【改正前】海外移住したら人外に好かれる件について   作:宮野花

4 / 113

※SCP関連の作品は本編〝海外移住したら人外に好かれる件について〟の主人公を〝もしもロボトミーコーポレーションではなくSCP財団で働いていたら〟もしくは〝SCPとして扱ったら〟という番外編扱いになります。
よって本編とは全く異なる設定であり、本編のストーリー、ストーリー進行には一切関係ございません。




【クローサー様からの頂きものについて】

※頂きました作品は本編を元にNFS様が独自に執筆して下さったもの、そして更にそれを元に宮野花が執筆したものであり、本編とは一切関係がありません。
即ちクローサー様のオリジナル作品、それを元とした合同でのオリジナル作品であり、本編のストーリー、またストーリー進行には一切関係ありません。
〝海外移住したら人外に好かれる件について〟とは別作品となりますので、ご了承ください。

※作者クローサー様御本人より掲載の許可、前書きのお目とおしをしていただいた上で掲載しております。


※作品は本編のネタバレを含みます。
その為本編を読んで頂いてから読むことをオススメいたします。





【頂き物:文章】
SCP::SCP-████-JP 紅一点 【クローサー様より】


 

[ファイルアクセス]

 

 

ユーザー認証コードを入力して下さい。

 

認証コード:

Unfair | Godswillnotsavepeopleifwewillsavethepeople

 

 

ユーザー情報認証中…

 

 

 

 

ユーザー情報認証完了、セキリュティレベル確認中…

 

 

 

 

セキリュティレベル適正、これよりSCP-████-JPファイルを開示します。

 

 

 

 

アイテム番号: SCP-████-JP

オブジェクトクラス:[Deleted]

特別収容プロトコル: [編集済] 

 

 

説明: SCP-████-JPは古来より受け継がれる日本の陰陽師の名家 [削除済] 家に生まれた[削除済]歳の次女でありますが、異常性を除けば一般人と変わりありません。

 

SCP-████-JPはSCP-████[罰鳥]の収容違反の際に発見されました。その際、[編集済]

 

SCP-████-JPの異常性は、 [編集済]

いつからSCP-████-JPが異常性を発現していたのかは分かっていません。

 

補遺1:[編集済]

 

 

 

SCP-████-JPに関するこれ以上の情報はセキュリティレベル3以上の所有者のみ開示されます。

 

 

 

 

[アクセス準備]

 

 

 

 

警告

貴方はセキュリティレベル3の機密ファイルにアクセスしようとしています。適正のユーザー情報及びセキリュティクリアランスを持たずにアクセスを試みた場合、即座に貴方は終了を含めた処罰の対象となります。

継続する場合は接続を再度試みて下さい。

 

 

 

 

[ファイルアクセス]

 

 

ユーザー認証コードを入力して下さい。

 

認証コード:

Unfair | Godswillnotsavepeopleifwewillsavethepeople

 

 

ユーザー情報認証中…

 

 

 

 

ユーザー情報認証完了、セキリュティレベル確認中…

 

 

 

 

セキュリティレベル適正、これよりSCP-████-JP:機密ファイルを開示します。

 

 

 

 

アイテム番号: SCP-████-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-████-JPは要注意団体「Lobotomy Corporation」が建設したサイト-█の一社員として雇用されています。監視員はSCP-████-JP及びLobotomy Corporation職員に気取られない様に常に監視し、不必要に他のSCPを刺激、接触させる事を可能な限り阻止して下さい。但し実験同行の際は、露見を防ぐ為に収容違反の発生時を除いて監視のみに留めて下さい。

SCP-████-JPに対する危害は禁止されています。違反した職員には然るべき形での即時終了を含めた重大な処罰を下します。

 

 

説明: SCP-████-JPは古来より受け継がれる日本の陰陽師の名家 [削除済] 家に生まれた[削除済]歳の次女でありますが、異常性を除けば一般人と変わりありません。

 

SCP-████-JPはSCP-████[罰鳥]の収容違反の際に発見されました。その際、SCP-████-JPはSCP-████[罰鳥]に直接接触しているにも関わらず無傷であった事、SCP-████[罰鳥]がSCP-████-JPから離れようとしなかった事などから、Lobotomy CorporationエージェントはSCP-████-JPに再収容の協力を持ちかけ、サイト-█に案内。その後、サイト-█管理AI アンジェラの説得によってLobotomy Corporationの一社員として雇用すると同時に、サイト-█に収容されました。現時点で、Lobotomy CorporationからSCP-████-JPを奪取する計画はありません。

