一夏から離れた秋十は今。
「ヤバい…整備室どこだ…?」
絶賛道に迷っていた。学園内の地図を確認しても分かりにくく未だに整備室へたどり着いていないのだ。
「これじゃあ航さんに迷惑かかっちゃうよ…。あ、携帯!って充電してなかった…。」
秋十が途方に暮れていると前の方に誰かの影が見え声をかける。
「あの、すみません!整備室ってどこに行けばいいんですか?」
しかし影は答えず心なしか二人三人と増えていく。
「あれ?疲れてるのかな?」
突然影はこちらに向かい右手に持った刀を振りかざしてきた。
「うわぁ!いきなり何を…っ!」
とっさにかわした秋十は影の正体に驚きのあまり声を失った。影の正体は忍者のような外見をしていたのだ。
「…忍者?あ、ちょっと待って!」
秋十は何かに操られるかのように眼鏡を外しポケットにしまうと、まるで人が変わったかのように好戦的な顔になる。
「おもしれぇ。全員ぶっ潰してやるよ!」
秋十の言葉をきっかけに忍者集団は秋十に攻撃するが、1体目の攻撃をかわし、2体目に右ストレートを喰らわせ、怯んだ隙に刀を奪い柄の方で鳩尾を殴り気絶させる。すかさず刀で応戦し3体、4体と倒していく。すると秋十の攻撃を喰らった忍者が次々と爆発し、星屑となって消えた。
「ああ?こいつらもしかして人間じゃねーのか?」
試しに斬りかかって来た忍者の一人を奪った刀で突き刺すと先程と同じく爆発し、星屑となって消えた。
「やっぱりか。だったら遠慮は要らねぇなぁ!」
その後も秋十は次々と忍者集団を倒し、一人も居なくなった。
「"俺"に挑もうなんざ、二万年はえーんだよ!…なんてな。」
秋十がふぅと息を吐いて眼鏡をかけようとすると、異様な気配を感じその方向を見ると、奥の方から皿を合わせた黒い巨大な頭部に2本の長い触角があり、カミキリムシを彷彿とさせる怪物が現れた。
「ほう。まさかダスタードを生身で倒すとは。」
「あ?見たことない星人だな?誰だ!」
「私はリブラ・ゾディアーツ。財団Xの為に、お前の力を頂くぞ!」
そう言いリブラ・ゾディアーツは羽織っていたローブを脱ぎ捨て手に持っていた杖《ディケ》で攻撃をしてくる。
「させるかよ!」
秋十はダスタードから奪った刀で応戦するが。
パキン
「折れたぁ!?」
ディケとぶつかり合った瞬間ポキリと折れてしまった。
「ふん!」
「グアッ!」
そしてそのままディケで腹を殴られ吹き飛ばされる。
「くそっ!」
秋十はポケットからあるものを取り出そうとするが左手でそれを止められる。
「離せ!このままやられてたまるか!」
「何を一人でやっている!」
「っ!」
《シルバースカッシュ!》
秋十にディケが当たる寸前、どこからか電子音が鳴り、銀色のリンゴがリブラ・ゾディアーツに当たり吹き飛ばす。
「何者だ!」
リブラ・ゾディアーツと秋十がリンゴの来た方を見るとそこには銀色の和風のスーツに青色のリンゴの鎧、頭部には豊臣秀吉の馬蘭後立付兜のような飾りの付いた戦士が居た。
「…仮面ライダー、冠(かむろ)。」
そう銀色の戦士は呟いた。
次回!仮面ライダー冠VSリブラ・ゾディアーツ!