絶剣を愛する転生者の物語   作:小木 琉山

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どうも、小木 琉山です。

今回は前回の予告通り、現実世界での話となります。

駄文とは思いますがお付き合いのほどよろしくお願いします。

では、本編をどうぞ




桐ケ谷家に行こう (前半)

ユウキとアスナさんの企画したバーベキュー大会が無事終わり。(途中から普通に攻略へと進んでいったが。)またもや、やってきたユウキとの学校生活2日目。まぁ、基本的に俺の一つ上の学年のアスナさんと一緒にいるので会えないけど、俺は構わない、嬉しいものは嬉しいのだ。

 

さて、そんな俺が今どこにいるのかというと。

 

「おい、桐本!お前ちゃんと聴いてるのか!!」

 

生徒指導室で理不尽にも、金剛に拘束されているのだ。

 

「聴いてますって。それで、俺が何をしたと言うんですか。俺にはこの後、大事な使命があるんですけど。」

 

そんな俺の言葉を聞いた金剛の額に青筋が浮かんだのは見間違いではないだろう。

 

「ほう、じゃあこの・・・盗聴器とテープレコーダー、そして小型の録音機でなんの使命を果たそうと言うんだ?」

 

バラバラと前のテーブルに落とされる俺の相棒達。それらは、まだ使われるどころか殆ど触られてなかった事をありありと示す様に新品同然に輝いていた。

 

そんな事を気にも止めず、当たり前の事を聞いてくる金剛にため息を一つついて宣言する。

 

「ユウキの天使のような声で紡がれる音読を録音して、更に生音声で聞くことに決まっているではないですか!!」

 

「よし、お前の目的は分かった。昼休みまでここで正座な。」

 

なんでだ、畜生!!

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

「なんて事があったんだよ。酷いよなー、金剛。」

 

「いや、それに関しては金剛マジでグッジョブ。」

 

ようやく解放された俺は、昼休みに教室で弁当を食べていた和人と合流して、愚痴っていた。だが、俺に味方はいなかったようだ。

 

「お前も敵か。」

 

「寧ろ、なんで味方だと思ったんだ。」

 

そんな軽口を言い合っていると、廊下側の閉まっていた窓がいきなり開いて、何かが乗り込んできた。

 

『こんにちはー!』

 

「こんにちは、キリト君、シンヤ君。キリト君に話があるんだけど少し良い?」

 

誰かと思えばアスナさんと天使か・・・じゃなくて、いや、あってるか。プローブのユウキとアスナさんが身を乗り出してきた。

 

「こんにちは、ユウキにアスナさん。どうしたんだ、話って?」

 

「なんでお前が聞いてんだよ。・・・別に良いけどさ。で、どうしたんだ?」

 

和人にジトっと睨まれるが華麗にスルー。既に俺は聞く体制に入っていた。

 

「できればで良いんだけど、今度キリト君の家にユウキと一緒にお邪魔しても良いかな?ユウキも、また片手剣について話してみたいっていってるし。」

 

『うん!これまで中々片手剣について語れる人が居なかったから、すっごい楽しいよ!」

 

なぬ?これは聞き逃せない事を聞いてしまった。

これはあれか?何ですか、既に恋人もいて、妹でさえ落としているにも関わらずユウキまで落とそうってのかこの男。俺の天使を奪おうなんてどういう了見だ。まぁ、せめて、最大限、宇宙的規模、いや、それ以上の譲歩をして、いや、本心を押し殺して、かなり身を削って我慢して、俺の全生命を賭けて目を背けて、ユウキが何処ぞの誰かと付き合う事になったとしよう。

それが、一途にユウキを想い、幸せにするなら良いが。・・・いや、全然皆目何がどうひっくり返っても良くは無いけど。

 

既に恋人がいて、無自覚ハーレム築いてる野郎に奪われるなんて、許せるはずがない。

 

「なぁ、中々面白そうな話をしてるじゃないか。俺も混ざって良いか?」

 

内心で思っている事をおくびにも出さず、さりげなく言う。

 

いや、俺も一応片手剣を使うし。話には混ざれると思う。・・・多分。

 

何がなんでもユウキが和人に落とされるのだけは阻止しなければ!!