 

SCP-████-JPの異常性は、他のSCPから無条件で好意を獲得する特異体質です。現時点でサイト-█に収容されている██体のSCPがSCP-████-JPの異常性に暴露されています。(以降はSCP-████-JP-2群と表記)

SCP-████-JPに接近、接触してSCP-████-JPに好意を寄せたSCP-████-JP-2群は、例え人類に敵対的であってもSCP-████-JPの指示には応えます。但しあらゆる指示に無条件で必ず応えるという訳ではありません。加えて移動可能なSCP-████-JP-2群が、SCP-████-JPに接触する為に収容違反を発生させてしまう可能性もあります。移動不可能である場合、SCP-████-JPに何らかの手段で接触出来る手段を持っているならば収容違反を起こす可能性があります。

尚、SCP-████-JPはSCP-████-JP-2群によってミーム汚染等を受ける事は無く、収容違反の際に危害を加えられる事は基本的にありません。

いつからSCP-████-JPが異常性を発現していたのかは分かっていません。

 

 

補遺1:SCP-████-JPは現在、サイト-█の職員達に非常に協力的である事が判明しています。

 

 

 

SCP-████-JPに関するこれ以上の情報はセキュリティレベル4以上の所有者のみ開示されます。

 

 

 

 

[アクセス準備]

 

 

 

 

警告

貴方はセキュリティレベル4の高度機密ファイルにアクセスしようとしています。

情報保全の為、ユーザー情報を認証後、アクセス開始と同時に貴方は5秒間致死性の認識災害に暴露される事に同意する事となり、貴方が認識災害に対する予防措置を受けている事を確認します。

必要なセキュリティレベルの保有無しにこれ以上のアクセスを試みた場合、直ちにこのコンソールは操作不能となり、貴方の現在位置が財団に発信されます。そして機動部隊のスクランブル要請が発動し、一切の例外無く貴方の即時終了をもたらす事となります。

 

 

 

 

 

[ファイルアクセス]

 

 

ユーザー認証コードを入力して下さい。

 

認証コード:

Unfair | Godswillnotsavepeopleifwewillsavethepeople

 

 

ユーザー情報認証中…

 

 

 

 

セキュリティレベル確認中…

 

 

 

 

ユーザー情報認証完了、セキュリティレベル適正。 これより保安用致死性認識災害を展開します。

 

 

 

 

保安用致死性認識災害展開中:5秒

 

 

 

 

保安用致死性認識災害展開中:3秒

 

 

 

 

保安用致死性認識災害展開中:1秒

 

 

 

 

意識の確認がされました。これよりSCP-████-JP:高度機密ファイルを開示します。

 

 

 

 

アイテム番号: SCP-████-JP

オブジェクトクラス: Keter/Thaumiel

特別収容プロトコル:SCP-████-JPは要注意団体「Lobotomy Corporation」が建設したサイト-█の一社員として雇用されています。

 

サイト-█の周辺██km圏内に機動部隊アルファ-2 ("監視者")を極秘待機させ、サイト-█及びサイト-█周辺、SCP-████-JPの自宅、及びSCP-████-JPを常に監視。SCP-████-JP及びLobotomy Corporation職員に存在を気取られない様に注意し、不必要に他のSCPを刺激、接触させる事を可能な限り阻止して下さい。但し実験同行の際は、露見を防ぐ為に収容違反の発生時を除いて監視のみに留めて下さい。何らかの異常が発見された場合は独自の判断で除去し、6時間毎に機動部隊[編集済]へ定期報告して下さい。

機動部隊アルファ-2の定期報告が途絶えた際には、直ちに機動部隊[編集済]が急行。現地の状態確認を行います。定期報告の怠慢には重大な処罰を下します。

SCP-████-JPに対する危害は禁止されています。違反した職員には然るべき形での即時終了を含めた重大な処罰を下します。

 

サイト-█にてSCP-████-JP-2群による大規模な収容違反が発生した場合、直ちに[プロトコル・シィキュアル-アルファ]を発動。機動部隊アルファ-2の極秘待機を解除し、[プロトコル・シィキュアル-アルファ]発動によってスクランブル展開する機動部隊[編集済]、機動部隊イプシロン-11 ("九尾狐")、武装機動部隊ニュー-7 ("下される鉄槌")と合流。計4つの機動部隊によってSCP-████-JPを確保、及びSCP-████-JPの異常性を利用して収容違反の終息を試みます。

