどの補正が入ると思ったんですか?」

「軍隊なんて大っ嫌いだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「同感です。珍しく気が合いましたね女神様」

 

 テンションが違いすぎる前線と後方。ある意味では現実的な戦争の構図ですよね。善し悪しはまったく別の話ですけども。

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

 

 そして私たちと同じく前線のテンションに付いていけてない、他のレイドパーティーメンバー冒険者の皆様方。

 空気読めない人たちと思われるかもしれませんが、彼らの気分も察してあげて下さい。

 

 なにしろ大部分のレイスを退治し終えて昼ご飯食べてる最中に隠し階段見つかって、「この奥にもいたら倒し尽くさないと報酬もらえないんじゃね?」と言う結論に達して降りていったらダンジョンあって、依頼通りに退治しながら先へ先へと進んでいくうちに大きな部屋に出て、魔法陣敷いてある中央に変なお爺さんが立っていて意味不明な呪文を唱えてて、いきなりレイドメンバーの一人が「お、お前はまさか!」とか言い出したと思ったら「うっ! ・・・ここは? 俺はいったい何を・・・う、うわぁぁっ!?」「どうしたんだ!? ロバーデーク!」『ふっふっふ・・・時は来た。我が元へ帰れプロト1』だのと部外者には訳わかんない事この上ないやりとりをはじめられてしまったんですからねぇ~。普通であれば誰でも同じ反応を返すでしょうよ。

 

 

「将来的に世界の運命を左右することになる選ばれし者が運命に立ち向かう最初の切っ掛けに偶然一般人が居合わせちゃうと、こんな反応返しますよね普通。彼らは悪くないです、正しいです」

「・・・あ、あのー・・・セレニアさん? 今さっき思い出させたばかりなんですけど、あなたも歴とした選ばれし者ですからね? 実在する女神様に」

「そんな戯言、この場の誰が信じると?」

「言い切った!言い切りやがりましたよこの人!薄々気が付いてましたけど、この人の自己評価の低さ半端ない!パナすぎます!

 まだ若いんですから、もう少し夢を見ましょうよセレニアさん!」

「夢とか希望とか、形がなくて見ることも出来ない代物を魅力として上げてるあたり、案外勇者ってブラックなご職業だなと以前より私は思っておりまして」

「夢が無いにも程があるわぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 叫ぶ女神様ですが、私的には「そうかなぁ?」と首を傾げてしまいます。

 夢とは、目標を達成して幸せになった自分の理想像のことなんでしょう? だったら諦めずに前へと進むための起爆剤として私のも十分機能してると自分では絶賛しているのですが・・・。

 

 

 

「エリヤ! 貴様いったい何が狙いだ! 何のためにロバーデークを操って、俺をこんな場所まで連れてこさせた!」

『私に願いなど無い。何もない。ただ私は知りたいのだ。人類は生きるに値する生物なのかという問いの答えを。この世の真理、その全てを私は知り得たいのだよ』

「その為にロバーデークを騙し、利用したというのか!?」

『違う。騙したのではない。ソレには初めから意志など無い。私がこの儀式を成功させるために適当な女の腹から取り出した子宮に自身の精子を受精させ、貴様をこの場所へ連れてくる様に、貴様を頼って貴様に信頼されるように貴様に都合の言い存在と成れるよう調整し、強制し、人格を構築させたのだ。

 ソレの役割は生まれたときより貴様をここに連れてくることのみ。然るにソレは、役割を果たしただけであり、貴様を裏切ったわけでは決してない。

 初めから仲間を陥れるためにパーティーに加入するメンバーを仲間などとは表現しないだろう?』

「・・・人の意志と魂をもてあそびやがって・・・っ!」

『人ではない。人形だ。自然に生まれておらず、仮初めの肉体に魂を入れただけの代物に人間という言葉は適切ではない。本物の生者には成り得ない、偽りの命に人と呼ばれる価値など存在しないのだ。