 

「あ、あぁ、勿論だ。確かに、ソードスキル使わないシンヤの意見って貴重だしな。」

 

『え、そうなの?・・・あ!そういえば確かにボクとの決闘の時も使ってなかった!』

 

言われてみて気づいたのか、納得したように言うユウキ。

 

和人が何故言葉に詰まったのかは少し気になるが。これで、なんとか話に入れるようになった。

 

「・・・ぷっ・・・ふふっ・・・」

 

そして、静かだなと思っていたら、ユウキに悟られないように声を押し殺して笑っているアスナさん。

 

そこでふと気がついた。

 

「なぁ、アスナさん、もしかして、こうなること分かってて、話した?」

 

「ん?・・ふふっ・・・何の、ことかな?・・ふっ」

 

あ、絶対に楽しんでるよ。この人、確信犯だ。

 

・・・アスナさんって・・・こんなキャラだったっけ?

 

『それじゃあ、シンヤも一緒に今度の土曜日にキリトの家で話そうよ!』

 

アスナさんと話しているあいだに和人と既に話をつけたらしい。

 

「おう、ありがとな!」

 

そして、丁度昼休み終了の予鈴がなり今日はこの辺りで解散となった。

 

そして、席に戻ろうとしている俺に和人が言ってきた。

 

 

「・・・ナイスリアクション」

 

こいつもアスナさんとグルか。・・・後で張り倒す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~

 

そして、待ちわびた土曜日。俺は既に桐ケ谷家に到着していた。時間的にはまだ余裕があるが、まぁいいだろう。

 

そう思い、インターホンを押す。

 

ピンポーン

 

と、音がなり家からバタバタと誰かが向かってくる。

 

「はーい、・・・あ、シンヤ君、いらっしゃい!」

 

ガチャっと扉が開くと、そこに居たのは和人ではなく。その妹、直葉さんだった。

 

「あれ?今日部活休みなんだ?」

 

「はい、せっかくの休みだし、家でゴロゴロしてました。・・・あ、お兄ちゃんだったら、上でネットサーフィンしてるよ。」

 

「そうか、じゃあ、お邪魔させてもらうよ。あ、これ羊羹ね。ぜひ和人以外の家族で食べてくれ」

 

道中買ってきた、前回の意趣返しも兼ねて和人の分を抜いた羊羹の入った袋を渡す。・・・和菓子っていいよね。和人には勿体無いくらい。

 

「あ、ありがとうございます。それで、次はお兄ちゃんと何があったんですか。」

 

「ユウキのことで少し嵌められたからイラッとした。」

 

我ながら小さいな。まぁ、反省も後悔もしないが。

 

「あはは、シンヤ君ってユウキさんの事になると若干人が変わるよね。」

 

・・・若干とはどういう意味だろうか?

 

 

そんなこんなで、直葉さんと別れて、和人の部屋に向かう。

 

部屋を除いてみればヘッドフォンを付けて、自分の世界に入り込んでいる和人がいた。

 

 

・・・ここで、何もするなという方が無理な話だろう。

 

そろりそろりと、忍び足で近づく。

 

そして、ちょうど真後ろまで来ると、羊羹とともに買っていた。ガリガ○君を別の袋から取り出し、和人のシャツと背中の間に寸分違わず放り込んだ。

 

「天誅!!」

 

「ああぁ!!???背中が!!」

 

このあと、殴られたのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この様な駄文にお付き合い頂き誠にありがとうございました。

今回はあまりユウキが登場しなかったので、次回こそはもっと登場させたいです。

タイトルを見られた方はお分かりかもしれませんが、今回の話は前半、後半で分かれております。書いていたら以外と書き切れませんで、驚きました。

これからも、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。

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