 

サイト-█外にて、何らかの外的要因でSCP-████-JPが危機的状況に陥った場合には[プロトコル・シィキュアル-ベータ]が発動。極秘待機が解除された機動部隊アルファ-2、即時スクランブル展開する機動部隊[編集済]は合流の有無に関わらず、直ちにあらゆる方法を用いてSCP-████-JPを安全に確保、かつ外的要因を確実に排除して下さい。機動部隊イプシロン-11、武装機動部隊ニュー-7はサイト-█周辺にてスクランブル展開し、サイト-█の大規模収容違反に備えて下さい。大規模収容違反が発生した場合は直ちに交戦、サイト-█より半径█km以内でSCP-███-JPが到着するまで食い止めて下さい。

 

[プロトコル・シィキュアル]完了後、目撃した全てのLobotomy Corporation職員及び第三者にBクラス記憶処理を施し、用意された████種類の中で適応するカバーストーリーを展開。[プロトコル・シィキュアル]を隠蔽して下さい。

 

[プロトコル・シィキュアル-アルファ]及び[プロトコル・シィキュアル-ベータ]の執行が不可能になった場合、XK-クラスシナリオ発生を即時宣言。あらゆる方法を用いてXK-クラスシナリオを阻止して下さい。

 

 

説明: SCP-████-JPは古来より受け継がれる日本の陰陽師の名家 [削除済] の[削除済]歳の次女でありますが、異常性を除けば一般人と変わりありません。

 

SCP-████-JPはSCP-████[罰鳥]の収容違反の際に発見されました。その際、SCP-████-JPはSCP-████[罰鳥]に直接接触しているにも関わらず無傷であった事、SCP-████[罰鳥]がSCP-████-JPから離れようとしなかった事などから、エージェント-███はSCP-████-JPに再収容の協力を持ちかけ、サイト-█に案内。その後、サイト-█管理AI アンジェラによってサイト-██の一社員として雇用すると同時に、サイト-█に収容されました。

 

SCP-████-JPの異常性は、他のSCPから無条件で好意を獲得する特異体質です。現時点でサイト-█に収容されている██体のSCPがSCP-████-JPの異常性に暴露されています。(以降はSCP-████-JP-2群と表記)

SCP-████-JPに接近、接触してSCP-████-JPに好意を寄せたSCP-████-JP-2群は、例え人類に敵対的であってもSCP-████-JPの指示には応えます。但しあらゆる指示に無条件で必ず応えるという訳ではありません。加えてSCP-████-JP-2が、SCP-████-JPに接触する為に収容違反を発生させてしまう可能性もあります。移動不可能である場合、SCP-████-JPに何らかの手段で接触出来る手段を持っているならば収容違反を起こす可能性があります。

尚、SCP-████-JPはSCP-████-JP-2群によってミーム汚染等を受ける事は無く、収容違反の際に危害を加えられる事は基本的にありません。

いつからSCP-████-JPが異常性を発現していたのかは分かっていません。

 

 

補遺1:SCP-████-JPは現在、サイト-█管理AI アンジェラによる[削除済]によってサイト-█の職員達に非常に協力的です。しかし何らかの要因で[削除済]が解かれてしまった場合、SCP-████-JPがどの様な行動を取るのか未知数です。決して[削除済]が解かれてしまう様な行動を行わせない事、行わない事を厳守して下さい。

 

補遺2:SCP-████-JPの体質は不確定要素が多いものの、間接的にあらゆるSCPを制御下に置く事も逆説的に可能です。例として、Keter指定されているSCP-████[静かなオーケストラ]を制御し、SCP-████-JPとの接触前より収容が比較的容易くなりました。

この様に、SCP-████-JPは他のSCPを制御し、安全な収容を可能に出来る可能性を秘めています。これがThaumiel同時指定の要因となりました。

しかし事案1と同等以上の事態が発生する可能性もある為、SCP-████-JPはXK-クラスシナリオ発生の直接の原因となる可能性も秘めています。その為、現在はサイト-█以外に収容されているSCPとの接触認可は、O5評議会の指示により無期限延期されています。

 

補遺█:[削除済]

 

 