 生と死を乗り越え、生きていないが故に死ぬこともない超越者となった我が造ってやっただけの人形に感情移入するは大人げなーー』

 

 

 

「あー・・・、すいませんが見苦しいだけなんで、そろそろ終わらせて頂いても宜しいでしょうか? いい加減、茶番劇は見飽きてしまったものですから」

 

 

『「・・・・・・・・・・・・・・・」』

 

 

 

 ーーいつものように空気読めてない発言なんだろうなーと自分でも思いつつ、私は暇潰しにやってた○×ゲームにも飽きてしまって声をかけさせて頂きました。

 遠回しで中身のない空っぽの内容の、出来損ないな空の境界もどきはウンザリでしたからね。

 特に、あの作品のファンである私には見過ごすことは出来ません。

 

 本物ではないから価値のない偽物さんに、殺されることで私たちに報酬を与えられるボスモンスターとしての価値を付与して差し上げると致しましょう。

 

 

『・・・人間の娘よ。これは私と聖騎士との話し合いだ。人類の未来を決める聖騎士と私の戦いだ。人類が生きるべき存在か、死すべき存在なのかを裁定するための神聖な場にお前たちは相応しくない。早々に立ち去るかさもなくばーー』

「少女よ。エリヤの言うとおりだ。ここは私に任せて君たちは王都へ救援をーー」

「知りませんよ貴方たちの都合なんか。除け者にされた以上は好きにするだけです。

 あなた方はそのまま自分たちだけで雰囲気つくって勝手に盛り上がっててくれて構いませんので、どうぞご自由に。私は私の都合で貴方たちの話に割って入って手前勝手な理屈を囀るだけです。

 取るに足らない人間の理屈と見下すなら、それで結構。雑音として聞き流しながら今まで通りに青臭くて素人臭い厨二会話を継続してて下さいな」

『「・・・・・・・・・・・・」』

 

 ーーおや? どちらからも攻撃されない。おかしいですね、殴られるどころか即死攻撃も覚悟してたのですが・・・・・・これはもしかしなくてもアレですか? 主人公の主張を最後まで聞いてから否定し、互いの覚悟が決まってから戦闘を開始するというお約束の展開。実に礼儀正しくてお行儀のよい、自称人類の裁定者さんですねぇ。

 ・・・ああ、だから教会なのか。元は聖人の類で、現実知って外道に落ちてから魔術師になった人か。ありふれてて詰まりませんね。

 先ほど存在を否定されたことですし、折角なので否定させてもらいます。

 

 

「第一にお聞きしたいのですが・・・あなた確か最初の件で言ってましたよね?『私に願いなど無い。何もない』。そしてその後、ろ、ロバさん?だかなんだかいう名前の人を『ソレには初めから意志など無い』と言い、『仮初めの肉体に魂を入れただけの代物』と評してましたが・・・これってどう違うんです? 私には、まるきり同じ物としか思えないんですけども」

『・・・・・・・・・』

「それに願いがないなら今行ってるソレはなんですか? 犠牲を必要とする魔術儀式を行いながら自分の願いではないと? では誰ですか、ソレをやりたかった『本物』さんは。

 本物のやりたかったことを勝手にやってる『偽物』さんの暴挙についてご報告したいと思いますので、良ければ連絡先を教えて下さい。他人の遺産を無断使用した売名行為は感心しません」

『・・・・・・・・・』

「あと、『生と死を乗り越え、生きていないが故に死ぬこともない』って、要するにゾンビでしょ?

 生きる屍、半死人、生に執着して成仏できない出来損ない。なんでも宜しいが今では生きてないゾンビ風情が偉そうに生命を批評しないで下さい。吐き気がします。

 あなたと比べればまだしも、残り短い命と知らされて藻掻き苦しんでるロバさんの方が人間らしくて生命力に満ち溢れてますよ」

『・・・・・・・・・』

「それと最後になりましたが、『適当な女の腹から取り出した子宮に自身の精子を受精させた』って、これ普通に生命誕生のプロセスですよね? 場所が母胎の中にある子宮か、試験管の中に薬品付けで保存されてる子宮か違うだけで。

 生まれ落ちてきた彼には何の関係もない理由で人間以下扱いするのは辞めて上げてもらえません? ダンジョンの地下に引き籠もって自分を裏切った人類見下してるオッサンが社会人の息子にそれやると、見苦しさしか感じられないんで」

『・・・・・・・・・』

「・・・・・・あ、そうだ。確かあなた『この世の真理をすべて知り得たい』って言ってましたよね?

