どうも、小木 琉山です。
今回は、現実世界での話になります。
相変わらずの駄文だと思いますが、お付き合いの程よろしくお願いします。
では、本編をどうぞ
それは、いつも通りのどかで平和な日常の中、とある少女が発っした一言によって引き起こされた。
『シンヤに好きな人がいるって本当なの?』
この一言で、俺こと桐本 真也は人生史上最大の窮地に立たされることとなった。
〜〜〜〜
その日、アスナさんから、ユウキと一緒に皆んなでダイシーカフェに遊びに行こうと誘いを受けた俺は、一足先にダイシーカフェへと足を運んでいた。
「よっす、エギル。来てやったぞー」
「なんで、そんなに上から目線なのか問いただしたい所だが、まぁ、取り敢えず、いらっしゃい。」
迷惑な客を見る様な目で見つつ挨拶を返してくる、エギル。
不機嫌そうな顔をしつつもきちんと返してくれるあたり、大人の貫禄を感じさせる。・・・クライン?あいつに貫禄なんて似合わないだろ。
俺は店に入るとツカツカとカウンター席まで歩いて行き、座る。
「マスター、ウイスキーをロックで頼む。」
「・・・お前とキリトは同じ様なことをしないと気が済まないのか。」
とか言いつつ、慣れた手つきで黄金色の液体の入ったグラスを手渡してくる。
まさか本当に出てくるとは思わなかった俺は、恐る恐る口をつける。
「・・・て、これただの気の抜けたジンジャーエールじゃねーか!!」
「当たり前だろ。成人するまで我慢しな。」
苦笑しながら言ってくるエギル。どうにかして、エギルにギャフンと言わせられないものかと考えていると、入口のドアが開いた。
「エギルー、邪魔するぞー。」
「お邪魔します、エギルさん。」
入って来たのは、いつも通り甘々な和人とアスナさんの二人組だった。
「おう、いらっしゃい。」
エギルが2人に返事をしている時、俺はある事に気がついた。
「あれ?アスナさん、ユウキはどうしたんだ?」
そう、アスナさんの肩に、今や定番になりつつあったプローブが無いのだ。プローブが無い=ユウキに会えない、という事になる。なのに、プローブが無いということはユウキに何かあったのだろうか。
「あぁ、それなら今からつける所だよ。流石にバイクのスピードには対応できないみたいだから。」
「ほう、つまり今日も今日とて2人でラブラブ二人乗りですか。」
アスナさんが答えてくれて安心した反面、少しいたずら心が出て、からかう様に言った。
さぁ、どんな反応をするだろうかと、楽しみにしていると思わぬ反撃が来た。
「「ユウキに、お前の気持ち伝えるぞ(よ)」」
「すんません、調子乗りました。マジですんませんでした。」
座った目で言う2人に瞬時に土下座を披露する。
なんのアピールもしてない今伝えられたら、確実に振られることは目に見えている。
そして、俺は気まずいまま、ユウキと一緒に入れなくなる。・・・想像しただけで絶望に溺れそうになった。
俺が土下座を解くと既に2人は作業に入っていた。そうですか、俺の土下座は無視ですか。
程なくして、プローブの電源がつきユウキの元気な声が聞こえて来た。
『こんにちはー!・・・うわぁ、このお洒落ななお店がダイシーカフェなの!?すごーい!』
あ、エギルがお洒落って言われて喜んでるのか、ニヤけてる。
「こんにちは、ユウキ。」
『やっほー、アスナ!シンヤにキリトにエギルも!』
「おう、和人の家ぶり、ユウキ!」
やはりユウキと会話ができるとテンションが上がる。これ程までに心動かされることが他にあるだろうか、いや、ない。
『あ、そうだった。ねぇシンヤ、少し聞いてみたい事があるんだけど良い?』
聞いてみたい事?なんだろうか。・・・まぁ、ユウキの頼みだ例外を除いて俺の答えれる限り、全ての事に答えよう。
「おう、どんとこい!」
さぁ、何を聞きたいんだ、ユウキよ。
『シンヤに好きな人がいるって本当なの?』
ユウキがそう言った瞬間、ピシッとダイシーカフェの空気が凍った。
流石ユウキだ。例外をピンポイントで突いてきた。・・・じゃなくて、まさか!
バッ!と、和人とアスナさんとエギルの方を向くが、三人ともブンブンと顔を横に振っている。
それじゃあ、一体誰がユウキに吹き込んだんだ。
「・・・なぁ、ユウキ。誰からその事を聞いたんだ?」
『へ?昨日ALOで、クラインさんがぽろっと言ってたよ。』
よし、決めた。あいつは、あいつだけは必ず地獄に突き落としてやる。
『それでそれで?シンヤの好きな人って誰なの?ボク、こうやって恋バナを誰かとするの夢だったんだ!』
さりげなく、夢を暴露してきた。どうしよう、下手な事答えられないんですけど!
三人に助けを求めるも、視線で諦めろと語っていて役に立たない。
やばい、やばい。どうしよう!
「え、えっとな、ユウキ。そ、その。も、黙秘しても良いか?」
切羽詰まりすぎて余計なこと口走った!?これだと、好きな人はいるって肯定してんじゃねーか!!
『あ、やっぱりいるんだ!ねぇ、誰なの!?』
うん、ユウキのウキウキした心情がありありと伝わってくる。こういう時自分の恋愛経験とかの無さが嫌になる!
いや、ユウキ以外の人との経験は要らないけどさ!
というか、好きな人にこういう事聞かれるのって一番危ないというか、危険だ!
ここで、架空の人物を言ったところで、後々悪影響しか生まないだろうし。・・・くそっ、ならば最終手段だ。
「えっとな、その、名前は、恥ずかしくて言えないんだが。えーっと、年齢は・・・ユウキと同じくらいで。て、てて、天真爛漫な笑顔が素敵な女の子・・・です。」
断片的な情報で有耶無耶する!
だけど、これ、ユウキの事知ってる人が聞いたら、すぐバレそうな内容だな。
『ふむふむ、成る程。うん、今日はこれくらいで勘弁してやろう!』
「は、ははぁー!ありがたき幸せ!」
よし!誤魔化せた!
ところで、そこの三人組。声を殺して笑ってんじゃねーよ。
そして、その後、ALOにて、とあるインプのプレイヤーの手によってサラマンダーのプレイヤーがリンチされ続けるという事件が、起こったという。
こうして、俺の人生史上最大の窮地は去って行った。
ん?今日は、てことはまた聞かれるってこと?
この様な駄文にお付き合い下さりありがとうございました。
次回は、4.5話ぶりにALOでの話にする予定です。
この度は誠にありがとうございました。