事案1:20██/██/██、サイト-█に収容されていた██体のSCPが一斉に収容違反を起こしました。本事案は、SCP-████-JPによって僅か7分で収束しました。この結果を持って、即日[プロトコル・シィキュアル]が制定。機動部隊が配備されました。

 

事案2:20██/██/██、SCP-████[大鳥]の収容違反が発生しました。本事案はサイト-█管理AI アンジェラの判断により、SCP-████-JPのみで鎮圧を開始。結果、人的被害は一切出す事無く再収容を成功させました。この際、SCP-████-JPはSCP-████-JP[大鳥]の異常性に暴露したにも関わらず、極短時間で無効化しました。これにより、SCP-████-JPは他のSCPの異常性に対する耐性が存在する可能性が現れました。

 

事案3:20██/██/██、SCP-████[赤い靴]の収容違反が発生しました。本事案は多数のSCP-████[赤い靴]のミーム汚染を受けた女性職員が多数発生し、[プロトコル・シィキュアル-アルファ]が発動。機動部隊アルファ-2の要請により第二種戦闘配置が発令され、サイト-██に潜入していた機動部隊アルファ-2隊員がSCP-████-JPの確保行動を開始しました。結果はLobotomy Corporationエージェント███の独断行動と機動部隊アルファ-2によって本事案の収束に成功し、[プロトコル・シィキュアル-アルファ]は解除されました。

内部調査の結果、サイト-██管理者[削除済]が独断で意図的に収容違反を誘発させた事が判明しました。

[削除済]

 

事案4:20██/██/██、SCP-████[無名の胎児]の収容違反が発生しました。本事案は職員に被害が及ぶ前にSCP-████-JPが収容室に到着。SCP-████[無名の胎児]は行動を停止し、再収容を成功させました。

 

事案5:██/██/██、SCP-████[妖精の祭典]の収容違反が発生しました。本事案は、SCP-████-JPがSCP-████[妖精の祭典]に対して行った給仕作業後に発生。数分後、複数の機動部隊アルファ-2部隊員はSCP-████-JPの周囲を飛び回るSCP-████-2、SCP-████-3、SCP-████-4を発見しました。部隊全体にSCP-████[妖精の祭典]の収容違反が報告されましたが、SCP-████[妖精の祭典]の危険性の低さ及び機動部隊アルファ-2の秘匿性の優先により、SCP-████[妖精の祭典]に対する再収容行動は保留されました。その後、SCP-████-JPは三体のSCP-████[妖精の祭典]を引き連れ、SCP-████[静かなオーケストラ]の清掃作業を完了。その直後、Lobotomy Corporationエージェント・ケーシーがSCP-████-JPと接触。SCP-████-JPとエージェント・ケーシーによる口論の最中にSCP-████[妖精の祭典]が異常行動を開始。エージェント・ケーシーはSCP-████[妖精の祭典]に捕食されました。直後にSCP-████-JPは意識を失い、同時に待機していた機動部隊アルファ-2によってSCP-████[妖精の祭典]は再収容されました。本事案により、SCP-████-JPの精神負荷が懸念されています。

 

事案6:██/██/██、SCP-████[憎しみの女王]の収容違反が発生しました。本事案はLobotomy Corporationエージェント・アンドレが収容違反を誘発。更に再収容の指示を受け、SCP-████[憎しみの女王]に対して再収容の説得を行っていたSCP-████-JP、及びSCP-████-JPの説得を受けていたSCP-████[憎しみの女王]に対し、Lobotomy Corporationエージェント・レナードが個人用火器を発砲、SCP-████-JPは腰部を負傷して意識を失い、SCP-████[憎しみの女王]は頭部損傷により大蛇形態を解除しました。その直後、鎮圧完了と判断しSCP-████-JPの手当てを行ったLobotomy Corporationエージェント・███、レナードに対してSCP-████[憎しみの女王]は通常形態で奇襲。エージェント・レナードを殺害しました。この際、SCP-████[憎しみの女王]はエージェント・███、SCP-████-JPに対する敵対行動は無く、エージェント・レナードの殺害後、自ら再収容しました。

本事案により、サイト-█はLobotomy Corporationエージェント・レナード、レオン、アンドレ三名の死亡、負傷者██名、施設の軽度な損傷の被害を負いました。

 

事案█:[削除済]

 

 

 

 

[5/████レベルクリアランス保有者のみ閲覧可能]

 

 

 

 

[アクセス準備]