 これはあくまで私の私見にすぎないのですが・・・『どうせ自分が受け入れられない真理は真理と認められないんでしょうから、とっとと自分で納得できる理屈を捏ねくり出して勝手に納得してしまいなさい』です。

 勝手に信じて、勝手に裏切られたと解釈して引き籠もったあげく、勝手に人類の価値を決めつけたがる人生の負け犬は頭の中お花畑のままでいた方が幸せに過ごせますよ?

 現実の嫌な部分を見たくない、自分が綺麗と感じて見たいと思った部分だけ見ていたいと願ってるお子様には、此処が一番綺麗で理想的な『あなたの愛する人間像を妄想できる』場所なのではと愚考する次第です」

 

 

 

 ヒュルルルルッ!!!!

 

 バシィッン!!!

 

 

 

「危ないですねぇ。うちの勇者様に不意打ちなんて止めて下さいよ、50ポイントのダメージ受けただけで死んじゃうんですから。

 弱っちいんです、この人でなし勇者様は。スライムにだって殺されかねない雑魚を、この私が無防備のまま放置しておくはずないじゃないですか?」

 

 目前まで迫ってきていた触手っぽいナニカによる攻撃を、突如現れた女神様の右手が掴んで止めてしまいました。お陰で私はノーダメージです。

 

 余談ですが今の攻撃命中してたら、私は間違いなく殺されてましたね。即死です。苦しむ余裕も死を実感している暇すら与えられなかったことでしょう。だからこそ動かなかったわけでもありますが。

 避けても、返す一撃で死ぬ。防いでも、防御突破されて死ぬ。頭使ってる時間的余裕もなし。

 死ぬ死ぬ尽くしでなぁんにも出来ませんでしたし、じゃあ別にいっかと思っての行動だったのですが・・・・・・今日は女神様に優しくして上げようと心に誓った命の危機でしたねぇ。

 

「お世話になります女神様。帰ったら味噌カツ定食は私が奢らせて頂きますね」

「マジですか!? よーし、それじゃあ私、もっともっと頑張っちゃいます!

 敵・即・殴! それが私の正義である女神道!

 理想を夢見ながら撲死しろぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

『ぐふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?

 ば、バカな!? どうして死すらも超越してリッチとなった私に人間ごときの攻撃が・・・?

 ま、まさか貴様は天界より舞い降りた神のし・・・・・・ごふぅっ!!??』

「うぅぅぅるさぁぁぁぁっい!! あなたから貰う物は何もありませんし要りません!

 私が欲しい物は唯一つ! 味噌カツ定食!ただそれだけだぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

『えええええぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??

 そ、そんな下らない理由で我負けちゃうの!? めっちゃ嫌なんですけど!!』

「敵の都合なんか知らぁぁぁぁぁぁぁぁぁっん!!

 私の食べる味噌カツ定食のためにもあなたは死ね! 生きていることを認めない! 生きている価値を認めない!

 ただただ私に味噌カツ定食を食べさせるためだけに殺されろぉぉぉぉぉっ!!!」

『嫌すぎるぅぅぅぅぅぅっ!!!!

 せ、戦争は何も生み出さない! ただ痛くて苦しいだけ! だから武器を捨てて共に手を取り合って歌をうたーー』

「私の拳が光って以下略!

 ヒイィィィィィット・エェェェェェェェェッンド!!」

『ぐおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!

 救済の念が光と共に拳で握りつぶされるぅぅぅぅぅっ!!??