 

 

 

 

警告

貴方はセキュリティレベル5/████の特別機密ファイルにアクセスしようとしています。

情報保全の為、ユーザー情報を認証後、貴方は15秒間致死性の認識災害に暴露される事に同意する事となり、貴方が認識災害に対する予防措置を受けている事を確認します。更にO5評議会よりセキュリティレベル5/████保有者の各個人毎に特別支給される反ミーム式特殊暗号コードを認証し、保有者本人である最終確認を行います。

必要なセキュリティレベルの保有無しにこれ以上のアクセスを試みた場合、もしくは暗号コード認証にて三度の不適合が発生した場合、直ちにこのコンソールは操作不能となり、貴方の現在位置が財団に発信されます。そして機動部隊のスクランブル要請が発動し、一切の例外無く貴方の即時終了をもたらす事となります。

 

 

 

 

 

[ファイルアクセス]

 

 

 

 

ユーザー認証コードを入力して下さい。

 

認証コード:

Unfair | Godswillnotsavepeopleifwewillsavethepeople

 

 

ユーザー情報認証中…

 

 

 

 

セキュリティレベル確認中…

 

 

 

 

ユーザー情報認証完了、これより保安用致死性認識災害を展開します。

 

 

 

 

保安用致死性認識災害展開中:15秒

 

 

 

 

保安用致死性認識災害展開中:8秒

 

 

 

 

保安用致死性認識災害展開中:1秒

 

 

 

 

意識の確認がされました。セキュリティレベル適正。暗号コードを入力して下さい。

 

暗号コード:

████████████████████████████████

 

 

暗号コード認証中…

 

 

 

 

暗号コード認証完了。全セキュリティ確認終了、これよりSCP-████-JP:特別機密ファイルを開示します。

 

 

 

 

アイテム番号: SCP-████-JP

オブジェクトクラス: Ragnarok

特別収容プロトコル: SCP-████-JPは収容不可能です。

 

サイト-█の周辺██km圏内に機動部隊アルファ-2 ("監視者")を極秘待機させ、サイト-█及びサイト-█周辺、SCP-████-JPの自宅、及びSCP-████-JPを常に監視。SCP-████-JP及びLobotomy Corporation職員に存在を気取られない様に注意し、不必要に他のSCPを刺激、接触させる事を可能な限り阻止して下さい。但し実験同行の際は、露見を防ぐ為に収容違反の発生時を除いて監視のみに留めて下さい。何らかの異常が発見された場合は独自の判断で除去し、6時間毎に機動部隊アルファ-1 ("レッド・ライト・ハンド")へ定期報告して下さい。

機動部隊アルファ-2の定期報告が途絶えた際には、直ちに機動部隊アルファ-1が急行。現地の状態確認を行います。定期報告の怠慢には重大な処罰を下します。

SCP-████-JPに対する危害は禁止されています。違反した職員には然るべき形での即時終了を含めた重大な処罰を下します。

 

サイト-█にてSCP-████-JP-2群による大規模な収容違反が発生した場合、直ちに[プロトコル・シィキュアル-アルファ]を発動。機動部隊アルファ-2の極秘待機を解除し、[プロトコル・シィキュアル-アルファ]発動によってスクランブル展開する機動部隊アルファ-1、機動部隊イプシロン-11 ("九尾狐")、武装機動部隊ニュー-7 ("下される鉄槌")と合流。計4つの機動部隊によってSCP-████-JPを確保、及びSCP-████-JPの異常性を利用して収容違反の終息を試みます。

 

サイト-█外にて、何らかの外的要因でSCP-████-JPが危機的状況に陥った場合には[プロトコル・シィキュアル-ベータ]が発動。極秘待機が解除された機動部隊アルファ-2、即時スクランブル展開する機動部隊アルファ-1は合流の有無に関わらず、直ちにあらゆる方法を用いてSCP-████-JPを安全に確保、かつ外的要因を確実に排除して下さい。機動部隊イプシロン-11、武装機動部隊ニュー-7はサイト-█周辺にてスクランブル展開し、サイト-██の大規模収容違反に備えて下さい。大規模収容違反が発生した場合は直ちに交戦、サイト-█より半径█km以内でSCP-███-JPが到着するまで食い止めて下さい。

 

[プロトコル・シィキュアル]完了後、目撃した全ての第三者にBクラス記憶処理を施し、用意された████種類の中で適応するカバーストーリーを展開。[プロトコル・シィキュアル]を隠蔽して下さい。

 

[プロトコル・シィキュアル-アルファ]及び[プロトコル・シィキュアル-ベータ]の執行が不可能になった場合、XK-クラスシナリオ発生を即時宣言。あらゆる方法を用いてXK-クラスシナリオを阻止して下さい。

 

機動部隊アルファ-2 ("監視者")はSCP-████-JPに施されている[削除済]が解かれないように全力を尽くして下さい。[削除済]が解かれる兆候が確認された際には、SCP-████-JPにB~Cクラス記憶処理を施して下さい。

 

 

補遺1:5/████レベルクリアランスはO5評議会、機動部隊アルファ-1、機動部隊アルファ-2、機動部隊イプシロン-11、武装機動部隊ニュー-7、Crest博士、Nolan博士、█████博士のみ保有を許可されています。新たな5/████レベルクリアランス保有者の新規登録審議については、機密ファイル:S176335を参照して下さい。

 

 

補遺2:SCP-████-JPの異常性に暴露したSCPのオブジェクトの報告書は、本ファイル閲覧クリアランス保有者にのみ、Keterクラスへ変更。オブジェクトクラスの横に以下の警告文が表記されます。

[本オブジェクトはSCP-████-JPの異常性に暴露しています]

 

補遺3:SCP-████-JPの異常性調査の為、機動部隊アルファ-2によるSCP-████-JPのヒューム値測定が行われました。結果、[削除済]。

この結果により、更なるSCP-████-JPの異常性調査を行う際には、O5評議会の過半数の賛成が必要となりました。

 

 

 

O5-1による提言:

まず、SCP-████-JPの異常性に付いて提言する。SCP-████-JPの異常性は、決して「特異体質」などではない。SCP-████-JPの正体は、特定条件のみ無差別かつ無意識に異常性が発動する「現実改変者」だ。その特定条件が「SCP」と「人類」。これを前提にした上で説明しよう。

 

SCP-████-JPは収容出来ている様に見えているが、実際は全く違う。SCP-████-JPを真に収容するのは、もう不可能なのだ。

今考えれば、SCP-████-JPの発見時で既にSCP-████-JPは既に収容不可能だった。エージェント███の機転も、サイト-██管理者[削除済]の判断と行動も、全てはSCP-████-JPとの収容違反を拡大させるだけの悪手にしかならなかった。

SCP-████-JPは、確かにThaumielと認定出来る程の現実改変能力を秘めている。しかしそれは、同時にSCP-████-JPに我々が制定した特別収容プロトコルが侵されてしまう事を意味する。特別収容プロトコルは無辜の人々を守る為に、我々が様々な対価を支払って漸く完成する、奴等に対する城壁だ。

 

それを唯の一人が持つ、たった一つの異常性に、ただ近付いただけでその全てを侵されてしまう。そしてSCP-████-JPは、自らの異常性によってSCP-████-JP-2群を簡単に、自在に操れる事も可能とする可能性は極めて高い。

 

こんな事は、決してあってはならない。

我々SCP財団の理念にとって、SCP-████-JPはこれ以上ない程に敵対的な存在だ。本来ならば、SCP-████-JPはSCP-682の様に即時終了されるべき存在だった。

しかしだ。既に明言したが、敢えてもう一度言おう。

 

 

SCP-████-JPを収容及び終了を行うのは、我々が発見した時点で既に手遅れであり、現在では不可能だ

 

 

発見されたその瞬間はまだ「手遅れ」であって、まだ「不可能」では無かった。しかしエージェント-███とサイト-█管理AI アンジェラの行動によって、SCP-████-JPの終了は不可能となった。エージェント-███と[削除済]の判断と行動は、決して間違っていない。だが、SCP-████-JPに限ってその行動は間違いだった。

SCP-████-JPの異常性は、SCP-████-JP-2群を束ね、そして従わせる事も出来る。現時点では、[削除済]によってその行動を抑制出来ている。

しかし、万が一[削除済]が解かれるならば。万が一、SCP-████-JPが我々に敵意を向ける事になるならば。万が一、敵意を持ったSCP-████-JPが、SCP-████-JP-2群にその一声を掛けてしまったならば

 