 神は、神は、神は・・・人を救うべき神は遙かな昔に死んでいたぁぁぁぁっ!!!!』

「此処からもあの世からも世界の全てから未来永劫いなくなれぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

 

 

 

 ジュワァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!

 

 

 

 

 ーー魔術師っぽい感じの・・・エミヤさん? だかなんだか言う人が消え去ってしまったので、私は本来の仕事に戻ろうと思います。

 

「さて、皆さん。私の仲間が単独で事件を解決してしまいましたが・・・宜しかったのですか?」

『え?』

「依頼内容には倒した『モンスターのドロップアイテムは原則として倒した人の物。怪我をした人は危険手当が適用されますが、戦闘における報酬はパーティー毎に分配されて、その額は功績と戦闘回数に比例する』と書いてありました。

 はじめからランク毎に条件が異なる依頼ですから、提示されて契約書にサインした内容以上の物を得られる権利は今の戦闘に参加した彼女と、一応攻撃が当たりかかった私だけにあります。

 このままだとリッチ討伐の功績が、私たちに独占されちゃいますけれど?」

『!!!!!!!!』

「改めて見回してみるとこの教会もどき、結構いろんなアイテムが置かれてますねぇ。魔術師系職業ではないから分かりかねますが、希少と言われるマジックアイテムも隠されてる可能性だって無きにしも非ず?」

『・・・・・・・・・』

「ちなみに陵墓内に設置されている置物などは王家の所有物ですから持ち出し禁止ですが・・・それは王家直轄の陵墓管理局が把握している物だけに限られてまして。

 記録にない余計なお宝が見つかったりすると利権が絡んで要らぬトラブルが宮中に・・・」

『奪え! すべてを奪い尽くすのだ! 錫杖だろうと王冠だろうと遠慮はするな躊躇うな! 管理官の爺さんが来る前に奪い尽くせば後でなんとでも誤魔化せる!

 王の墓から盗掘するのは俺たち冒険者のライフワーク!

 この一件に関する限り、王家よりも役人よりも国家の保有している治安維持機関よりも俺たちの方が伝統も権威もあるってことを思い知らせてやれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!』

 

 

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 轟く雪崩となって押し寄せる略奪者の群れ、冒険者。現実なんてこんなものです。

 

「ふぅ、良かった助かりましたよ。

 これで私たちだけが独断で許可されてない戦闘開始したと怒られて、報酬なしなんて事態は避けられそうです」

 

 ほっと安堵の吐息をつく私の隣で、すっかり忘れ去られてた聖騎士さん?だかなんだかが青ざめた表情で震えながら私に問いを寄越してこられました。

 

「君は・・・・・・いったい何故エリヤと戦い倒したんだ・・・?」

 

 ・・・えりや? ーーああ、そう言えば魔術師っぽいナニカさんはそんな本名でしたね。忘れてましたよ。

 どうせ直ぐに忘れちゃうんでしょうけど、今だけでも正しい名前で思い出せたのは幸いでした。

 序盤で倒したボスモンスターの扱いなんてそんなものです。一部のネタに使えるのだけが例外で、他のは中盤以降に雑魚としてポップしたりしますから。覚えておくだけ損ですよ損。一方的な大損です。

 

「仕事です。

 受注したクエストの最中に立ちはだかる敵モンスターを倒すのは冒険者にとって立派なお仕事です。受けた仕事をキチンとこなすのは社会人として当然の義務です。それは勇者であろうと冒険者であろうと軍人であろうとも変わりません。

 敵を殺してお金を稼ぎ、生活に使って社会に還元する冒険者という職業に特別な使命なんて求めないで下さい。私たちはただただ・・・お金が欲しくて敵を殺してるんですよ?」

 

 陰惨な内容になってしまったので出来る限り明るい声で言ってのけるよう努力してみたのですが、何故かドン引きされて逃げだされました。謎です。

 

 やっぱりファンタジー世界は不思議がいっぱいだぁ~。

 

つづく


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