SCP-███-JPはその瞬間、異常存在(SCP)に愛される「紅一点」からSCP(異常存在)を統べる「司令塔」となり、SCP-████-JP2群は「司令塔」に付き従う「軍隊」となるだろう。そうなれば我々に抗う術は少ない。何故なら、我々は同時に██体ものSCPを収容出来る程の能力は無い。我々が此れまで数多くのSCPを収容出来ていたのは、全て収容時には「個別」に対応出来ていたからだ。そのセオリーが一切通じなくなれば、我々の敗北はほぼ必然となるだろう。

最低でも考えられるK-クラスシナリオはGH-クラス、SK-クラス、XK-クラス。最悪ならば、あらゆるK-クラスシナリオの発生さえ有り得る。どのK-クラスに傾くかは、全てはSCP-████-JP次第だ。

「軍隊」は最低限でもサイト-██に収容されている██体のSCP-████-JP-2群によって構成される。これだけでもK-クラスシナリオ発生の危機だが、忘れてはならない。SCPの数だけ、SCP-████-JP-2群の上限数となる事を他のサイトにSCP-████-JPが到達すれば、その瞬間サイトに収容されていた全SCPがSCP-████-JP-2群となり、更に「軍隊」は強大となる。そうなれば、我々は、我々の手によってGH-クラスシナリオを引き起こす事さえも覚悟しなければならないそれ程の事をしなければ、いずれSCP-████-JPは総てのSCP-████-JP-2群を従え、人類は、地球は、いや、宇宙万物さえも再起不能となってしまうだろう。

 

しかもSCP-████-JPは我々人類にも現実改変能力を展開している可能性が存在するその仮説に至った理由は、表向きは共同でSCP-████-JPの抑え込みを行なっているサイト-█のLobotomy Corporation職員達だ。彼等も要注意団体とはいえ、その目的も、その理由も、彼等自身も十分に理解している。だからこそSCP-████-JPの異常性を知っておきながら、それを独断で利用するなど考えられない事だ。その考えられない事が起きている以上、SCP-████-JPはサイト-█職員にも何らかの現実改変を行なっていると考えられる。つまりこの仮説が正しければ。サイト-█に存在するのは、機動部隊アルファ-2を除けばSCP-████-JPとSCP-████-JP-2群のみとなってしまっている

故に我々はLobotomy Corporationに対し警告を放ち、サイト-█に対する事案協力を取り付けた。不用意に其れ等を知った場合、何かしらのイレギュラーが発生する可能性を潰す為だ。機動部隊アルファ-2が担当監視員にも気取られないよう、SCP-████-JPだけでなくサイト-█周辺までも監視しているのも、万が一SCP-████-JPの異常性に暴露したLobotomy Corporation職員が操られた際、迅速に対応する為。

 

此れ等は、最悪の事態をシュミレートした「一つの可能性」でしかない。しかしそれを実現してしまう可能性を秘めた、数あるSCPの中でも最もSCP財団に敵対的であるSCP。それがSCP-████-JPだ。

我々O5評議会は、SCP-████-JPのオブジェクトクラスについて協議した。その結果、常にKeterクラスの危険性を秘め、そしてApollyonクラスへと変貌する可能性を考慮した結果、我々は特別なオブジェクトクラス「Ragnarok」へと格付けする事を決定した。

原典の神々の黄昏(Ragnarok)と大きく異なるのは、神々が神々と争い、滅ぶのではない。明確な殺意を持ったSCPが全人類を蹂躙し、世界を破滅させるという事だ。そして、それは決して無秩序ではなく、ただ一人の「現実改変能力」によって統率されている。

 

故にどんなに困難であろうとも、どんなに我々が代償を払ったとしても、SCP-████-JPの抑え込みは何としてもやり遂げる必要がある。何故ならば我々が確保(Secure)収容(Contain)保護(Protect)を理念とし、あらゆる異常存在(SCP)から無辜の人々を護る為に存在する、SCP財団であるからだ。

諸君の奮闘を、我々は決して無駄にはしない。

 

 

確保、収容、保護。
 

 

 




解説Q&A



Q.結局百合ちゃんはどんな扱いなの? 
A.セキュリティクリアランスによって違う。
レベル2以下は一応知れるけど、それだけ。オブジェクトクラス、特別収容プロトコル、説明。その殆どが機密によって閲覧が出来ない。
レベル3から漸くまともな概要を知る事が出来る。(勿論情報秘匿付きだが)此処ではKeterクラス。
レベル4はKeterクラスだけど、財団の最終兵器であるThaumielでもある。しかしここでも真の情報は開示されていない。
全ての情報を閲覧出来る5/████レベルだと余りにも危険過ぎる為、SCP-████-JP 紅一点の為に特別に作られた「Ragnarok」と呼ばれるクラスに位置付けられている。

Q.それじゃLobotomy Corporationはどういった扱い?
A.一言で言うと、財団とマナによる慈善財団を足して割ったような感じ。比較的異常存在をマトモに扱えてるだけ、大☆迷☆惑なマナによる慈善財団とは大違いだけど。(具体的に言うと、最低でも総計五桁の人的被害を「善意」で発生させている)
財団は監視も兼ねてLobotomy Corporationと接触しており、何だかんだで面倒を見てたりする。(異常存在を大いに利用しているとはいえ、理念自体は財団に近い為)
だけど現在は、地球破壊爆弾を拾っちゃったので財団の頭を盛大に悩ませている。

Q.百合ちゃんの能力ってどんな感じなの?
A.本作では「特異体質」ではなく、「現実改変」という能力を持っているという解釈で成り立っている。
現実改変とは、言わば「あんまり時と場所を選ばない制限付きのもしもボックス」であり、場合によってはK-クラスシナリオが発生する直接的原因にもなり得る物。(実際にそんなレベルの現実改変能力を持ったSCPもいる)
百合ちゃんの場合、「SCPから無条件に好意を獲得出来るように改変する」、「人類に関する何か(不明)」という現実改変能力を持っており、それが「無差別」かつ「無意識(常時)」発動している。一言で言うとめっちゃ危ない状態。
本家でも現実改変者に限っては財団も抹殺している。つまり百合ちゃんも、そのままでは抹殺対象の一人に数えられていた。

Q.なんでセキュリティが此処まで頑丈なの?
A.それ程の必要性があるから。財団からしたら、百合ちゃんに対する警戒度は全SCPの中でもトップクラスになってる。故に2つの偽造報告書が存在しているし、4個の機動部隊が配備されている。

Q.何で4個の機動部隊が常時監視or極秘待機してるの?
百合ちゃん絡みの収容違反が発生した場合、サイト-█に収容されてる全SCPがサイト外に出かねないから。というか初日から起こりかけてた。
とはいえ機動部隊4個でも到底抑えきれない為、百合ちゃんの確保とそれまでの時間稼ぎを目的としている。

Q.K-クラスシナリオって何?
A.世界終焉。(本家では非公式だけど、時々見かける事もある)
といっても様々な形がある為、◯K-クラスと細分化されている。百合ちゃんの場合、最低でも3つの形のK-クラスシナリオ、最高であらゆるK-クラスシナリオが発生するかもしれないという、今迄のSCPでは考えられない事が起こる可能性がある。

Q.何でそこまで百合ちゃんは恐れられてるの?
A.最大の要因は、SCPを束ねられる能力を保有しているから。
本人の意思はともかく、能力自体はとても危ない。そもそもSCPは「団結」するなどというケースはほぼ皆無であり、それぞれがバラバラの目的や存在意義で成り立っている。故にSCPがSCPと殺し合うなんてのもある為、協力し合うなんて事は考えられない。故に財団は今迄収容を可能としていた。
だけど百合ちゃんの場合はそんな常識を破り捨て、「紅一点」という明確な目的でSCPが「団結」してしまう可能性がある。その状態で百合ちゃんが「一声」を掛けたら何十体、何百体ものSCPが「司令塔」の元に集い、K-クラスシナリオは確定。
だからこそ、財団は此処まで恐れている。其処に百合ちゃんの意思や考えは存在しない。

財団は「残酷」ではなくても、「冷酷」であるのだから。 








この作品は以下を参考に制作された完全二次創作です。本家SCPとは一切の関係がありません。


【参照SCP記事】

SCP財団日本支部
http://ja.scp-wiki.net/

Author: Dr Gears
Title: SCP-682 - 不死身の爬虫類 
Author: Dr Gear
Source: http://www.scp-wiki.net/scp-682

K-クラスシナリオ
http://ja.scp-wiki.net/k-class-scenarios

機動部隊(アルファ-1、イプシロン-11、ニュー-7。アルファ-2は本作オリジナルです)
http://ja.scp-wiki.net/task-forces



CC BY-SA 3.0
(この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンス3.0ライセンスの下で公開致します。)





▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。